
ボラティリティ(以下、ボラ)は市場心理を映す鏡だ。
「オプションの売り」は時間価値の減少が常にプラスに働くので価格が動かなくても儲けることができる反面、大きく動く=ボラの上昇があると負ける。
逆に「オプションの買い」は価格が動かないと確実に負ける・・・価格が大きく動くと思うからこそオプションを買う=ボラを買うに等しい。
このオプションを買う投資家の心理がボラの上昇に大きく映し出される。
4月以降株式市場は順調な戻り相場を形成してきたが、ボラティリティ・インデックス(VIX)を見ると明らかに高止まりしている。
シカゴのVIX(S&P500)は3/16に82.69の超高値を付けた後低下してきたが、ボトムは24.52(6/5)と過去にないぐらいの高止まりしている。
日本でも日経VIは3月のコロナ暴落で60.67(3/16)を付けた後、NY市場と同じように戻り相場で25.58(6/8)まで低下してきた・・・しかし、それでも25以上の高い水準にある。
ゴルディロックス(適温相場)と呼ばれるような安定した上昇基調では多くの投資家が「オプションの売り」に回るので、通常、VIXは10~20の低い範囲で推移し、20を超えると警戒するというレベルになる。
今回も株価指数だけ見ていると、この3か月間安定した上昇基調をたどったように見える、しかし、ボラは高止まりで、適温相場時のような水準には下がっていない。
これは常にオプションを買いたい投資家が市場にいるということを示している。
何かを警戒している・・・新型コロナの第二波、米中摩擦の激化、景気回復の遅れ、など考えられるが、市場の本心は分からない。
いずれにしても株式市場の再暴落に対する警戒感が残っている市場だといえる。
プット/コールレシオ(プットオプションの売買金額/コールオプションの売買金額)を見ると、現在1.57と通常のレベルにあるが、たまに2を越える・・・直近では6/11に2.15を付けた。
これは時折りプットを大きく買い越す投資家がいるということを示している。
今年の2月、新型コロナが中国で感染爆発し欧州に広がり始めた頃、このプット/コールレシオが2以上の日は、2/19が最初で、2/21~2/28、3/6~3/9、3/17~3/18・・・2以上の高水準の日が断続的に続いた・・・そして3月中旬に向けて奈落の底に落ちて行った。
今回の戻り相場では2以上の日はまだ一回しかないが、この現象が断続的に出てくるかがポイントになるだろう。
いずれにしてもVIXが40以上に上昇し、プット/コールレシオが断続的に2以上になると、市場の警戒感が強まるだろう。

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