株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2025年04月

終活は長いマラソン(7)クルマをどうする?

車残価値









高齢者にとってクルマ(自家用車)には二つの大きな問題がある。

一つは認知症との関係もあるが、いつまでハンドルを握るかという問題だ。
田舎に住んでいるとクルマは日常生活の必需品だが、その一方、高齢者の「反対車線へのはみ出しや逆走」や「アクセルの踏み間違いなどの事故」など生命に直結する問題もある。
これは個人的な資質の問題かもしれないが、家族に運転をやめろと言われる場合もあるはずだ。

もう一つは「クルマの経済性」問題。

定年退職後、今まで買いたかったスポーツカーやキャンピングカーなどの趣味のクルマを買う人も多いし、小型で燃費の良いEVへ乗り換える人もいる。
もちろん、人生の最後に長年抱えてきた思いを実現したい気持ちはよく理解できる。

ランニングコストも大事だが、高齢はに重要なのは運転をやめた時にいくらでクルマを売却できるかというリセール価値だろう。
たとえば80歳で運転をやめるとしたら、80歳時点でのリセール価値を考えてクルマを選ぶことだ。


米国の「iSeeCars」の調査によると、EVは5年で平均58.8%の価格下落するという。
詳細を見ると・・・
ポルシェの各クルマは5年後も20%前後の価値下落を一番価値を保つ。
トヨタやGMのピックアップ(トラック)が比較的価値を保っている(下落率20~30%)
カローラなどの小型車はだいたい30%程度前後下落率。
ハイブリッド車は平均して40%程度の下落率。

逆に価格下落が大きい車種は、ジャガー72%、BMW65%程度、テスラ63~65%、日産EV64%、マセラッティ63%・・・となっている。
意外にもBMWやマセラッティの下落が大きい、なぜかは分からないが、ポルシェと大きな違い。


結論的に言えるのは、あと5~10年程度クルマを運転するならば、電気自動車(EVやHV)は避けた方がいい。
リセール価値が大きく低下してしまうので、5年も経つと売りにくくなるからだ。
しかし、いくら価値の低下が少ないとはいえ、高齢者に「ポルシェに乗れ」とは言いにくい!

10年以上運転期間があるなら「クルマを乗りつぶす」、残存価値がゼロになるまで乗ることだろう。
乗りつぶせればスクラップになるだけで、残存価値を気にする必要は全くないから・・・
筆者は今のクルマ(すでに7年乗ったが・・・)を乗りつぶす方針。
クルマにおカネを使いたくない!



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「就任式~解放の日急落」と「自律反発」の関係

FUNG+指数と200日移動平均
FUNG指数202504
















トランプが大統領就任したのが1月20日だった。
しかし株価が下落に転じたのは就任式の二日後の23日で、「トランプラリーの余韻」がこの二日間だったのだろう。
アップル、メタ、グーグル、エヌビディア、テスラなどの巨大ハイテク10社の株価指数であるFANG+
指数は1月23日に天井を付け、この日が運命の分かれ目になった。

そして、トランプ政権が相互関税を発表した「解放の日」は4月2日だった。
衝撃の相互関税で株価は瞬間的に急落し、二日後の4月4日に底を付けた。
これまたこの二日間が「悲観の極致」になったわけだ。
今年の株価急落はトランプ就任式後から始まり、トランプ「解放の日」後に底を打った。

この意味は株価の天井も底もトランプによって作ったものだ。
投資家からみれば、トランプに翻弄されているわけなんとも腹立たしい相場だろう。

重要なのはその後の自律反発で相場の強弱を計れることだ。

この1月23日~4月4日までの株価の動きを改めて並べてみた。

    1月23日  4月4日  下落率    4/25   戻り上昇率
FANG+ 13865 10373 -25.3% 12329 +18.8%
SOX指数  5444  3597 -33.9%  4251 +18.1%
NASDAQ 20053 15587 -22.2% 17382 +11.5%
S&P500   6118  5074  -17.1%  5525 + 8.8%

このトランプ解放の日までの株価は半導体(SOX指数)が一番大きく33%の大幅な下落だった。
次はFUNG∔指数で―25%、NASDAQは―22%、米主要大型株(S&P500)は―17%だった。

一方、自律反発の上昇率は、FANG+とSOX指数が∔18%で一番大きい、次にNASDAQ∔11%、S&P500+8%だった。
トランプ関税の回避でアップルは米国向け生産を中国からインドに移管、こうした対応がFANG+指数を半値戻し以上の水準に引き上げたようだ。
米国株全体としてはS&P500の8%の上昇が標準だ。


投資家が考えておくべきことは3点ある。

①FANG+とSOX指数は「利食い千人力」
単にテクニカルな戻りだとしたら、「利食い、千人力」の急所となる可能性があるからだ。
リスクを減らし、考える所・・・

②S&P500は「ホールド」
業績発表とFOMCの二大材料を見てから判断すべきで、現状は「ホールド」だ。
パウエル氏が利下げし、一旦業績も織り込み済みなら短期の一段高もありえるからだ。

③長期では「休むも相場」
4-6月の3か月が重要で、最大の注目点は「駆け込み需要」で押し上げられた経済指標がどうなるか?
投資家は焦らずにじっくりと株式市場を見ていく「ゆとり」が大切だろろう。


SOX指数とS&P500
SOX指数とNASDDAQ202504



















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投機筋が逃げる金相場

金価格とドルインデックス
金とドルインデックス202504
















トランプ氏が大統領就任した1月から、金価格が急激に上昇してきている。
「トランプ関税で米経済が混乱するから金へ資金が流入する」、「米中対立の地政学リスクで金が安全資産として注目されている」、「トランプ懸念で米国から資金が逃げ金に流入している」・・・いろんな見方や噂が出てきている。

金価格の基本を確認しておくと、金価格の上昇は次の三つの要因がある。
①インフレ局面で金価格は上昇する(インフレヘッジ)
②ドル安局面で金価格が上昇する(ドル高ヘッジ)
③金利低下局面で金価格が上昇する(金融緩和効果)

今回の金上昇の背景を確認すると・・・
①が当てはまるがどうかは微妙。
確かにトランプ関税によって物価上昇は懸念されてるが、実際の物価指標には表れていない。
③は当てはまらないだろう。
金利はピークアウトしたものの、今後の利下げがあるかどうかも不透明だからだ。

というわけで、今回の金上昇の原動力は②ドル安だったといえる(上のグラフ参照)。
ドルインデックスは1/9に109でピークを付け、4/22まで約10%下落している。
その一方、金価格はというと、1/9の2690ドル~ピークは4/21の3425ドルで、ナント、短期間に27%も上昇した。

ドル安が原動力だったのは事実だが、10%のドル安に対して金は27%の上昇、金価格の上昇がスゴ過ぎる。
この金価格上昇は投機的な感じが否めない。


投機筋の動きを見るために、COMEXの金先物ポジションを見てみよう。
下のグラフは金先物の投機筋のネットポジション(買い建て―売り建て)だ。

金先物投機筋ポジション
金先物投機ネット202504
















トランプ就任後ネットポジションは2/4までは増加し、ドル安による金高に投機筋も賭けていた。
しかしその後は、2/4の30.0万枚から4/22の17.5万枚まで42%のポジションが減少した。
買い建てが10万枚近く減少し、売り建てが3万枚増加、ネットポジションが13万枚も急減につながった。

重要なのはヘッジファンドや商品ファンドが、なぜ、持ち高を急速に売却したか?

2月~4月のトランプ相場で金価格を買い煽ったのは、ヘッジファンドなどの投機筋ではなかった。
トランプを警戒した世界中の個人投機家の金買いだったのではないだろうか?
これは仮説に過ぎないが、金相場はかなりの過熱感があり投機的な行き過ぎ局面だと判断したヘッジファンドや商品ファンドが建玉を急縮小させ空売りを急増させたと考えられる。

ファンド筋が正しいのか、個人投機家が正しいのか、いずれ結論が出るだろうが、相場の佳境場面では個人投資家が乱舞するのは経験則だ。
相場の過熱や行き過ぎには注意が必要かもしれない。


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グローバル化の曲がり角(3)「頭脳」と「手足」

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ベルリンの壁が破壊された1990年代以降、一気にグローバル化が進んできた。
「レクサスとオリーブの木」で著者フリードマン氏が、「黄金の拘束服」で伝統的民族的な価値観を持つ国家を縛り付ける、これによってグローバル市場に参加して大儲けすることができると語る。
この「黄金の拘束服」がグローバルスタンダードだ。

しかし、1990年代から2020年代まで続いたグローバル化が、トランプ政策によって曲がり角を迎えているような気がする。
でもちょっと不思議な感じがする。


グローバル化で一番儲けてきたのは米企業でしょ、なんでトランプがグローバル化を否定するの?

確かにアップルやマイクロソフトなどハイテク企業はファブレスで生産を海外に委託し安い労働力をフルに使い、アマゾンなどのEコマース、ウォルマートやファストリなどの消費企業もグローバルサプライチェーンで世界最適生産ー最適販売を実現してきた。

しかし、その結果起こったのは欧米大企業の生産委託が集中した中国、この国が世界最大の生産力を持ってしまったという米国には不都合な事実だった。
委託生産することで中国への技術移転が加速し、中国は単なる機械や製造装置だけでなく半導体やコンピュータ・制御機器などのハイテク産業も急速に成長させてしまった。


トランプ関税は何を変えるのだろう?

グローバル化で一番儲かったのは米国のグローバル企業だろうが、世界最大の生産基地となった中国もグローバル化の勝ち組だった、ここが問題だったのだろう。
トランプ関税によって勝ち組の米巨大IT企業もサプライチェーンの組み換えが要請されているわけだが、彼らはいわば「頭脳」だけを持つファブレス企業(工場を持たない)で、その手足となる生産企業が中国企業群だ。

次の時代でも「頭脳」の企業は新しい価値を創造する、これは変わらない。
米巨大IT企業すべてが次の時代のリーダーとなるのかは分からないが、「頭脳」企業は「頭脳」企業であり続けると思う。

一方、生産委託を担当する「手足」企業は簡単に交替してしまう、トランプ関税はこれを目指してるのだろうと思う。
だからこそ、中国は2025年を最終年とする「製造2025」、2049年に向けた建国「100年計画」を着々と実行してきた。
一部の分野では中国企業が欧米企業並みの台頭、手足企業が「頭脳」企業に変身しようとしている。
しかし、BYDの躍進にしても中国政府の巨額補助金によるところが大きく、補助金抜きでどこまで成長できるかはこれからの問題だ。
BYDは補助金があるうちに世界シェアを高める戦略だろう。


「頭脳」となる巨大IT企業は、サプライチェーンを作り直し復活する。
また、トランプ関税が重くのしかかる生産・流通段階でも多くの革命的な変化が出てくる。
それでも、モノの流れ、資金の流れは米国中心のネットワークと中国中心のネットワークに分断され、両ネットワークはお互いに対立したままなのだろうと思う。
その構造を決めようとしているのがトランプ政権なのだろう。




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コメ高の元凶は「JA全農」???

JA













地元のオッチャンたちとゴルフを楽しんだが、そのランチ時間にいろいろな地元の出来事を聞いた。
今日の話題の一つが「コメ」だった。

隠居した野菜農家のSさんは「コメが高いなんて言うけど、ウチはコメ30kgで1万円で買ったよ」
地主のO氏は「あたりまえだけど、玄米で30kgや60kgと買うのはここいらじゃ、普通だ。」
精米機で食べる分だけ白米にして食べると言うのが一般的らしい。

筆者 「東京じゃ、コメ5kgで5000円する。どうなっているのかな?」

S氏 「JAが貯めこんでいるね。オレも昔JAに勤めていたけど、儲けられる時にはガンガン儲けるのが奴らだ。いつ儲からなくなるか分からんから・・・」

O氏 「備蓄米を放出したって入札だろ。 それじゃ小売価格は下がらん。JAがちょっと割高に応札して95%もJAが落とした。これは農水省と出来合いレースだ。」

S氏「入札じゃなく、政府の買い入れ価格で直販すれば話は全然違う。5000トン単位の入札じゃ大口の売買ができるJAばかり落札するのはあたりまえ。これを小口(十俵とか、スーパーや普通の卸会社が買えるロット)に分けて政府買い入れ価格で引き渡す。だったらコメの小売価格は下がる!」

筆者「でも、20万トンも政府米を放出すれば、価格が下がるのはあたりまえじゃ?」

O氏「それはね、政府のコメ倉庫からJAのコメ倉庫に移しただけの話。政府もJAも値段を下げることはしない。値段を下げたら儲からなくなるからな。」

S氏「備蓄米はいずれ政府に売り戻さなければならない。だったら、JAのコメ倉庫に保管して一定期間が過ぎたら、そのまま政府のコメ倉庫にノシ付けて戻すだけじゃ」

筆者「ということは、農水省とJAでコメのキャッチボールをしているだけで、消費者には備蓄米を出すよとアピールしただけ?」

O氏「そうだ。でも一番の問題はコメ農家には全く利益がでないこと。彼らは30kg1万円でJAに出す。仲の良い地元民にも30kg1万円、同じ値段だ。」

S氏「東京で5kg5000円と言っても、農家は5kg1600円で出荷している。儲けなんか全くないよ。農家は安働きで、いくら働いても儲からない仕組みだ。」

O氏「こんなんじゃ、この国はもたない。この秋の新米でどれだけ値上げできるか農家は見ている。」

筆者「これがこの国の問題かぁ~。これだけコメの値段が上がっても農家は儲からない。そこにアメリカ米の輸入が増えたら、ますます農家は疲弊するだけ。矛盾ばっかりで・・・なんか悲しくなってくる。」

令和の百姓一揆のリアリティが高まっている気がする!!!




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Mr. too Late、5月利下げはどうする?

トランプ










トランプはムチャクチャな事を言う時もあるが、ごくたまにまともな事を言っている時もある。
それは米国経済にとっては利下げが必要かどうか・・・だ。
FRBはトランプ関税など様子見姿勢を続けているが、一方ECBは6回連続に金利を引き下げている。
現状の環境でさえ、FRBのスタンスは圧倒的に保守的だ。
トランプはパウエル氏を解任はしなかったが、「ミスターツーレート」と呼び不満を表明している。


トランプ劇場では、経済指標についても確かに判断が二分化している。

①PMIなどセンチメント指標と、ハードデータの二分化

ISM製造業指数などのセンチメントを映す指標と、小売売上高や雇用統計などのように現実の経済活動を示すハードデータに乖離が生じている。
ISM製造業が3月は49.0と50割れ2月の50.3から低下、ISM非製造業も53.5から50.8へと低下した。
その一方で、小売売上高は前年比+4.6%と2月3.54%から加速し、非農業雇用者数も209kと2月116kから伸びが拡大した。

このトランプ就任式以降のハードデータは、トランプ関税前の駆け込みが含まれているために高めに出ているが、この駆け込みが終わるとデータが悪化する懸念もある。


②IMFによる米成長率の下方修正と、FRBのインフレ加速予想の二分化

IMFだけでなく国際機関は世界成長率を下方修正してくる。
IMFは今年の世界成長率が3.3%から2.8%に下方修正し、米国も0.9%の下方修正した。
一方、FRBはトランプ関税から「不確実性が高い」として様子見姿勢を強めている。

調査機関のGDP下方修正とFRBの様子見姿勢も二分化しているような気がする。
景気が悪化すると言う予想ならば、ECBのように連続利下げするべきなのではないだろうか?


と考えると、トランプがパウエル氏に利下げを迫っているが、一定の理があるといえる。
5月のFOMCではトランプ関税による悪影響を和らげる意味でもFRBは利下げをするかもしれない。
昨日のNY市場では、短い年限12か月国債から5年国債まで10~20bp金利が下がり、この年限の国債利回りはすべて4%を割れた。
金融市場はFRBの利下げを期待する動きになってきている。
これが株の反発局面に効いてくるかもしれない。



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「ユーチューブの本音くん」を本音で考える(4)プラチナNISA

本音くん分配














政府が高齢者向けに「プラチナNISA」を作り、毎月分配型の投信を投資対象に入れるという。
おそらくは「トランプ混乱」で多くの新NISA民に含み損が発生したので、目先の利く銀行・証券会社がこのままでは投信が売れなくなるとビビったのだろう。
次のターゲットとして高齢者に狙いを定めた!
「儲からなければ投信じゃない」とでも言いたいのだろう。


若年層の資産形成で始まった新NISAだったが、こんなに簡単に主旨替えをしてしまう。
政府や証券会社の、この日和見な姿勢が日本の運用業界にどれだけ負の遺産(死に体となった過去の投信)をバラ撒いてきたのか?
同じことを繰り返す政府と証券業界には呆れてモノを言えない。


政府・証券会社の首脳はまず「本音くん」を見るべきだ。

本音くんは言う・・・

・毎月分配は普通分配と特別分配があり、普通分配は運用収益、特別分配は元本から分配される。
・特別分配は「タコが自分の足を食べるようモノ」、払った元本を分配するインチキ商品だ。
・元本を分配してしまうので、元本が減り投資効果(複利効果)が出ない。
・年金の補てんというが、それなら定期預金を定期的に取り崩す方がリスクが小さい。

本音くんは全く正しい。

新NISAでは投資理論的に正しく長期投資に適したオルカンが人気になってきた。
しかし、オルカン(S&P500などのインデックス投信)では証券会社が儲からない。
新NISAで約50兆円が投資されたが、証券会社が受け取るフィーは0.057%(eMAXISオルカン)程度しかなく、これだけ投信を売っても銀行・証券業界全体でたした儲けにならない。

貪欲な銀行・証券からすれば、もっと分厚い手数料が欲しいというところだろう。
そこで高齢者に目を付けた。
高齢者は今さら積立投資には興味がない、それよりも毎月分配に誘導しようというわけだ。
毎月分配型ならば、手数料は購入時3%、毎年の信託報酬1.5%は取れるから・・・

なんか、とっても見え透いていて・・・残念!!!


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70万人が生まれ150万人が死ぬ国(3)地方創生

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所得だけでなく資産も大きく偏り、東京に住む高齢者はどんどんリッチになる。
一方、地方に住む高齢者は数十年前と変わらない資産状況が続く。
この不平等は少子高齢化の中で、高齢者の格差が一段と拡大しているように思う。

しかも東京にはもはや若い家族が買える家やマンションはない。
マンション価格は平均で1億円を越え、この金額を出せる人は少ない。
異常としか思えない。


石破さんは「地方創生」を掲げているが、もう一つ具体的な中身がない。
イーロンマスクが日本を消滅する国だとしたが、抜本的な策を実行しないと本当に消滅に向かう。
しかも日本が消滅する前に地方では「市町村が消滅する」
ハッキリ言ってもう時間がなく、かなり過激な政策を取る以外に方法はないと思う。

地方で若者人口と子供数が急減している。
筆者の住む清里でも清里小学校が閉鎖され、子供たちはバスで20分かけて北杜市中心部の高根小学校に通う。
高齢化は全国的に進んでいるので、東京でも古い住宅地中心に爺さん婆さんばかりの地域もある。
しかし、地方と東京、一番違うことは地方では子供の姿をほとんど見ないことだ。


都心ではマンション価格が急騰し、住宅購入層である30~40歳台の人たちで1億円のマンションを買える人はごくごく限られている。
子育て世代では条件さえ変われば一気に地方に移動する可能性もあるだろう。
地方では2LDKで月5万円で借りられる物件も多いし、中古戸建て住宅も数百万円で買える。
新築となれば建築費の高騰で数千万円かかるかもしれないが、それでも東京から比べればずっと安い。


若者層を同地方に定着させるためには、大学入学で東京へ行きそのまま東京で就職というパターンを変えることだと思う。
そのために①都心にある大学を地方へ移転すること、②企業の本社(法人税を支払う自治体)を東京から分散させること、③生活に関連する官公庁を地方に移転すること、この三つで地方は変わる。

山梨県には国立の山梨大学があるが、旧帝大をはじめ地方にある国立大学は多い。
この国立大学と地方自治体や起業を連係し新しいビジネスを開拓すれば、大学卒業後も地方にとどまり地方で新ビジネスを行う旗手となる。

少子化で学生数が激減する将来、Fラン大を増やすことに何の意味があるのだろうか?
その私大に回す私大助成金を地方の国立大に回し地方のビジネス改革を支援していく、この方がよっぽど日本の役に立つ。

さらに大学を東京から移転させ、地方の活性化に使う。
東京大の本郷は維持するとしても駒場は茨城県あたりに移転させることはできる。
慶応大は進んでいる、すでに神奈川県の日吉・湘南があり、さらに神奈川の奥深くに新キャンパスを作作り三田を移転して再開発すればいい。
早稲田大は40年も前に本庄への移転計画があったが、それをもう一度再計画し早稲田の再開発をする方がいい。
学生にとっても大学は家賃や生活費が高い東京にいる必要は全くない。




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2年目の新NISA、どうする?(8)オルカン、S&P500の含み損

新NISA










新NISAの投資家はちょっとした「試練の時期」を迎えている。
下の一覧表は、3月16日の当ブログで使ったものだ。
新NISAで一番人気になった、オルカンとS&P500投信の基準価額と、これらの投信のベンチマークとなった株価指数を比べてみたものだ。

          24年12月末  3月14日  下落率      
eMAXIS オルカン   27686   25136   -9.2%
MSCI Acwi       841     821    -2.3%

eMAXIS SP500    25792   22407  -13.1%
S&P500       5881    5521  - 6.1%

eMAXIS ナスダック  25306   21271  -15.9%
NASDAQ100     21012   19704   - 6.2%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は3/13現在、基準価額は3/14現在、一日遅れて計算される)

この一覧表を4月18日までアップデートしてみた。
大きく損失が拡大している。

         24年12月末  4月18日    下落率      
eMAXIS オルカン   27686   23365    -15.6%
MSCI Acwi       841     793     -5.7%

eMAXIS SP500    25792   20603   -20.1%
S&P500       5881    5282   -10.1%

eMAXIS ナスダック  25306   19401   -23.3%
NASDAQ100     21012   18258    -13.1%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は4/17現在、基準価額は4/18現在、一日遅れて計算される)

たとえば、一番人気のオルカンでは昨年末からの下落率が15%に達し、2番人気のSP500では20%の下落率だ。
NASDAQ100のインデックス投信はちょっと一般的ではないかもしれないが、下落率が23%と一番大きな損失を抱えている。

今年初に成長枠240万円を投資していたら、オルカンで37万円の損失、SP500で48万円、NASDAQは55万円の含み損になっている計算だ。
一覧表をよく見ると、eMAXIS投信基準価額のパフォーマンスがベンチマークとなる株価指数を10%程度も下回っている、これが円高による損失と信託報酬などの費用になる。
日米交渉の一つのポイントになってきているだけでにさらなる円高もあり予断は許さない。

投資初心者には厳しい結果だろう。
しかし、新NISA の制度を作った政府や銀行・証券をうらむのではなく、迂闊に誘われ投資した結果として受け止めるべきだ。
今後3か月、相互関税の行方、関税の米国経済への影響、企業業績への影響を見極める必要がある。
覚悟を決めておく方がいい。


では、新NISAを今後どうするか?
短期投資なら売りもあるが、長期投資ではホールドすべきだろう。
でも精神的に相当キツイ・・・そこで・・・

第一に「株価を見ること」をやめる。
第二にもし気になって株価を見るのをやめられないなら「損したこと」を忘れる。
第三にもし損したことを忘れられないならば「「楽しいこと」を考える。

筆者もITバブルの崩壊(2000年代初)では証券自己勘定で数億円の損失を出したことがあったし、リーマン危機では年金から委託された日本株商品で4割も損失を出したこともあった。
下落相場ではファンドマネージャーも心理的に厳しい状況に追い込まれる、おそらく、長く相場をやっていれば何回もこうした経験をするはずだ。
その時、上の三つを心掛けて危機を乗り切った。



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信用投資家はトランプを甘く見てる?

信用買残ネットポジション
信用残ネット202504
















信用取引を使う個人投資家、個人の中でもプロ級の投資家たちなのだろうが、これだけの株価下落なのに「重たい感じ」が強い。
信用取引はおカネを借りて株を買う「ロング」と株を借りて売る「ショート」で、その差引残高でポジションの状態、投資家の強弱感、将来(6カ月以内)の需給などを判断できる。

上のグラフは信用買残ネットポジション(信用買残ー信用売残)だが、4/11現在では3兆5000億円、ピークが4兆円だったのでネットで5000億円しか減っていない。
日経CNBCでは4月初の「トランプ相互関税」下落で「追証による投げ売り」が出たとされたが、この週の買残が5000億円程度しか減っていない。
その結果、ネットポジションで3.5兆円規模の高水準が続いている。

信用評価損率
信用評価損率202504
















信用投資家の「ポジション損益が悪化」している。

上のグラフは信用残評価損益率で、すでに目安となる―10%水準を下回り―13%に達している。
信用投資家は平均的に13%の評価損を抱えている厳しい局面に陥っている。
過去の水準を見ると-10%以下はボトム圏で、投げ売りが出て株価が底入れというパターンが多いが、今回はこれだけ損失を抱えているのにポジションを減らそうを考えている投資家は少ない。

買残ネットポジションが3.5兆円という高水準で、なおかつ評価損益比率が―13%となると、信用取引の損失が抱えてガマンし続けている姿が見えてくる。
厳しいようだが、ガマンしていても状況は変わらない。
必要なのは「ポジションを投げる」ことで、これがあって初めて「底入れの条件」ができる。

信用倍率
信用倍率202504
















さらに今回は「空売りが増えていない」ことが大きなポイントにもなる。

上のグラフは買残を売残で割った信用倍率で、この倍率が高いほど売り残が少なく買残が多いという状況を示す。
通常の株価下落で空売りが増えてくれば、売残が増加し信用倍率が低下してくる。
ところが、今回の株価下落場面では信用倍率が逆に上昇し、4/11現在で8.6倍と過去のピークを上回る水準になっている。
これはトランプ減税の不透明感で「空売りする勇気」もなくなっていることを示している。

総合して考えると、現在の市場はけっこう厳しく、市場は重たい感じを残る。

急落の第一幕は終わっているが、中途半端に強気を持ったままの投資家が多く、空売りする勇気もないし、買いポジションを投げ売りする勇気もない。
となれば市場の売買代金が減少し、投資家は一段と動きにくくなってしまう。
ポジションを抱え込んだまま、強気にも弱気にもなれない投資家だ。

市場の次の下落で空売りが増えたり、ポジションの投げ売りが出れば底入れの条件が整うが、それまで時間がかかるかもしれない。
信用投資家はトランプを甘く見ているのかもしれない、しばらくは「重たい市場」が続くような気がする。





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親子上場の問題、東証の矛盾(3)

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親子上場問題は「少数株主の権利を守る」点からも東証も気にしている。
投資家は親子上場と聞くと、すぐに「100%子会社にして非上場する」と考え、株価を大きく上昇させると期待する。
でもそうなるとは限らない、ということで「親子上場の問題、東証の矛盾」ブログを2回書いた。

ちょっと間があいてしまったので、2回を要約しておくと・・・
①親子上場は日本の特殊な株主関係だが、必ずしも「悪」とはいえない。
②子会社上場で資金調達ができること、その資金と成長投資に使い企業の業態変貌してきた。
③子会社上場後、資本関係が薄くなってもケイレツがあり強固な企業グループを維持できた。


親子上場は特殊な日本型の企業支配で、子会社を設立し新規事業を開発し、この事業が大型化すると子会社を上場し、その子会社が成長し親会社の乗り越えていくというパターンがよく見られる。
しかし、株主価値から見れば、子会社の上場は企業価値の棄損になる。

簡単な例で見てみよう。

100の価値を持つ親会社から、ある部門がスピンオフし子会社になり、そしてこの会社が成長し60の価値を生む、持ち分50%の上場会社が誕生するとしよう。

上場前は100%株式を保有し「フル連結」ならば、企業価値は合計100∔60で160になる。
しかし上場すると、親会社の価値100∔子会社の価値60-少数株主持ち分(50%)=130となり、グループの価値は160にはならず、少数株主持ち分を差し引かれた130にしかならない。
これが子会社をグループ内にとどめた場合と、子会社を上場させた場合の違いだ。


この逆に親子関係を整理することで企業価値が大きく増やしたのが日立製作所だったと思う。

昔の日立製作所は典型的な連結経営で、御三家と呼ばれた日立化成・日立金属・日立電線をはじめ多くの優良子会社(上場している)を有していた。
このグループ連結経営は、失われた20年と呼ばれた時代、総合型経営のコングロマリット・ディスカウントという問題に直面してしまった。
そこで非効率な連結経営から脱し、子会社の独立を促すとともに企業価値をグループ内で最大化する戦略を取った。
日立化成はレゾナックとして独立し、日立金属も日立電線を吸収合併してプロテリアルとして独立した。
この子会社独立で日立本社は成長分野に集中てき大きく発展できた(もちろん株価も大きく上昇)。


必ずしも「親子上場は諸悪の根源」というわけではない。

投資家には株価期待が生じやすいが、親会社のよる子会社の買収と非上場化を単純に考えることはできないし、必ずしも株価上昇につながるとは限らない。
それぞれの企業がグループ価値の最大化を考えて子会社を売却する場合もあるだろうし、100%子会社に戻して非上場化する場合もあるだろう。
また、親子上場のまま独立した経営を目指す場合もあるだろう。


いずれにしても非効率なコングロマリットディスカウントから脱し、それぞれが独立したシャープな経営を目指す、これは肥大化した大手企業にとって大きなプラスになるはずだ。

それにしても日本には巨大な親子上場がゴロゴロしている。
典型的なのは郵政グループ、ソフトバンクや楽天グループ、その他たくさん・・・
これらがどう整理されていくのか、これは株式市場の大きな課題なのは間違いないし、当ブログでもウォッチしていきたい問題だ。




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カーシェア付き個人住宅がスゴイ!!

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最近建売り住宅が近くで販売された。
そのうち一棟が、ナント、カーシェア付きの個人住宅だった。
自宅駐車場をタイムズに貸して収益を上げていると同時に、自分たちが使いたい時にまるで自家用車のように簡単に使える。
極めて合理的な人が考えそうなアイデア自宅だった。

いつも散歩道にも自宅駐車場をタイムズに貸している家がある。

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誰かが事故したのかもしれない。
サイドに大きな傷があった。














カーシェアの利用料金は簡単に調べられる。
ホームページにはモデルケースとして事例が載っていた。
小型車を毎週週末利用する場合は、7100円×4回で2万8400円/月、毎週2回2時間の買物に使う場合は1760円×8回で1万4080円/月。
両方使っても一月4万円ちょっと、これは車を買うよりも合理的かもしれない。

これに対して自宅駐車場をタイムズに貸す場合の価格は、自宅の場所により大きく異なると説明されていた。
車のメンテナンスやガソリン、保険や修理代、その他がメンド臭いと思ったが、これらの維持費用は全部タイムズが行うので駐車場の貸し手はノータッチでいいという。

このあたりで駐車場を借りると月3万円から4万円かかる。
そこから諸費用を控除するとしても、およそ月2~3万円の収入にはなるのだろう。
とすると、カーシェアで駐車場を貸して毎週末にカーシェアを利用すると、安くクルマを使える方法といえるだろう。

もし自分で買ったら車体で数百万円、それにガソリン代、メンテナンス(車検等も含む)などなどかかり、とても毎月数千円では済まない。
こう考えると、クルマの使用頻度の少ない人、特に高齢者は、自宅駐車場を貸してカーシェアを利用することでクルマのコストを大きく抑えられる。

なかなか、考えているな・・・と思う。



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グローバル化の曲がり角(2)中国のデフレ輸出

一帯一路









マネックス証券の広木氏は「トランプは失敗した。中国は米国以外の国と強い関係を作る。米国は世界から孤立する」という。
習近平がEUと会談しトランプ関税の反対陣営を作ろうとしたり、東南アジア各国首脳と接触しトランプ関税への対抗策を検討する。
中国はトランプを世界で孤立させ、米国以外の主要国で貿易圏を作ろうとしている。

広木氏は、「トランプ1.0の頃から中国は対策を練ってきた。米国向け輸出は全体の25%から14%に低下し、外貨準備も米国債を大幅に減らし金保有を増やしてきた。準備万端でトランプ2.0では米国に勝つだろう。」

エッ、マジ???
本当にそんな事がアリエルのだろうか?
3つの視点がある。

①中国製品の最終的な出荷先は米国しかない説

中国企業は米国との摩擦を避けるために直接輸出は減らしてきた。
しかし、多くの中国企業がベトナムやタイ・インドネシアに進出し製品を組み立て米国に輸出する。
これらはすべて広義の中国製だ。

3億人の人口を持ち、一人当たりGDPが8.27万ドルもある国は米国しかない。
欧州各国は5~6万ドルの一人当たりGDPがあるが、一国の人口は少ない。
この巨大な購買力を持つ米国、この国以外で中国製品をガブ飲みできる国はどう考えてもない。
EUは所得が高いが人口は少ない、東南アジアは人口は多いが一人当たりGDPは2万ドル以下の国がほとんどだ。
中国製品を買ってくれる国は欧州の一部とアジアの高所得国(韓国や日本)ぐらいだろう。


②中国の過剰生産能力がヤバい説

中国の越境EC、TemuやSHEINが、異常な格安価格で米国に大量に販売してきた。
これらの越境ECは中国の製造会社の余剰生産を格安で海外客に販売するビジネスモデルだ。
特に米国は小口貨物の関税免除があるので、個人の小口ECが大きく伸びた。

しかし、トランプ関税でこの越境ECモデルは終了する、米国が関税免除をしないからだ。
こうした格安価格で米国内で販売できない。
そこで越境ECは韓国をターゲットにし、600ℓの2ドア冷蔵庫が5万円台、60インチのプラズマTVが10万円台と格安価格で売り出す、サムスン家電をぶっ潰そうとしている。
越境ECは著作権や特許権・ブランドを無視して販売するので、欧州や日本では受け入れが難しい。
どこまで伸びるかは未知数だが、その背後にある中国の過剰な生産能力が問題になる。


③輸出ドライブができない中国はヤバい説

深刻な不動産不況で過剰な不良在庫、返済が滞った過剰な融資、そしてトランプ関税によって明らかになる過剰な生産能力、三つの過剰が中国経済を克服する必要がでてきた。

昨年はこの輸出ドライブでGDPの成長率を目標の5%程度に維持できた。
しかし、この1~2月はトランプ関税前の駆け込みで輸出が増えたが、今後は一気に対米輸出が減少していくことになる。
内需が低迷している局面での輸出減少で、この三つの過剰問題が深刻化するのは間違いなさそう。


中国のデフレ状況は変わらないどころか、深刻化するのではないかと思う。
おそらく、韓国でやっているような安値輸出が今後は日本でも欧州でも増えてくるだろう。
これは日本の国内企業の多くにとって「悪夢」だ。
これもまたグローバル化の逆流といえる。

米中交渉はこれからスタートするが、習近平がトランプに平身低頭な態度でスリスリするとは思えない。
メンツを重視する中国にあっては、そのスリ寄る姿勢は政治生命を脅かす。
どうなることやら・・・



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グローバル化の曲がり角(1)トランプ関税

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トランプ政権に対して、「学問的な論理から外れている」「朝令暮改で信用できない」「関税政策は失敗する」「トランプは失敗する」・・・様ざまな見方が噴出している。
しかし、筆者はトランプ政策を過小評価すべきでないと考えている。
確かに関税ではやりすぎな感じも強いし、世間の反感を持つ場合もあるだろう。
でも、その本質は大きな時代の変化を引き起こす可能性で、ここに重要な示唆があると考えているからだ。


過去30年に進んだグローバル化は、自由な貿易と自由な資金移動を前提とした生産ー販売システムだった。
グローバル化により企業は国家が決める国境を簡単に乗り越え、最適な場所で生産された製品を最適な場所で販売することが可能になった。
そのためにはモノが自由に国境を越えて動けること、もう一つはその決済のためのカネが自由に移動できることが必要だった。
グローバル化と、モノの自由(自由貿易)・カネの自由(資金移動の自由)は一つのパッケージのようなものだった。

トランプ政権は関税を使って各国の国境を高くし、モノの自由な貿易を制限しようとしている。
これは過去30年のグローバル化に対して明らかな反グローバル化、さらには地産地消をベースとしたリージョナル化を進めようとしているように見える。
トランプは盛んに米国内への生産シフトを主張しているのは、グローバル経済からリージョナル経済を重視しているともいえるからだ。


この地産地消型の経済モデルが定着していくと、今までとは世界が変わる。
それぞれの国が自分たちの価値観に基づいて生産し消費する、その結果地域の価値観を重視した社会が作られる。

評論家は今さら米国に生産を戻したところで、人件費が高く競争力のある製品は生産できないという。
ある意味、その通りだろう。
人件費の高い米国で今までと同じようなやり方でやっても無理だろう。

しかし、ロボットがロボットを作り、ロボットがモノを生産していく、そしてAIが生産ライン全体を最適化していく・・・近未来の工場が普及したら?
人手は限られる、人件費も限られる、生産はほぼ無限大にできるというシステムが登場する。
十分に地産地消型の経済を作ることは可能だろう。


トランプ関税は、もしかしたら、地産地消のリージョナル経済重視へと世界経済を動かしていく契機になるのかもしれない。
グローバル化は絶対的な価値ではない。
グローバル化の結果、米国内でも大きな分断ができ、世界でも一部先進企業と中国の製造業が急速に発展した一方、多くの伝統的企業は時代に取り残された。
世界の至る所で貧富の差が拡大し、最貧国は目も当てられない悲惨な状況に陥った。

関税政策の是非は大きな議論なのだろうが、これは是非だけの問題ではない。
世界の方向が大きく変わるキッカケなのかもしれない。




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Jリート市場の再確認(2)ファンダメンタルのアップデート

Jリート指数と利回り202504
















Jリート市場は2023~24年の長期金利の上昇と需給悪化の要因により低迷してきた。
需給面では①グローバル指数の採用による海外投資家の買い越しが一巡したこと、②国寧金融機関の保有がロスカットで減らされてきたこと、③新NISAで採用されなかった毎月分配型Jリート投信からの資金流出が激しかったこと、の3点が挙げられる。

この三つの要因もほぼほぼ市場は消化してきた。
この需給要因のためにJリートのバリュエーションは、リーマン危機直後に匹敵する割安な状態になっている。

下の一覧表は2019年以降の年末の変化を示したものだ。


J-REIT
東証REIT指数
投資関連指標
 銘柄数時価総額指数前年比分配金利回りNAV倍率
20196416,438,0442,145.4920.94%3.60%1.2
20206214,398,0101,783.90-16.85%4.15%1.01
20216116,995,7242,066.3315.83%3.62%1.14
20226115,836,9881,894.06-8.34%4.06%0.97
20235815,411,7221,806.96-4.60%4.36%0.89
20245714,292,0651,652.94-8.52%5.15%0.8
Mar-255714,596,5341,691.632.34%5.09%0.81


東証リート指数は22年末から毎年のように4~8%下落してきた。
この下落により分配金利回りは5%に上昇し、NAV倍率(時価純資産倍率)は0.8倍と純資産を大きく下回る割安状況になった。
時価総額で14兆円という小規模な市場なので、需給要因が大きく影響したわけだ。

しかしその間、分配金は増加し時価純資産も毎年増加してきている。
下の表は東証リート指数の利回りとNAV倍率から一株当たり分配金とNAVを逆算し、その数字の毎年の上昇率・増加率(成長率として表示)を示したものだ。


REIT指数 利回り 分配金 成長率 NAV倍率 NAV 成長率
Dec-20 1783.9 4.15% 74.0 -4.2% 1.01 1766.2 -1.2%
Dec-21 2066.33 3.62% 74.8 1.0% 1.14 1812.6 2.6%
Dec-22 1894.06 4.06% 76.9 2.8% 0.97 1952.6 7.7%
Dec-23 1806.96 4.36% 78.8 2.5% 0.89 2030.3 4.0%
Dec-24 1652.94 5.15% 85.1 7.9% 0.8 2066.2 1.7%
Mar-25 1691.63 5.09% 86.1 1.1% 0.81 2088.4 1.1%

分配金利回りの水準(5%)も高いが、より重要なのは分配金の成長が期待できることだ。
さらに時価純資産を割り込む株価水準(NAV倍率0.8倍)と安いだけでなく、NAVそのものが成長を続けてきていること。

今まで様々な分析を行ってきたが、トランプに揺れる世界の株式市場にあってこの3月末時点でも割安と成長性を持った市場だといえる。



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70万人が生まれ150万人が死ぬ国(2)老後の資産格差

人生100年









公示地価が公表された。
その調査地点の地価を見ると、住宅地の上位
それに対して地方では人気観光地やインバウンドで人気のエリア、またはリゾート開発で海外客が集中した地域を除いて、住宅地はほとんどの地点で横ばい/若干の上昇に留まっている。
その結果、都心に住む人と地方に住む人の資産額は大きく二極化してしまった。


これは資産額だけではなく、県民所得でも大きな格差が出来ている。
一人当たりの県民所得は、①東京598万円、②神奈川539万円、③大阪524万円、⑤愛知519万円、⑥兵庫501万円・・・と三大都市圏の県民所得が高い。

上位10位が広島で481万円、上位20位山口454万円、上位30位大分431万円、上位40位鳥取401万円となっている。
1位~10位の所得差が117万円と大きく、10位~20位の所得差は27万円、20位~30位の所得差は30万円とわずかな差にとどまっている。

要するに東京の県民所得が圧倒的に大きく、2位との差が59万円、10位との差が117万円、その後は10位毎に30万円程度の所得差にすぎない。
簡単に言えば東京の県民所得が突出しているわけだ。
県民所得と個人資産(住宅価値)と合わせて考える時、この東京の所得(フロー)の格差と資産(ストック)の格差、合計では許容しがたい格差がある、これが大きな日本の問題点だと分かる。


この所得・資産額の大きな格差は日本人全体の老後に大きく影響する。
大きな資産を持つ都心の高齢者と、資産が少ない地方の高齢者の格差は人口移動に影響する。
多くの若年層は、大学など高等教育の段階で東京に集中し、さらに卒業後も東京に本社のある企業に就職する。
東京で家庭を持ちマンションを買う、税収の大きな東京でタップリの子育て支援を受ける、価値の高い資産を持つことで老後の生活までも安定する・・・
これが理想像のようになっていることが大きな問題だ。

でもこれが地方の高齢化問題を複雑にしてしまう。
全国一律の高齢化対策は、この異常な格差拡大の中で機能しなくなる。
富裕な都心高齢者の合わせた対策では地方の高齢者には厳しい、反面、地方の高齢者に合わせた対策は都心の高齢者には過剰な(税金の無駄使い)になる。
同じ日本人として平等な対策が必要なのだが、これだけの格差が生じていると無理だ。


石破政権は「地方創生」を掲げているが、本気のやる気は全く見えない。
地方の票を欲しいために言っているとしか思えない。
しかし、もう放置できない格差になっている。

・・・そろそろ抜本的な「地方創生」をしないと手遅れになる!



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米国トリプル安は危険な香り?

天邪鬼














一般的には一国のトリプル安、通貨安、株安、債券安(金利上昇)がそろうと、その国から資金が逃げ出している証拠とされる。
今週は米国でその「トリプル安」が起こった。
米国株が売られ、米長期債だけでなくハイイールド債も売られ、さらにドルが人民元を除く主要通貨に対して売られた。

これをもって単純に米国から資金が逃げている、米国資産は売りだという意見も見られる。
あるいは、このトリプル安の危険性を見ているベッセント財務長官がトランプに進言して相互関税の実施を90日延期したとか言う観測をする評論家もいた。


でも、天邪鬼の投資家は自分で確かめないと納得しない。

①まずは為替・・・

ドルインデックスと投機ポジション
ドルインデックスと投機ポジション202504
















ここ数日は確かにドル安になっている。
だけど、ドルインデックス(ドルの主要通貨バスケット指数)はまだまだ過去のトレード・レンジ内にあるし、投機筋の先物売り仕掛けも特に見られていない。
ドル安といってもそれほど強いモメンタムは感じられない。

しかし、ドル円は違う。
日本当局はトランプ関税を回避するために「円安修正」を条件に出すかもしれないからだ。
過去2年の大幅な円安が非関税障壁だと考えれば、関税の代わりに「円安修正=円切り上げ」をするのは十分にありえる。
自動車関税も相互関税もなしにする、代わりに関税率と同じ20%程度の大幅な円高介入をする、考えられるシナリオだ。
交渉次第とはいえ、大幅な円切り上げで合意する可能性もゼロではない。


②次に米国株・・・

S&P500
S&P500と投機ポジション202504
















米国のM7の株価下落は楽観過ぎた投資家の逆流、米国一強体制の終わりといえるのかもしれない。
しかし、米国株全体は簡単に終わらないだろう。

投機筋は確かに先物ネットショートに転換したが、それが20%下落した理由という規模ではない。
米国経済の終わりを見て投機筋が巨大な売り仕掛けをしたというわけではない。
投資家はまだ様子を見ているところで、米景気のリセッションが起こるかどうかをジッと見ている。


③長期債の下落(長期金利の上昇)

米10年債利回りと投機筋先物ポジション
米10年債投機筋ポジション202504
















株価下落の途中から長期金利は反転、現在4.5%付近に上昇した。
ここはトランプ政権も容認できないところだろう。

しかし、投機筋の先物ポジションも先週再びショートが急拡大、投機筋の勢いが増している。
その根幹にあるのが懸念される中国の米債売りで、これをネタに売り仕掛けしている可能性がある。
米長期金利が当面の最大の焦点になる。


④米ハイイールド債の売り

ハイイールド債利回り
米ハイイールド債利回り202504
















格付けの低い企業が発行するハイイールド債は、景気が悪化すると信用リスクが高まり(借金返済が滞る)下落する、この点で景気変動を映す株価と連動する。
このところの株価下落でハイイールド債の下落(利回りは上昇)したが、期間的に短くトレンドが続くかは判断できない。
しかし、米10年国債が大幅に下落し利回りが5%に達するようならば、米国株は下落の第三幕に入り、ハイイールド債に一段と売られる、注意が必要だ。



中国が本気で外貨準備の長期債を売れば米金融市場は大きな混乱に陥るが、中国もただでは済まない。
不動産不況を克服できず、国内の過剰債務も処理できず、国内需要が弱く輸出ドライブを掛けるしか策はないだろう。
トランプ関税で輸出ドライブを抑え込まれたら、中国経済も相当ヤバい。
それを考えると、米中貿易摩擦だからといって中国は米長期債を無制限に売ることもできないし、人民元安を誘導するのも中国からの資金逃避を加速させるリスクがある。

一番リスクがあるのが米国債の売り崩しだが、限界があるのではないかと思う。
確率が高いのは「円切り上げ」で、投資家は注意する必要がありそうだ。
結局のところ、トランプ関税政策の出口はまだ不透明、米国株価はパニック売りの初期局面は終わったものの安心はできない。




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入社式直後に退職する新入社員

初任給2025












多くの中年社員たちが今年の新入社員にジェラシーを感じているだろう。
自分たちの新入社員の時は10万円台の給料だったのに、初任給がどんどん上がり今や30万円台になった。
オープンハウスの初任給は36万円、ユニクロも33万円・・・・
仕事もできない社員にこれだけ払うのなら、実際の現場で活躍している社員たちはどうなの?

でもこれだけ恵まれている今年の新入社員だが、なんと、入社式直後に退職する社員もいるらしい。

退職代行サービスを行う「モームリ」によると・・・
入社式直後に4月7日267名、8日129名、9日107名、10日104名、11日121名と、退職代行の依頼が急増しているらしい。
新卒退職の理由は「入社前とのギャップ」
入社前は会社のリクルート担当がやさしく対応してくれたのに、入社後は社長の厳しい話に引いてしまう、そのギャップに耐えられないらしい。

新入社員、田中君の例では・・・

「君たちはもう学生じゃない。甘ったれるな!」
社長の怒声が響く中、社員たちはただ無言で聞くしかありませんでした。会社の急成長を支えていたのは、社長の強烈なリーダーシップだったのです。周りは社長に口を出せなくなっていました。田中さんは直感的に「自分には合わない」と感じたそうです。さらに研修が始まると、違和感は確信に変わりました。
• 社長の言葉を一字一句書き取らされる
• 10時間を超える研修では、休憩なし・水分補給禁止
• エレベーター禁止、すべて階段移動
• 研修中は携帯電話を預けさせられ、外部との連絡も制限
「これは研修ではなく、洗脳じゃないか」と田中さんは思ったそうです。

・・・という感じらしい。


でもよく考えてみよう。
学生と社会人の間に「ギャップ」があるのはあたりまえだ。
新入社員教育を担当したことがあったが、まずは基本的な社会人としてマナーを学ぶことだ。
取引先との挨拶の仕方、名刺交換の仕方、電話応対の仕方、敬語の使い方、身だしなみ・・・これの基本マナーを最初に身に付けないと「使い物にならない社会人」になってしまう。

もう一つは社会でビジネスをするには「人の好き嫌い」や「良い人、悪い人」は関係ない。
相手がどんな人でさえ、ビジネスをして収益を上げることが求められる。
キャラがキライだとかは理由にならない。
それだけのコミュニケーション力を磨いてほしいと思う。

この田中君の例は少しだけキャラの強い会社だったのかもしれないが、まずは文句を言う前に社会人としての基本を身に着けて、コミュニケーション能力を磨いて、それでもガマンならないなら転職すればいい。
少子化、人出不足・・・これが若手社員を甘やかすことにはならない。




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Jリート市場の再確認(1)需給のアップデート

Jリート指数と長期金利202504
















Jリート市場は日銀の金利正常化とそれに伴う長期金利の上昇に悩まされてきた。
よく考えれば、Jリートの分配金利回りは常に長期金利∔3%以上の水準にあったので、投資家目線で言えば、長期金利に対して十分な上乗せ金利をエンジョイできた。
それでもJリート指数が低下トレンドを続けたのは「需給が悪かった」としかえない。


需給が悪いとは何か?

第一に国内金融機関の評価損失からの売却

国内金融機関はJリート市場の最大の買い手だった。
特に地銀などの地域金融機関は資金の借り手が少なく、オーバーバンキング状態だったので、利回りの高いJリートは格好の運用ツールだった。

しかしJリート指数の下落とともに評価損が抱えてしまい、毎決算期前に売却を余儀なくされてきた。
24年の年間で金融機関は1476億円のネット売却を行った。
今年に入ってからも前年比でリート指数が下落したため、584億円のネット売却をしている。
今年に入ってからはJリート指数はほぼ横ばいなので今後の売却は限定的になるかもしれない。


第二に海外投資家のインデックス組入れの一巡

新型コロナ禍前後、FTグローバル指数がJリート銘柄を指数採用したため、海外投資家は毎年差引買い越しを記録してきた。
しかし、23年以降は組入れが完了し、購入が一巡してしまった。
24年の海外投資家は1106億円の売り越しになったが、25年は357億円の買い越し。
売ったり買ったりの状況がしばらくは続くのだろう。


第三にJリート投信からの資金流出



Sep-23 Apr-25 変化率 資金流出額
ダイワJR 基準価格(円) 2093 1482 -29.2%
  純資産(億円) 4062 1883 -53.6% 1874.35
JRリサーチ 基準価格(円) 5803 4223 -27.2%
純資産(億円) 4447 2569 -42.2% 1517.793
しんきんJR 基準価格(円) 2851 2152 -24.5%
純資産(億円) 2340 1262 -46.1% 888.46
三投信計 合計純資産 10849 5714 -47.3% 4280.603

上の表は代表的なJリート投信の2023年9月と2025年4月を比較したものだ。
この三つのJリート投信は毎月分配型として人気で1兆円の資産残高を持っていた。
特に高齢者にとって毎月分配金を受け取えるのは年金の補てんになり、そこが人気の要因だった。

その流れが一気に変わったのが、新NISAのスタートだった。
これらの毎月分配型は新NISAの対象投信から除外され、多くの投資家がこれらを売却して新NISA 口座に資金を移したからだ。

上の表で、この三投信の合計純資産は23年9月には1兆849億円と1兆円を越えていた。
その純資産が25年4月には5714億円と、実に47%も減少してしまった。
基準価額の減少は株価下落による要因と、資金流出の要因と二つある。
資金流出額だけを推定すると、実に4280億円が流出、直接Jリート市場で売却された計算になる。
投資家の解約が需給悪化の直接の要因だが、すでに純資産は半減しているので大方売り切ったのかもしれない。


今回のトランプ株価調整で日本の長期金利もピークアウトした。
日銀植田さんもこんな株式市場の状態では利上げは難しそうだ。
長期金利の面からは、Jリート市場の需給好転を示唆する。



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Wi-Fiが酷いことになっている

WIFI









最近なんだかインターネットの接続が不安定になっている気がした。
筆者の自宅では地上波もBSもCSもケーブルテレビで見ているし、Wi-Fiも電話もメールもケーブルテレビを使っている。
まさにケーブルテレビにオンブにダッコという状態だ。
ケーブルテレビに毎月1万2000円を支払っている。
内訳は地上波・BS・CSで7000円、通信で4000円、電話で1000円程度だった。

全部ケーブルテレビだと便利なこともある。
何かトラブルがあった時はいつもケーブルテレビに連絡すれば一挙に解決してくれる。
さらに機器の更新なども簡単だし、何から何まで見てくれるから安心だ。

今回もインターネット接続が不安定ということで連絡したら翌日来てくれることになった。
当日、いろいろ電波状況をチェックした後・・・
メンテ員 「こりゃ、ダメですね」
筆者 「・・・・????」    
メンテ員 「機器は正常ですが、電波の干渉が多すぎる」
筆者 「・・・・???」
メンテ員 「このあたりではWi-Fiを使っている家庭が増えているんじゃないですか?」
筆者 「そういえば、最近、建売住宅が7棟ほど、近所に建ちました。」
メンテ員 「それが原因です。解決するのには中継機器を別に置く必要があります。」

我が家の近くでは古くから住んでいた人が土地を売却し、その土地に細長い3階建ての建売住宅が増えている。
比較的若い家族や中国人らしき名前の人が入居してきたので当然Wi-Fiを使っていると思う。
それらの電波が多く干渉しているということらしい。

別途中継機器を置いても電波の干渉自体は変わらないらしい。
ただ、ルーターの近くでWi-Fiを使えるので今よりはずっと安定するという。
でも、すでに1万円以上払っているのにさらに中継器代がかかるってなんか微妙・・・?

というわけで、地上波・BS・CSは継続するにしてもWi-Fiと電話はやめようかなと考えている。
Wi-Fiは最近よくコマーシャルしているけど、電源に接続するだけで使えるものもあるらしいし、家電話はもう不要かもしれないから・・・
近所に人が増えるのは考えもしなかったところに問題が生じるな。




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仮説:中国の反撃開始

人民元インデックスと、対ドル人民元相場
ドル人民元202504

















トランプの「相互関税」の最終的なターゲットは中国だと考えている。
以前ブログにも書いたが、トランプ政権の狙いは①対中国の軍事力で優位に立つこと、これには軍艦・航空母艦や戦闘機・爆撃機の国内製造能力を増強すること、②第三国輸出を含めて中国の対米輸出品への高関税を掛けて大きく削減すること、この二つにあると見ている。

相互関税の上乗せ分を90日間延期したが、リセッション懸念が低くなったとして株価は大反発した。しかし中国に対しては報復策を取った(トランプに逆らった)ことを理由に除外、むしろ関税を125%に引き上げた。
これに対してプライドの高い習近平政権は平身低頭トランプにすり寄るか、あるいは徹底的に対抗していくか、どっちだろう。

いずれにしても習近平は秘策を考えているはずだ。
ここから何が起るのだろうか?

考えられる対抗策は・・・

①中国は3兆ドルの外貨準備を持つ国であり、そのパワーを有効に使う。
ここ数年中国は外貨準備のうち金保有を増やし、昨年も32トンの金を購入し、合計2289トンの金を保有している。
外貨準備の中で、金保有を増やし米国債を減らすリバランスを一段と増やす可能性がある。
この米国債を売却するオプションは、トランプの脅しに対抗する策として効果がある。

4/8のNY市場では米中摩擦の深刻化を受けて株価が急落したが、逆に米10年債は急速に売られた。
通常なら株式暴落では安全な債券へ資金シフトで長期金利が低下するはずだが、その日に起こったのは全く逆に動きだった。
一つの仮説に過ぎないが、中国が対抗策として米国債を大量売却する、あるいは大量売却の懸念が債券市場に影響し始めたといえる。
米債の大量売却は、対米国の対抗策としては非常に有効だと証明したといえる。


②トランプの100%高関税を中和するために人民元を対ドルで安くする。
関税を掛けられても通貨安へ誘導すれば、その痛みを中和できる。
100%関税で中国製品の値段が2倍に上がっても、ドル人民元を半分にすれば影響はチャラになる。
さすがに半分はちょっと現実離れしているが、仮に通貨を対ドルで10%~20%動かせば影響の一部は相殺される。

しかも中国は為替管理国で、人民元相場は毎日外貨管理局が決めて発表する。
為替フリー・フロートの多くの国に比べれば人民元レートを動かすのは簡単だ。
上のグラフで赤線がドル人民元だが、人民元インデックスが往来圏で動いているのに対し、ドル人民元は通貨安方向で動いている。
今後、一段と通貨安政策を取ってくる可能性が高い。


報復関税は表向きの対抗策で、中国の本心は米債の売り崩し(金利上昇)と人民元の安値誘導にあるのではないかと思う。
おそらくトランプ政権は長期金利の上昇も対ドルでの通貨安も容認しない。
でも、この策はトランプ政権にはどうしょうもない、米債券売りも人民元安誘導もトランプ政権がコントロールできるものではないからだ。



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親子上場の問題、東証の矛盾(2)

JPX











東証は親子上場に関して「少数株主の権利を守る、そのための必要な開示を親会社に求める」という投資家のアンケート結果を公表した。
株式市場という公共財を多くの投資家にとって魅力のある場所にするのは良い事だが、問題は「東証が親子上場を認可してきた結果が、親子上場ばかりの市場を作った」という自己矛盾だ。

前回のブログで書いた要点は、①日本企業は時代に合わせて業態変貌して発展してきた、②その業態変貌は子会社によって行われた、③子会社を上場し調達した資金を使って成長してきた、という3点。
いわば、親子上場することで日本企業の新ビジネスを開拓し成長してきたともいえる。

なので筆者は必ずしも欧米型の株式市場がいいとは考えていない。
日本の企業社会が日本型の株式システムで成長してきたことも歴史的な事実だからだ。
とはいっても現代のグローバル化時代で、国際的に認められた株式市場が今後の発展の基礎であることは間違いない。
日本型と欧米型の企業ガバナンスをどう折り合いをつけるかが重要なのだろう。


前回は「資金力の乏しい時代、親子上場はファイナンス(資金調達)手法」だったことを取り上げた。さらに今回は「株主ではなく、人のつながりによる企業支配」と言う問題点を取り上げてみたい。

日本の産業を引っ張ってきた財閥を中心に構成された企業グループ、「ケイレツ」と呼ばれたビジネス関係が特徴だった。
このケイレツ関係は必ずしも株式保有を元にした企業統治ではなかった。
親会社がケイレツ関係を利用して役員を送り込み、親会社の政策をケイレツ会社に浸透させた。
こうして企業ケイレツ・グループを形成していった。

親子上場はこうした日本独自の企業統治が背景にあったように思う。
つまり、子会社上場によって株式を売却し、子会社は公募増資で資本を調達する、すると、子会社の株式保有比率が低下し、その分、グループ全体の企業価値は棄損する。
しかし、グループ内の「人のつながり」で親会社が子会社の役員人事を握り政策を決定できる支配構造は変わらない。
これが親子上場を増やした要因の一つだと考えられる。


日本型の親子上場はどんどん増え、株式ではよく見られる、ごくごく普通の状態になってしまった。
しかし、この企業支配の構造は、上場子会社の少数株主を完全に無視したものでもある。
この問題点にメスを入れたのが海外投資家だ。
彼らにとってはこの日本式のガバナンス構造は異常に見えた。
海外投資家からみれば、コーポレートガバナンス=株式保有関係であって人間関係ではないからだ。

株主権利を重視した日本企業の統治構造を変える、これは欧米流に考えればあたりまえの事だ。
多くの日本代表的な大企業で親子上場は見られる。
これをきちんと整理すべき時代に入っているのかもしれない。

次回に続く・・・




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70万人が生まれ150万人が死ぬ国(1)地価格差

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昨年日本では150万人が亡くなり、70万人が生まれた。
高齢化が急速に進み、戦後のベビーブーマーたちが70歳台後半、平均寿命の80歳台前半へと近づいている。
日本人の寿命は全国で平均的に伸びているが、すでに長生きすれば幸せという単純な世の中ではなくなってしまった。
逆に長生きすればするほど苦しみがあるのかもしれない。
老後の生活が平均的ではなく、高齢者格差が拡大しているからだ。


ちょっと前に全国の公示地価が公表された。
いろんな見方ができるだろうが、筆者が注目したのは「土地価格の二極化」だ。

商業地の価格はその土地を生み出す収益で決まる。
良い場所はそこに出店するだけでお客が入り収入が増える。
というわけで土地が生み出す収益が土地の価格を決めるのは非常に分かりやすい。

田舎でもインバウンドが急速に増えたニセコや白馬村の地価上昇が話題になり、TSMCが進出した熊本の地価も大きく上がった。
これらは田舎の土地の商業的価値が増え、その収益性の上昇で土地の価値が上がった例だろう。


でも住宅地は違う。
富裕層が多いから地価が上がるのか、地価が高い場所に富裕層が集まるのはよく分からない。
昔から格式の高いお屋敷が集まっている場所、高台にあり陽当たりがよく静かな場所、交通の便利な場所、様々な視点がある。
しかし、住宅地の価格を何が決めるか必ずしも明確ではない。

人間はどこに住もうが自由だ。
便利な都会がいいと思う人もいるし、静かな自然たっぷりの田舎がいいという人もいる。
でも土地価格は一段と格差が広がり、そこに住む人たちの資産の大きな格差につながっている。
どこに住んでもいいはずなのに、その土地によってカネ持ちになるか貧乏になるかが決まる。
その結果は不平等、極まりない。


公示地価で公表された全国地点地価トップ500を見ると、銀座をはじめ商業地がほとんど上位を独占するのだが、住宅地も少し入ってくる。

住宅地で一番高いのは、トップ500地点の33位に入ってくる赤坂1丁目で590万円/㎡。
そして千代田区6番町483万円、白金台3丁目470万円・・・と続く。

400万円/㎡以上の場所が6か所あるが、全部東京、しかも千代田区・港区あたりだ。
一番町、元麻布、恵比寿、広尾あたりの住宅地価は非常に高い。

300~400万円/㎡の場所も7か所あるが、千代田区・港区に加え渋谷区あたりになる。
青山、松濤、六本木、青葉台などの高額住宅地だ。

200/㎡程度の住宅地でやっと東京以外、名古屋中之条が492位でギリギリトップ500に入ってくるのだが、地価は195万円/㎡だ。
住宅地の高額上位はほとんどが東京、しかも23区の中の11区に集中している。

東京都心住宅地の上昇が都心住民の資産価格を大きく押し上げている。
地価上昇率でも都心では軒並み10%程度上昇している。
地価が高額なうえに前年比で二けた上昇すれば、都心住民の資産価値の増加は簡単に推測できる。

一方地方では、ニセコや白馬村、インバウンド人気になった一部の市町村、熊本や北海道の半導体投資で賑わう一部地域を除いたら、大きな地価上昇はない。
筆者の住む北杜市でも地価はここ数年ほぼ横ばいで大きな動きがない。

ということは地方に住む人たちの資産と、都心の住む人たちの資産はどんどん乖離が拡大していいるということだ。
筆者の個人的な感覚で言うと、北杜市の地価が10万円/坪、東京都心の住宅地価が300万円/坪、このぐらいの価格差が出ていると実感している。
地方の住宅が広いことを考えても、仮に5倍(東京が30坪、地方150坪)としても、地方の土地資産は1500万円、それに対して東京の土地資産は9000万円となる。
この例では・・・東京住民の土地資産額は地方住民の資産額の6倍となる。

次回もう少し掘り下げてみたい・・・



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近所の「ポツンと一本桜」

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今年も桜が満開になり、桜の有名スポットは多くの花見客で大賑わいだという。
でも混雑した場所が苦手な筆者はそうした有名スポットには行かない。
いつもの散歩道の「桜バージョン」をのんびりと歩く。
これがマイ・ブームだ。

桜の名所というと数十本、数百本のソメイヨシノが咲き乱れている。
それはそれで美しいと思うが、住宅地の普通の家の庭に咲く、一本だけの桜も美しい。
このあたりは樹齢60~70年の桜がポツンポツンと咲いている。
戦後80年の今年だが、これらの「ポツンと一本桜」は戦後まもない時期に植えられたのだろう。

上の写真は八幡神社の参道、ここは子供の頃太い幹の桜だったが、古い桜木は切り倒されて世代交代してしまった。
でも今は若い桜木が徐々に育ってきて、だんだん美しさがマシてきた。

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この桜も樹齢は60年を越えていそう。
家の庭で生えているが枝ぶりが大きく、道路にハミ出ている。














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背の高い桜木で、天を衝くような形が印書的だ。















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この桜木は依然、完全に道路を跨ぎ、反対側の家にまで伸びていた。
反対側の家からクレームが来たのかもしれないが、枝を半分は切ってしまった。
区の指定した保存樹だったのだが・・・残念。










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ここの桜木も枝ぶりが凄かったが、枝の先っぽが切り落とされてしまった。
それでも堂々と咲いている。
















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「ユーチューブの本音くん」を本音で考える(3)ネット情報

本音くん ネット















「本音くん」の作者は相当勉強してる感が強い。
証券会社の推奨銘柄に対して「儲かるなら証券マンが自分で買えばいい、自分で買う気もない銘柄を客に推奨、だから証券会社は信用できない」という顧客が登場する。

それに対して本根くんは「証券マンが自分で買った銘柄を顧客に薦めることは違反行為にあたる。」と否定する。
しかし客は「だから、証券会社の情報は信用できない、ネット情報の方が信用できる」と言う。

この後の本根くんの答えが俊逸だ。

ネットの投資インフルエンサーは過去多くの違法行為で捕まっている。
米国のゲームストップ株事件を例にあげる。
ヘッジファンドが大量に空売りしているゲームストップ株を、インフルエンサーを中心にした個人投資家が大量買いを入れて、ヘッジファンドが大量のショートカバーに追い込まれた事件だ。
映画にもなっているので有名な話だが、本根くんはネットのインフルエンサーたちは意図を持って買いを煽っているので信用するのは危険だと説く。


確かに株式市場は「鉄火場(博打場)」と呼ばれた時期もあった。
仕手筋とか相場師と呼ばれた是川銀蔵たちが活躍していた時期で、空売りが入りやすいボロ株を買い煽っていく、空売りを増やしていく、最後に空売りの買い戻し(踏み上げ)で急上昇した時に利食うというやり方が横行した。
現代でいうと、傷だらけのフジHD株を買い煽り空売りを増やして踏み上げを狙うようなやり方だ。

筆者はこうした信用取引の特殊な需給関係を使った相場は無視していいと思っている。
したがって多くのネット系インフルエンサーの意見も全く聞く必要がない。
本根くんの言う「信用するか、しないか」という問題ではなく、そもそも聞く必要がないと考えている。
株式投資は儲かればいいというわけじゃない。
自分のデータ収集と分析、その結果を市場で勝負する知的ゲームと思っている。


では、何を頼りに投資判断すればいいのだろうか?

株式には本源的な価値があり、どんな暴落相場でも必ず下げ止まる「地相場」といえる。
その「本源的な価値」のアップサイドを決めるのが「株式需給」だ。
つまり、株価=本源的な価値∔株式需給、で決まる。
その両方、「本源的な価値」と「株式需給」を考える事から始まる。



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相互関税、トランプの思惑が見える

天邪鬼













トランプ2.0で考えている事が「相互関税」で見えてきた感じがする。
4月2日トランプの解放の日、米国への輸入関税を製品別、国別の関税率を公表した。
自動車、鉄鋼、アルミは25%
中国:10%の追加2回∔追加34%で合計54%
他には、EU:20%、 日本24%、韓国25%、台湾32%、ベトナム46%・・・

この数字を眺めていて二つの事が気になった。

①対中国のミリタリーバランスを回復させようとする意図。

中国軍は圧倒的な粗鋼生産と基礎素材の増強をベースに、軍艦や空母、戦闘機や爆撃機をものすごいスピードで増強している。
それに対して米国はIT産業こそ強いが鉄鋼生産もアルミなどの基礎素材の生産も、さらに半導体生産も海外頼みだ。
これを米国内に戻す、そのための鉄鋼・アルミの25%関税、台湾に32%もの関税を掛けるという意図を感じる。

USスチール買収はダメだが、日鉄の巨額投資を受け入れる方針には、国内の鉄鋼生産を増やしたいという思惑が見える
米国内の鉄鋼生産を急速に増やすことは軍艦や空母の増設、海軍力に直結すると見ているし、戦闘機の主要材料であるアルミも同じだろう。

さらに半導体もNVDAやAMDなど設計や販売では有力な企業があるが、実際の生産は台湾TSMCを中心としたサプライチェーンに頼っている。
この半導体生産を国内に戻す、そのために台湾に34%の高関税を掛け、TSMCに米国内の巨額投資を促す。

ITハイテク分野でも同じで、アップルのように85%も中国内のフォックスコン等で生産している。
トランプ1.0ではアップルは関税の適用除外だったが、トランプ2.0では例外が無さそうで株価も急落してしまった。
フォックスコンの親会社、台湾の鴻海も米国内の生産移管を考えるかもしれない。

これらすべてを考え合わせる時、米国の対中国ミリタリーバランスの回復が目的ではないかと思う。


②中国封じ込め戦略が見えてきたこと。

欧州の安全保障は根本的に変わりEUは自立して防衛にあたる、これはおそらく今後も変わらない。
問題はアジアの安全保障なのだろう。
東南アジア~南アジア~中東~アフリカの地域には一体一路で存在感を高めている中国がいる。

この地域で中国の第三国輸出を封じ込める。
そのためにベトナム46%、カンボディア49%、タイ36%、スリランカ44%という高い相互関税を掛ける。
これらの一体一路の関係国を迂回した輸出を許さない明確な方針だ。


中国本土からの輸出には54%の関税、迂回輸出にも40%程度の追加関税をかける、これによって中国の動きを制する。
中国は自分の影響力を高める地域で儲けようとするだろうけど・・・。

「トランプ解放の日」
関税政策を使って中国を封じ込め、米国の軍事力、その基礎となる生産力を抜本的に引き上げる。
と考えると、関税政策は簡単に変更されることはないかもしれない。
その分相場的には一時的なマイナスとなるが、これはトランプの手のひらの上でコントロールされる。
多くの評論家が世界景気の悪化で株はダメだというが、その分、利下げ期待で株価が底打ちするのだろう。

筆者は急落相場の基本は10日~13日で一巡すると見ている。
現在、急落8日目になり、ほぼ最終局面に入ってきている。
これは、売りたい投資家が売りたいポジションを売り切るのに10~13日はかかると思うからだ。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(32)国債評価損

日本国債利回り比較
日本国債金利202504















証券セールス(以下、S): トランプ関税で世界の投資家がドタバタしているな。どう、パフォーマンスは?

ファンドマネージャー(以下、F): 株式ウェートを年初から大きく引き下げ、Jリートや高配当商品のウェートを上げてきたのでパフォーマンスへの影響はほとんどなかった。

S: トランプ解放の日は予告されていたのに、これは譲歩をせまるディールで実際には高関税は出さないと、評論家たちは甘々な見通しに終始した。ホントに無責任な奴ばかりだ。

F: 兆候は多くあった。「解放の日」前にシカゴの日経先物やS&P先物では投機ポジションが売り転換していたし、ドル円先物でも円ロングが過去最大に増えていた。多くの評論家はデータを無視して楽観的な見方ばかりを論じていた。

S: 解放の日で株価下落すると同時に、その際に資金の逃げ場は日本円になる、これをヘッジファンドは見抜いていた。だから巨額の株式ショートとともに円ロングを積み上げたというわけだ。さすがヘッジファンドだね。

F: 3月は日本債券市場でも注目すべき動きがあった。日本生命の債券売りだ。日生の有価証券投資は全部で70兆4000億円と巨額だ。そのうち日本国債は30兆7000億円と半分近い。金利上昇で国債価格が下がり、2兆5311億円の含み損を抱えているという。これを売却して損出し、さらに利回りの高い国債へとシフトするポートフォリオリバランスを行った。

S: 日生の体力があれば1兆3000億円もの損失処理ができるけど、他の金融機関、地銀などはどうするのかな? この3月期決算で損失が表面化するかもしれない。

F: 株式市場は金利上昇で貸出利ザヤが改善するとハヤして銀行株が株価上昇したけど、決算は注意が必要かもしれない。

S: 3月に日銀が金利据え置きだったのに国債利回りが総じて上がり、10年債利回りが1.58%まで上昇した。期末接近で金融機関の投げ売りで利回りが上昇(価格が下落)した。

F: 10年金利はちょっと上がり過ぎた。新年度に入りこうした損切りが一巡してくるので10年金利もピークアウトしてくる。長期金利の低下が株式にはプラスになってくる可能性もありそう。



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「ユーチューブの本音くん」を本音で考える(2)ゴミ投信

本音くん投信











この動画を作った人は証券営業をよく知っている人だなと思う・・・。
でも運用の世界はよく知らないような気がする。

証券マンがお客に投信を勧める時、本根くんが「インデックス投信は販売手数料(購入時)2%、さらに毎年1%以上の手数料コストがかかります。ETFは購入時は株式と同じ売買手数料、コストは0.24%と低いです。それでもゴミ投信を買ってください」と言う。

同じ中身のインデックス投信はコストが高くETFはコストが安い、アクティブ投信はインデックス投信よりもさらにコストが高い、なのに証券営業マンは顧客にコストが高い投信を熱心に薦める。
単に証券会社が儲けたいだけだ・・・本根くんは正しい。


インデックス投信とETFはその通りだが、でも、アクティブ投信は本当にコストが高く損する金融商品なのだろうか?

運用会社でCIO(投資責任者)をしていた経験から言うと、本根くんの話は基本が違っている。
株式運用のプロの世界では、インデックスはベンチマーク、ファンドの評価はベンチマークに対比してどのぐらいプラスかで決まる。

ちょっと難しいかもしれないが、インデックス並みのパフォーマンスは「標準」で、プロのファンドマネージャーはその「標準」にどれだけ上乗せしたリターンを得られるかで勝負している。
たとえばワールドインデックスが年間15%上昇したとすると、ワールドインデックス投信が15%上昇していれば「標準」であたりまえ、15%以上のリターンを上げたファンドマネージャーだけが評価される世界だ。


パフォーマンスと手数料と比べて見ると・・・

アクティブ投信が18%のリターン、インデックスが15%のリターンだとすると・・・
アクティブ投信の超過リターン(上乗せ分)が3%となる。
アクティブ投信の販売手数料3%∔信託報酬1.6%とすると、合計コストは4.6%
したがって、初年度のアクティブ投信の超リターンは3%-コスト4.6%で、1.6%のマイナス超過リターンになってしまう。

一方、インデックス投信は15%とベンチマークを同じリターンが出るが、売買コスト+信託報酬で1%程度とすると、超過リターンは0%ーコスト1%=-1%、1%のマイナス超過リターンで済む
というわけでインデックス投信の方が0.6%良かったということになる。

しかし、投資2年目になると販売手数料3%がかからないので、同じケースだとアクティブ投信の方が2.4%超過リターンが良くなる


つまり、腕の良いファンドマネージャーの運用ならば、長期保有するほどアクティブ投信の超過リターンが拡大していく。
ポイントはファンドマネージャーが3%の超過リターンを長期で続けられるかどうかだ。
投信で目標の3%超過リターンを達成できるファンドは少ないかもしれない。

でも「投資一任」のファンドマネージャーは超過収益がマイナスだと「クビ」になるので、長期で超過リターンを上げ続けたファンドマネージャーもいる。
彼らが運用する投信も同様の超過リターンを上げているはずだ。

伝説的ピーターリンチのマゼランファンド、バフェットのバークシャーハサウェー、ジョージソロスのソロスファンドなど、長期にインデックスを上回る超過リターンを上げたファンドも多くあった。
日本でも知り合いのファンドマネージャーは過去10年で数十%の超過リターンを上げた。

しかし個人差が大きい世界ので、アクティブ投信を選ぶ際はファンドマネージャーの質(コメントや運用方針の開示)を見て判断するべきだろう。
これがアクティブ投信の難しいところだ。



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まるで何かの宗教? 県民の確証バイアス

呪い










一旦、強く信じると何が起っても信じ続ける。
「確証バイアス」、これは自分が信じたいモノばかりを見て、信じたくないモノは見ないという心理的なバイアスだ。
株式投資ではこの「確証バイアス」を持つと、自分の都合の良い解釈ばかりしてしまい、冷静に相場を見られなくなるので投資家にとっては大敵となる心理だ。

ファンドマネージャーもこうした「確証バイアス」を無意識に持ってしまうとパフォーマンスをボコボコにしてしまう場合もある。
常に自分が「確証バイアス」に陥っていないが独善的になっていないかと自問自答する。
都合の良い、心地の良い意見ばかりではなく、違った見方や耳の痛い話をよく聞く必要がある。


神戸県庁の第三者委員会報告では「おねだり疑惑」は否定されたものの、10件のパワハラは認定された。
疑惑の斎藤知事はパワハラには謝罪したものの、告発文書は誹謗中傷性が高いと主張は変えなかった。
でも少なくとも知事のパワハラで職員が自殺に追い込まれた事実は重い。

でもその後のネットの反応は典型的な「確証バイアス」に陥った人の反応のような気がした。

「民意を受けて再任した。県外の人がとやかく言うのはどうかと思う」
この兵庫県民だけの問題ではない。
このパワハラ事件は重要な事例であり、日本全国の役所や会社が参考とすべきだからだ。

「メディアを始め知事批判を煽動する勢力の存在を強く感じる」
この手の人たちは完全に「確証バイアス」に陥っている。
オールドメディアが斎藤知事を陥れていると信じ込んでいる。

「第三者じゃなかった第三者委員会は苦し紛れのパワハラ認定をし、斎藤知事を辞職に追い込みたい」
兵庫県が日弁連のガイドラインに従って中立公平な弁護士で設置したのが第三者委員会であり、「第三者でなかった第三者委員会」という指摘は意味不明だ。
苦し紛れのパワハラも意味不明だし、知事を辞職に追い込みたいというが、第三者委員会は調査結果を公表しただけで辞職しろとは言っていない。

「結局マスコミを巻き込んで偏向報道をさせて反斎藤のムードで作って退陣に追い込むという筋書きしかないんでしょ」
ここまでくると、何の論理も理屈もない、宗教的な確信バイアスでしかない。

兵庫県民全員が異常とは思わないけど、これじゃ、兵庫県はたいへんだなぁ
新NISAなどで投資を始めた人は、この「確証バイアス」に陥らないように注意した方がいい。
常に心をフラットにして、都合のいいニュースも都合の悪いニュースも両方よく聞き考える、これが大切な事だと思う。



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シカゴ先物投機ポジションを読む

SP500投機筋ネットポジション202503
















トランプの「4/2の解放記念日」が近付き、株価が急落した。
その背後には「市場のセンチメント(心理状態)が変化してきている」ことが挙げられる。
シカゴの先物ポジションがちょっとした転換点を示しているかもしれない。

市場センチメントを計るにはブルベア指標やプットコールレシオなど様々な尺度があるが、一番ストレートに示すのが先物投機ポジションの動きだろう。
トランプ「解放記念日」以降にどうなるのかが一番興味のあるところで、米国の先物投機ポジションの動きで見てみよう。


①S&P500の先物投機筋ポジション

上のグラフだが何とも落ち着かない動きを示している。
ロング(強気)になったり、ショート(弱気)になったりと忙しい。
1~2月はネットショート(売り越し)だったが、3月の3週間はネットロング(買い越し)だった。
そして先週再びネットショートに転じた。

どっちかハッキリしろ!と言いたい所だが、投機筋のセンチメントもそれだけ不安定だと理解をすべきだろう。
でも振り返ってみれば、迷いに迷った投機筋が方向感を出した瞬間だったかもしれない。


②シカゴ日経平均先物、投機ポジション

CME日経平均投機ポジション202503
















シカゴマーカンタイル取引所(CME)の日経平均先物・投機ポジション(円建て)だが、2023年からほぼずっとネットロングを続けてきた。
このポジションが3月初にはじめてネットショートに転じた。
ショート規模(先物枚数)はごくごくわずかで大規模なショートが積み上がったわけではないが、ちょっとした市場センチメントの変化を意味する可能性がある。

トランプの「解放記念日」で何が起こるのか、市場は織り込み済みで反発するのか、大きな転換点になるのか、まだまだ決め打ちが難しい。
それにしても投機筋ポジションが弱気転換してくると市場センチメントが悪化し、相場の底入れを暗示する可能性もある。

三猿金泉録では「万人が万人弱気ならば、阿呆になりて買うべし」とされている。
多少時間がかかるにしても、その急所となる買い場を見極めることが相場に勝つポイントになる。
急落はもう4日目になるが、10~13日ぐらいが重要な期間とされている。



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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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