
「株式市場は効率的だなあ」と思う事が多くなっている。
先週、米国市場で10年債が1.3%水準を割り込み、2年債の利回り0.19%と6月の0.27%から0.8%と急速に下がった。
これを見て万年強気だった日本の評論家も「景気減速を債券市場は織り込み始めた」と警戒感を言い出した。
しかし、そもそも金利低下で株式が売られるということそのものに違和感がある。
金利上昇下で株が買われることは多くあったが、金利低下で株が売られるのはあまりない。
翌日には長期金利の上昇を歓迎して株価が上昇した・・・これにも同じように違和感が残る。
結局、米株式は「ちょうど良い金利とちょうど景気の組み合わせ」というゴルディロックス状態に戻っているといえる。
しかし、現在、気になっていることもある。
一つは4ー6月期で業績モメンタムがピークアウトすることだ。
米企業決算の予想EPSは、1-3月期∔48.3%、4-6月期∔61.1%と絶好調だが、伸び率はピークに達する。
そして、7-9月期∔23.1%、10-12月期∔16.9%、22年1-3月期∔2.3%と急速に鈍化してくる予想だ。
業績モメンタムのピークアウトが米株式市場にどのような影響を与えてくるだろうか?
4-6月期の決算発表で予想を上回る良い数字が出ない限り、「出尽くし」の株価反応になってくるかもしれない。
この決算発表では「米企業の業績モメンタムが織り込み済み」なのかがチェックポイントだ。
だからといって、業績モメンタムのピークアウトですぐにグローバルな景気後退に陥るわけではないにしても株式市場の上昇減速の要因になる可能性がある。
この意味で4-6月期決算の株価反応は重要だ。
もう一つは「中国経済の変調」によりグローバル経済が減速する可能性だ。
100周年を大げさに祝った中国共産党は明らかに変質してきている。
経済成長よりも政治(習体制の安泰)を優先し、共産党に対する反乱分子や危険分子(将来の可能性も含めて)を徹底的に叩くという方向だ。
アリババの創業者ジャック馬(実は共産党員なのだが・・・)を拘束し、テンセントのポニー馬、さらに今回滴滴出行(DiDi)がやり玉に挙がった。
表面的には個人情報問題を理由にしているが、共産党の関心は共産党の監視外の米国上場、さらに創業者が得る米ドルでのキャピタルゲインだ。
そして、監視の効かない米市場への上場と創業者の米ドル大儲けを阻止することだ。
中国全土に8000万個の監視カメラを配置して国民の生活を監視し、インターネットで国民の言論を管理・統制し、デジタル人民元で国民の財布や財産の監視をもくろむ共産党が、Didiのタクシーアプリの個人情報をとやかく言うのは違和感だらけだ。
共産党を怯えさせる「富の蓄積」「情報力」「一般市民の人気」を持つパワフルな創業者を徹底的に叩き、共産党の支配下に置くことが狙いなのだろう。
「経済成長」よりも「将来の反逆分子の弾圧」となると経済活動は鈍る・・・膨大な債務を抱える中国経済は需要の変調に見舞われるかもしれない。
その不安感から香港ハンセン指数は暴落しているかもしれない。
NY市場はゴルディロックス状態にあり、日本は往来相場の中にある・・・株式市場の混乱は一時的なものにとどまるだろうが、効率市場の中で突然の変化が起こる可能性は残っている。

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