
日銀のテーパリングは日本の株式市場には大きな影響を与えた。
一つは海外投資家の売買減少につながったと言えるし、もう一つはNT倍率(日経平均÷TOPIX)の低下だ。
日銀のETF買いの減少により市場の売買代金が減少し、NT倍率の低下でファストリやソフトバンクといった日経平均ウェートの高い銘柄のリターンが大きく悪化した。
しかもソフトバンクの信用残は1800万株弱で、個人投資家が大きく資金を入れた銘柄でもある。
ソフトバンク株が上昇するかどうかは、個人投資家の損益に大きく影響し、市場にも大きな影響を与える。
今回は日銀のテーパリングが実態経済に与える影響を考えてみたい。
(2)実態経済への影響
これは日銀のバランスシートの伸びが明らかに低下したことに現れている。
2020年1月の日銀のバランスシート合計額は578兆円だったが、その後の新型コロナ禍で異例の金融緩和が行われ、2021年1月には709兆円と、前年比+22%という急速な伸びとなった。
これは国債買い入れとともにFTF買い入れが大きな役割を演じたのは間違いない。
しかし、3月の日銀決定会合からETF買入れの縮小とテーパリングに入り、日銀バランスシートも6月で716兆円と明らかな鈍化が見られた。
前年1年間で22%もの拡大を示した日銀バランスシートは、この6か月でわずか1%しか伸びなかった。
これの意味するところは、「日銀は急速なテーパリングを行っている」という事実だ。
日銀の急速な量的緩和のテーパリングは今後の日本経済に大きな影響を与えると見られる。
一つは量的緩和ペースの鈍化と、経済活動の正常化ペースの問題だ。
緊急事態とまん延防止が交互に続いている日本では、まだまだ新型コロナ感染者数が通常の経済活動を妨げている。
その意味では経済活動が低下している局面では、過剰マネーが減少しても大きな影響はない。
新型コロナワクチンが広範に接種され、収束が見えてきた段階では資金需要が拡大し資金不足になる可能性はあるが、それはまだ先のことだろう。
もう一つは日銀とFRBのスタンスの違いが生じる。
列1 | 年初 | 直近7月 | 変化率 |
FRB | 7363 | 8240 | 11.9% |
NY Dow | 30223 | 35061 | 16.0% |
BOJ | 7025 | 7169 | 2.0% |
Nikkei | 27218 | 27548 | 1.2% |
FRBのバランスシートの伸び率11.9%に対して、NYダウの上昇率も16%・・・対して、日銀のバランスシートの伸び率2%と低く、日経平均の上昇率も1.2%にとどまっている。
日米で比較すれば、量的緩和が進む米国と、テーパリングで伸び悩む日本の差が拡大している。
ワクチン接種率の差、中銀の緩和レベルの差が経済活動の温度差につながり、株価の差につながっているのかもしれない。

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