
「重厚長大」という言葉はご存じだろうか?
80年代には日本の産業構造の変化を「重厚長大」から「軽薄短小」へと表現された。
「重厚長大」は鉄鋼や造船・機械や海運などの巨大な設備を必要とする大型産業で、日本の戦後の成長を支えてきた業種だった。
逆に「軽薄短小」と呼ばれたのはエレクトロニクスを始め、半導体、電子部品など微細な加工技術を必要とする業種だ。
株式市場では流通株式が多く株価が重たいイメージがあるが、金融緩和で発生した流動性が主導していく市場では最後の急騰を演じてきたのがこの「重厚長大」産業だ。
大きな上昇相場はこの50年で3回あった。
一つは70年代初頭の狂乱物価の上昇相場1972年、二回目は80年代バブルの最終場面1989年、三回目はITバブルからの緩和相場2007年だ。
いずれもそのピーク後、悲惨な暴落相場を見せた。
一つは日本の狂乱物価時代の暴落、二つ目の日本のバブル崩壊、もう一つはリーマン危機だった。
日本製鉄、三菱重工、川崎重工、日本郵船、商船三井の5社の株価(修正株価)ピークを調べてみた。
1989年 2007年 2024年現在
日本製鉄 9840円 9640円 3847円
三菱重工 1300 945 1460
川崎重工 12400 5700 6212
日本郵船 4166 4253 5236
商船三井 3883 6499 5511
5社平均 6317円 5467円 4453円
30年前のバブル期から重厚長大企業はとつてもない企業努力を行い、会社合併、事業分割、構造変貌を繰り返してきた。
鉄鋼業は上位二社に集約され、高付加価値の自動車向けなどにシフトし、さらに鉄スクラップから再生する電炉事業などへ構造変貌を遂げてきた。
造船業も今や造船ではなく、防衛関連、重機械、航空宇宙などの分野へシフトしてきた。
海運業も不定期コンテナ船など運賃が変動するボラタイルな事業を分離・別会社に集約し、合理化が進めてきた。
ただそれでも株式市場では流通株式の大きい流動性相場で活躍する習性は変わらない。
そして流動性相場のピークで天井を打つと株価は元に水準に戻る。
今回の流動性相場でも、海運株が急騰し、PBR改革に刺激された鉄鋼株や造船株が大きく上昇した。
この5社平均株価で見ると、過去のピークに比べまだ2割ほど低い位置にある。
もう少し上値余地があるのかもしれない。
長い歴史で合併や分割をしてきたので株価がよく分からないが、実はもう一つ歴史的な大きな上昇期があった。
それは1972年で「昭和47年の過剰流動性相場」だ。
1972年天井、1989年天井、2007年天井・・・と17~18年毎に「重厚長大」株が天井を打ってきた。
しかも、その後は1973年石油危機の暴落、1990年バブル崩壊の暴落、2008年リーマンショックの暴落と続いていった。
今年は前回の重厚長大株のピークから17年目に当たる。この歴史的な「重厚長大」サイクルの詳細を考えてみたい。
・・・続く。
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