ideco





長期投資は本当に王道なのかをもう一回ちゃんと考えてみようということで、いろいろな話をしてきた。
前回はバランス型運用について考えてみたが、今回は長期投資の王道のように言われるインデックス投資を取り上げてみたい。

昔、アクティブ運用は長期的にインデックスに勝てないという研究があった。
アクティブ運用には企業調査、銘柄選択、ウェート決定・・・と人手が多くかかるのでコストが高い。
それに加え、長期間になると平均的なアクティブファンドはインデックス(株価指数)に勝てないというファンドマネージャーの資質(能力)の問題もある。
だが、少数だが長期的にインデックスに勝っているファンドマネージャーはいる・・・そうしたファンドマネージャーの運用するファンドに投資すればいい。
ただし、そうした優秀なファンドマネージャーを見抜くのは簡単ではない。

それでは、インデックス投資は絶対的なのかというと問題点も多い。

問題の一つはインデックス投資に多くの種類があり選択が難しいことだ。
日本株がいいのか、米国株がいいのか、グローバルインデックスがいいのか、さらにセクターファンドがいいのか、スマートベータがいいのか・・・。

言えることは日本株は長期投資に向かない。
日経平均の高値を列挙すると、1996年22750円、2000年20833円、2007年18297円、2015年20952、2018年24448円とピークが数年に一度あったが、どのピークの高さがそれほど変わらない。
過去四半世紀にわたって「往ったり来たりの往来相場」だった・・・日本株のインデックスは高値で売らなければならない・・・バイ&ホールドの長期投資には向かない。

世界の株価をリードしてきた米国株は今後10年大丈夫だろうか?
FANGとかGAFAとか呼ばれたを銘柄を中心に株式価格が長期に上昇してきた・・・しかし、問題が二つある。
一つは株式時価総額が名目GDPの1.5倍と(新型コロナで1.3倍に低下)、実体経済に比べ株式が膨張しているので、経済成長とパラレルに株価が上昇するとは限らない。
もう一つは、自社株買いが米国株価の最大の買い手だったが、借金して自社株を買うという行為が困難になる・・・今回の危機を通じて米企業も内部留保を増やそうとするからだ。
ただし、米国の強さは次々とグローバル企業が出現してくることで、このリーディング企業の新陳代謝があるかぎり、米国株は長期的には妙味がまだ大きい。

グローバル指数(MSC-Acwiなど)は、新興国などの高成長地域を含むため、長期的にも経済成長ととに安定したリターンが期待できる。
しかし、新興国をリードしていきた中国経済が成熟化しつつある現在、グローバル経済の成長率は少しづつ低下してくると予想される。
現在の3%程度の経済成長率がさらに低下してくるとリターンの魅力は減少する。

インデックス投資といっても、日本株や欧州株よりも米国株の方がいいだろうし、それよりも新興国の成長が加味されるグローバル・インデックスの方がいいとは思う。
それにしても過去10年に比べたらリターンの低下が顕著になるだろう。

こうした状況下、スマートベータなどの新しいインデックスが次々と開発されている。
グローバル高配当、グローバル最小分散など・・・しかし、これらのスマートベータも一長一短あるのでなかなか判断が難しいし、それなりの研究や勉強も必要になる。
でもインデックス投資もグローバル指数に連動すればいいという単純な時代は終わることを考えれば、スマートベータなどの新しい指数を研究し、リターンの向上につなげることが重要になる。
投資家にも簡単な時代ではないかもしれない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM





にほんブログ村