
積水ハウスリートが発表した増配は考え方がちょっと難しい。
3月29日に御殿山SHビルを入居者のTIS社に700億円で譲渡し譲渡益202億円を計上するが、一括売却ではなく2023/10期末から2028/4期末までの10期(5年間)に分割して譲渡するという(詳しくは積水ハウスリートのHPで確認してください)。
各期の配当への影響は、23/10期+447円に始まり、24/4期+430円・・・と続き、28/4期+309円と各期に増配効果が分散される。
これを株価はどう織り込んでいくのだろうか?
単純に1回+477円の増配ならば株価は477円上昇して織り込む。
でも10回連続で増配が続くと、そう単純な反応とは思えない。
配当割引モデルを使って、そこで増配がなかった場合と増配があった場合の現在価値の変化を考え、10期連続増配の株価への影響をてみたい。
配当割引モデルは各期の配当を割引率(長期金利)で割り戻し現在価値を計算する。
以下の通りとなる・・・
配当の現在価値= 配当1/(1+金利) + 配当2/(1+金利)2 + 配当3/(1+金利)3+・・・・
基本的な配当水準を23/4期予想1714円として、その後23/10期に+447円、24/4期に+430円、24/10期に+411円・・・と増配が続く。
この前提で10期(5年)に受け取る配当額の現在価値は、配当をそれぞれの金利で割り引き合計すれば計算できる・・・1万9259円だ。
もし増配がなく毎期1714円の配当を得るとすると、同じ10期の配当の現在価値は1万6284円と計算される。
金利は0.15%(半期)として計算した。
この差額(1万9259円ー1万6284円)である2975円は、今回のビル売却による配当の増額の影響だ。
つまり、御殿山ビルの売却による株価への影響はおよそ+3000円。
でももちろん、配当額はその時々の条件で変わる。
この+3000円を基準に加減していけばいいのではないかと思う。
すでに昨日積水ハウスリートの価格は1800円上昇した。
長期増配の半分以上織り込んだような気がする。
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