
日本の株式評論家は自分の都合の良いように事実を曲げて話をすることがある。
以前指摘したが・・・裁定売残が増加すると、評論家は「将来の買い戻しで株価が急上昇する」という。
これって典型的な評論家の我田引水型の講釈だ。
裁定残は先物価格と現物価格の価格差によって作られる・・・市場価格が先で、その結果、裁定残が積み上がるだけの話だ・・・そして、裁定残はSQ日に理論価格のチャラで解消できる。
だから、「裁定業者が裁定売残を市場で買い戻すから相場が爆騰する」なんてありえないのだ。
今回、取り上げたMMFについても同じ・・・評論家の我田引水型の講釈があるので注意が必要だ。
米MMFに待機資金が集り、3月に6846億ドル、4月に3882億ドルと急激な資金流入が起こった。
新型コロナの拡大とともにリスク資産から安全資産であるMMFに資金を移したというわけだ。
これを持って日本の評論家は「MMFの待機資金がいずれ株式市場に流入し株価を上昇させる」という・・・しかし、米国の評論家は決して言わない。
それは何故か?
米国ETF市場をもう少し詳しく分析すれば・・・すぐに分かる。
3月に資金流入したのは・・・米国株+322億ドル、パッシブ海外株+119億ドル。
逆に流出したのが・・・アクティブ債券-2122億ドル、パッシブ債券ー516億ドル。
FEDのゼロ金利政策により債券が買われたと同時に、将来のリターンの源泉がなくなったことで投資家は債券の利食い売りに走った。
これが最大の資金フローを作った。
MMFの大量資金は債券から移動したものが大半で・・・債券性の資金だ。
株式ETFは押し目買いで流入超過だったので、株式性の資金が移動したのではない。
という意味では、MMFから株式に資金が戻るのではなく、投資家は債券市場を見ている・・・そして、景気回復期待が出て長期金利が上昇するのを待っているための待機資金と考えるのは普通だ。
債券性の資金がいきなりリスクの高い株式に入ってくるというのはやや暴論かもしれない。

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