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ソフトバンクの決算発表は物凄かった・・・税前利益で3兆3000億円って???
一時はオフィスシェアのWeWorkがつまづいたり、ウーバーの経営が不安定化したり、新型コロナ騒動でAirB&Bの上場が危ぶまれたりとソフトバンクの投資先の不調が伝えられたが、結局、米国株高がすべてを好転させてしまった。
資産売却もほぼ順調に進み、スプリント株を売却し、通信子会社を上場させ、あれだけ賞賛していたアームも売却してしまった。
4.5兆円のプログラム(自社株買いと借金返済)もほぼ予定通りの進捗となった。

ソフトバンクのフロー決算については絶好調としか言えないほど素晴らしい。
もう一つの要点、ソフトバンクのストック、バランスシートを考察してみたい。

まずは自社株買いと資本について・・・

自社株買いについては、5月決議の5000億円、6月決議の5000億円は買入れ完了し、7月決議の1兆円も3000億円以上を買入れし進んできている。
実はその前に3月決議で5000億円の自社株買いを実施しているので、合計1兆8000億円の自社株買いを行った計算になる・・・なんと発行株式総数の15%になる。
発行株式の15%をガンガン買えば、当然株価は大きく上昇する。
さらに米国株価との連動性が高いビジネスモデルなので、米国株高もソフトバンク株高を支援してきた。

これだけの自社株買いをすると、資本勘定がその分減少し、負債/自己資本比率が大きく悪化すると当初は想定した。
確かにバランスシートの資本項目を見ると、自社株買い1兆6800億円がマイナス項目として計上されている。
と同時に利益剰余金が2兆9500億円増加しているので、自社株買いでの資本のマイナスを利益剰余金で補い、資本全体では7兆3000億円から8兆6000億円に増加した。
結局、資産売却のよる利益が自社株買いによる資本減少をカバーしたことになる。

一方、負債項目について・・・

有利子負債が3兆8000億円から5兆3000億円に増加し、負債の返済は進んでいない。
さらに売却目的の負債を除き、通常の負債全体は7兆7000億円から9兆7000億円へと2兆円増加している。
「自社株買いして負債を減らす」という目的は達成されていない。
これは孫さんがアグレッシブに新しい資産に投資していることを反映していると思われる。

というわけで、当初考えられた資本と負債の減少=総資産の減少という縮小経営はしていなかった。
むしろ新規の投資を行うという、孫さんのアグレッシブ性が維持されている。

今後のソフトバンクをどう見ていくか?
このペースで自社株買いを続けると4.5兆円プログラムは近いうちに完了する。
その後も自社株買いを続けるとしたら、一時話題になったMBO説が再び出てくるだろう。
ファンダメンタルから見ると、ソフトバンクの収益は全くの予測困難だ。
ほとんどの投資収益が米国株市場に依存している、さらに、デリバティブ資産と負債が非常に大きくなっているからだ。
特にデリバティブ・ポジションの収益は全く想像もできない。
米国株が下落してもデリバティブで利益を上げるかもしれないし、逆にデリバティブで大きな損失を出すかもしれない。

今までは強烈な自社株買いがあったので「株価は上昇する」と判断した投資家は多かっただろう。
しかし、自社株買いが一巡するソフトバンクは予想不可能な会社になってしまう。
投資に成功しデリバティブ・ポジションが収益化できれば、一段と株価は上昇するだろうし、逆に投資に失敗すれば下落する。
その分の収益ボラティリティの高さを織り込んだ株価バリュエーションに戻る可能性もある。


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