
菅さんが一都三県の「緊急事態宣言」を発出するらしい。
最近のテレビの議論では、午後8時以降の外出自粛を要請する、飲食店の午後8時の時短を要請する、国民の危機意識を高め共有する、国民一人一人に自覚を求める・・・などなど。
結局、日本の政治家は自分の責任=クビをかけて難局に当たるという覚悟がない・・・国民の危機意識を高め、国民の意識と努力でなんとかしたいというのが垣間見える。
マスコミは効果がよく分からない「緊急事態宣言」でも、横並び意識の強い企業経営者には精神的な効果があるとする意見を伝える。
この話を聞いていて、思い出すのは「無能な経営者は精神論を振りかざす」というアナリスト時代の経験則だ。
業績の上がらない社長は、その責任を従業員に押し付ける傾向があった。
従業員一人一人の頑張りが足りない・・・だから業績が悪かった・・・そして、歯を食いしばって頑張れって従業員を鼓舞する。
まるで旧日本軍が「精神が強靭ならアメリカに勝てる」と鼓舞するように「頑張れば何でもできる」と言う。
精神論を振りかざす経営者のいる会社の株式は買わない・・・これが経験則だった。
そもそも50代~60代の日本人はシステム思考が苦手だ。
システムとは体系的な思考で、部分部分を考えるのではなく、全体像から考えていくことだ。
たとえば、新型コロナ騒動で医療機関がたいへんだと言う。
大学病院などの大型医療機関での専用病床が足りない・・・そして都知事の小池さんが病床の増加を要請する。
でも、これは部分思考にすぎない。
日本全体では90万床の医療キャパシティがあると、元大坂市長の橋下氏が指摘していた。
新型コロナの専用病床が不足していても、日本全体で病床が不足しているわけではない。
この医療システム全体をトータルに最適に管理する・・・コロナ専用病棟へ医療関係者を移動させる、他の中堅病院でも専用病床を増やし患者を分散する・・・でもそれをマネージする人がいない。
英国は一日5万人の新規感染者がいる、ドイツでは一日1万人、フランスでも減ってきたとはいえ一日2万人・・・3000人程度の日本と比較すると、これらの国は数倍~10倍も多い。
それでも医療システムは機能している。
もし、日本で一日1万人以上の感染者が出たらどうだろうか?
マスコミ中心に「医療崩壊の大合唱」になるのは間違いない。
そして、政治家は自分の責任を回避するために、誰か別の人に責任をなすり付けるだけだ。
今の日本に必要なのは、医療従事者がガンバレという精神論ではなく、医療リソースの全体をシステム的に考えることだと思う。

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