
市場との対話が一番うまかったのは、やっぱりグリーンスパン氏だったのかもしれない。
1996年頃だったと思うが、グリーンスパンは株式市場を「irrational exuberance=根拠なき熱狂」と表現した。
非合理的な熱狂による株価上昇だと、株式市場の過熱を警告したわけだ。
これがどのぐらいのガス抜きになったかは定量的には分からない。
しかし、4年後にITバブルが頂点に達し暴落するまで、少なくとも数年間にわたる金融市場の安定を達成したといえる。
次のFRB議長、バーナンキ氏も市場の「期待」をよく理解していたと思う。
2013年のバーナンキショックの時は投資顧問の運用ヘッドだったが、今でもよく覚えている・・・突然、テーパー(量的緩和の縮小)発言をしたからだ。
もちろん、市場はすぐさま大きな変動を起こし、長期金利が急上昇し株価が急落した。
それが「テーパータントラム」と呼ばれた市場の調整場面だ。
でも逆にこの「バーナンキ・ショック」により、市場はテーパリングのリスクを織り込みソフトランディングできたといえる。
景気や企業業績などファンダメンタル要因、中銀の資金供給などの需給要因が基本的な株価トレンドを作る。
しかし、「期待」がさらに強い「期待」を生んでいくと、ファンダメンタルや需給にそった株価トレンドから「乖離」が生じてしまう。
こうした過剰な「期待」による市場の「乖離」は時折調整されなければならない。
過剰な「期待」は膨らみ過ぎると、大きなバブル崩壊を招いてしまうからだ。
グリーンスパン氏やバーナンキ氏はこの事をよく理解していた。
では、現FRB議長のパウエル氏はどうだろう。
常に「ハト派」で市場に対してやさしい発言しかしない。
そこがグリーンスパン氏やバーナンキ氏と一番違うところだ。
これが金融市場に緩みを生み、株式市場を必要以上に上昇させ、ファンダメンタルからの乖離を作ってしまった。
過剰な流動性が市場を大きく歪めている。
ロビンフッダーと呼ばれる個人投資家が群れを作って株式売買し、一時はテスラ株を急騰させ、現在では空売りが多い銘柄が持ち上げ、ショート・スクイーズを狙う。
一貫して市場に優しい「ハト派」のパウエル氏・・・

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