株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2021年03月

「ウィンブルドン現象」が日本でも始まる(2)

グローバルハウスIMF





















少子高齢化が進み、相続した不動産の売却が増加する・・・新型コロナ禍で都心のオフィスの空室率が増える・・・実際、東京都心のオフィス空室率は5%にまで上昇した。
商業ビルも新型コロナ拡大でテナントの退出が増え閑散になる・・・話題のギンザシックスでは40店以上のテナントが入れ替えに、東急ハンズも池袋店を閉店した、など・・・商業不動産も苦戦しているように見える。
国内だけ見ていると、どう見ても不動産への需要が増えるとは考えにくい。
多くの国内投資家は不動産に慎重なスタンスを取っているのだろう。

でも、グローバルに見ると、全く異なる光景が見えてくる。

上のグローバル・リアルハウス指数はIMFの統計だが、世界の住宅価格は一貫して上昇トレンドにある。
アジアの住宅価格は上昇を続け、加えて米国・EUの量的緩和がさらに住宅価格を引き上げた。
新型コロナ禍は株高だけでなく、不動産価格も上昇させている。

もう一つ米国のケースシラー指数を見てみよう。
新型コロナ騒動が始まる前は、ケースシラー住宅指数はたいだい2~3%の前年比プラスで推移していきたが、新型コロナによる量的緩和・財政支出が開始されると、伸び率が急速に高まった。
8月+5.18%、9月+6.57%、10月+7.95%、11月+9.08%、12月+10.10%と・・・ついに二けたの前年比上昇を記録した。
1月の数字は数時間前に発表されたが、+11.1%と12月の上昇率をさらに上回るものだった。

明らかにトランプの財政政策、パウエルの量的緩和が米国の不動産価格を持ち上げた。
さらにバイデンのユルユル財政追加があるし、パウエルは超ハト派だし、不動産価格はまだまだ上昇してしまうだろう。

韓国ソウルの不動産指数の上昇で、市民の不満が高まり、文在寅の支持率が急低下しているという。
そのソウルの不動産指数は、文在寅の政権下で7割の上昇を示した。
ソウルのマンション価格は東京都心の高級マンション並みの値段になっているという。
これでは、平均年収400万円の韓国人はとてもマンションを買えない・・・そして、不満が高まるというわけだ。

こうした世界の不動産トレンドが日本にも当然ながら影響する。
株式市場も不動産市場もグローバルにつながり、連動性を高めているからだ。
新型コロナ禍で、不振のホテル、商業施設、オフィスビル・・・業績悪化によって売り物が出てくれば、グローバル資金がその売り物不動産を買うだろうと簡単に推測できる。
この世界と日本のギャップが日本の「ウィンブルドン現象」を進めていくと考えられる。



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アルケゴス、破たんの可能性

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二つの記事が市場を震撼させている。
一つは・・・
「米ゴールドマン・サックス・グループは26日にブロック取引で105億ドル(約1兆1500億円)相当の株式を売却した。同日には中国の大手テクノロジー企業や米メディア企業の株式のブロック取引が大量に行われ、これら企業の時価総額は合わせて350億ドル減少した。」
さらに米モルガンスタンレー経由でも大口のブロック取引があったという。

もう一つは・・・
「野村ホールディングスの米子会社で、26日の市場価格で20億ドルと試算される多額の損失が生じる可能性があると発表した。これは、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントによる取引巻き戻しに関連している。」

さらにブルームバーグは
「アルケゴスが利用していたレバレッジの多くは野村ホールディングスやクレディ・スイス・グループなどの銀行が、スワップや「差金決済取引(CFD)」を通じて提供していた。この取引ではアルケゴスが実際に原資産を保有することはない。」

詳細は開示されていないが、これはおそらくヘッジファンドの破たんという意味だと考えられる。

第一にアルケゴスの中国株の保有ポジションが悪化し、マージンコールが掛けられ、200億ドル相当の株式売却を迫られたこと。
大口のブロック取引を実行したのは、GSだったり、モルガンスタンレーだったりだが、このポジションのプライムブローカーだったのが野村証券で損失はここで発生したということ。

プライムブローカーはヘッジファンドのポジション管理、貸し株のアレンジ、レバレッジ(借金)の管理など、ファンド業務すべてを一括で行うブローカレッジだ。
おそらくポジションの借金を野村が貸し出した・・・そこで、ポジションの損失が拡大し、借金の担保額を越えてしまった・・・そして、ポジションをブン投げた・・・ということだろう。

第二にプライムブローカレッジ業務での損失が20億ドルになるという野村の推測。
これはおそらくアルケゴスのポジション損失からアルケゴスの自己資本(担保)を差引いたものと思われる。
ポジションの売却額が200億ドルで野村の損失可能性20億ドル、その他クレディスイスの損失を考慮しても、レバレッジ(ポジション/担保)は10倍近いと思われる。
一説にはポジションは500億ドル以上、担保資産は50~100億ドルといわれている。
差金取引やスワップを使っているなら全損失の可能性もあり、損失は500億ドル近いかもしれない・・・自己資本100億ドルあったとしても、最大400億円(4兆円)の損失の可能性が考えられる。

第三にアルケゴスの顧客への影響だ。
アルケゴスは中国株に集中したポジションを持っていた・・・この背後には中国系の投資家がいる可能性がある。
米中の摩擦によって、米国に上場している中国株は市場から強制退出になる可能性もある現在、米国投資家が中国株ヘッジファンドに大きく投資するとは思えない。
となると、背後の中国系投資家にも損失が及ぶ・・・その損失を埋める行動に出るかもしれない。

この三点からおそらく、このアルケゴスというヘッジファンドは債務超過に陥り、強制的にポジションを売却、その代金を顧客の支払いに充て、自己資本を吹き飛ばし、破たん状態にあると考えられる。
これが米市場に上場している中国株の暴落が何か政治的な背後があるのか? アルケゴスの中国株ポジションに問題があったのか? 他のヘッジファンドも同様にケースがありえるのか?
この話は、まだまだ・・・分からないことが多い。


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信用取引の投資家は意外としぶとい

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個人投資家の信用取引の使い方が大きく変わってきている。
資金力の小さい個人投資家には、自分のポジションにレバレッジ(梃子の効果)をかけ、小さな値動きでも収益化できる信用取引は重要な制度だ。
特にデートレードなどの短期売買では、信用取引によるレバレッジがかかせない。

通常のパターン、信用取引で買う・・・短期で儲かれば信用買いは利食う・・・短期で儲からなかった場合、しばらくポジションをキープする・・・信用買い残が増加する。
そうなると、短期の信用取引で儲からなかった場合が信用残として積み上げられていくことになる。
だから、投資家別売買の信用買い越し額と、信用買い残の増加額とはだいたい一致することになる。

でも最近は違う。
下の表は今年に入ってからの投資家別売買での信用買い越し額と、信用買い残、さらに買い残の前週比増加額を比べたものだ。

列1 信用買越額 信用買い残 前週変化額
3月2週 154 30440 881
3月1週 742 29559 -282
2月4週 2182 29841 98
2月3週 1306 29743 1560
2月2週 165 28183 919
2月1週 -74 27264 -117
1月4週 2422 27381 -314
1月3週 1422 27695 1590
1月2週 1307 26105 943
1月1週 306 25162 1038
24124  
9932 6316
単位は億円、東証の投資家別売買の信用売り買いの数字、東証の信用買い残から計算。

集計時点の違いで数字の出入りがあるが、週別の動きが分かる。
今年1月から3月までの合計では、投資家別売買の信用買い越し額が9932億円、それに対して信用買い残の増加額は6316億円で、3600億円と大きな違いがある。

これをどう理解するか?

①の仮説
短期の信用投資家がドタバタと短期売買を繰り返し、回転しなかったポジションの残りを信用残でキープするのではなく、現引き(現金を払って信用買いを解消すること)をして現物保有に切り替えている。
信用投資家には資金的な余裕があり、回転しなかった株を現引きし保有しているという仮説だ。

②の仮説
強力な資金力を持つ投資家が、最初は信用取引でポジション化し、その後現引きし長期ポジションを作っている。
信用取引は短期的な資金繰りを良くするために使い、長期ポジションを構築しているという可能性もある。

いずれの仮説が正しいにしても、信用取引の後ろには資金的な余裕を持つ投資家が控えているということだと思う。
したがって、安値でブン投げたり、慌てて処分する必要がない投資家が多くいる・・・これが現在の市場だといえるのかもしれない。
その分、株価下落により慌てた売りが出る・・・売りが売りを呼ぶ・・・という展開にはなりにくい。
これが今の日本市場の安定性にもつながっているのかもしれないが、この信用取引をめぐる二つの数字を今後も注目していく必要がある。


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消える「おカネ」の価値~貯蓄~(4)

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世界の中央銀行の異次元緩和によって、「おカネ」がジャブジャブに供給され資産価格が上昇し、相対的の「おカネ」の価値が低下している。
銀行預金にばかりため込んでいる人は、周りの人が儲けていて、相対的に貧乏になってきていることを肌身で感じるかもしれない。
前回の話題だが、「現金」をため込んでいる人、「銀行預金」にため込んでいる人は相対的に自分の資産が減少している。

それでは、どうしたらいいかを今回以降で考えてみたい。

「現金」や「銀行預金」から資金を防衛するためには、何かしらのリスクを取ることになる。
リスクは運用には付き物でも避けては通れないものだが、人のリスク選好度には大きな違いがある。
「高リスク」な人はすでに投資を実行していると思われるので、勝手にやっていてくれという感じだ。
ここでは「低リスク」と「中リスク」の選好度を持つ人がどうしたらいいかを考えてみたい。

まずは、「低リスク」の話だ。
昔は「MMF(マネーマーケットファンド)」があり、短期の金融市場で運用され、そこそこの流動性があり、そこそこのリターンが取れるという商品があった。
しかし、金利がなくなった今日では、こうした短期金融市場はゼロ金利になり、リターンが消失してしまった。

では、銀行預金をどう移したらいいか、でもゼロ金利下ではその移動先は難しい。
そこで重要なのか「リスクの分散」という考え方だ。
しかも、小口に分け、賞金額を多くの金融商品に投資する・・・すると、分散の効果で儲かっても少額、損しても少額というポートフォリオを作れる。
投資の教科書的には、GPIFが行っているような4資産分散(円債、外債、円株、外株)から、その4資産に不動産(オフィスやアパートなど)や国際商品(原油や金や銅など)を加えたものまである。
分散すればすれほど、儲からなくなる反面、大きな損をしなくなる。
一つだけ気を付けることは経済恐慌で、これが起こると多くの資産が同じ方向に動いていしまう。
通常の場合は別々に動くので分散効果が得られる。

「低リスク」の運用をする場合に最初に気を付けることは「コスト」だ。
低リスク・低リターンではコストが最大の問題で、信託報酬が1%や2%もかかる投信を買っていけない・・・コストの安いETFなどを利用することだろう。
また、一つに金融商品への投資額も小さくする・・・たとば、20種類の金融資産に投資し、一つの金融資産には投資金額の5%以内にあるなどの方針を決める。

そして、分散には細心の注意が必要になる。
もちろん、4資産分散が基本だが、それにできるだけ多くの商品を加えていくことも重要になる。
不動産だったら、日本のリートだけでなく、米国やアジアのリートにも分散する・・・さらに不動産の多くのカテゴリー・・・「オフィス」「商業」「住宅」「物流」などに分散することも重要だろう。
国際商品でも「金FTF]や「金貨」、「プラチナETF」や「「原油ETF」さらに「CRBなどの商品指数ETF」などに分散した方がいい。

こうした高度に分散されたポートフォリオならば、リターンは低くてもリスクも低い。
経済恐慌時以外は・・・の話だ。


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森トラスト、スポンサーが放った「ウルトラC」

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森トラストリートの保有する汐留ビルディングにはソフトバンク本社が入居してきたが、21年6月に移転を決定し、大きな試練を迎えた。
リート価格も低迷し、昨年10月まで分配金利回り6%を越え、同業のオフィス型リートに比べ1%以上高い状態が続いた。

20年5月20日、東京汐留ビルディングのオフィス部分をすべて賃借しているソフトバンクグループとソフトバンク株式会社が21年6月末をもって退去すると発表した。
さらに当ビルディングのマスターリース契約の満了日が21年3月末であり、再契約の検討をしていることを発表した。

東京汐留ビルディングの鑑定価値は1340億円(20/3)と、ポートフォリオ中の最大不動産物件で、全体3637億円の36%を占める。
この旗艦ビルの賃貸料も約28億円と、リートの営業収益88億円の31%を占める・・・この賃貸料がソフトバンクの移転により消失してしまう。
さらにスポンサー森トラストとのマスターリース契約も21年3月末で切れる。
まさに「前門の虎、後門の狼」だ。

このリートの危機を救ったのがスポンサーの森トラストだった。
まず、9月29日の開示・・・
26年3月末までマスターリース契約の延長で森トラストとリートの間で合意。
しかし、賃料は定額部分はあるものの、サブリース契約に連動する・・・つまり、ソフトバンクが移転後、空室期間が続けばリートの受け取る賃貸料は固定部分のみになってしまう。
リートには厳しい契約延長となったが、森トラストとしては当然の契約だ。

そして次に不動産の等価交換という「ウルトラC」が出る。
東京汐留ビルディングの一部譲渡と神谷町トラストタワー取得で、約270億円の等価交換という奇策が出た。
これにより、ソフトバンクの退去後の賃貸料収入の減少を神谷町トラストタワーの賃貸料で補い、さらに14億円の売却益が上乗せされる。
結果・・・15億円の営業収益の上方修正となった・・・売却益の一部は内部留保され、将来の利益変動に備える

東京汐留ビルディングの残り部分のリーシングが進めば、それが上方修正要因になる。
現状の分配金3360円でも通期で4.4%の利回りになる・・・これでも十分に美味しいが、リーシングの進捗で増額が期待できるとしたら、さらに美味しい。

この一連の案件処理でもっとも重要なことはスポンサーがリート価格プレミアムを決定する時代に入ったということだ。
新型コロナ禍のオフィス市場の変動が激しくなり、予想外の賃料の減少もありえる局面で、スポンサーの支援がリートの価値を決めるケースが増えるだろう。
しっかりしたスポンサーにはリート価格のプレミアムがしっかりと付く。
厳しい状況でもスポンサーの「ウルトラC」で切り抜けることができるからだ。


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「ウィンブルドン現象」が日本でも始まる(1)

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「ウィンブルドン現象」という言葉はもう忘れられているかもしれない。
テニスの4大大会の一つ、全英オプーンが行われるウィンブルドンにちなんで付いた言葉だ。
世界中からスターテニスプレーヤーが集まるロンドンの南にあるウィンブルドンだが、英国人選手はあまり活躍せず、海外選手がずっと優勝してきた。
英国は芝生の美しいテニスコートを提供するだけで、優勝者は英国人以外・・・「門戸をオープンに開き、海外勢の活躍の反面、地元勢は淘汰される」という意味で「ウィンブルドン現象」という言葉は使われた。

経済も全く同様で、かつて英国クラフトマンの象徴ともいえるロールスロイスやベントレーなどの高級車、金融業界でもモルガン・グレンフェルやベアリングなどの名門マーチャントバング、次々と外資系企業に買収されていった。
でも、この「ウィンブルドン現象」によって外資が潤沢に英国に投資され、産業が再編され、経済活動が活発化し・・・結果として、英国経済には大きなプラスになったことは間違いない。
ロンドンを中心に不動産投資も活発化、英国人の資産形成にも大きなプラスとなった。

このサッチャー以後の英国と、現在の日本は妙に重なって見える。
この「ウィンブルドン現象」という視点から、もう一度、日本を考えてみたいと思う。

一つの例は北海道のニセコ。
ニセコはいろいろ報道されているが、オーストラリアの投資家を中心に再開発が進められ、現在では香港やシンガポールなどのアジア系の投資家も投資案件を増やしている。
マンションやコンドミニアム、別荘などが立ち並び、商業地区やレストラン街も急速に発展している。

ニセコ町の基準地価は、2016年3万7603円/坪(+0.5%)、2017年3万9834円/坪(+6.5%)、2018年4万2314円/坪(+6.8%)、2019年4万7438円(+12.2%)、2020年4万7338円/坪(横ばい)

おそらく直近では新型コロナの影響で海外からの投資は激減している。
それでも、北海道の地域でこれだけの地価上昇が起こった原因が、海外投資家のニセコ不動産投資だったのは間違いない。
地元の人たちには複雑な影響があるにしても、何も起こらなかったのに比べれば大きなプラスがもたらされた。

二番目の例は、都心のオフィスビルへの海外からの投資だ。
新型コロナ禍で本社ビルを売却しリースバックするという財務改善策を実施する企業が増えている。
本社ビルを自社保有すると固定資産税の課税や減価償却費用などがかかる一方、リースバックすれば本社関連を費用化できるので財務負担が軽くなる。
ある意味、新型コロナ禍で財務が厳しい企業には当然の選択でもある。
でも国内にはなかなか買い手がいない。

これが外資系企業には都心のオフィスビル市場への大きな参入機会を与えている。
東京都心部は古くからの権利が複雑にからみ合っている地域で、バブルの頃から「地上げ屋」が暗躍してきた。
地上げによって土地が大きくまとまり、大規模な開発が可能になったというわけで、森ビルや三菱地所や三井不動産などの日系大手の不動産開発業者が牛耳ってきた地域だ。
という意味で地上げができない外資系不動産ディベロッパーがなかなか参入できなかった。

しかし、有力企業が保有する大規模ビルの売却案件ならば、外資系ディベロッパーが活躍できる。
詳細は不明だが、電通の3000億円案件などは外資系が関わっていると言われている。
大きな参入機会になってくるのは間違いないだろう。

さらに業績不振のホテルでも「ウィンブルドン現象」は起こりそうだ・・・近鉄HDが傘下の8ホテルを米ブラックストーンに売却した。
新型コロナの影響で、インバウンドが消失し、国内旅行者も激減する中、商業地やホテルを中心に売却案件が急増している。
こうした一等地のホテルや商業ビルなどの売り物を、アバホテルなども買っているが、外資系不動産企業の行動も積極化している。
国内業者の弱気とグローバルな不動産ファンドの強気が「ウィンブルドン現象」を作り出す可能性が高まっている。


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台湾のために戦う覚悟があるのか?

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3月24日、米軍司令官は上院軍事委員会の指名承認公聴会で、中国は台湾に対する支配権を取り戻すことを「最優先課題」と位置付けていると指摘し、「この問題は大半の人が考えているよりもはるかに切迫しているというのが私の意見だ。」と述べた。
そして、中国が6年以内に台湾に侵攻し、支配下に置く可能性があると警告した。

怖ろしいシナリオだが、実現性が高まっているのだろう。
多くの日本人は、台湾を舞台に米国と中国が交戦状態になれば、当然ながら、米軍基地にある沖縄が中国の攻撃対象になる。
そして、中国が沖縄の米軍基地にミサイルをブチ込んだ途端に、自衛隊が中国に防衛戦を開始する。
そうなれば、日本は米中の戦いに巻き込まれてしまう・・・と懸念する。
日本人は戦いの準備ができていないというわけだ。

でも、よく考える必要がある。
台湾に中国が侵攻しても・・・必ずしも米軍が台湾のために戦うかどうかは分からない。
台湾と米国は表向きの軍事同盟はないし、正式の外交関係にあるわけでもない.
法的根拠のない台湾有事に米国青年の命を賭けられるかは、微妙な問題だ。
中国にとって台湾は「核心的利益」でも、米国にとっては人権や人道的な理由しかない。
そこが「非対称」で、実際に中国が台湾侵攻したら、米国内では台湾介入が論争になるかもしれない。

しかし、、中国にとってはこの「非対称」が残っている現在の方が台湾侵攻をやりやすい。
台湾ー米国ー日本の軍事的な連携は完全に出来上がっていないうちに・・・という誘因になる。
中国は台湾に一段の強力な圧力を掛けて米国の出方を見る・・・でも実はこの段階が一番危険だ。
中国の軍事的な優位と不完全な台・米・日連携の「非対称」。
全面戦争とはならないが、中国と台湾間での小競り合いぐらいは起こる可能性が高い。

米国と台湾が正式の同盟や親密な関係を築けば、東シナ海で中国に対して台湾・米国・日本の勢力が均衡してくる。
この勢力均衡が出来上がると、中国も先制攻撃をしにくい・・・東シナ海は「にらみ合い」になる。
中国にとっても台湾侵攻は大きな危険を伴うことになり、現状維持が最良のオプションとなるだろう。

逆説的ではあるが、米国や日本が台湾を守る覚悟ができた時、戦争の可能性は低くなる。
改めて問われる・・・台湾のために戦う覚悟があるのか?
台湾の次は尖閣諸島かもしれない。


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中国共産党の本性と習近平のジェラシー

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このところの中国共産党は本性をむき出しにしている。
アラスカ州アンカレッジでの米中会談では、米国務長官に対して「米国内の人権問題が深刻化」とか「外交儀礼に反する」とか言いたい放題だった共産党の政治局員。
返す刀で・・・南シナ海に200隻の大型漁船を集結し、南沙諸島に強烈な圧力をかけた。
南シナ海で起こった漁船の大群が東シナ海にも押し寄せてくる可能性は高い。

でも、習近平が本性を丸出しにしているのは、外交や軍事分野だけではない。
中国のネット系成長企業に対して、強烈な圧力を掛けている。
アリババの金融子会社のアントの上場に対して、共産党が土壇場で上場をキャンセルし、ジャック馬も数週間囚われていたらしい。
その後開放されたが、アントの上場は未定のままだ。

さらにアリババを抜いて中国NO1のEC大手になった「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」の黄会長が突然の辞任を発表した。
7億8000万人のアクティブユーザーを持ち、中国のECサイトの最大手になったが、創業者の突然の辞任で株価は13%も急落した。
3月に習近平がネットプラットフォーム企業に対し「戦略的視点から規制を強化する」と発言した。
中国共産党がインタネット規制を国家戦略に引き上げたことで、ハイテク企業が粛清から逃れることが難しくなった。

簡単に言えば、自分以上の影響力を持つ可能性のあるプラットフォーマー創業者に対して習近平が強いジェラシーを持っている・・・だから、影響力が顕在化する前につぶす
ジャック馬は例外ではなかった。
多くのプラットフォーマー創業者が同じ運命をたどるかもしれない。
滴滴出行(ディディ・チューシン)、生活関連サービス大手の美団(Meituan)、EC大手の京東商城の創業者も愛国心を強く示さないと粛清されてしまうかもしれない。

問題はこうした習近平のジェラシーが創業者の粛清につながるとしたら、多くの企業家が本来の能力が発揮できなくなるし、既存の創業者も「ビジネス」よりも「愛国心」になってしまう。
明らかに株式市場にはネガティブだ。

香港のハンセン指数が調子悪い・・・上のチャートでは「三尊天井」を作っているように見える。
三つのピークは、1月中旬の第一の山、2月中旬の第二の山、そして3月の往来。
三尊天井のネックラインは2万8000ポイント水準になり、ここを切ると三尊天井が完成する。
ハンセン指数の下落の最大要因が、アリババやテンセントなどのプラットフォーマーの株価下落だ。
これが習近平のジェラシーだとしたら、本格的な三尊天井となる可能性も考えられる。


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国内株投信、衰退の謎(3)

ETF








仮説(2)はNISAやiDeCoへの資金流入が国内株アクティブ投信の衰退を招き、その結果が東証の投資家別売買で投信の継続的売り越しに現れているという仮説だ。
これは一見現在の資金運用のトレンドを表しているといえるが、ちょっと疑問もある。

まずは、数字を確認してみたい。
投信協会の数字を見ると、NISAの残高は21.3兆円、そのうち積立てNISAは6878億円しかない。
さらに確定拠出年金だが、企業型の加入者は751万人、個人型(iDeCo)の加入者が185万人だ。
確定拠出年金の残高は13.5兆円となっている。
NISAもiDeCoも着実の伸びているが、残高規模合計で35兆円程度だ。
既存投信を売却し資金が人気のNISAやiDeCoにシフトしているという理由で、2兆円を超える投信の売り越しが起きているとは説明できない・・・規模が違いすぎる。

仮説(3)は国内投信からグローバル投信に資金が流れ、国内株には投信の売り越しが続いたという仮説だ。
詳細な数字は見つけられていないが、モーニングスターによると、今年の1月と2月で国際株式が人気になり、1月に6862億円、2月に7908億円の資金流入があったという。
東証での投信売り越し額は今年1月に3798億円、2月に3800億円だったので、今年の1~2月という短期では国内株投信から国際株式に資金移動が行われた可能性は非常に高い。

投信を通貨別で見ると、2020年1月から2021年2月まででドル建て投信に6.7兆円に資金流入があったので、その間の投信の売り越し額2.5兆円は国内株式から国際株式に資金移動した分と考えてもおかしくはない。
長期的にも説明可能な仮説だといえる。

この3つの仮説検討から、いくつか結論的に言えることがある。
国内株投信の衰退は・・・
(1)インデックス投信の興隆、その反対にアクティブ投信の衰退という流れが明確になり、米国以上のスピードでインデックス化が起こったこと。
(2)アクティブ投信では国内株が人気低迷し、国際株式型に急速に資金シフトが起きたこと。

投信全体は純資産が増加しているが、国内株アクティブ投信は減少、その分が、インデックス投信や国際株式型に資金シフトしたといのが結論になる。
この傾向は続きそう・・・国内株のファンドマネージャーには試練の道が待っている。


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米中は、民主主義と共産主義の根本的な対立

九段線










米ブリンケン国防長官が日韓を訪問した後、アラスカで中国の楊政治局員と会談した。
ブリンケン氏は、米民主党の政策にそって新疆ウィグル・チベット・香港での人権侵害の他、サイバー攻撃や台湾への軍事圧力などを問題にした。
一方、中国の楊氏は、「中国の人権問題は改善していきている。しかし、米国の人権問題は昨年のブラック・ライブズ・マターで大騒ぎしたように全く改善していない。」と反発した。
米国は中国の人権を問題視する資格もない・・・とでも言いたいような中国の言い分だった。

小さな人権問題はどこの国にもある。
つい最近でもメーガン妃が「英王室では生まれてくる赤ちゃんのダークな肌色を懸念していると言われた」と主張し、英国ロイヤルファミリーでも人種差別発言があるかのようだった。
日本でもオリンピックの開会式演出を巡って渡辺直美さんの容姿への差別発言があったばかりだ。

でも共産主義の人権弾圧と民主主義国の人権問題は「根本的」に異なっている。
それは共産主義国の人権弾圧は、言論と報道の自由がない国で隠されてきたものだからだ。
その一方、民主主義国の人権問題は報道され、多くの人々が自由に意見を表明し、デモ等の抗議活動も頻繁に行われる。
この言論や報道や表現の自由、デモなどの抗議活動が自由できる、誰もが自分の意見を言うとができるかどうか・・・ここが大きく違うことろだ。

中国高官の発言は人権問題の根本にある「自由」という国民の権利をないがしろにし、表面的な人権差別問題にすり替えてしまった。
昨日のブログでも取り上げた第63回グラミー賞・・・ブラック・ライブズ・マター以後、米国民には大きな変化が感じられる。
それも民主主義の下で国民の自由や権利が保証された社会であることが根本にある。
その民主主義的な価値観を無視し、自己弁護を繰り返す中国・・・同じ価値観で議論することができない国だ。


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グラミー賞に圧倒された日

グラミー21









白人警官による黒人男性への暴力・殺人・・・ブラック・ライブズ・マター運動が盛り上がった米国。
グラミー賞にもこうした運動が大きく影響したように見える。
日本や韓国芸能界の一定の枠にハマったような、美少年、スレンダー美女、整形で皆同じ顔に見えるグループ・・・
グラミー賞・・・韓国人や日本人は韓国グループのBTSばかりが注目している。

しかし、そのグラミー賞に見られる米国では全く逆に見える。
自分のありのままの姿でいい・・・ありのままが美しい・・・自分を自分の好きなように表現していいんだ・・・自分が自分であるために音楽をやる・・・
全く、一定の枠というものを感じない。

メーガン・ジー・スタリオンのパフォーマンス
こういっちゃ失礼だが・・・太った黒人女性だが・・・そのパワーはメチャ凄い。
自分のおっきいティツ(胸)と超デカいアス(尻)を思いっきり振って歌う。
歌詞の中にもティツやアスがふんだんに登場する。
自分の自分らしい魅力を全面に出し、パフォーマンスする姿には感動してしまう。

ポスト・マローンのパフォーマンス
こういっちゃ失礼だが・・・顔に子供の落書きのようなタトゥを入れた男性・・・でもその魂からの歌声が凄い。
もともとラッパーだが、心の底から声を出しているような、魂を絞り出しているようなスローな曲「ハリウッド・ブリーディング」を歌った。
こういうパフォーマンスをされると、顔の子供の落書きにようなタトゥも自分表現に見えてくる。
とにかく感動的なパフォーマンスだった。

デュア・リパのパフォーマンス
こういちゃ失礼だが・・・ロンドン生まれとはいえ、アングロサクソンのブロンド美女では全くない彼女・・・ロンドンから自分のルーツ地コソボに移った。
彼女の家族は内乱が続いたコソボで相当苦労して生き抜いたのだろうとは想像される。
メーガン・ジー・スタリオンとは全く異なり、ペチャパイ、扁平尻の彼女だが、細く長い手足を十分に使ってダンスし美しい声で歌う美女だ。
自分を自分らしく表現するという意味では素晴らしいし、メーガンと全く変わらない。

アメリカは偉大な国だ・・・トランプがいなくても、十分に偉大な国だ。
それは大統領の問題ではなく、国民の問題だった。
この自分のありのままの姿をさらけ出し、それが超個性的な映像・音楽表現になる。
「こういっちゃ失礼だが」と接頭語が付くぐらいに「個性的」な人たちだった。
ニジューやジャニーズなど、一定の枠にハメて作られたカワイイやキレイでなく、もっと人間の根本部分から生れ出てくる美しさを彼らには感じる。
太っていようが黒人だろうが自分のありのままの姿に自信を持ってステージに立つ・・・これこそ、「This is America」だった。

オリンピック開会式の演出担当者が渡辺直美さんを「ブタ」演出で侮辱したと言われているが、渡辺直美さんにはアメリカで活躍できるパワーがあり、こんな差別的な日本ではなくアメリカで頑張ってほしいと思う。


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パウエル議長の「市場との対話」

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80年代のボルカー議長、90年代のグリーンスパン議長、2000年代のバーナンキ議長、2010年代のイエレン議長・・・パワフルでリーダーシップがあるFRB議長を見てきた。
金融政策の策定側からではなく、その政策が過剰に反映される市場側から常に見てきた経験で言うと・・・歴代のFRB議長が一番重視してきたのは「市場との対話」だ。
市場は心理的なもので、FRBの子細な言い方の変化、政策の重箱の隅をつつくような抹消部分、先読みと時に先走る心理が市場を必要以上に動かす。
だからこそ、歴代のFRB議長は「市場との対話」を重視してきたわけだ。

おそらくFRB議長にとっては「ビハインド・ザ・カーブ=市場に遅れる政策判断」に陥るのが最悪のケースだろう。
こうなると、市場が先に先に変化を織り込み、FRBの政策効果を無効にしてしまう・・・そして時には市場は大暴れを起こす。
この点で重要な事は「市場との対話」で先走る市場を抑え、政策意図を正確に織り込ませていくこと。
グリーンスパンの「Irrational Exuberance」、ちょっと影響が大き過ぎたが、バーナンキの「Taper Tantrum」で市場に警告を発し、政策の意図や将来の変更を織り込ませていった。

パウエル議長は「ハト派」過ぎるのが問題で、1月末に「パウエル氏、ハト派の限界」というブログを3回にわたって書いた。
その後も相変わらず、3月FOMC後のスピーチでも「ハト派」を貫いている。
景気見通しや雇用見通しを上方修正した一方、再来年、2023年までの利上げはないと明言した。
これは多くの市場関係者にとって予想通りだ。
でも、パンデミックからの経済正常化が進展、影響の大きかった旅行やエンタメ業界も正常化し、サービス業の雇用も急速に改善されてくる・・・このタイミングで量的緩和を続けていくとどうなるか?
景気回復と量的緩和が続く株式市場は急騰しバブルが急拡大する・・・長期金利は景況感に強さから急騰し2%を越えて行くかもしれない。
逆説的だが、おそらくパウエル議長が「ハト派」をやめて「テーパリング発言」をすれば金利上昇が止まる・・・それまで上昇する。

当面はバブルの膨張期に入ってくるのだろう・・・そうなると、市場のボラティリティは高まる。
株式も長期債もFRBのコントロールを越えて急騰・急落を繰り返すようになっていくかもしれない。
途中、途中で「ガス抜き」を行い長期的な景気拡大を後押ししてきた歴代のFRB議長とはちょっと違い、パウエル氏はすでに「ビハインド・ザ・カーブ」状態に陥っている。
一個人投資家としては大きく儲かるチャンスもある一方、損失と背中合わせの感覚もあり難しい状況でもある。
用心してトレンドに乗っていきたいところだ・・・「コーシャスリー・オプティミスティック」

日銀のETF買いは相場には関係ない?

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日銀決定会合の後、ETF買入れについて見直しが発表される予定で、市場の関心事になっている。

広木隆さんというコメンテーターが日経CNBCでこう言い放った。
「日銀のETF買いは相場には全く影響していない。 それが証拠に昨年3月日銀はバンバン買ったが、株価は大きく下落した。その後、日経平均は上昇したがNYダウと同じような上昇率であり、日銀が買ったからと言って、NYダウよりも大きく上昇したということもない。日銀のETF買いは相場に影響しなかったということで、今後、日銀がETF買いを縮小しても相場には関係ない。」

マジ・・・か?

この人の意見はまず基本的な因果関係が間違っている。
日銀のETF買いは市場に大きな売り手がいて株価が下落したから入るもので、そもそも株価トレンドを決めるモメンタム買いはしていない。
3月の急落場面では、海外投資家も国内機関投資家も売りに回り、この売りに対して日銀が買い向かった・・・もし、日銀のETF買いがなかったらもっと下がっていたかもしれない事がポイントだ。
つまり、日銀のETF買いが大きな売り手の一部を相殺した・・・これを影響がないというのだろうか?

過去3年の年間株式需給を見てみよう。
     日銀ETF    証券自己   信託銀行   海外投資家
2020年 7兆1366億円  5兆0245億円 1兆6719億円 ー3兆2504億円
2019年 4兆3772億円  3兆1844億円 ー 313億円 ー  4345億円
2018年 6兆5040億円   9997億円 1兆4476億円 ー5兆3916億円

日銀は合計30兆円以上のETFを買った・・・そのうち、2018~2020年のETF買い合計は約18兆円だ。
この3年間の需給では、海外投資家が9兆円の売り越し、信託銀が3兆円の買い越し、証券自己が9.2兆円の買い越しとなっている。
簡単な構図では、海外投資家の売り越しを、証券自己と信託銀の買い越しが吸収した形だ。

日銀のETF買いの業務フローは、日銀が口座を持つ信託銀に買い指令を出すと、信託銀が証券会社にETFの組成を依頼する・・・証券会社は依頼を受けて現物バスケットを買い、運用会社に持ちこんでETFを組成し、信託銀に受渡しする。
また信託銀が市場のETFを直接買い付けるケースも考えられる。
この証券自己の買い越しにはETF組成のための現物買いが相当含まれているはずだ。
もし、日銀のETF買いがなかったら、日本株は大きな買い手がなく、株価は低迷を続けていたかもしれない。
ただ逆に、海外投資家は日銀という買い手が市場にいることを知っているからこそ売りを出している可能性もある。
これを含めて考えると、もう少し事情は複雑になるが・・・

それにしても過去3年で見ると、最大の日本株の買い手が日銀だったことは明らかだ。
相場が上昇トレンドを作っている時には、確かに日銀のETF買いはあまり関係ない。
だからといって、「日銀のETF買いは相場には関係ない」とは絶対に言えない。
この広木隆さん、日銀ETF買いが関係ないと主張するなら、日銀が40兆円のETFを売却しても関係ないと果たして言えるのだろうか?


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電力不足を甘く見るな

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八ケ岳にある我が山小屋、そのすぐ近くに新しい家が建った。
スェーデン・ハウスの施工で、赤い板壁が美しいログハウスだ。
でも、近くを犬の散歩で通った時に気がついた事がある・・・通常ある煙突がない、通常あるガスボンベがない、通常ある灯油タンクがない・・・
煙突がある家は主に別荘として使われている場合が多く、暖炉や薪ストーブの「火」という非日常を楽しむ人たちだ。
ガスボンベは東京ではピンと来ないが、プロパンガスを使う地域では料理や風呂に使うので多くの家でガスボンベを二つは置いてある。
灯油ストーブは簡単に短時間で部屋を暖めることができるので、定住者の家にはマストの暖房器具で大きな灯油タンクが置いてある。
この三つともにない・・・と言うことは・・・この家はオール電化なのだろう。

3.11の東北大震災から10年経ったが、今でも記憶に残る事は、震災で全国の原発が一斉休止したため電力不足が表面化、計画停電と称して順番に停電が起こった事だった。
実は日本以外の国では停電は特別な事ではなく、日常的に起こる事象にすぎない。
以前に住んでいたロンドンでも数年に一回は停電が起こっていた・・・でも、人々は動じずロウソクの火で食事をし、家族でボードゲームを楽しんだりしていた。
日本では電気は常に供給されているので、停電が起こったらどうするか考えたこともない。
その分、東北震災後の計画停電は強い印象が残った。

その後、電力供給不足から火力発電、特に価格競争力がある石炭火力が大きく増加した。
そのためCO2の発生量が急速に増加し、世界から非難を浴びた。
多くの国民は「原発をなくせ」「原発再稼働するな」「環境破壊の火力発電はやめろ」・・・反対ばかりを声高に叫び続けている。
電力会社には強い供給責任が負わされているにもかかわらず、日本では電力不足はありえないと国民全員が信じている。

さらにカーボンニュートラル宣言で、石炭火力だけでなく、石油火力も反対論が高まる。
国民は本当に「太陽光発電」や「洋上風力発電」で電力不足が起きないと信じているのだろうか?
このままでいけば、日本でも電力不足による停電が恒常的に起こるだろう。
その時、電力会社の供給責任という問題だけでなく、反対ばかりしている国民にも大きな自己責任と問題が跳ね返ってくるだろう。
田舎でオール電化の住宅を建てるなんてリスクが高いとしかいえない。
というわけで我が山小屋では昔ながらの薪ストーブだ。


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国内株投信、衰退の謎(2)

ETF








投信協会が発表しているデータを確認しておこう。
公募投信全体 145.9兆円 昨年の資金流入 +9.8兆円
株式投信   131.0兆円         +8.9兆円
公社債投信   14.8兆円         +0.9兆円

株式投信には国内株と外国株などの純粋な株式だけでなく、バランス型などかなり広範囲に含まれ「株式」とはいえ「株式以外」も多く入っているので扱いには注意が必要。
この純資産総額を見る限り、公募投信全体としては資金流入が続いている。
これだけでは東証の投資家別売買で投信の売り越しが続いている理由は分からない。
   
前回示した仮説(1)パッシブ投信の増加により、アクティブ投信から資金が大規模に流出したという仮説・・・を検討してみよう。
株式投信131兆円のうち、インデックス投信は71.5兆円で54.6%を占める。
さらに外貨建て投信の割合は27.3%と開示されている。
インデックス以外の投信は59兆円で、そのうち外賀建投信は35兆円・・・つまり、円建てのアクティブ投信は24兆円ということになる。

外貨建てのインデックス投信もあるかもしれないが、ここでは考えていない。
何故なら、インデックス投信71兆円のうち、ETFが57兆円と大半を占め、そのETFの最大の保有者は日銀で、日経平均やTOPIX型のETFだからだ。
これで数字の整合性は取れる・・・グローバルのインデックス投信にはそんなに資金が集まっていないと推測できる。

株式投信のうち、アクティブ投信はわずか24兆円しかない・・・しかも、ETFを含めインデックス投信が大きく伸び、71兆円を3倍近い残高になっているというのが実態だ。
国内株投信ではアメリカ以上に速いペースでインデックス化が進んでしまったといえるだろう。
アクティブ投信からの資金流出が、東証投資家別売買状況での投信の売り越し継続を招いているという仮説は成り立つだろう。

次の仮説(2)は積立てNISAやiDeCoが人気になり、資金集中した結果、通常の公募投信が売られていることにより、東証での投信の売り越しが長期間継続したという仮説だが・・・次回考えてみたい。


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消える「おカネ」の価値~貯蓄~(3)

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実物資産の価値に裏付けられた「金貨・銀貨」の時代から、中銀の信用に裏付けられた「ペーパーマネー」の時代、そして、インターネットとプラグラム内に存在するだけの「電子マネー」の時代に変わっていく。
価値の交換として使われる「現金」の価値がどんどん減っていく・・・逆に「現金」より価値の高い「電子マネー」が価値の交換の主役になっていくと前回指摘した。

でも、中央銀行の金融政策によって通貨供給量が決まる「現金」に対して、民間の信用によって供給される「電子マネー」はどうコントロールされ、どう価値を維持していけるのだろうか?
価値を蓄積するという意味で、貯蓄手段をしての「おカネ」を考えてみたい。

貯蓄という観点で一番重要なことは、「おカネ」を増やすことではなく、その価値を守ることだ。
銀行に貯金をして微々たる金利を受け取る・・・これで増えたといえるのか?
もし、現在の金融政策で「おカネ」の価値が下落しているとすると、0.1%以下の微々たる金利がその価値の下落を補ってくれるとは考えにくい。

価値を守るためにどう考えたらいいのだろうか?

第一に「現金」で保有することは実質的な減価と同義語だ。
昔から脱税した「現金」を壁の中に隠したり、縁の下に隠したり・・・映画のシーンでよく見られた。
でも、現代では壁の中に現金を隠している間に、相対的に価値が低下してしまう。
その「現金」で株式指数を買っておけば価値は維持できたかもしれないし、賃貸アパートを買っておけば家賃で補填できたかもしれないのだ。
ただの「現金」では溜め込めばため込むほど、価値は低下する。

第二に銀行預金では「おカネ」の価値を維持できないことだ。
日本人は銀行預金が大好きで、銀行に預けておけば「おカネ」の価値は減らないと信じている。
でも、こうした預金神話はすでに終わっている。
過去の巨額の量的緩和で「おカネ」と「モノ」のバランスは」大きく変わってきている。
一般物価指数ではデフレ的な状況=「おカネ」の価値の増加が変わっていない。
しかし、株式や不動産などの資産価格を考えると、相対的にリターンの低い(あるいはほとんどゼロ)の銀行預金は「おカネ」の価値を気付かないだけで少しづつ失っているのは間違いない。

ではどうしたらいいか?
次回に続く・・・


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国内株投信、衰退の謎(1)

ETF








まずは「論より証拠」というわけで、東証の2月投資家別売買動向を見てみよう。
最大の買い越しは証券自己で1兆3000億円・・・これは先物やオプション等でヘッジされているので完全な買い越しではない。
次の買い越しは海外投資家で3340億円・・・この両者だけだ。

一方、売り越しは信託銀行(-6229億円)、投信(-3800億円)、事業法人(-833億円)と続く。
国内の機関投資家はすべて売り越しだった。
信託銀行は年金の受託機関で年金基金の動きが反映されているだろうし、事業法人は持ち合い株の売却が早くも始まっているのかもしれない。
でも、一番注意を要するのが、投資信託(以下投信)だ。

2月は3800億円の売り越しだったが、1月も3798億円の売り越し、12月はボーナス月で入金が増える月だが、わずか857億円の買い越しにとどまっている。
その前、11月4273億円の売り越し、10月1307億円の売り越し・・・昨年1月以降、毎月2000億円~3000億円の売り越しが続いている。
結局、昨年1年間で2兆3546億円の売り越しになった。

問題はこれだけ長期間にわたって毎月毎月売り越しを続けていることだ。
「株価が上昇したから利食う」という相場観による売りといえるレベルではない。
何か大きな地殻変動が起こっている可能性があるだろう。

投信業界の最近のトレンドは、
(1)アクティブ投信からパッシブ投信への資金の流れ、
(2)積立てNISAやiDeCoなどの積立型商品への資金の流れ、
(3)国内投信からグローバル投信への資金の流れ、
・・・と三つの流れがある。
これが原因なのか?
次回、さらに考えてみたい。



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自動車のレガシーコストを考える(2)

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自動車産業は大きな転換期を迎えている。
菅さんのカーボンニュートラル宣言は世界では遅い方で、欧米先進国、中国などすべての国が2030~2040年にガソリン車の販売禁止をうたっている。
内燃機関に膨大な研究開発費を投じ、ガソリン車を生産してきた自動車会社には当然ながらレガシーコストが大きくのしかかる。
その中でマツダを取り上げて、この自動車のレガシーコストを考えてみようという話。

マツダのバランスシートには1兆円を超える有形固定資産がある。
そのうち土地が4171億円、建物が1887億円と有形固定資産の6割を占める。
土地・建物は主に生産工場と販売拠点などだろうが、これらはガソリンでもEVでも関係ない。
大きなレガシーとなるのは、ガソリンエンジンやガソリン車の組立・生産ラインに限定されるだろう。
とすると、機械設備やその他に含まれている4000億円の一部といえる。
それ以上の内訳は開示されていないが、仮に半分はエンジンの組み立て・生産ラインとすれば、およそ2000億円程度が内燃機関のレガシーコストとなるだろう。

無形固定資産の400億円の一部が内燃機関の知的資産だろすれば、有形固定資産の2000億円に加え、レガシーコスト全体では2100億円~2200億円程度と見積もればいいと思う。

マツダの株主資本は1兆円、うち利益剰余金が4621億円となっている。
というわけで、マツダの財務体力からすれば、内燃機関のレガシーコストは十分に償却できる範囲だろう。
ただし、純資産/株は1727円であり、このレガシーコストを考慮すると実質的に1400円提程度になるはずだ。
現在の時価が900円台、PBRは0.52倍・・・レガシーコストを考慮後のPBRが0.6倍台に上がるに過ぎない。
自動車のレガシーコストは意外と小さかった・・・というのが結論だ。


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自動車のレガシーコストを考える(1)

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2030年代には本当にガソリン車(ハイブリッドを含む)が販売禁止になるのだろうか?
このトレンドに遅れまいと、世界の自動車メーカーがEVの開発にしのぎを削っている。
各国の環境政策がこれだけ揃っていると、日本だけゼロエミッションを変更するというわけにはいかない。
そうなると、内燃機関=エンジンに大量の開発資金を投じ、エンジン自体の性能の向上、DHOCやターボなどによる技術力によって自動車を販売してきた日本の自動車メーカーはどうするのだろうか?
トヨタや日産は、内燃機関をベースとしながらもハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドやEVに巨額資金を投じ研究開発を続けてきた。

ここでまず取り上げたいのが、マツダだ。
以前マツダ本社にリサーチで行ったこともあったが、広島での「マツダ」の存在感は全く半端ない。
広島全体がマツダファンであり、地域とマツダは正に一体だ。

このマツダは、以前のロータリーエンジンや最近のスカイアクティブなど、内燃機関の開発から生み出されたR&D主導の経営、さらにデミオからロードスターやマツダ3まで自動車デザインの強烈な個性によって活躍してきた個性的な日本車メーカーだ。
地域との密接な関係、R&D主導の経営、デザインの個性で他の自動車会社とは一線を画する。
ガソリンからEVへの大きな流れの中で、過去の研究開発の結果生み出された膨大な技術資産がどうなるのだろうか?

レガシーコストという言葉がある。
過去のしがらみから生じる負担という意味だが、二つの過去のガソリンエンジン車のレガシーコストが考えられる。
一つは内燃機関の膨大な研究開発コスト、もう一つはガソリンエンジンの巨額な生産ラインだ。

マツダのバランスシートには無形固定資産が423億円が計上されている。
特許や知的財産としての価値=無形固定資産となるので、実際に内燃機関の知的財産や特許としての価値は400億円以下だろう・・・それほど大きくはない。
マツダは毎年の1000億円以上(ここ2年は1300億円/年)の研究開発費を使ってきた。

マツダの内燃機関の開発費は主に資産ではなく費用だった。
ガソリンエンジンからEVへ完全に移行しても、マツダのレガシーコスト、償却すべきコストはそんなに大きくはないといえるのかもしれない。
研究開発費は毎年の営業費用の中ですでに落とされているからだ。
でも、一方、EV車へ需要が流れてしまいガソリン車が売れなくなると、研究開発費が重くのしかかり決算数字を直撃するかもしれない。

マツダの説明会資料では、内燃機関をベースとする戦略が描かれている。
100%EVにするつもりは全くない・・・ハイブリッド車までのラインアップを長期戦略の核にしている。
あくまで内燃機関の膨大な技術資産や競争優位を守ると言っているわけだ。
カーボンニュートラルという国家目標に対して、ある意味反旗を翻しているといえる。
ただし、菅内閣も表面的にはカーボンニュートラル宣言をしても、現実的な道程を示してはいない。
あやふやな国家目標であり、マツダの戦略の方が正しいのかもしれない。

次回は生産ラインのレガシーコストについて考えてみたい。


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消える「おカネ」の価値~交換~(2)

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「おカネ」って何だろう?
昔は金貨や銀貨など「おカネ」自体に価値があり、「おカネ」の価値とモノの価値を等価交換していた時代が長く続いた。
その後「おカネ」自体には価値がなく、政府や中銀が価値を保証する形の兌換紙幣が登場した・・・:ペーパーマネーの時代になった。
そして、ペーパーマネーの時代も終わり、現在は電子マネーの時代への移行期だ。

ペーパーマネーの時代は、実際に造幣局が紙幣を印刷し、その紙幣が中央銀行を通じて民間へ流され、市中で一般人が使い流通していた。
印刷された紙幣は中央銀行の金融政策を通じて市中に流され、中央銀行が紙幣の量をコントロールすることができた。
でも、電子マネーとなると、もう造幣局もいらないし中央銀行も今までのようにコントロールできない。

たとえば、クレジットや電子マネーには一定の範囲で借金ができる機能が付いている。
何の審査も手続きもなく簡単に借りられる・・・もし国民の多くがクレジットカードで短期借金して消費すれば一気に通貨流通量が拡大するかもしれない。

たとえば、ペイペイなどの電子マネーには、通常買い物金額に合わせてポイントが付く。
電子マネーを使って買い物をすれば、ポイントの分だけ安く買える・・・つまり、電子マネーは現金よりも価値が高いということになる。

たとえば、メルカリ内で使えるメリペイは消費税がかからない。
メルカリ内の商品売買は個人間の取引であり、その大半が消費税非課税業者だ。
こうなると、メルペイでメルカリ内で買い物をすれば、新品でも10%安く買うことができる。
つまり、メリペイは現金より10%価値が高いということになる。

価値の交換という意味での「おカネ」は電子マネーの流通増加で多様化し、その電子マネーの価値は通常現金よりも高い。
ポイントの付与や消費税の扱いなどで大きく変わってくるにしても、すでに現金を保有し、現金で買い物をする意味が薄れているのは事実だ。

これから起こることは、価値の交換手段としての現金はだんだん使われなくなるかもしれない・・・ということだ。
「おカネ」の役割には、価値の交換、価値の貯蓄、価値の表示があるが、そのうち、交換手段としての現金は不要になっていく。


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消える「おカネ」の価値~問題提起~(1)

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新型コロナ禍でも株価は好調に上昇してきた。
簡単にいえば、株式の価値はその企業が稼ぐ力によって決まる・・・だから、株価が上昇するということは企業の稼ぐ力が向上していることを示すということだが・・・。

ホントだろうか?

中銀がジャブジャブな量的緩和を行い、前例のない規模でバラマキ財政政策が取られた・・・膨大なおカネが供給されて株価が上がった。
と考えれば、「おカネ」の価値が下がっただけというのが実情かもしれない。
「おカネ」がジャブジャブに膨れ上がると「おカネ」の価値は下がる・・・だから、株価が上がったように見えているのかもしれない。
株式の価値は一定だった・・・株価上昇は見せかけにすぎなかったということもありえる。

「おカネ」の価値をもう一回考えてみようと思ったのは、それが今回の株高の意味を考えることにつながると思ったからだ。
確かに日本ではアベノミクスが始まった2014年以来、長期間に渡って日銀の量的緩和が続いている。
日本政府が発行している国債の半分は日銀が保有し、ETF買いによって日銀は40兆円もの株式を保有し国内最大の株主になった。
これだけ大量の国内債券や株式を買い、その分の「おカネ」を市中にバラまいた。
それでも日本人はデフレにおびえ、現金保有を続けている。

アメリカ人は違う。
この有り余る「おカネ」を株式投資に回し、個人投資家が大きく成長しロビンフッターたちが機関投資家やヘッジファンドのプロ連中を相手に仕手戦を仕掛けている。
この「おカネ」に対する積極性がインフレ心理を煽っているのかもしれない。
長期金利の上昇が明らかになり、超長期を含めイールドカーブが急になってきた・・・期待インフレ率の上昇に入っている。
ジャブジャブのカネ余りの中、米国でさえも「おカネ」の価値に信頼感がなくなってきたのかもしれない。

「おカネ」の価値の低下・・・市場に大きな影響を与えたのかもしれない。
今後の「おカネ」は実物資産に裏付けられた「金貨や銀貨」から、中銀の信用による紙の「ペーパーマネー」に、そしてインタネットのプログラム内に存在するだけの「電子マネー」に姿を変えてくる。
これがどのような影響を経済に与えるのだろうか?

これは問題提起であって、結論ではない。
いろいろな面からこの問題を考えてみたい。


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東北新社の外資規制違反・・・違和感あり!

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菅さんって意外と情けない首相だった。
就任直後から「GoToトラベル」が感染を爆発させたのじゃないか、「GoToトラベル」の中止が遅かったのじゃないかと批判を浴び・・・
緊急事態宣言をすれば「高齢者8人によるステーキ会食」が非難され・・・
さらに東北新社の息子が違法な官僚接待事件を起こし、「腹心の部下」だった山田氏が辞任になった。
この人、何回「お詫び」をしたのだろうか・・・就任半年での「お詫び」の新記録かもしれない。

特に東北新社の違法接待事件には違和感ありありだ。
この菅氏の長男が多くの総務省官僚に接待攻勢をかけていた期間、東北新社は外資規制を違反し、海外投資家の保有が規制比率を超えていたという。
放送業界は外資比率を一定に抑えることで自主独立した放送を担保してきた。
これはTBSでも日テレでも同じで、外資系が乗っ取ったり、外資系に強く影響されたりを防ぐためだ。
東北新社とはいえ、この規制を守るのは当然で、これは国益の問題だ。

昔ロンドンで外人営業をしている時、この外資規制で「買ってもいいけど、名義書き換えできません」と外人客に説明した覚えがある。
紙の株券があった時代なので、事務処理が負担が膨大で名義書き換えは毎月の権利確定日の前だけだった。
つまり、株式を保有しても名義書き換えしにでの株主名簿には乗らない外人投資家がいたという
わけだ。
しかし、現在の株券不発行制度では、振替決済機構が受渡後、すべて名義書き換えし株主名簿を書き換える。
証券会社は非居住者口座での「東北新社を買い禁止」にすればいいだけだ。

でも、東北新社の外人株主が規制の20%以上になったということは、東北新社が認めた外人株主が20%以上存在するということになる。
意図的に外人株主を規制比率以上にしているということで、何か理由があるはずだ。
その外人株主とは誰なのか? どんな事情があったのか? 何か隠している。

一方、この事実を隠蔽し、規制比率違反を放置した総務省の責任は重い・・・自ら、作ったルールを自ら逸脱してしまった。
しかもその背景が首相の長男による接待攻勢だったとすると・・・もう救いようがない。

総務省はきちんと事実関係を明らかにし、関係者に厳しい処分(論旨解雇や懲戒解雇まで含め)を課さないと国民は納得しない。
と同時に首相も官房長官時代であり、人事の責任を取る必要がある。

厳正な対応を求めたい。



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銀行員の不遜な態度で口座解約って・・・昭和の話?


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・・・ニュース記事から・・・
「以前、友人と食事中に「お母さんがファンなので」と40歳位の女性からサインを頼まれた上沼。するとその途中、その女性の上司という男性が突然「誰や?」と割って入ったという。

 女性が上沼の説明をすると「ああ、よう見るわ。しといてもらおうか」と汚い手帳を出してきた。だが上沼がサインを書く間中、頭の上で「別にあんたのファンちゃうねんで。一応な、ここで会ったからしてもうてるだけ。勘違いしたらあかんで」と不遜な態度を取り続けた。
 だが「手帳出すとき落とした」という身分が分かるものを見ると、なんと「その人は銀行の方だったんです。ちょうど取引してた」と預金先の人物だったことが判明した。一緒に食事をしていた友人から慰められたが「いいねん、解約するから」と宣言。その言葉通り「即、帰りまして、そちらの銀行の解約に走らせていただきました。はい。すごい金額でございました」とカメラを見据えた。

これは上沼恵美子さんのニュースを伝えたものだ。
芸能人はサインを求められることも多いだろうし、嫌味なファンに囲まれることもあるだろう。
「有名税」とも呼ばれる所以だが、人気商売なだけに嫌でも無視できない。
その分、苦労も多いとは思う。

でも、この上沼恵美子氏の言動はジョークで受け狙いだったのかと思った・・・でも、ギャグではなく本気だったので驚いた。

第一に、親が大ファンということでサインをもらいにきた女性には、いかにその上司の態度が悪くても、ちゃんとした大人の態度で対応すべきだろう。

第二に、その上司が落とした身分証をチラ見しただけで、確かめずに制裁的な行動を取るって・・・ちょっとどうなの?と思う。

第三に、ここが一番のポイントだが、銀行員を制裁するのに銀行口座を解約って?・・・時代錯誤だなあと思う。

自分は高額な貯金をしているから「エライ」、銀行は高額貯金をしている人に「へへえー」と平身低頭になると勘違いしている。
今や、銀行は貯金が欲しいとは思っていない。
銀行には過剰な貯金が積み上がっている・・・特に地方銀行はそうだ。
それどころか貸出先が少ないので預貸比率が上がらず、オーバーバンキングだ。
預金はいらないどころか、増えた余資を運用に回し苦労しているのが実態だ。

この意味では貯金はいらない・・・上沼恵美子氏が全額解約をし大金を引き出そうが、実態的に銀行には何の影響もない。
それなのに、「そちらの銀行の解約に走らせていただきました。はい。すごい金額でございました」・・・と言うその感覚が昭和だなと思う。


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良い金利上昇と悪い金利上昇(2)

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米国の中心に現在起こっている長期金利の上昇は、良い金利上昇なのだろうか、それとも悪い金利上昇なのだろうか?
評論家諸氏の言うように「良い金利上昇で株価は上昇する」と言い切っていいのだろうか?
単純に長期金利の上昇と株価の関係を考えてみたい。

前回の話の通り、景気が良くなり金利が上昇すると、企業業績が回復しEPSが増加する・・・これが株価にはプラス要因として働く。
しかし、一方、長期金利の上昇は益回りの上昇につながり、PERが低下してしまう。

来期のEPSは新型コロナ禍が収束に向かう前提で30~40%の増益と期待されている。
一方、新型コロナ禍以後の経済を反映している30年金利は2.32%台に上昇している。
経済正常化後の10年長期金利は2%台に上昇するという市場の期待だ。

これをEPSとPERのマトリックスを現在の21/3期予想をベースに作ったのが下の表だ。

成長率 EPS(円) PER(倍)
  1308 15 18 20
20% 1570 23544 28253 31392
30% 1700 25506 30607 34008
40% 1831 27468 32962 36624

来期はペントアップ・ディマンド(今まで我慢してきた消費を新型コロナ収束後に爆発させる)があり、高めの成長率になると見られている・・・EPSの増加率で30~40%を見ているアナリストが多い。
しかし、ここが一番の問題点で、一時的に高い成長を期待されている来年度ではなく、経済正常化後の平均的な期待値で考えるべきなのだろう。
つまり、数年間で見れば過去10年間の平均値のような状態に戻ってくる・・・つまり、成長率2%、金利2%、増益率5%程度の経済・・・とすればせいぜいPERは15倍程度が適切だろう。

と考えると、新型コロナ収束後の経済正常化の前提で、日経平均のEPSは来年度30%+再来年度5%の増益として1800~1900円、PERは15~17倍程度と考えらた方がいいと思う。
つまり、日経平均は2万7000円(1800円×15倍)~3万2300円(1900円×17倍)程度のレンジを想定している。
来年度30%と再来年度10%が高すぎる可能性もあり、その場合は下振れを考えておくべきだ。
というわけで・・・現状2万9000円を中心に上下3000円程度のレンジとなる。

これを「良い金利上昇」と呼ぶか、「悪い金利上昇」と呼ぶかは自由だ。


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不動産のチラシを見て驚いた事

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定年退職とともに日経新聞を取るのをやめた。
株式売買を職業としていた時は、日経新聞は毎日目を通していた・・・新聞記事が話題になったり、意見を求められたりすることが多かったからだ。
でも、はっきり言って日経新聞を読むことは退屈で苦痛だった。

というわけで新聞を取らなくなると、新聞のチラシも見なくなる。
しかし、この所、毎日のように「土地を求む」、「古家を求む」「〇億円で土地を求めている方がいます」などというチラシが入ってくる。
不動産取引が活発になっているのかもしれない。

ある日、チラシを見て驚いた。
近所に建った高層中古マンションの広告だった。
このマンションは鹿島建設施工、三井不動産レジデンシャルが分譲したパークシティで、2019年12月築だ。
完工からわずか1年と3か月と、中古とはいえ新築に近い物件だ。
しかも全部で4棟建設される計画の第1棟なので、これからも新築マンションが発売される計画だ。
その中古マンション価格が衝撃的だった。

新築時の販売価格は、90㎡超で1億2000万円、70㎡台で1億円、50㎡超で8000万円という水準だった。
でも、チラシに出ていた中古価格は、76.33㎡の2LDKで1億2480万円だ。
わずか1年強で、価格が20%も上昇していた。

不動産研究所が首都圏のマンション価格調査を毎月発表している。
最新データは12月と若干タイムラグがあるが、その数値を以下の通りだ。

     7月 8月 9月 10月 11月 12月
首都圏 +2.40 +2.26 +3.32 +3.37 +4.01 +3.07 %
東京  +4.33 +3.53 +5.07 +4.19 +5.45 +3.73 %
 (数字は前年比%)

1年強で20%の価格上昇はちょっと局地的なものかもしれないが、東京地区でもマンション価格は前年比4%程度で上昇している。
新型コロナ禍が始まりリモートワークが増加した時、多くの評論家は地方に移住が増える、自宅に書斎を作ったりと郊外へ移動が増えるとしていた。
全く間違いだった。
都心のマンションや高層マンションが人気になっている。

おそらく、新型コロナ禍は「自分の住む家」に対する投資を増やす起点になった。
都心の高層ビルで景色を楽しみ、「お家時間」を充実させるためのおカネを惜しまないという感覚だろう。
これは地方移住にも通じる・・・住む家や場所、自分が楽しむために投資をする・・・それが地方だったというだけだ。
家やマンションという外側だけでなく、内装や室内設備なども含めて、「お家時間」を楽しみ充実させるための投資はどんどん増えそうだ。
住宅と関連投資は引き続き注目だろう。


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良い金利上昇と悪い金利上昇(1)

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日経CNBCの評論家・鈴木氏は「この相場下落は良い金利上昇であり、日経平均は市場最高値3万9000円を越える」と超強気だ。
でも、「良い金利」と「悪い金利」なんてそもそも何のか?
簡単にいえば、評論家諸氏は金利上昇下で株高なら「良い金利上昇」と呼び、金利上昇下で株安なら「悪い金利上昇」と呼んでいるにすぎない。
鈴木氏は典型例だが株式評論家はとてもシンプル・・・その方が一般受けするということかもしれない。
ここではもう少し深く考えてみたい。

短期金利は中央銀行の金利政策によって決定される・・・一方、長期金利は景況感、投資家ポジションによる需給、財政政策による債券需給などによって決まる。
長期金利は政策で決めることができない分、世の中の実態を映す鏡になる。
中央銀行の都合の良いようには動くとは限らない分、長期金利を分析するのは面白い。

長期金利と株価の基本的な関係を考えてみよう。

金利=利息/元本・・・株式でいえば利益/時価総額・・・つまり、益回り=PERの逆数(1/PER)

この結果、金利が上昇すると、益回りは上昇しPERは低下する。

現在の局面のようにワクチンによって新型コロナ収束の期待が生じると、経済活動の正常化への期待が生じる・・・となれば、売上が増加し、企業利益が増える=EPSが増加すると期待が出てくる。
その一方、景気が良くなるという期待が長期金利を上昇させ、結果としてPERが低下する。

この局面で重要なのは、EPSの増加とPERの低下のバランスだ。
評論家の言う「良い金利上昇」とは、EPSの増加>PERの低下ということになる。
逆に「悪い金利上昇」とは、EPSの増加<PERの低下だ。

実際、米10年債利回りは年初の0.91%から2月末1.41%まで上昇し、現在1.56%と高水準にある・・・同時にS&P500のPERは25.45倍から2月末22.47倍まで低下し、現在22.18倍となっている。
EPSの増加が期待できるような景気回復だったら、金利が上昇しPERは低下する。
問題はどっちがより大きく影響するか?

世の中、いつでもそんなもの。
「良い」と「悪い」はいつも背中合わせで、どう判断するかは結局自分次第だ。
EPSが今後大きく増加し、株価に影響すると考える人は、PERの低下分を補って株価は上昇する方に賭けるだろう。
逆に景気が良くEPSが増加すると思っていても、PERの低下が激しいと考える人は株価が下落する方に賭けるだろう。

評論家に惑わされずに「自分の頭」で考えることが唯一重要なことだ。
ということで次回、今年の状況をもう一度考えてみたい。


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メルカリ経済学 ~メルカリ経済圏~(4)

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メルカリ決済を通じて、メルカリ経済圏が作られようとしている・・・これが第4回目のテーマだ。
株式市場や債券市場を含めた金融システム全体を見ている我々にとっては、何か新しい、そして、とてつもない大きな変化が始まろうとしていると感じてしまうところだ。

まず、現在のメルカリ決済は銀行口座と結びついているので、日本の銀行システムから独立しているわけではない。
メルカリで買い物をした人はメルカリ内にある資金から支払ってもいいし、紐づけられた銀行口座から支払ってもいいし、いろいろなサービスで得られたメルカリポイントで支払ってもいい。
でも、メルカリで品物を売った人はメルカリ内に売り代金をプールするのが普通だ。
買った人が銀行口座からメルカリにおカネを移動させ、売った人はメルカリ内に「おカネ」をプールする。その結果、メルカリ内に退蔵される「おカネ」が増えていく。

現在、一日で10万点以上の出品があり、メルカリ内での売買が急増するとともに、メルカリに退蔵する「おカネ」は当然ながら増え続ける。
この「おカネ」は銀行システムから独立している。

メルカリ参加者がどんどん増え、彼らが自由に消費税なしで売ったり買ったりする・・・そして、メルカリ内に退蔵されている「おカネ」で決済される。
そして「おカネ」はメルカリ内に留まり、まるで貯金しているかもようになる。
しかもメリペイを使えば、コンビニで電気料金もガス料金も税金だって支払うことができる。
となると、メルカリは一つの経済圏に発展するかもしれない。
メルカリの住人はメルカリ内でショッピングを楽しみ、メルカリ内で決済される、消費税のないメルカリ経済圏が出来上がる。

このメルカリ経済圏が拡大するにつれて、メルカリ内の資金が膨張していく。
そして、この資金は従来型の銀行システムとは離れ、独自に決済され、独自に膨張していく。
このメルカリ内の「おカネ」を中銀がコントロールするためにはゼロ金利を放棄することだが・・・
銀行の普通口座の金利が復活し、メルカリ内の資金が金利を求めて銀行口座に戻るような状況が出ない限り、メルカリ内の資金は膨張していく。

日銀の金融政策の外側にメルカリ経済圏が出来上がるわけだ。
個人はメルカリに自分の欲しい物をあらかじめ検索保存しておく・・・すると自動検索されて商品が提示さる・・・その値段と品質を見て買うかどうかを決めればいいだけだ。
毎日10万点以上のペースで増えていくその品目数は膨大で、欲しい物はメルカリ内にすべてあると考えでもいいぐらいだ。
その決済金額を考えたら、将来的には、銀行システムや金融政策にとっても無視できない存在に成長していくかもしれない。


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FTグローバル・・・第三回目のJリート組入れ

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3月はFTグローバルによる3回目のJリートが組入れられる予定だ。
当ブログでは昨年10月13日に「FTSEグローバル、Jリートを組み入れた」を書いた。
中身は・・・FTSEグローバル株式指数にJリートの組入れが決定され、その第一回目の組入れが9月に行われた。
大和アセットの試算では約3000億円の組入れが3か月ごとに・・・つまり、750億円づつ指数に組み入れられていくという。

その後、組入れ月ごとにウォッチし、フォローしてきた。
この3月は3回目の組入れが予定されているが、今回はどうなるだろうか?

過去の海外投資家の月次Jリート売買を振り返ったのが以下の数字だ。

         売り金額   買い金額   差し引き
2020年 8月 6570億円 7095億円 +522億円
2020年 9月 7794   8525   +731
2020年10月 7133   6954   ‐179
2020年11月 7757   7830   + 72
2020年12月 7911   8129   +218
2021年 1月 5624   5322   ‐301

重要なのは、Jリートの組入れが行われた9月と12月の動きだ。
9月は731億円の買い越しと予定組入れ額(750億円)にほぼピッタリだったが、12月は218億円の買い越しで予定組入れ額に比べ少ない。
しかし、買い金額を見ると、この両月が8000億円台で多い。
この買い金額にFTSEグローバルの買いが含まれている。

その他に純投資目的での売買があるので、この3月に海外投資家が700億円の買い越しをするかは分からない。
しかし、この組入れにより海外投資家が買い越しになりやすい月と見ることはできる。
あとは、3月期末の国内投資家、特にJリートの保有が多い地銀がどう動くかも重要になる。


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メルカリの経済学 ~所得税もない~(3)

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メルカリ経済圏は税制から離れているので、メルカリの売り手も買い手も税金を払わない。
今回は売り手の論理・・・

メルカリはオープンなシステムなので、誰でも出品し売上げにすることができる。
多くの普通の人はワシのように断捨離で不用な品物を出品しているだけだろう。
この場合には全く課税されない。
この税金フリーがメルカリの魅力だ。

しかし、気を付けていないと「税務署のお尋ね」が来る場合がある。
まず基本は「メルカリの所得」は雑所得になることだ。
最初に大切なことは「単なる断捨離」なのか、継続的な「営利目的」なのかということ。
継続的な営利目的となると、雑所得に入り、経費を差し引いたあとの所得に対して確定申告し、税金を払う必要が出てくる。

この「単なる断捨離」と「営利目的」の差は継続的に利益を上げているかどうかだ。
例えば、ハンドメイド商品を自作しメルカリで売る・・・これは継続的な営利目的とされる。
例えば、親から相続した品物で多額の売り上げを上げた・・・年間20万円以上の利益は雑所得に入る。
例えば、金のネックレスや美術品(一品30万円以上)を売った・・・処分目的でも確定申告が必要になる。
さらに、専業主婦がメルカリで38万円以上儲けた・・・配偶者控除がなくなる。

ワシの場合・・・
昔買った品物を出品している(断捨離)なので基本的に非課税だ。
しかも買値に比べて10%~50%程度で出品しているので・・・儲けは全くない。
というわけでそもそも営利目的じゃない。

しかし、「営利目的」と税務署に見られるかどうか・・・素人判断は危険だ。
メルカリに一旦税務調査に入れば、すべてのデータがシステム内に残っているため言い逃れはできない。
メルカリ内で買取り業者や販売業者が個人名で活動していると思われるが、税務調査が入った場合、彼らはちょっと不透明な感じがする。
さらには偽名を使った偽物業者、盗難品を扱うインチキ業者、世の中には様々な業者が暗躍している。
そのあたりはメルカリ経営者のリスクかもしれない。


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メルカリ経済学 ~消費税がない~(2)

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前回は中古品市場が拡大することで、日本人の購買行動が変わるかもしれないと書いた。
今回から本題に入り、メルカリ経済の仕組みを考えて行こう。

メルカリの最大の効果は税制から独立していること・・・税金を払わなくていいことだ。
買い手の論理・・・
個人間の売買であるため、買い手は消費税を払う必要がない。
年間売上げ1000万円以下の小規模業者は消費税免税を受けているので、個人が自分の持ち物を売却しても当然ながら非課税業者であり消費税を払う必要がない。
つまり、買い手は消費税を払う必要なし・・・普通に店舗やアマゾンなどのサイトで買うより10%安く買うことができる。

しかし、問題もありそうだ。
メルカリで取引していると、取引相手が買取り業者や販売業者ではないかと感じることもたびたびある。
同じ品物を複数出品していたり、同じブランドの商品ばかり扱っていたり・・・明らかに在庫処分のような感じがする。
個人が自分の品物を断捨離して出品しているのとは違う。
買取り業者や販売業者の社員が個人としてメルカリに参加していると思われるフシがある。
その場合、業者が社員個人の取引に仮想している・・・つまり、本来消費税を払うべき業者なのに、社員の個人取引を仮想することで消費税を節約していると考えられる。
こういう問題はいつ表面化するか分からない。
消費税の節税のために個人間取引に偽装しているのと同じで、サイト運営するメルカリも経営リスクとなる可能性があるだろう。

それでも個人にとっては、メルカリで消費税なしの10%安く買える効果は大きい。
しかも出品の多くは相当売値自体が安い。
中古品を気にしない人ならば、有利にショッピングを楽しめる空間であることは間違いない。


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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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