株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2024年02月

一人でも戦う人が好きだった・・・エルピーダ坂本さんを追悼する

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多くの子供のたちに人気だったのが、一つは「○○戦隊」、もう一つは「仮面ライダー」。
○○戦隊は俗に言う戦隊物で、大体5人一組でレッド・ブルー・イエロー・ホワイト・ピンクの5色の衣装で悪者を打ち破るストーリーだ。
一方、仮面ライダーはたった一人でショッカー軍団を戦い、ピンチに次ぐピンチを乗り越えて最後に勝つストーリーだ。
子供の頃からこの「一人で戦うヒーロー」の方が「チームで戦うヒーロー」よりも好きだった。


日の丸半導体企業、エルピーダメモリ―を率いた坂本さんが亡くなった。
2010年頃、筆者は運用会社の株式運用ヘッドだったが、毎期末の坂本さんがオフィスを訪問され、社内でミーティングをしたことを思い出す。
いつもたった一人で運用会社訪問をしている、金融機関回りも一人でこなしていたのだと思う。

リーマンショック後の厳しい経営環境でも、真摯に投資家と対話を持ち、金融機関との関係を維持し、たいへんなご苦労をされたと想像できる。
これをたった一人で行動されていた。

海外投資家の説明会でも多くの日本企業はまるで「大名行列のような」大人数で押しかける。
海外投資家の厳しい質問に対して、多くの社長が多くの部下を引き連れて対応しようとしている。
海外投資家から見れば、社長の「自信の欠如」に見えてしまう。
でも坂本さんはどこへ行くのも「たった一人」だ。
そこに坂本さんの意気込みや情熱が凝縮されていたと感じる。

残念ながらエルピーダは結局行き詰まり、広島工場は米マイクロンに買収された。
でも、今でも坂本さんの言葉を思い出す。
飾らず、噓をつかず、真正面から投資家に対応する姿勢だった。

坂本さんのご冥福をお祈りしたい。



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株高の理屈(3)予想外の緩和効果

リバースレポ202402
















FRBの利上げはほぼ終了し引き締めも一段落しているが、量的緩和の後始末は続いている。
その一方でNY株式市場は引き締め下として空前の上昇相場を続けている。
政策金利5.5%の高金利下での株高をどう理解したらいいのだろうか?

昨年3月以降、FRBは量的引き締めを続けバランスシートは8兆7050億ドルから7兆5810億ドルまで縮小させた。
この分、米国債の保有を減らして市場流動性を縮小させる。

しかし、その一方でリバースレポ取引の残高も急減させている。
昨年3月のレバースレポ取引残のピークは2兆3750億ドルだったが、昨年10-12月期に急速に縮小し現在5530億ドルとなっている。

リバースレポはFRBの保有米国債を金融機関に買戻し条件付きで売り、金融機関の余剰キャッシュを吸収する取引だ。
しかし昨年後半からのリバースレポ残が急激に減少している。
これはは米国債を回収し米金融機関にキャッシュを供給することになる。
リバースレポの減少は市場流動性を拡大させる。

下の表は3か月ごとにバランスシートとリバースレポの変化分を比較したものだ。
FRB Q/Q R/REPO Q/Q
Feb-24 7.581 ▲ 0.131 0.520 ▲ 0.498
Dec-24 7.712 ▲ 0.290 1.018 ▲ 0.539
Sep-23 8.002 ▲ 0.344 1.557 ▲ 0.477
Jun-23 8.346 ▲ 0.359 2.034 ▲ 0.237
Mar-23 8.705 0.154 2.271 ▲ 0.282
単位:兆ドル、FRBはバランスシート額、R/REPOはリバースレポ残高。Q/Qは3か月の変化額

バランスシートの減少=流動性の吸収、リバースレポ残高の減少=流動性の拡大であり、その違いがネットの市場流動性に影響する。
昨年10-12月期からバランスシートの減少よりもリバースレポの減少が大きくなっている。
つまり、市場では両方の差し引きで流動性が増えている。
このFRBの隠れ資金供給が米国株の急上昇を招いた可能性がある。

しかしリバースレポ取引残高はすでに5530億ドルと限界点に近づいている。
リバースレポの縮小が終わると、バランスシートの縮小が続いているだけに量的引き締め効果が強く表れてしまうかもしれない。
これが需給面から株高の限界を示すことになるかもしれない。
FRBは3月FOMCで量的引き締め(QE)を見直すかもしれない、これが大きな注目点だ。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(6)外国株式

MSCIweight












外国株ではMSCIワールド(MSCI Acwi=オルカン)とMSCIコクサイ(日本を除く先進国)の二つのインデックスがある。
新NISAの積み立て運用ではオルカンとS&P500のインデックスファンドが人気だが、どう考えるべきなのだろう?

それぞれのインデックスの特徴は・・・
MSCIワールド(オルカン)は普通に時価総額で各国のウェートを決めているので、米国株68%、日本6%、英国4%・・・という組入れ比率になっている。
一方、MSCIコクサイ(除く日本株)は米国株73%、英国4.4%、カナダ3.6%、フランス3.5%・・・と欧米株が中心だ。
S&P500のインデックスファンドなら、当然ながら米国株100%となる。

この3種類のインデックス、MSCIAcwi、MSCIコクサイ、S&P500をどう使うかは投資家次第だ。
ポイントを要約すると・・・
第一に日本株ウェートを別枠で25%取るならばオルカンよりもMSCIコクサイの方がフィットする。
GPIFのように日本株のインデックスを組入れるなら、日本を除くインデックスであるMSCIコクサイの方が適当なのは間違いない。

第二に米国株のウェートを高く取りたいならばS&P500のインデックスファンドだし、世界平均で運用したいならばオルカンだ。

これらは投資家の考え方による。
ちなみにリターンとリスクは・・・

MSCIコクサイ   3年   5年   10年
リターン     +20.74% +18.73% +13.01% 
リスク        15.12%   17.05%   16.48%
シャープレシオ   1.33   1.10   0.83

MSCIワールド   3年   5年   10年
リターン     +24.22% +15.18% +9.37%
リスク       14.37%  19.4%  18.14%
シャープレシオ   1.59   0.83   0.59

MSCIコクサイとMSCIワールド(オルカン)を比べると、明らかにMSCIコクサイが優位にある。
10年記録で、MSCIコクサイがリスク18%+リターン13%でシャープレシオ0.83に対して、MSCIワールドはリスク18%+リターン9%でシャープレシオ0.59。

リターンでもMSCIコクサイの方が高いし、リスク対リターンのシャープレシオでもMSCIコクサイの方が優位に立っている。
日本株は日本人ならば母国株であり、情報が多いので、日本株+MSCIコクサイという組み合わせは一定の理があるだろう。
GPIFのモノマネだが、合理的な投資判断だ。

もし米国に強気ならばオルカンよりもS&P500のインデックス投信を買う方がいいし、もし日本株を嫌いならば日本株を別枠で考えずにオルカンのみを買う方がいいと思う。
このあたりはそれぞれの考え方だ。


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株高の理屈(2)外人買いの謎「株価は夜作られる」

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2月に入っても日経平均の上昇には歯止めがかからない。
ここ1か月で日経平均は6.3%も上昇している。

その要因として挙げられているのが「強烈な外人買い」だという。
しかし東証の投資家別売買を見ると、海外投資家は1月は2兆円の現物買い越しを記録したものの、2月の第二週までの数字ではわずか6413億円に過ぎない。
第二週はオプションSQ前に1800円高したにもかかわらず、現物買い越し額は2637億円と大幅に減少した。

市場関係者はサウジアラビアから大量買いが入っているとか、中東のソブリンファンドが欧州を経由して大量買いしたとか、噂はすごく広まっている。
しかし、現実の買い越しは2637億円にすぎない。

これをどう考えるか?

現在の金融資本市場はファンドの動きが中心になり、その資金フローが通常の外人売買とは違っているのではないかと仮説を立てたい。

中東のソブリンファンドが日本株を買う場合、まず、カストディアン銀行の口座に資金を入れ、ファンドマネージャーはカストディアンと連絡しながら、カストディアン口座で売買する。
この分が海外投資家の売買として東証の数字になる。

しかし、ファンド、特にETFの場合は違う。
海外籍のETFの場合、まず外資系証券が東京事務所に注文を出して必要な日本株式を集める。
そしてその株式を基に海外投資会社がETFを組成して、海外市場に上場する。
株式自体は東京のカストディアンに預けられ、その分を海外籍ETFとして海外市場で取引するわけだ。

海外市場で日本株ETFに大量買いが入った場合、海外市場の売買量では対応できないため、海外投資会社が東京にある外資系証券に連絡し株式を手当てする、その分を海外でETFとして売買できる。
という仕組みになるので、東京市場では海外投資家の売買ではなく、外資系証券の自己売買として統計に出てくることになる。

2月の証券自己売買を見ると、第一週は2049億円の買い越しだが、第二週には6223億円と急増している。
証券自己の売買には日興SMBCが不正をしたブロック取引、機関投資家は数百銘柄を一度に売買するバスケット取引、先物を現物に置き換えるEFP取引などあるが、海外ファンド組成のための売買も含まれる。
海外ファンドが急拡大するとともに証券自己売買も増えていくのだろう。

もしこの分が海外ファンド組成に伴う外資系証券の自己買いだったとしたら、実質的に海外投資家の買い越しは2637∔6233=8878億円と、1月2週の9588億円買い越しに匹敵する。
海外でのデリバティブ取引、海外ファンド(含むETF)取引などは東京からはよく見えない。

その見えない海外市場での大口取引が日経平均に大きく影響している、「株価は夜、作られる」のは間違いないだろう。
でも実態が日本からは見えない?



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Jリート市場の需給分析(3)需給のヤマ場

S&Pグローバル・リート指数(日足)2016~2024
グローバルREIT202402
















東証Jリート指数(日足)2019~2024
Jリート指数202402
















上のグラフはS&Pグローバル・リート・インデックスの2019年~2024年の日足。
国別のウェートは、米国65.9%と最大、Jリートも61銘柄、9.1%組入れられている。
その他では豪州6.3%、英国5.3%と旧英連邦の組入れが多い。
グローバルリートの利回りは4.4%、PBRは1.52倍だ。

一方、Jリートは利回り4.5%、NAV倍率0.88倍と世界でも割安な国だ。
しかも9%のウェートで組入れられているので、グローバル不動産市場でも大きなウェートを持っている国だ。
でも、この優良な不動産市場を持つ日本がグローバルリートの足を引っ張っている。

日足の動きを比べると昨年10月以降の動きの違いが明確になる。
米長期金利の天井打ちからグローバル・リートは反発局面にある反面、Jリートだけがダラダラと下げ続けている。

この違いは何なのだろうか?

不動産市場のファンダメンタルとは思えない。
欧州の不動産市場もドイツ中心にオフィスの悪化があるし、米国でも商業不動産に対して懸念がある。
その一方、日本は比較的安定しているのは間違いない。

短期投資家別売買動向は以下の通り。

合計 Jan-24 Dec-23 Nov-23 Oct-23 Sep-23
海外投資家 269 ▲ 95 80 ▲ 20 137 167
投信 ▲ 650 ▲ 62 ▲ 151 ▲ 25 ▲ 176 ▲ 236
金融法人 ▲ 375 ▲ 89 ▲ 103 ▲ 228 167 ▲ 122
個人投資家 ▲ 90 119 ▲ 14 ▲ 76 ▲ 55 ▲ 64
単位:億円

海外投資家が9月~1月で269億円の買い越しだったのは、おそらく、グローバルREITファンドのパフォーマンスが出ていたのでJリートにもそれなりの買いが入ったということだろう。

その一方投信が650億円の売り越し、金融法人は375億円の売り越しだった。
Jリート投信の動きは個別投信の基準価格の下落分を越える純資産の減少で計算すると、この期間で1200億円も資金流出だった。
東証の需給数字では投信は650億円だったが、Jリート投信に資金流出1200億円と違いがある。

この違いは何なのだろうか?

考えられるのは、地銀等がJリート投信を買っていたという可能性だ。
公募投信は個人投資家向け商品だが、金融機関も買うことはできる。
信託報酬が高いため地銀等は私募投信を買う場合が多いが、流動性を考えたら資産規模の大きい公募投信を買うこともあるだろう。
その意味で投信と地銀の売り越しの合計額1025億円の多くが公募投信から流出だったと見ている。
いずれにしても決算期末の3月中旬までに需給のヤマ場を越えていくと思われる。

おそらく最大の問題は、分配金利回りが5%以上ある高利回りリートが22銘柄もある市場だが、投資家の押し目買いが入らないことだ。
今の投資家は5%の利回りでは満足できない、1か月で10%、1年で30%ぐらいの利回りを期待しているのではないかと思う。
大暴騰するエヌビディア株のPER60倍台、エレクトロンやアドバンテストのPER50倍や80倍を見た投資家の目線が相当切り上がっているのだろう。
しかし時価でリートを買えば、減配しないかぎり5年でも10年でも5%の利回りを得られる、インカム中心の高齢投資家からすれば「投資の天国」だ。



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2月の米国インフレが3月のFOMCに影響するかも?

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米国のインフレがどうなるなのか?
大きな関心事で、これが最終的にFRBの行動を決めるからだ。

下の一覧表はいつも使っている数字だが、米国の小売売上高の前年比数字を加えてみた。
米国株高は米国民の資産に直結し、その結果消費行動を積極化させる。
10-12月期に米国株は14%上昇(NYダウ)したが、11月の小売り売上高が4%、12月に5.5%増加した。
物価以上に賃金が上昇している米国なので基本的に個人消費は堅調、加えて株高の資産効果が影響する。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5% -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1% -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0% -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1% -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2% 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3% -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4% -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4% -38.71 70.23
2023年5月 4.0 5.3 1.61 4.3% -34.68 71.59
2023年4月 4.9 5.5 1.60 4.4% -21.95 79.44
2023年3月 5.0 5.6 2.94 4.2% -32.36 73.37
2023年2月 6.0 5.5 5.39 4.6% -16.24 76.84
2023年1月 6.4 5.6 6.38 4.4% -6.03 78.11
前年比%、原油価格WTIはドル

1月の小売売上高は予想に比べ低調で、前年比+0.65%に留まった。
1月単月のNYダウの上昇率はスローダウンし+1.2%だったので、これが小売売上高に影響したのかもしれない。

しかも賃金が前年比で4.5%上昇する一方、CPIが3.1%上昇なので、物価以上に賃金が増えている状況が続いている。
賃金上昇が今後も個人消費を強める方向でさらに資産効果が出るとしたら・・・
NYダウが今後どうなるかは「神のみぞ知る」だが、もし今後も上昇が続けば個人消費が強くインフレが高めに出てきてもおかしくない。

2月も米株高が続いたので資産効果が大きく出ていると思われる。
2月雇用統計、CPI、小売売上高に資産効果が影響するならば、FRBは利上げを延期する可能性もあるからだ。
2月の急激な株高とその経済指標への影響、そして、FRBのコメントが重要なのだろう。

株価が景気を決めるという、因果関係が逆転したヤヤッコしい関係になっているような・・・・???



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株高の理屈(1)武者さんの「米国陰謀論」

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日経平均が3万9000円大台にのせた。
多くの日本人には自分の経済状態に比べ不思議な株高なのだろう。
国内の経済データをいくらガン見しても理屈がよく分からない。

そこで、いろんな点からか「株高の理屈」を考えてみたい。

まずは株式評論家・武者さんの株高理論。

「米中対立で地政学が変わった。米国にとって重要なのは戦略商品である半導体サプライチェーンを中国から切り離し、連合国である日本に移すことだ。そのためにTSMCが日本に新工場を建て、日本半導体株高を演出した。米国の地政学が日本株を急騰させた。
かつて日本の半導体が世界シェア50%だった時、米国は日本をつぶしたが、今は中国をつぶすために日本株を上昇させている。日経平均8万円まで株高になってもおかしくない。」

日本の半導体株の急騰は米国が中国離れし日本を米国中心世界に組み込むための、米国の意思だという「米国陰謀論」だ。

半分は正しいと思うが、半分は間違いだと思う。

正しい部分は、産業のコメである半導体産業のサプライチェーンで過度な中国依存を避け、民主主義国でサプライチェーンを整備したいという部分だ。
製造業で圧倒的な力を持つ中国への過度な依存を避け、半導体のサプライチェーンを作り直す点は実際に行われている政策だ。
TSMCが熊本に新工場を作り、マイクロンが広島での生産を拡大する、ラピダスなどの日の丸半導体も生産を拡張する、これには日本政府の意思が強く作用しているのは間違いない。

一方、米国の陰謀論はちょっと胡散臭い。
なぜなら急速な栄枯盛衰が日本の半導体産業の原因で、米国の陰謀とは思えないからだ。
PCからタブレット・スマホへと製品サイクルも早く、得意のDRAMやステッパー(露光装置)もあっという間に陳腐化してしまった。
陳腐化してコモディティ化すると大量生産できないと利益が出ない、こうしてDRAMもフラッシュメモリーも人件費の安い韓国サムスン等アジアメーカーに取って代わられた。

得意な製品が高速でコモディティ化し人件費の高い国内ではビジネスで息詰まった、と同時にバブル崩壊後の財務悪化で次世代投資が停滞したことが最大の衰退原因だったと思う。
米国が仕掛けたのは「プラザ合意以降の円高」だが、衰退の原因は円高だけではない。

最近の日本株高も米国市場の連れ高の要素が強い。
陰謀論が正しいとすれば、米国株に関係なく日本株高が生じていたはずだがそうではない。
昨年5月にエヌビディア株が決算後に急騰しchatGTPなどAI投資が膨大な額に上り、エヌビディアのグラフィックボード(GPU)に膨大な需要が生じるという期待が相場を変えた。
決して今期減益のままのアドバンテストや東京エレクトロンが世界の半導体相場をリードしたわけではない。

この半導体の二極化相場はエヌビディアが天井を打った時に終わる。
今回のエヌビディア決算後に株価が100ドル高、全世界で半導体関連が急騰した。
注目すべきは日経平均の水準ではなく、エヌビディアや米国半導体株がいつ・どうのような形でピークを打つかだ。
そしてそれは誰にも予想できない、突然くるだろう。



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マイナンバーはいいけど、マイナカードはいらない

マイナカード









昨年12月にサイフをなくしたが、銀行カードやクレジットカードの使用停止と再発行は極めて迅速に行われ、1週間もすれば新しいカードが送られてくる。
健康保険証の再交付はさらに簡単で、電話して1~2日で再交付してもらえる。

それに対してマイナカードは、紛失して一定の時間後に紛失を確認して、区役所に予約を取って出頭し手続きをする、その際に1000円の再交付費用がかかる。
その後、1か月すると区役所から再交付の書類が届き、予約して1週間後に再度区役所に行き、そこで再交付のマイナカードを受け取れる。
その間1か月以上がかかる。

なんでこんなにメンドくさいのか?

筆者はマイナカードを持ち歩くのをやめた。
再発行のメンド臭さを考えると、自宅の引き出しに入れたままでいいと思う。
大体、このカードを何に使ったのか全く記憶にない。

健康保険証として使う人もいるが、多くのクリニックや病院でこのカードによるトラブルが相次いでいるし、健康保険証を持っている方がいい。
本人確認というが、これは運転免許でもパスポートでも他にいろいろ代替できる。
はっきり言ってマイナカードは不要だ。

しかしマイナンバー自体(個人番号)は便利だ。
毎年の確定申告をネットでする時にその便利さは実感する。
毎年この時期に税務署から認識番号が送付され、その認識番号とマイナンバーで電子申告ができる。
マイナンバー以前は申告用紙に記入して税務署まで出かけて申告する必要があったが、今ではネットだけで簡単だ。
という意味では、このマイナンバー'(個人番号)は便利で使えるが・・・でも問題はカードだ。

紛失すると手続きがメンド臭い、持っていても使う機会はほとんどない。
しかも10年毎に期限が切れ、更新手続きをしなければならない。
個人番号だけで十分だ。




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新NISA、長期積立投資の基礎知識(5)国内株式

世界時価とGDP202308


















20年という長期間の積み立て運用で株式への投資を考える時、一番重要な事は①ファンダメンタルは変化してしまう、②企業業績に惑わされない、③慎重なインデックス投資が有効、という三点だ。


①経済ファンダメンタルが株価を決定するが、20年後のファンダメンタルを予測できない事。

しかし、20年という超長期では、好景気あり不況あり、高金利あり低金利あり、円高あり円安あり、様々な変化が起こる。
過去20年見ても、ITバブルの崩壊、リーマン危機、日銀やFRBによる超金融緩和、トランプ政権下での米中対立、新型コロナ禍・・・いろいろなビッグイベントが起こった。
今後の20年も同様、様々なイベントが起こるだろう。
現在のファンダメンタルを見て超長期の投資を行うのは危険すぎる。


②企業業績に惑わされない事。

20年という超長期では、どんなに素晴らしいビジネスモデルでも陳腐化は避けられない。
さらに技術革新が大きな要素となり、新しい成長企業が次々と登場する。
現在の大企業の中でも陳腐化して倒産する企業も出てくるだろうし、現在上場してもいないベンチャー企業が大企業へと成長しているかもしれない。
企業業績の予想はせいぜい2~3年しかできないとすれば、超長期投資では業績は無視すべきだ。


③インデックスも陳腐化する可能性がある。

超長期の株式リターンは最終的に名目GDPの成長率に近づく。
その意味では国内株式といえども、投資ポートフォリオは名目GDPに連動させる必要がある。
株式指数はそれぞれの特徴がある、TOPIXは日本の大企業のウェートが高いし、日経平均は値がさハイテク企業のウェートが高い・・・などなど。
株式指数を組み合わせることで、超長期で名目GDPに連動するインデックス投資が可能となる。
たとえば、主要な部分60%程度をTOPIX、30%を日経平均、10%を小型株指数などが有効だと思われる。

最悪な選択はテーマ型投信。
投資テーマはほとんど2~3年しかもたない。
さらにアクティブ投信も避けた方がいい。
20年もすれば優秀なファンドマネージャーも定年退職してしまう。

いずれにしても重要な事は、現在のファンダメンタルや企業業績に惑わされず、国内株式指数(指数の連動するETFなど)に分散投資することだ。



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1999年、ITバブルの記憶

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株高に加速がかかり、半導体関連株が天を突くような急騰を演じている。
こんな市場を見ていると、1999年、四半世紀前のITバブルを思い出す。
筆者は当時、証券会社の自己売買部門で会社資金を運用していた。

1997~98年は危機に次ぐ危機だった。
東南アジアで短期資本の急激な流出で通貨危機が起こり、その後、ロシア危機に飛び火し、その中で巨大ヘッジファンドLTCM(ロングターム・アセットマネージメント)が破たんした。
この危機への対応で各国中銀が急激な金融緩和を行い、危機後の市場には過剰流動性が発生した。
この過剰流動性が起こしたのが「ITバブル」だった。

さらにインターネットの勃興期で、通信がピッチからガラケーさらにスマホへと発展し、インターネットの世界もEコマースが急速に拡大し、「ドットコム・バブル」が起こっていた。
ネット本屋だったアマゾンがEコマースを急速に拡大させ、グーグルがIT世界を席巻し、アップルがタブレットやスマホの新製品を次々に生み出し通信世界を変えた。

こうした「インターネットの夢=ドットコム・バブル」と金融市場の「過剰流動性」が作ったのがITバブルだった。
当時の東京市場でもソフトバンクや光通信がバブル化し、ゲームで急成長したソニーやアップルサプライヤーの村田製作のような電子部品が急騰した。
ニューエコノミーとオールドエコノミーという単純な二分類が集中投資をリードし、オールドに分類された株は全く人気の圏外に放置された。

当時会社の自己勘定ポジションはソフトバンクやソニーやNTTドコモなどが筆頭だったので大きくリターンを上げた。
自己売買部門で100億円の利益を上げた最初の年が1999年だった。

その1999年末が凄かった、今でも記憶に残っている。

12月最終週にソニー株を始め、ニユーエコノミー株が加速した。
ストップ高だったかは記憶にないが、それに近いとんでもない暴騰を三日間連続で記録した。
ソニー株はこの年、株価数千円から始まり、12月末には3万5000円までぶっ飛んだ。
このソニーの3万5000円への急上昇は今でも記憶に鮮明に残っている。

そして、正月休みは普段通りに家族と過ごした。
でもこの期間に冷静になり、2000年の大発会でソニー株を全株売却しようと心に決めていた。
当日大発会はいきなりの売り気配で値が付かず、およそ500円安ぐらいで寄り付いたように覚えている。
これがITバブル崩壊の始まりだった。

なぜ、こんな昔話をしているのか?

現在の市場とは全く異なっているが、半導体株ばかり急上昇する今の株価の動きは当時のITバブルに近づいている感じがする。
しかし現在、最後の三日間ソニー株ほどの熱狂場面にはなっていない。
数日前に「バブルへGO」というブログを書いたが、この映画の中で広末さんが「バブルって楽しい、最高!」と叫んだのを思い出す。
その楽しい株価暴騰もいつかは破裂する。

そのカギは3月FOMCでFRBが何を言うかだと思う。
もし5月にも利下げを想定するならば、この資産価格効果による経済活発化でのFRB利下げは、バブルを巨大化させる要因になりうる。
逆にFRBが慎重な姿勢を見せれば利下げは遠のく、次の一手は「利上げ」だと市場が受け取れば株は暴落しかねない。

3月FOMCが注目点だ。
投資家としては銘柄分散を図る局面だと思う。
食品、薬品、化粧品、家庭用品などのデフェンシブセクターを用心のために組み入れるところかもしれない。



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Jリート市場の需給分析(2)長期需給から見ると・・・

Jリート市場時価総額(月次)
Jリート時価総額202401
















上のグラフはJリート市場の時価総額の長期トレンドだ。
2020年の新型くコロナ禍で暴落したが、その後経済が正常化するとともにJリート市場も回復。
2022年から2024年直近まで時価総額は15兆円をボトム圏として推移している。
ここ数年のボトムは、22年2月15.5兆円、23年2月15.0兆円、さらに23年10月15.0兆円で、なぜか2月に時価総額のボトムが集中している。
現在の時価総額は14兆6262億円で、コロナ禍以降の最低水準に落ち込んだ。

この水準でも売却してくる投資家がいるわけだが、長期の投資家別需給から確認してみたい。
下の表は過去10年(2014年から2023年まで)の投資家別売買動向だ。

海外 投信 金法 個人
合計 8368 999 3375 ▲ 23048
2023 ▲ 66 ▲ 400 404 ▲ 509
2022 692 756 ▲ 821 ▲ 774
2021 2605 ▲ 1725 ▲ 811 ▲ 2158
2020 409 529 185 ▲ 1210
2019 691 811 354 ▲ 3379
2018 3056 ▲ 1333 ▲ 1505 ▲ 3009
2017 385 ▲ 860 219 ▲ 1885
2016 1674 ▲ 103 731 ▲ 3377
2015 ▲ 1610 2254 2390 ▲ 3313
2014 532 1070 2229 ▲ 3434
単位億円

①まず気が付くのは個人投資家の売り越し、過去10年で2兆3048億円という巨額の売り越しだ。
でも新規上場(IPO)や公募投資で個人投資家が購入した分はこの数字に含まれず、むしろIPOや公募増資で購入したリートを上場後売却すれば「売り越し」になる。
こうした売りが長期でたまりたまって2兆円を超える売り越しになったと考えられる。
実際の保有残高は数千億円規模であるはずだ。

②海外投資家は過去10年間で8368億円と大幅な買い越しだが、これは2020年以降JリートがS&Pグローバル指数などに採用され、インデックスファンドが買い入れた分が含まれている。
ただ、現在はこうしたグローバルインデックスファンドの買いは一巡している。
今後はNAV倍率の1倍割れなどから海外投資家による買収対象になってくると見られる。

③投信は過去10年間で999億円の小幅な買い越しと、ほぼニュートラルだ。
現在投信の売りが市場で優勢となり、Jリート市場全体を下落させている。
しかし過去10年間で買い越し分は2024年初から600億円ほど売り越しているので、ほぼ売り切っている状態だ。
投信の売りは最終局面に入っていると思われる。

④金融機関は過去10年で3375億円の買い越し。
多くの地方金融機関は貸し出しが伸びずに余資運用の一部としてインカムゲインの大きいJリートを保有している。
最近のJリート市場の下降トレンドで地方金融機関には含み損が出ている可能性が高く、この含み損を年度末の3月までに処理しようとしているのかもしれない。
Jリート指数が毎年2月~3月に底を付ける傾向があるのは、こうした地方金融機関の処分売りが影響している可能性もありそうだ。

まとめると、保有状況から見て投信の売りはそろそろ止まってきそうだが、地方金融機関の保有分は年度末に向けて処分売りの対象になるかもしれない。
と考えると決算対策が終わる3月中旬がボトム圏かもしれない。



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「70歳台で老衰死」の恐怖

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山梨のお爺ちゃんたちは強い足腰を持っている。
85歳の知り合いは一日1万歩以上歩き、ゴルフをやれば豪快なスイングで200ヤードを飛ばす。
でも、そんな元気なお爺さんたちが中心の地元ゴルフ愛好会では毎年数名が亡くなっている。
昨年の6月だったと思うけど、愛好会ゴルフで元気に90台のスコアで回ってきたお爺ちゃんがその次の愛好会では不参加だった。
どうやら亡くなってしまったらしい。
その間わずか2週間、全く信じられなかった。

最近老衰で亡くなる高齢者が増えているらしい。

「厚生労働省の人口動態統計によると、2022年に老衰で亡くなった人の数は17万9529人。2002年は2万2682人だったから、この20年で約8倍にもなっている。死因でみてみても、2018年に老衰は脳血管疾患を抜いて3位となり、最新の22年の調査でも、1位はがん(24.6%)、2位は心疾患(14.8%)、3位は老衰(11.4%)となっている。」

この数字にはトリックがある。
死因のうち心不全と呼吸不全が減少し、その分老衰が増えている。
医者の死亡診断で明確な病気が見当たらない場合、「心不全」や「呼吸不全」ではなく自然な死である「老衰」に分類するようになったという。

それにしても70歳台の老衰も増えているらしい。
有名人でも篠山紀信さんや坂田さんは80歳ちょっとで老衰、ある落語家は73歳で老衰だった。
もちろん前述したゴルフで200ヤード飛ばす元気な85歳もいれば、70歳台前半で老衰死をする人もいる。

よくよく考えると、戦後の厳しい食生活や環境を生き延びてきた80歳台・90歳台の高齢者は強靭な内臓や身体を持っているので、彼らの引きずられるように日本人全体の平均寿命もどんどん長くなった。
でも戦後の飽食時代に育った現在の60歳台・70歳台はそれほど強靭な身体を持っているとは思えない。

その意味で日本人の平均寿命は歴史的なピークを打っているといえるかもしれない。
70歳台や80歳で老衰、つまり、肉体的な限界を迎えるという事実は重い。
筆者の個人的な思いは・・・あと10年をどう生きるか?
これが問題だ。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(4)外国債券

円ドル購買力平価
購買力平価202401


















外国債券も重要なアセットクラスであることは間違いない。
でも考え方は少し難しい。
というのは長期投資では為替ヘッジはしないので、為替変動を含めて期待リターンを考えなければならないからだ。
現在は円安局面であり積極的な外債投資環境ではあるが、これが永遠に続くわけではない。

債券価格は金利低下局面で上昇し金利収入(クーポンレート)と価格変動益が得られる、その一方金利上昇局面では価格が下落しリターンを引っ張ってしまう。
それ以上に難しいのは、たとえばFRBが今後利下げをすると米債券価格が上昇する一方、為替市場では金利差縮小でドル安が生じることだ。
その結果、米債の価格上昇による収益が上がる一方、金利差縮小による為替損失が出てしまう。
金利の変化と為替の変化は基本的に逆方向になる。

この為替の変化を考慮して期待リターンを想定することが単純な円債とは違う。

上のグラフは国際通貨研究所が出している購買力平価で、2023年12月現在、消費者物価基準の購買力平価108.21円/ドル、企業物価基準では91.32円/ドル、輸出物価基準では88.77円/ドル、実勢レート144円/ドルに対して3割以上円安になっている。

変動相場制になった1973年以降、実際の為替レートは購買力平価に沿って動いてきた。
長期的には物価差を調整する方向に為替レートは動く。
ビッグマック・ランキングでも日本は激落し、名目GDPランクでもドイツに抜かれ4位に転落した。
これらは行き過ぎた円安の結果であることは明白だ。

長期の積立投資では、外債リターンを金利差と物価差で考えていく方がいい。
現在は米国債券利回りが10年で4.1%、日本の10年利回りが0.7%なので、米国債の方が優位にあるといえるが、10年後の満期では為替で調整されてリターンはそんなに違いがないかもしれない。

でも為替レートの予想は基本的に不可能なので、GPIFの運用方法のようにきちんと比率を一定にした運用が効果が高い。
パフォーマンスが良い資産を確実にウェートを下げ、パフォーマンスの悪い資産のウェートを元に戻すリバランスを着実に行っていくことだ。
これによって債券価格や為替の変動を調整した後の安定したリターンを得られるはずだ。

新NISAの運用では外債インデックス(できればETF)にドル建てで投資して、全ポジションの25%を配分するのがいい。
GPIFのマネだが、これが一番だと思う。



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何かの勘違い? 政策保有株の売りと自社株買い?

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元々「株式持ち合い」が悪者扱いされてきたが、最近では「政策保有株」が悪者になり始めている。
「持ち合い株」と「政策保有株」はどう違うのだろうか?

株式持ち合いは海外投資家に評判がとても悪い。
株式持ち合いは海外投資家に日本株式の保有を解禁した「資本の自由化」が進んだ昭和40年代、古い話で恐縮だが、外資の買収を懸念した企業ケイレツを中心にお互いに株式を持ち合い、経営者が買収から自分の身を守ろうとしたものだ。

海外投資家からすれば「持ち合い」は日本企業買収の大きな障害であり、非関税障壁として高らかに改善を要求し続けてきた。
銀行を含むケイレツ間の持ち合いは収益を生まない資本を膨らまし経営効率を引き下げてきたので、現在では多くの企業ケイレツで持ち合いは減少してきている。

一方、「政策保有」は異なる背景で進んできた。
例えば保険会社が事業会社株を保有し、その事業会社の保険を引き受けるというような場合がある。
また、銀行が融資先を確保するために企業の株式を保有する場合もあるだろう。
いずれにしてもこうした株式を使ったバーター取引のようなもので、こうした特殊な取引慣行が問題とされ、政策保有株は徐々に削減されてきた。

メガバンク勤務だった友人は、昔「持ち合い株」や「政策保有株」の売却担当をしていた時「売っても売ってもいくらでも株が残ってる」とその大きさを嘆いていた。
銀行は長期的に計画的に政策保有株を減らしてきた。
その一方、保険会社は顧客関係を重視したせいか、保有株がまだまだ多い状況だ。

最近では東証のせいか、政策保有株削減と自社株買いで資本効率が上がると保険株が買われている。
でも何か勘違いがありそうだ。
政策保有株の売却はその発行会社(顧客)の承認がいるので計画的に行う必要がある。
そもそも政策保有株売りを自社株買いで吸収するのは保険会社ではなく、顧客の事業会社が決めることだ。
計画的に進められるべき課題で一気に進むとは思えない。

持ち合い解消ならば会社間で連絡し合いお互いに納得すれば売却できるので話は簡単だけど、政策保有株は顧客の株式なので保険会社は売却すると顧客関係に影響するのを恐れてきた。
でも東証のお墨付きがあれば、迅速にできるのかもしれない。
でも何か日本的な感じ。
事業会社がこの保険会社の保有株売却を自社株で受ければ市場の需給的には中立だが、それは事業会社の判断でそんなに簡単に保険株を買うストーリーではないように思われる。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(3)国内債券

円債














GPIFの事例を基に4資産分散投資の話をしていきたい。
まず円債のアセットクラスには、代表的には日本国債、円建て外債(ユーロ円債など)、ヘッジ外債(為替をヘッジした外国債券)などが考えられる。

個人投資家は円債投資に興味がわかないだろうと思う。
利回りが低すぎるからだ。
日銀のゼロ金利政策が続いているので、10年の長期国債でも利回りは0.7%に過ぎない。
0.7%の低い円債を組入れる必要があるのかを疑問視されるのは理解できる。

でも、それでも円債を組入れる価値はある。
それは円債の値動きが極めて小さいので、大きな損失はないことだ。
この低いボラティリティの商品を組入れれば、ポートフォリオ全体のリスクを大きく減らすことができる。

GPIFのポートフォリオで確認してみよう。
GPIFリスク









これはGPIFが公表した期待リターンとリスク(標準偏差)だ。
この4資産の中で円債は最低のリターン0.7%だが、その一方リスク(収益のバラツキ)も最も低く2.56%に過ぎない。
株式では国内株が5.6%と期待リターンが高いがリスクも23.14%と高く、さらに外国株式では期待リターン7.2%に対してリスクが24.85%もある。
最大値を考えれば20%以上の大きな損失も考えられるわけだ。

この低リスクの円債をポートフォリオに加えることで、4資産ポートフォリオ全体のリスクを12%に抑えている。
もし、リターンが少ないからといって円債を組入れなければ、ポートフォリオのリスクは20%弱と相当大きくなってしまうだろう。
円債を組入れることで、損失のリスクも限定しているといえる。

円債のアセットクラスでもう少しリターンを上げたいという場合には、ユーロ円債などの円建て外債、円ヘッジを付けたヘッジ外債などに運用対象を広げることもできる。
また、同じインカム型の円建て商品ではJリートも部分的に加えることもできる。
いずれにしてもETFで投資できる円債商品から選ぶのが良いと思う。



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Jリート市場の需給分析(1)人の行く裏に道・・・

Jリート配当利回り2019年~2023年
Jリート配当利回り
















米国CPIが上フレしたことで利下げがあとズレ、債券が売られ、株式も売られ、ドルが買われた。
これでバブル的な株高が終わるとはいえないが、少なくともFRBの金利操作が焦点になる。
資産効果で景気が上フレし小売りが伸び、雇用が伸び、賃金が上昇する経済では金利は下げるよりも上げるのが普通だ。
市場の織り込み通りに利下げをするのか、FRBの判断が今後の焦点になるだろう。

さて話は変わる・・・
上のグラフはJリートの配当利回りを2019年から見たものだ。
2020年にJリート利回りが急上昇したが、これは新型コロナで世界経済が一気に止まり、あらゆる資産価格が暴落した時期だ。
瞬間的に6%を上回る高利回りになったが、ほんの一瞬だけで2020年後半には新型コロナ禍が続いていたにもかかわらず4%台前半で推移した。
現在Jリート利回りは4.5%と、堅調な経済状況にもかかわらず、この新型コロナ禍の水準を越えてしまった。

不動産市場はそれぞれの国の事情で動いている。
中国の過剰な在庫を抱えた不動産各社が経営不振に陥り、アメリカ人のリモートワークによってオフィス需要が停滞し、商業不動産市場に懸念が生じている。
これに対して日本は主要な都市に人口が集まり、住宅価格もオフィス価格も上昇している。 
グローバル市場に連動(リンク)しているわけではなく、それぞれの事情で動いている。

日本の不動産市場は長期のデフレ停滞から抜けてきたところで、都心のマンション価格が平均で1億円を越え、麻布・虎ノ門・八重洲・渋谷・青山と次々と再開発事業が進められてきた。
不動産市場としては日本が一番活発化しているような感じがする。

ところが、Jリート市場は不動産市場と切り離されたように低迷している。
その結果、配当利回りは4.5%と高く、長期金利とのスプレッド(利回り差)は3.8%に達した。
さらに、NAV倍率(時価評価したPBR)は0.88倍と、買収すれば12%の利益が出る水準に低下した。

明らかにファンダメンタル要因ではなく、需給要因によってJリート価格の下落が起こっている。
毎日の値動きを見ていると、引け値にかけて売り圧力が増して安値引けが続いている。
これは投信など基準価額で売買する投資家の売りだ。

そこで、主要なJリート投信の値動きと純資産額から資金流出額を計算してみた。
以下の通り・・・


9月5日 2月9日 変化率 資金流出額
ダイワJR 基準価格(円) 2093 1797 -14.1%  
  純資産(億円) 4062 3223 -20.7% 534.35
JRリサーチ 基準価格(円) 5803 5058 -12.8%  
  純資産(億円) 4447 3697 -16.9% 389.79
しんきんJR 基準価格(円) 2851 2513 -11.9%  
  純資産(億円) 2340 1863 -20.4% 287.46
三投信計 合計純資産 10849 8783 -19.0% 1211.60
資金流出額(億円)は純資産の減少額から価格変動による影響額を差し引いたもの

12月のブログでもJリート投信の資金流出額を計算したが、9月から12月18日までの流出額は602億円だった。
その後、12/18~2/9までの流出額は609億円と一段を流出が加速しているように思われる。
この投信からの資金流出がJリート指数を押し下げている。
12月末までは個人投資家の税金対策での売りがあるとは思ったが、その後も売りが続いているのはどんな要因なのだろうか?

次回、Jリートの需給を掘り下げて考えてみたい。



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「蕎麦が美味しい地域はうどんも美味しい」の法則

村松物産










北杜市は北は南牧村、西は茅野・諏訪、南は伊那と長野県に接している。
長野は信州そばや田舎そばの名産地ということもあるのかもしれないが、全国的に有名な蕎麦屋も多くある。
ざっと上げても、蕎麦打ちのあこがれの「翁」、独特の平打ち面「やつこま」、野菜の素揚げと蕎麦の「いち」・・・多くの個性的な蕎麦屋がある。

でもこの蕎麦地域にあって長い間顧客に愛されてきたうどん店もある。
蕎麦のうまい地域だけにうどんに対する要求レベルも超高いのだろう。
その中にあって、一押しはなんといっても「村松物産店」だ。

みずがき湖を越えて、瑞牆山の方にどんどん登っていくと増冨温泉郷に出る。
その街並みの中央に位置するのがこの「村松物産店」だ。
ここの「名水地鶏蕎麦」は絶品だ。
瑞牆山の雪解け水、中村農場の地鶏と使った蕎麦で量も多く汁もうまい。
カレーうどんも美味しいし、地鶏のおにぎり、なべ焼きうどんも美味しい。

でも問題は「増冨の湯」が修理のため休業が長引いていることだ。
ほとんどのお客さんは「村松物産」のうどんを食べて「増冨の湯」に入って帰る。
「増冨の湯」が長期休業となると、「村松物産店」のお客も大きく減っているかもしれない。
なんか、心配だな~
温かくなったら、増冨温泉郷の「不老閣」にでも宿泊して村松物産店のうどんを食べたい。

次のうどん屋は「ちくら」
ここはいかにも倒壊しそうな民家で営業しているうどん店だ。
場所は国道141から少し入った所だが、ほとんど普通の民家で駐車場もせまい。

でもここのお婆さんが作ってくれるうどんはコシが強烈で、香川県のうどんに負けていない。
メニューは「うむどん」と書いてある「うどん」しかないが、このコシに強いうどんのファンは大勢いる。
この店はおそらく50~60年は経っていると思う。
昔ながらの道具が店の中に並んでいる。
昔使ったいたようなラジオや古びた家財道具が店に並んでいる。
昭和レトロどころか、大正や戦前のロマンかもしれない。

最近オープンしたうどん店「麦の杜」も美味しい。
国道141号沿いなので多くのお客さんが来る。
駐車場は十分に広いが、けっこう車でいっぱいになる人気店だ。

おでんを自分で勝手に食べることができる。
おでん鍋が置いてあり、お客は自分でおでんのタネを選んで食べている。
うどんもおでんも同じ出汁で煮込まれているので、「うどんが美味しければ、おでんもうまい」というわけだ。
うどんは「村松物産店」に似た感じだが、普通に美味しい。
家族連れで賑わう、東京のマクドナルドのような、山梨のファーストフードなのかもしれない。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(2)分散投資

GPIF












年金基金は超長期の安定した運用を目指している。
日本では厚生年金を運用するGPIFが最大の年金運用者だが、その運用は極めて保守的な「四資産分散」だ。
もちろんヘッジファンド(絶対収益運用)、不動産ファンド、プライベートエクイティなどのオルタナティブ資産にも投資しているが、その割合は限定的で収益にはあまり影響しない。

まずはそのポートフォリオを見てみよう。

GPIFPORT202402









運用資産(AUM)は226兆円、そのうち円債に58兆円、外債55兆円、国内株55兆円、外国株56兆円と4資産にほぼ同額を配分している。
積極的なアセットアロケーション(資産配分)で超過収益を目指すというよりも4資産に均等配分で長期的に安定した運用をすることが目的だからだ。

この運用方法は、新NISAで積立運用する個人投資家にも勉強すべき点は多いと思う。
より高いリターンを目指すには、債券と株式の比率、あるいは円建て資産と外貨建て資産の比率をコントロールしていくやり方もある。
でもやはり、この「均等配分」は最も基礎的な運用であり長期的に効果のある運用といえる。

よく世間で言われているのは「新NISAはオルカンだけで十分」とか、「新NISAではSP500が最強」とかだが・・・
これは資産配分としては不安定な運用だ。
なぜなら期間20年以上の運用(超長期)では景気後退したり、金利が急低下したり、不景気で会社が倒産したり、逆に好景気で爆上げしたり、金利が急上昇する・・・などが必ず起こる。
こうした景気サイクルを越えて資産価格が動いていくので、こうした局面変化に合わせて4資産に安定した配分をすることが20年という長期に耐えることにつながる。

オルカンとはオールカントリーだが、実際にはMSCI・AQWI(MSCIオールカントリーワールド)とMSCIコクサイ(日本を除く先進国で構成される)がある。
日本の機関投資家は日本株という独立した資産クラスと、MSCIコクサイ(日本株を除く外国株)に投資することが多い。
個人投資家だからといって「オルカン」だけで十分とはいえない。

長期積立運用の基礎知識として、円債、外債、日本株、外国株のそれぞれの資産クラスで運用する場合の基礎知識について考えてみたい。


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退職金の経済学(5)自己責任で決まる

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公的年金の財政が厳しくなると同時に、会社の退職制度、一時金や退職年金も大きく変更されてきた。
政府は個人の老後は自分で設計しろ!とばかり、自己責任の運用制度への移行を促してきた。
それが個人型の確定拠出年金=iDeCoであり、新NISAの積み立て制度だ。

年金制度は複雑さを増している。

①基礎年金(国民年金)は国民全員が加入する年金制度で、65歳以上の国民(加入期間の制限はあるが)に月6万円程度の年金が支給される。

②厚生年金(サラリーマン)と共済年金(公務員)は合併されたが、月額支給額10万円~25万円程度の年金の公的年金制度だ。

③会社型確定拠出年金は、従業員と会社が半々に拠出し従業員自身の責任で運用し、60歳で一時金として受け取るか年金で受け取るかを選択できる制度だ。

④個人型確定拠出年金(iDeCo)は会社型と違い、全額を個人が救出して運用する確定拠出年金、運用成果はもちろん個人の責任だ。

④正確には年金ではないが、老後の年金不足を補うという意味が強いのが新NISAの積み立て投資だ。

この複雑な年金制度で個人はどうしたらいいのだろうか?

サラリーマンや公務員は厚生年金や共済年金をもらえるので、この公的年金の受取額をベースに考えればいい。
おそらく月10万円程度をiDeCoやNISAで取り崩せれば生活費は賄えるだろう。
簡単に試算すれば、月10万円を老後20年間で取り崩すとしたら2400万円が必要になる。
これはこの金額を40歳~60歳の20年間で積み立てるとした月5万円、運用益がいくらかでも取れれば5万円以下でも目標を達成できる。

自由業や個人事業の人は、ちょっとハードルが高くなる。
国民年金だと月6万円程度なので、その他の積み立て運用で20万円程度は取り崩していくことになるかもしれない。
その場合、サラリーマンに比べておよそ2倍のペースで積み立てていく必要が出てくる。
となると、月10万円の積み立て・・・となるとけっこうキツイ状況かもしれない。
ただし、自由業や個人事業は定年がないので何歳でも働くことができる。

いずれにしても今後重要になってきるのでは個人の積み立て運用への知識だ。
当ブログでも「長期積立運用の基礎知識」を書き始めた。
会社型確定拠出年金、個人型のiDeCo、新NISAの積み立て枠などなど長期積み立て運用の重要性は増しているからだ。
より安定的でより高いリターンを目指してポートフォリオの作り方を考えていきたい。




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「千載一遇の好機」を逸した岸田首相

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裏金事件は岸田首相には「最後のチャンス」だったかもしれない。
最大派閥の清和会(安倍派)が壊滅的な打撃を受けボロボロ、鬱陶しい二階派もつぶす好機だった。
迅速に対応し伝統ある宏池会(岸田派)を解散した岸田首相、自ら先頭に立って派閥政治をぶっ壊し、新しい政治を作るかに見えた。
でも実情は全く違った。

政治とは結局政治家の権力闘争であり、それに勝てば何をしても許されるのが政治だった。
しかし、この権力中心の従来政治に民間会社と同じレベルで透明なルールが適応されようとしている。
このルールを理解していれば岸田首相の取る行動は一つ、「自民党をぶっ壊す」だ。

「自民党をぶっ壊す」と宣言して登場した小泉政権は、国民の人気を一手に博した。
総選挙に打って出て多くの小泉チルドレンを生み、一大ムーブメントとして政界を変えた。
でも小泉政権の終わりとともに、いつの間にか旧来の自民党内派閥政治に戻ってしまった。
オリンピック不正疑惑の頂点にいた森喜朗氏がいつまでも自民党に君臨している異常さを見ると、この国の前近代的な部分がそのまま脈々と引き続けられていることが明らかだ。

では、政治家はどうすればいいのか?

小泉純一郎氏のようにもう一度「自民党をぶっ壊す」という政治家が必要だと思う。
50億円もの政治活動費を受け取った二階氏、ナント3500万円もの書籍を買ったという。
3500円の本を1万冊も買った計算になり、そのありえないバカバカしさを認識していなかったのだろうか、不思議でならない。
選挙協力で統一教会とズブズブの関係にあった盛山氏が、この一大事に統一教会問題担当の文部大臣というのもナンカのジョークとしか見えない。
今の政治で起こっているのは世間の常識をはるかに越えた異常な政治家たちの言い分は、国民の神経を逆なでにしてしまう。

すべてが茶番ばかりの裏金事件を精査し、そのインチキを暴く判断をできるは岸田首相しかいない。
もし岸田首相がもう一回「自民党をぶっ壊す」と言って、政治家のすべての悪行を暴き白日の下にさらしたら国民は岸田さんに大喝采する。
小泉さん以上に人気が出るのが間違いないし、「国民の信頼」を取り戻すチャンスだった。

ところが岸田氏、ノラリクラリと自民党議員を擁護し、この千載一遇の好機に何もできなかった。
残念な岸田氏・・・全ては終わった。
あとは裏金や統一教会の事実をすべて表に出して退陣することしか彼には残されていない。



でもこの千載一遇の好機を「聞く耳を持たない」岸田首相は生かしきれない。

退職金の経済学(4)退職金の終わり

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公務員は退職時に平均2100万円の退職金をもらう。
でも30年前に「ミドリのおばさん」を退職した母の知人はナント3000万円の退職金をもらった。
「ミドリのおばさん」は今ではいないが、通学時の子供の安全のために毎朝危険な交差点に立ち子供を守ってきたおばさんたちだ。

彼女たちは公務員であり、30年も40年も地域の子供たちの安全を守ってきた重要な役割を担ってきたが、勤務は朝と夕の2時間程度だ。
それでも高額な退職金になった。
確かに子供の通学の安全は重要だが、その彼女たちの退職金が3000万円ってどうなのだろう?

年功序列の強い公務員は、勤続年数こそが最大の金額決定要因だった。
長く働けばそれだけ高い給料と退職金がもらえる、でもそんなのは高度成長時代の夢でしかなかった。
長期停滞する経済で、退職金は民間企業であれ、公的機関であれどんどん減少してした。
雇用が流動化し多くの社員が転職する環境で、従来型の退職金制度を維持できるはずもなかった。

会社は退職一時金や退職年金を減額するだけでは足りずに、その後、退職金制度をやめたり、自社株オプションを代わりにしたり、様々な制度変更を勝手に行った。
退職年金制度も、確定給付の退職年金から確定拠出年金に大きく舵を切った。
それは確定給付、つまり、年金給付額が予め決まっている年金制度は終わった。
代わって始まった確定拠出年金は、将来の運用パフォーマンスリスクを会社から従業員に押し付けたということに他ならない。

いずれの変更も会社から従業員へのリスク移転という「責任転嫁」に特徴を持っている。
退職金をやめて給料に上乗せするということは、退職金の運用を自分で管理していかなければならないということだ。
また、自社株オプションを退職金の代わりにするということは、変動性の高い自社株を基準にするということだ。
そして確定給付から確定拠出にするという事は将来の受取金額が不安定になるこということでもある。

我々の世代は「終身雇用」老後まで面倒を見る制度が限界にきた最初の世代だったかもしれない。
30歳台で証券業厚生年金基金(企業年金)が破たんし、40歳台で確定拠出年金が導入され、50歳台で退職金廃止で自社株オプションに変更された。
退職金制度の歴史を体感してきた世代だったといえるかもしれない。


今後退職金制度はどうなるのだろう?

人材の流動化が一段を進んでいく、退職金をほしいとは思わない人が増えるのかもしれない。
複利を考えると退職金分を給料に上乗せする方が理にかなっている。
確定拠出年金も従来の企業型だけでなく「iDeCo」もあるので自分の才覚で自分の年金額が決まるようになる。
さらに新NISAの積立て投資があるので、まさに自己責任の時代になる。
一方、厚生年金や国民年金は期待できない制度になる。

この「自己責任時代」をどう生きるのか、まさに個人の「選択の時代」といえる。
では今後20~30年先に定年を迎える世代はどうしたらいいのだろうか?
次回考えてみたい。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(16)バブルへGO?

米雇用統計と6か月移動平均
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証券セールス(以下S): 証券系ストラテジストの強気が目立っているけど?
ファンドマネージャー(以下F):日経SNBCを見たけど、マネックス証券の広木さんのコメントはビックリだ。

S: ちょっとヤバいと思った。なんせ「3万6000円は買いだ!!」と言いきってしまったからな。証券取引法(金商法)には「断定的勧誘の禁止」という項目がある。この広木コメントは断定的勧誘と言われてもしかたないかも?
F: でも株式市場に近い人たちは「肌感覚」で「3万6000円は買いだ」と思ったのだろう。

S: それはそうと、米国の雇用統計が強かったな。どう思う?
F: 1月の雇用統計は3か月平均と大きくズレるケースが多い。この1月は35万人と強い数字で出たが、23年1月+48万人だったけど、3か月平均は29万人と平均を大きく上回った。22年は逆に36万人で平均51万人を大きく下回った。21年は49万人で平均は16万人だった。

S: つまり、1月の数字は大きくズレる傾向があると言いたい?
F: 統計基準を1月に変更する影響もあるかもしれないけど、1月数字は割り引いて考えた方がいいと思うが、それにしても米国経済は強い。

S: それはいえる。株高が景気を持ち上げているかもと思う。10-12月期の予想外の株高で多くの米国人のフトコロに余裕ができて消費に回した。資産効果が大きく出ている可能性がありそう?
F: 普通は景気が良くて株価が上がる、金利が下がって株価が上がる。でも今米国で起こっているのは株価が上がって景気が強くなるという「因果関係の逆転」かもしれない。そう考えると株高が続く限り米景気も強いといえるのかもしれない。

S: じゃ米株は上がり続けるの? まさかね。
F: GDPが3%成長し、雇用も30万人ペースで伸び、賃金も4.5%も増えている。こんな経済でさらにFRBは4-6月にも利下げを検討している。まさに火に油を注ごうとしているように見える。

S: でもそれって景気は株価次第ということになる。ランダムウォークの株価を予測するのが不可能としたら、景気の予想も不可能になる。

F: 今年は年初から相場を見誤った。NY市場はナローパス(隘路)を進むと見ていたが大間違いだった。むしろワイドパスというか「バブルへGO」みたいな状況だ。相場をリードしているエヌビディア株はすでに90倍近い実績PERで買われている。バブルならば100倍を越えるのかもしれない。

S: エヌビディアのPER100倍なんてちょっと怖いね。相場が変わるとしたら要因は何だろう。
F: FRBが利下げの検討してているかぎり、株高が続き、資産効果で景気が良くなり、景気が株価を押し上げるという図式が続く。おそらく問題はFRBがバブルを意識して利下げではなく「再利上げ」の検討に入る場合、バブル的な株高はピークになるかもしれない。もう一つは株高が行き過ぎて「自律的調整」に入る(理由なき下落)の場合だろう。



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退職金の経済学(3)後払い給料とは?

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退職金は後払い給料、となるとホントは金利の問題を避けて通れない。
大谷選手とドジャーズとの契約は後払い給料といえるが、「金利」を含めていなかった。
「1000億円契約の後払い」は普通の経済学では考えられない仕組みなのは間違いない。

毎年100億円を受け取り年5%の金利が付くと10年後にいくらになるか?
簡単に数値例で考えると・・・・

1年目:100億円を受け取る・・・合計100億円
2年目:1年目に受け取った100億円に5%の金利が付き、さらに100億円を受け取る・・・合計105億円+100億円=205億円
3年目:1年目に受け取った105億円に5%の金利が付く、2年目に受け取った100億円に5%の金利が付く、そして3年目に100億円を受け取る・・・合計110.25億円+105億円+100億円=315.25億円
4年目・・・・この計算を続けると・・・

毎年100億円を受け取り、金利5%が10年間積もり積もると、合計254億円の金利収入になる。
金利と元本の合計は1254億円となり、大谷選手が本来受け取るべき金額は概算合計で1254億円になるはずだった。
これを大谷選手は97%とほとんど全額の後払いにもかかわらず、合計1000億円で契約している。
つまり金利収入で大谷選手は254億円の負け、ドジャーズは254億円の勝ちとなった。
金利の複利効果をバカにはできない。

サラリーマンの退職金も同じ効果がある。
サラリーマンの退職金は毎年の処遇ランクによって積立額が決まっている。
入社時の社員等級から毎年ランクが上がっていくように退職金の積立額も増えていく。
だから一見、退職金の積立額が増えるのは良いように思ってしまう。
だが、金利の複利計算はしてない。

サラリーマンの退職金制度は会社側の都合の良いようにできている。
もし「退職金分の給料上乗せ」を選択したどうなるのだろうか?
運用リスクを負うことになるのは避けられない。
でもその一方、金利ゼロの退職金積立てよりも安定した金利収入を取れるかもしれない。
安定した運用力がある人ならば、退職金分を給料の上乗せしてもらった方がプラスは大きい。
結局、本人の選択の問題だ。

でもここに落とし穴がある。
第一に給料が増えたと勘違いして、退職金分の上乗せを小遣いと勘違いして使ってしまう。
おカネには色がない、上乗せ支給分も本来の給料もおカネとしては区別がない。
よほど、しっかりと分別管理しないと退職金がいつの間にかなくなってしまう。

第二に運用の責任と結果だ。
毎月の給料に上乗せ支給された分を別枠に入れて、その金額を投信やETFで運用する。
それは毎月毎月キッチリと行うのは、かなりの忍耐と高い管理意識が必要になる。
それを何十年も続けられるか? 問われることになる。

次回に続く・・・



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勝手な見方:なぜ、イランに負けたか?

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事実と確認できないけど、筆者の中東経験からこうした見方もできるという話。
気にする方はスルーしてください。

アジアカップで日本サッカーはイランに負けた。
日本では選手の問題とか監督の起用の問題とか散々言われているが、毎年複数回の中東訪問を経験した筆者には、中東という特殊な地域で中東の大国チームと対戦する厳しさ・難しさが一番の原因だったように感じる。
サダムフセインの頃のイラクでは負けると選手がピッチにうつ伏せにされ、ムチで打たれたという話も聞いたし、また試合に負け怒り狂った観衆に中東選手が暴行を受けるとは日常茶飯事だった。

第一に、イランー中国の蜜月関係

この戦いにはイラン―中国の最近の蜜月関係が色濃く表れているような気がする。
大したファールでもないのに、主審の中国人は強い高さを持つ板倉選手、フォワードの上田選手に次々とイエローカードを出した。
このイエローカードによる締め付けで両選手の動きが慎重になったように見えた。

中国はエンタメからスポーツまで国家管理する珍しい国だが、最近、長年確執が問題となってきたシーア派のイランとスンニ派のサウジの中を取り持ち中東外交を積極化した。
中国もイランも強権的な政治で世界から嫌われてきたが、この両国が急激に接近している。
そして、今回の日本―イラン戦で中国人が主審となった意味は大きいだろう。

第二にイランチームの戦術的勝利

後半からロングボールを日本ディフェンスの裏に蹴り込み、オフサイドポジションの選手がそのこぼれ球を拾いシュートするという戦術に変えたように思う。
得点にはなりえないが・・・解説の松木さんの「オフサイドだろ!!!」叫び声が、テレビからかき消されるぐらいの圧倒的な大騒ぎが起こる。
スタンドの巨大サポーターが大騒ぎすれば、ピッチ上の選手が大興奮して燃え上がる。

オフサイドを無視したロングボールを次々に蹴り込まれ、得点にならないにしても日本のディフェンス陣が徐々に下がってしまった。
イエローカードを受けているセンターバックの板倉選手が慎重なプレーでイランのターゲットになったのかもしれない。
さらにロングスロー(ファウルスローという見方もある)で板倉選手がターゲットになりPKを取られた。
ディフェンスラインを下げられ、日本の得意なパスサッカーが封じられてしまった。

第三にハーフタイムの裏側

解説者は前半に「イラン選手の動きが鈍い、中二日で疲れが残っている」とコメントしていたが、後半になるとイラン選手が俄然元気になった。
スタンドの応援が物凄かったというのもあるが、穿った見方だがハーフタイムに「何か」あった。
コーチの「檄が飛んだ」というだけでなく、もっと激しいこともありそうだ。

ペルシャからシリアへの山岳地帯は、昔なら「アサシン」暗殺団が活躍していた地域だ。
彼らは暗殺の前にハッシッシ(麻薬)をふかし、気分を高揚させて暗殺に向かうというのが基本だ。
ハーフタイム中に「何かしらの興奮剤?」をやり一気に気分を高揚させたという可能性もないわけではない。
それほどイラン選手の動きが活発になった、しかも後半に入って突然!!!

この敗戦は日本選手のせいではないと思う。
日本選手誰一人も批判すべきでないし、森保監督も非難されるべきでないと直感している。
イラン選手とスタンドのサポーターの一体となった異様さが敵だったのかもしれない。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(1)イントロ

世界時価とGDP202308

















今の世の中、「一寸先は闇」だ。
突然、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、パレスティナではイスラエルが戦争を始めた。
ウクライナ人にとってもパレスティナ人にとっても投資どころの話ではない。
アメリカが中東戦争に巻き込まれるかもしれないし、中国が台湾へ軍事介入すれば日本もただではすまない。
まさに「一寸先は闇」

こんな不確実な世界で「新NISA]非課税だからといって、呑気に積立投資をしていていいのだろうか?
突然、積立金がゼロになってしまう事態は起こらないのだろうか?
いろいろな心配があるだろう。
20年先の世界が見えないのに「20年間の積立投資」をしていいのだろうか?


上に一枚のグラフがある。

世界の株式時価総額合計と世界の名目GDP合計(兆ドル単位)を比べたのものだ。
2000年以降の20年間でも世界には多くの大イベントが起こった。
世界危機に発展した「リーマン危機」、過去類を見ない津波と原発メルトダウンを起こした「東北大震災」、世界経済が一瞬にして止まった「新型コロナ危機」などなど・・・

これらの危機を乗り越えて世界経済は成長している。
世界の名目GDPは2000年初頭の40兆ドルから2020年には100兆ドルへと増えた。
そして、株式の時価総額(世界の株式の総価値)もこの名目GDPと同じように増加し100兆ドルを越えた。
20年とか30年とかの長期では、世界経済は数ある危機を乗り越えて成長する。
そして、株式の総価値である時価総額もまた比例するかのように増加する。

ここに長期投資の意味がある。
つまり20年、30年という長期間では「名目GDP成長率=株式価値の増加率」となることだ。
新NISAの積立投資でも考え方は全く同じで、長期の経済成長を買うことでもある。

経済のあらゆる局面を想定した長期投資の原点は「四資産の分散投資」だ。
これは世界の年金基金が長期の年金積立金を運用してる方法で、GPIFの運用が典型例だ。
個人でも年金を運用する機関投資家と同じように積立投資をすることができる。

こうした年金運用並みに安定した新NISAの運用方法を考えていきたい。



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NYダウのEPS、突然の「ジャンプ」!!

NASDAQ100予想EPSとNASDAQ100指数
NASDAQ100予想EPS202402
















日本でも米国でも決算発表が進んでいる。
米国では大型成長株や主要優良株の決算の途中だが、大きな変化が見えてきている。
それはNASDAQ100の予想EPSが前年比で伸びが加速してきていることだ。

下の表は各月初に発表された1年先予想EPSの推移を、NYダウ、S&P500、NASDAQ100、ラッセル2000でそれぞれ比べてみたいものだ。
依然としてEPS成長にはバラつきがあり、全体観を読み取るのが難しいが、今回の決算ではいくつかの兆候が見られる。

①優良株のNYダウは、今回の決算で伸び率が二けたに乗せた。
 2/2現在の予想EPSが2086ドルと、それまでの1800ドル台から「ジャンプ
 特殊な事情があるのかは確認できていないが、この「ジャンプ」は重要だろう。
 このEPSのジャンプによりPERが20倍から18倍に低下した。

②NASDAQ100のEPS成長が「加速化」している可能性だ。
 2/2現在で予想EPSが595ドルと、22年ピーク600ドルに近づいてきたこと。
 昨年11月から前年比二けた成長と続けているが、2月現在+17%と加速してきた。

③主要なS&P500の予想EPSは逆に伸びていない。
 2/2現在の前年比ゼロ成長で、この1年間ほぼ「横ばい状態」を抜けられない。

④小型株のラッセル2000の予想EPSは前年比二けた減少から抜け出せない。
 
詳細は以下の一覧表で・・・
NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%
4-Aug-23 1809.34 -3.97% 215.81 -5.14% 524.01 -8.51% 77.99 -8.16%
7-Jul-23 1851.53 -3.96% 218.85 -4.52% 519.95 -5.93% 79.62 -8.98%
2-Jun-23 1932.61 1.98% 226.34 -0.56% 526.1 -4.62% 81.48 -12.94%
5-May-23 1899.29 0.39% 223.82 -0.94% 514.92 -7.27% 80.14 -9.08%
6-Apr-23 1880.14 -1.94% 221.41 -2.05% 507.88 -10.84% 80.93 -7.23%
3-Mar-23 1927.89 1.11% 224.63 -0.11% 512.97 -10.47% 91.17 2.20%
3-Feb-23 1893.19 0.78% 223.35 -0.50% 504.55 -14.54% 84.6 -7.14%
予想EPSと12か月前比の伸び率%

NADAQ100はGAFAM的な大型成長株がリードしている、5%高金利経済でも伸びていける実力を持っている企業群だからだろう。
17%成長に加速したことは業績の点では引き続きNASDAQが米国市場をリードしていく。

そして重要なのはNYダウEPSの「ジャンプ」をどう見るかだ。
米国伝統的企業の業績が上がり始めたのには何か理由がありそうだが、よく理解できていない。
詳しい方がいらしたら教えていただきたいと思う。

ただ、米国全体としては、S&P500の予想EPSの停滞感、小型株のラッセル2000のEPSマイナス成長と見ると、この5%の高金利ではなかなか成長できない感じが残ってしまう。
投資判断が難しい局面だといえる。

局所的な株価上昇、バラツキの大きい上昇相場に入っていくのかもしれない。
NY株式市場全体はPER上昇に引っ張られる展開で、PER=人気によって振れ幅が大きくなる可能性もある。
でも5%の高金利の下で「EPS成長が加速化する」としたら想像以上の事態だ。
この老人投資家にとっても勉強になる相場展開だ。



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退職金の経済学(2)終身雇用の夢のあと(続き)

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バブル崩壊によって、終身雇用制度が大きな圧力を受けることになった。
退職一時金は企業の隠れた給料として負担感が増し、退職金一時金と退職金分の給料上乗せを選択制になった。
会社の退職年金は維持できなくなり、確定拠出年金制度に変更されたり、あるいは廃止された。
一時金で受け取るのと給料に上乗せして受け取るのはどちらが有利なのだろうか?


筆者の友人はこの「退職金の給料上乗せ」を選択した。
彼は退職金の分を毎月の給料で受け取る、一見すると給料が増えたように見えるが、自分で資産運用しなければならない。
退職一時金以上に運用できればいいが、そうでないと老後の生活が苦しくなるという選択だ。

しかし、この選択は完全に裏にハマった。
彼は真面目な性格だったので受け取った退職金分を株式にせっせと投資した。
でもパフォーマンスはボロボロで、結局退職年齢の前にこの退職金部分を大部分失ってしまった。
結局、この退職金上乗せ支給は、会社側が運用リスクを減らし従業員に運用リスクを移転した策にすぎなかった。
この選択の良し悪しは次回ちゃんと考えてみたい。

また筆者の世代は、会社の都合で退職年金を「確定給付」から「確定拠出」に変更された世代だ。
本来ならば年金を確定額で受け取れたはずだったが、「確定拠出」で毎月決まった金額を従業員と会社で半分づつ積み立てるという制度に突然変わった。
しかも運用の指図は従業員自身が行い、運用結果も従業員の100%責任になってしまった。

こうなると、運用リスクは従業員が負わなければならない。
自分で投信を選んでこの年金を運用することになったが、数年後運悪く2008年のリーマン危機にブチあたってしまった。
多くの従業員のパフォーマンスがマイナスに沈んだのは明らかだ。
その後は徐々に回復したが、我々の世代が60歳定年になった時の日経平均は一万8000円台、2万円にも達しなかった。
この確定拠出年金でどのぐらいのリターンが得られたかは個人差があるにしても大儲けは難しい。

もちろん、減額されたとはいえ退職一時金をもらい、自己責任の確定拠出年金ももらえたが、そのメリットは昔のサラリーマンに比べようもない。
厚生年金などの公的年金も支給年齢がどんどん繰り下がり、政府は70歳まで働けという。
老骨にムチを入れて働く高齢者が一般的になってしまった。
退職金の給料上乗せ支給を選んだ友人は、退職後も長期に働くことになったのは言うまでもない。

というわけで終身雇用で安定した老後は…夢のまた夢になってしまった。

次回に続く・・・



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隘路を行くNY市場(5)フォローアップ FOMC

FRBと日銀のバランスシート
FRB 前年比 日銀 前年比
直近値 7.667
-9.8%  
Dec-23 7.712 -9.8% 749.9 6.5%
Sep-23 8.002 -9.0% 740.7 8.1%
Jun-23 8.346 -6.4% 732.8 0.0%
Mar-23 8.705 -2.6% 734.8 -0.1%
Dec-22 8.551 -2.4% 703.9 -2.7%
Sep-22 8.795 4.1% 684.9 -5.4%
Jun-22 8.913 10.3% 732.7 2.2%
Mar-22 8.937 16.2% 735.8 3.0%
Dec-21 8.757 18.9% 723.7 3.0%
FRBのバランスシートは兆ドル、日銀のバランスシートは兆円

1月末のFOMCが終了し、パウエル氏の発言があった。
特に中身のない話で、ポイントは①3月での利下げはない、②インフレ低下だが、確信を持てるまで現行政策を維持、③3月FOMCでQT(量的引き締め)を見直す、という点だ。

「隘路を行くNY市場」というブログが書いたが、今年はFRBの想定する経済数字をベースにそれより良ければ「引き締め継続」へ動き、それより悪ければ「金融緩和」に動くと考えている。

下の表はFRBの想定する経済ペースだが、現在のところ実質GDPは想定以上、失業率は想定以下、PCEは想定並みということろだ。
という意味でFRBの想定の範囲内で推移している。
       24年   25年   26年
実質GDP  +1.4% +1.8% +1.9%
失業率     4.1%  4.1%  4.1%
全体PCE  +2.4% +2.1% +2.0%
コアPCE  +2.4% +2.2% +2.0%

今回パウエル発言で最も重要なのは、3月会合でQT(量的引き締め)を見直す可能性だ。
上の表にある通り、FRBのバランスシートは前年比10%弱のペースで減少しているが、現在7.6兆ドルはコロナ禍直後の21年3月水準である。
7兆ドルは現在の金融市場で必要な流動性レベルといえるかもしれない。

昨年のシグネチャーバンクの破たん、その資産を引き継いだNYCB(コミュニティバンコープ)の貸し倒れ引当金の計上、さらに日本でもあおぞら銀行が米不動産融資の貸し倒れ引き当てを行った。
地銀の経営に不安があり、米金融市場は流動性が不足し始めているのかもしれない。
となれば、不動産融資を緩め流動性を増やすために、QT(量的引き締め)は当然ながら見直し対象になるだろう。
このあたりを見て、米債券市場では長期金利が低下し、為替市場では若干ながら円高方向に動き、NY株価が長期金利低下で上向いている。

米不動産の悪化懸念がどのぐらい米金融市場のストレスになるかはよく分からない。
でも昨年から続いている話であり金融機関の対応が進んでいるだろうし、貸し倒れ話は早めに対処する方がいいに決まっている。
遅れれば大変な事態を招きかねないからだ。

一方、日本の不動産市場は、個人向けのマンション価格が順調だし、オフィスの空室率も6%台でピークアウトしそうな段階、物流は大量供給懸念があったが大きなマイナスはなさそう。
日銀の「金融正常化」の進展にもよるが、バランスシート上のETFに手を付けるかもポイントだ。
日銀保有ETFは簿価で37兆円、含み益が30兆円ぐらいあり余裕がある。
日銀の量的引き締めは当分先きと見ている。



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「イラっとくる」コメント集(6)裏金は全額寄付すべき

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よくまあ、50年も逃げ回っていた、桐島聡・逃亡者のことだ。
普通に考えたら、サッサと自首して自ら刑を受けた方が余程まともな人生だろうがと思うけど・・・

この男には100万円の懸賞金が付いていた。
テレビに出てきた証言者は「なんかみたことがある顔だ」とコメントしていた。
その時点で警察に問い合わせていたら「100万円ゲット!!!」だった。
また自分の本名を名乗ったとされる病院で、聞いた看護師が警察に一報していたら「100万円、ゲット!!!」していたかもしれない。
でも懸賞金についてはテレビも全く報道していない。
気になるなあ!?

話は変わるが、自民党の収支報告書。
安倍派だけで6億7000万円の収支報告書の訂正をしたという。
収支報告書というからには、収入と支出がバランスしている報告書のはずだが・・・
6億7000万円の収入が訂正され増えたわけで、普通なら支出も増えないと両者はバランスしない。
ところが、収入の訂正の話はあっても支出の話は全くない。

普通の会計は複式簿記で記入され、必ず、収入と支出が同金額でバランスする。
会社会計や個人事務所の会計でもこの収支のバランスが必ず取られているはずだ。
それが近代的な会計ルールだからだ。
バランスしないとしたら差額が収支報告書上の使途不明金であり、政党交付金などを含めて収支計算されているかぎり使途不明金は公金の着服に他ならない。

歯に衣着せない発言で有名な田中真紀子氏は「政治家が自分の飲み食いに使った」と即答した。
もしそうだとしたら、自分のメシ代を自分で支払わない「食い逃げ泥棒」みたいなものだ。
これが日本の政治家だとしたら、、あまりに情けない。
こんな政治家に投票した有権者の罪も深い。

この裏金議員がやるべき償いは一つある。
今までフトコロに入れた裏金を全部吐き出して、能登地震で亡くなった犠牲者に全額寄付することだ。
自民党すべての議員の裏金を集めれば10億円にはなるだろう。
能登地震の犠牲者200数十名に一人50万円の寄付見舞金を渡せる。
生きている被害者は多くの義援金や税金を使って支援されるが、すでに亡くなっている犠牲者にはほとんど何もない。
せめてもの償いになだろう。



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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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