
大谷翔平選手がドジャーズ移籍にしたが、その契約金額が約1000億円だったそうだ。
しかも97%は契約が切れる10年後の後払いという異例の契約内容だった。
この給料後払いはアメリカでは珍しくても日本では普通の支払い制度だ。
サラリーマンなら誰でも経験し、選択を迫られる「退職金制度」だ。
筆者も大学を卒業してサラリーマン生活を始めた時からこの問題に直面することになった。
退職金は大きく二つの意味を持っている制度だ。
一つは日本企業独自の「終身雇用」、もう一つは従業員の転職を抑える「給料の後払い」だ。
第一の「終身雇用」という日本伝統の制度だ。
おそらく江戸時代の武家制度、藩に勤めると本人の終身どころ孫子の代まで勤め続ける。
明治時代初期の会社でも同じように終身で勤め会社に忠誠を誓うというところから始まっているのではないかと思われる。
この「終身雇用」の特徴は単に会社に勤めている期間だけでなく、退職してからも含めた「サラリーマンの一生」を含む制度という点だろう。
その意味では世界に類のない異例の制度の原点だ。
サラリーマンは一時的な退職金に加えて老後は企業年金を毎年受け取ることができる。
この退職金一時金と会社の退職年金で安定した老後を過ごすことができる、従業員の一生を面倒見るというありがたい制度が終身雇用というわけだ。
この老後まで含めた処遇制度は海外では見られない。
公的な年金制度は海外でもあるし、国内で国民年金や厚生年金・共済年金がある。
でもここまで会社が従業員の老後まで手厚い処遇する制度は見たことがない。
海外では働き貢献度に応じて処遇するのが基本で、単年度か複数年度で貢献度と処遇が一致するように設計されているからだ。
しかし、会社にとっては退職金一時金も退職年金も非常に負担の多い「負債」となる。
バブル崩壊後にはこの退職金給付債務の大きさと積立不足が企業会計を圧迫し大問題になった。
日本企業の財務安定性を直撃した。
従業員の老後まで面倒を見る余裕がなくなってしまった。
そのため、退職金制度(退職一時金と退職年金)は大きくネジ曲げられた。
①退職金を給料に上乗せし、退職一時金を廃止する
②退職金を廃止し、その分の自社株オプションを支給する
③確定給付型の退職年金も廃止し、確定拠出年金を創設する
・・・と、主にこの三つの対応策が取られた。
この話は個人の成功と失敗という老後の格差を大きく広げてしまった。
次回に続く・・・
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