株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2020年06月

キャッシュレス還元の終了は安倍政権の失策

IMG_0112 (1)
















5%キャッシュレス還元が6月末で終わる・・・買い物は6月末までにキャッシュレスでした方がいい。
この政策評価は簡単じゃないが・・・
大手小売店を無視して中小商店ばかり優遇した逆差別点、コンビニでは2%還元、中小商店では5%還元など複雑で分かりにくい点、キャッシュレス決済の進捗への貢献点・・・などなど。
政府としてのレビュー評価を国民に分かりやすく説明すべきだ。

マスコミはあまり書かないが、このキャッシュレス還元の終了は安倍政権のマクロ経済政策に大きな失点になるかもしれない。

第一に、この終了により消費税10%時代が本格化する。
インフレのない日本で消費税の引き上げは過去何回も個人消費に大きなマイナスになってきた。
欧州でもVAT(付加価値税)が引き上げられてきたが、当時はインフレも高かったので実質的にマイナスにはならなかった。
キャッシュレス還元がなくなった事による実質的な消費税の引き上げが個人消費を直撃する可能性がある。

第二に、新型コロナ騒動で給料やボーナスが減少している家庭が多い中での消費税10%が本格化する。
新型コロナ騒動で失業者が増え、雇用が悪化している・・・さらに残業が大幅に減少し、ボーナスも減少している現在・・・どう見てもタイミングは最悪だ。
その中で実質的な消費税の引き上げが行われることになる。
状況を注視したい。

新型コロナ騒動の非常時に、実質的な消費税引上げを行うなんて普通ならありえない!!
コロナで大きな被害を被った小売り店、飲食店などには一段と厳しい政策になるからだ。
ニューノーマル(新しい生活様式)を取り入れて、ソーシャル・ディスタンスを取るため座席数を減らし、パーティションで区切り、人数を抑えて営業しているお店も多い。
でも、こうした努力をしているお店の足を引っ張ることにもなる。

このキャッシュレス還元が実質的な消費税引上げであり、マクロ経済にマイナス影響がはっきりすると、安倍政権の失策が明らかになるだろう。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

日本は隠れた差別大国

IMG_0675
















「ブラック・ライブズ・マター」が大きな運動になっていく中、日本人の差別意識を考える機会になるのではないかと思う。
日本で日本人の両親から生まれ普通に育てられた人々は感じないかもしれないが、日本には多くの差別があったし、現在もあるかもしれない。

60年の人生に中で自分で経験した差別問題を振り返ってみたい。

小学生に上がった頃の夏休み、親戚の家に近いある地域に「近づいてはならない」と叔父に厳命された。
何故か全く理解できなかったが、従妹との遊びに夢中で聞き流してしまった。
あとで分かったことだが、「部落」と呼ばれる地域だった。
そしてその後、エタ・ヒニンと呼ばれる江戸時代の身分制度から来ているということがなんとなく分かった。
しかし、納得できずに部落問題を自分の中で結論をスルーした。

その頃、祖父が従業員に「アイツはサンゴクジンだら・・・」というのを聞いた。
当時小学生の低学年だったが、この言葉は未だに記憶の中に残っている。
サンゴクジンとは何か・・・日本が海外侵略をして奪い取った国が台湾や朝鮮だが、日本政府はこれらの人々にも日本国籍を与えた・・・この人たちを「第三国人」として「本土の日本国籍」と別に管理した。
これがいつしか差別用語になったということらしい。
祖父の使用人の「サンゴクジン」は働き者で、祖父は高く評価し給料も多めに与えていた・・・だので当時は「サンゴクジン」がどうして差別になるのか分からず・・・よく考えずに結論をスルーした。

小学生の高学年の頃だったかもしれない・・・別のクラスにトーマス・ターナー君がいた。
彼はアメリカ黒人の父親を持つ子供だったが、日本での生活が長く、他の日本人と変わらない普通の小学生だった。
ただ、「黒んぼ」と呼ばれ、よくからかわれていたのをよく見かけた。
しかしこれも黒人の何が問題なのか分からずに、この人種問題を自分の中でスルーした。

その後、大学を卒業した頃、同和問題に接した。
関西の支店での面接で、ある学生に対して「同和だから」とハレ物に触るような扱いをしていた。
就職では履歴書に本籍を記入するので、部落出身者が見分けられる・・・これをもって不採用とすると同和差別として会社が非難され、最悪の場合、街宣車やデモ車が会社に来て大音量で罵倒されるということも分かった。
しかしこれも十分な理解をせずに、同和問題を自分の中でスルーした。

こうして人生の中で経験した差別問題を、自分の中でずっとスルーし続けてきた。
深く考えることをせずに、あるのは知っていても特に何もしなかった。
そして、階級社会と言われた英国に7年間駐在したが、存在する差別問題に対して欧米社会が努力していることがよく分かった。
努力しないと、差別問題はなくならない。

日本人にも多くの差別意識が残っている。
日本人は「内=身内」と「外=集団外」を強く意識する・・・自分たちとちょっと違うだけで差別やイジメの対象になってしまう。
小さな差別意識はイジメに通ずる。
「ブラック・ライブズ・マター」を機に、今までの人生で留保し続けてきた「差別意識」や「見てみぬふり」と向き合ってみようと思う。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

都知事選、「おバカ」候補が大集合

IMG_0271
















都知事選が告示され、選挙戦がスタートした。
各候補のマニュフェストというか、公約を見ていると・・・あまりの非現実性にあきれる。

まず、山本氏。
この人、国政と都政の区別もついていない・・・消費税廃止、最低賃金1500円の政府補償、日米地位協定の見直しなどは国政の話だ。
東京オリンピック中止はいいが、それまでの税金投入を損金処理するって正気じゃない。
ほとんど社会主義者で、中小企業の損失補てん、奨学金の徳政令、教育費の無償化・・・それでいて財源の話がまるで出てこない。
非現実的な空想だけだ。

立花氏。
東京オリンピックを中止して、その費用を中小企業の損失補てんに使う・・・今までに使った膨大な都税はどうするの?
渋滞をなくすと言いながらETCゲートをなくすって・・・ETCゲートを廃止したら、どう考えても渋滞が増える・・・それとも、高速道路を無償化するつもり?
ホリエモン新党って何者か不明・・・

七海氏。
脱中国依存、中国に損害賠償・・・余程、中国が嫌いなのかな。
でも、脱中国というだけでは何も変わらない・・・具体性がない。

桜井氏。
都知事給料ゼロ、都民税ゼロ、固定資産税ゼロ・・・で、どう歳出をカットするの?

小野氏。
東京オリンピックを2024年に延期・・・2021年にできなけらば中止としているIOCとどう調整するの?
過疎地域の熊本の防災対策を人口1000万人以上の東京に応用されても困るな。
その他、特に何の主張もない感じ。

宇都宮氏。
まともな人なのだろうけど、東京オリンピック中止ぐらいしか目立たない。

結局、二種類の「おバカ」候補がいる。

一人は、消費税を撤廃するとか、都民の給付金を出すとか、中小企業に給付を厚くするとか、バラマキ政策を主張するのは典型的「おバカ」”候補だ。
彼らは分配の要求ばかりを主張し、東京都の財政を見てないとしか思えない。
東京都の助成調整基金は9000億円以上あったが、今回の休業補償50~100万円を配り、合計1兆円をコロナ対策に使ってしまった・・・残高は800億円に急減している。

もう一人は東京オリンピック中止を主張する候補で、今まで注ぎ込んだ税金の回収を考えないのは「おバカ」候補だ。
大会組織委員会が6000億円、東京都が5900億円、国が1500億円をすでに使ってしまった・・・スポンサー収入、チケット収入、放映権収入がないと、1兆円の税金が無駄になる。
東京都だけで5900億円・・・都民の税金が無駄になってしまう。
東京オリンピックを知事候補が中止を言うなんてありえないだろ!!!

現実を考えずにオリンピック中止+税金のバラマキ政策を公約にしている候補者は無責任としかいえない・・・「おバカ」候補だ。




個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

ボラティリティの「高止まり」に注意

69C96BCC-6022-4D57-B134-4234BB58705B
















6/18にブログ「ボラティリティの高まりの怪」を書いた。
3月のコロナ暴落後の戻り相場ではボラティリティ(以後、ボラ)の推移が今までのゴルディロックス(適温相場)とは異なり「高止まり」している・・・これは株価の下落を警戒してオプションを買う投資家が一定数存在しているということを意味している・・・と書いた。
その後も、ボラ(VIX)の水準から見ると、何かしら変調を予想している投資家が多いと感じられる。

まず、S&P500のVIX指数で確認してみよう。

VIX指数
見にくくで恐縮だが、ピンクがS&P500の日足、青がVIX指数。






現在のVIX指数の数字は・・・
6/11の急落時にVIX指数は40まで上昇、その後S&P500は安定した小動きだが、VIX指数は31~36という高い水準を続けている。
ゴルディロックス(適温相場)で安定した上昇基調にある時は、VIX指数は10台で推移するのが普通なので、現在の30台でも推移は明らかに高い。
VIX指数が高水準だから相場が将来暴落するというわけではない・・・しかし、「オプションの買い」が入っている市場、つまり「ボラが高まる=相場が下落する」と想定してオプションを買う投資家が多数存在している市場だいえる。

次にプット/コールレシオを見てみよう。

プットコールレシオ
赤はS&P500、青はプット/コールレシオ。
プット/コールレシオ=プットの売買金額/コールの売買金額





S&P500のプット/コールレシオは2以上のレベルになると、プットオプションの買いが目立つ状況になる・・・2~3月のコロナ暴落時は断続的に2以上(ピークは3/18に2.48)の日が続いた。
直近のプット/コールレシオの動きを見ると、6/11に2.15、6/18に2.02、6/19に2.0、6/23に2.01・・・と2以上の日が増えてきている。
断続的に2以上になる日が増えていることには注意したい。
何かしら相場の不安定な感じを見ている投資家が、時折、プットオプションを買っている状況だろう。

「カネ余りで相場は上昇する」と言っている評論家が多いが、カネ余りは限界に来ているかもしれない。
FRBのバランスシートは6月に入り伸びが止まった。
週ごとの総資産額を追うと・・・(6/3)7.165兆ドル、(6/10)7.168兆ドル、(6/17)7.094兆ドル、(6/24)7.082兆ドル・・・
2月末の4.1兆ドルから7兆ドル台まで、わずか3か月で3兆ドルもの増加を記録したが・・・6月に入ると伸びが止まった。
「不景気の株高」の限界が近いかもしれない・・・じっくり観察した方がいい。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

新興国、コロナ破たんが現実化(2)

1024px-2020_coronavirus_patients_in_China.svg






6月21日に「新興国、コロナ破たんが現実化」というブログを書いた。
IMFが6月時点での世界経済見通しを下方修正した・・・世界全体でー4.9%(2020年)、+5.4%(2021年)としている。
ほとんどのマスコミはこのヘッドラインぐらいしか報じていないが、実は新興国の経済成長が大きく下方修正された・・・これが世界経済にとって大きな負担になるかもしれない。
新興国全体で-3.0%(2020年)、+5.9%(2021年)というところだが、最大の問題は経済縮小に追い込まれる国が増えていることだ。

前回のブログでは、新型コロナ感染者数が急速に伸びているため、この感染爆発が経済を破たんに追い込む国が出てくると想定した。
アップデートしておくと・・・

       新規感染者数/日(概数) 伸び率    累計感染者数
ブラジル   3万3000人     +3.7%   118万8000人
インド    1万7000人     +3.7%    47万3000人
ロシア      7000人     +1.2%    60万6000人
コロンビア    3600人     +4.8%     7万7000人
バングラデシュ  3500人     +2.9%    12万3000人
南アフリカ    5700人     +5.4%    11万2000人
サウジアラビア  3100人     +1.9%    16万7000人
メキシコ     5400人     +2.8%    19万7000人

相変わらず、一定の増加率で感染者数は増えていく・・・このまま感染爆発が続くと、それこそ、国家の根幹をぶち壊すような破壊的な感染爆発になってしまう。

実はIMFのGDP成長見通しでも・・・
     4月時点の2020年GDP   6月時点の2020年GDP
インド   +1.9%          ー4.5%
ブラジル  ー5.3%          ー9.1%
ロシア   -5.5%          -6.6%
メキシコ  ー6.6%          ー10.5%

この新興国のGDPは、この2か月で2-5%という大幅な下方修正だ・・・ブラジルやメキシコは10%前後のGDPの厳しい縮小となる予想だ。
しかも、先進国と異なり、ロックダウンで経済を一時的に止めた影響ではない・・・経済の低迷が長期化する。
このぐらいGDPが減少すると、一般国民は生活水準の切り下げ、特に平均以下の所得層は生活が困窮している。
国民生活を考えてロックダウンや経済規制をしなかったはずなのに、国民を生活困窮に追いやってしまったということだ・・・おそらく現政府には対応できない。
政変が起こる可能性も高い。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

デジタル課税はゲームチェンジャー

25D29A98-2DE9-4A09-ADC5-CD57E81D0560
















デジタル課税の議論が盛り上がっている。
アップルが課税回避のためにアイルランド現地法人を課税拠点として利用し、不公正な優遇措置を受けていたとして日本円で1兆円を越える追徴課税を支払った事があった。
GAFAの課税逃れは世界中で問題になっている・・・しかもGAFAだけではない。

スタバの英国拠点では、累計売上が30億ポンドあるのにその間支払った税金がわずか860万ポンド、税率がわずか売上の0.3%に過ぎなかった。
コーヒー豆を法人税12%のスイスが買い、レシピなどの無形資産をオランダに移し、ライセンス料の半分は法人税16%のオランダで、半分はアメリカで非課税を利用した。
GAFAや多国籍企業が各国で大儲けしているにもかかわらず、最高の税テクニック(税金の抜け穴)を利用し税金支払いを回避してきた。

最大の問題は本社機能がネット上にあり、ネット上でサービスを提供し、ネット上で利益を上げている多国籍ネット会社をどこでどうやって課税するのかという国際的なルーツがないことだ。
日本人は「のほほん」としているので、GAFAにやられ放題・・・日本の消費者から大きな儲けを上げながらネット上の利益へ課税ができない。
巨大な物流システムを持ち、国内の道路などの公共財を使いながら、これに見合う税金は払わず・・・

これに風穴を開けようとしているのが欧州のデジタル課税だ。

一つは多国籍ネット企業の「恒久的施設」を持つ国が、ネット上の活動と括り付け、課税をする。
現地法人を持っていれば、その国で儲けた利益に課税するという案だ。
課税拠点でなくても、その国に「恒久的施設」を持っていれば課税するという。
ネット企業とはいえ、実際のオペレーションではリアルな活動拠点が必要になるからだ。

また、多国籍ネット企業がその国に雇っている従業員数などを企業活動の規模を基に課税する。
アマゾンのように日本国内で多くの従業員、配達員、物流ルートを持っている企業には、一種の外形標準課税のように課税できる。
考え方としては、その国の営業規模はその国で挙げている利益を連動するということだろう。

こうした欧州の動きに対して、米国やトランプは「米国のGAFA、狙い撃ちだ」として課税の公平性の観点から批判している。
米国はより広範囲に課税していく方向を主張している。
しかし、「ネット+多国籍」という企業をどう公平に課税できるかという点では合意はまだまだ遠そうだ。

欧州ではそれぞれの国に課税権があり、それぞれの国で独自に動き出す可能性もある。
各国が独自に課税すると、またまた、ネット多国籍企業は最高の税金逃れテクニックを駆使して、税金逃れの方法を探っていく・・・なんか「いたちごっこ」ような・・・。
重要な事は「ネット+多国籍」企業を国際的な課税枠組みで整合的にしばっていく・・・課税逃れをさせない仕組みだろう。
もしこうした課税の仕組みが国際的に構築されると、「ネット+多国籍」企業のビジネスモデルは変わる・・・ゲームチェンジャーになるかもしれない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

北朝鮮、愛が憎しみに変わる時

E55EEFBA-E3A0-454B-BCDA-BAE31ACE7B0C
















感情を素直に表に出しやすい女性の政治家には全般的に当てはまるが、金与正氏は特に分かりやすい。
「南北融和」と言いながら同床異夢を夢見て「仲良しごっこ」をしていた頃は、金正恩の妹はいつもニコニコと笑顔だった。
ところが、今はその表情が一変、韓国と文在寅に下品な言葉を投げつける。
この豹変した姿に北朝鮮人の感情が素直に表れているような気がする。

近い人間関係、特に兄弟となると「愛が憎しみに変わる」ことがある。
お互いをよく知り身近にいた関係ほど一旦ケンカが始まると、収拾がつかないほど関係がこじれてしまう。
老親の介護、その後の相続をめぐって兄弟が絶縁したといいう話も多く耳にする。
北朝鮮と韓国も兄弟みたいな関係なので「愛が憎しみに変わりやすい」といえる。

「南北融和」時、北朝鮮が韓国に期待した事は、おそらく(1)米国との間に入り北・経済制裁を撤廃させること、(2)北朝鮮主導で朝鮮統一を達成し、韓国の経済力を北朝鮮が手に入れること・・・の二つだ。
そして、この期待が全く裏切られた。
南北関係も米朝関係もハノイ決裂以降全く進展なし。

そして、今回のビラ問題で「愛が憎しみ」に一気が変わった・・・金与正氏の豹変がそのサインだ。
その送られたサインを文在寅がどう受け取るかだが、今までと変わらぬラブ・サインのまま・・・それが北朝鮮の嫌悪感を増幅させていることにも気がつかない。
北朝鮮の憎しみに気がつかない文在寅は、徹底的にコキ下され韓国内でも求心力を失う。

この身内ケンカはタチが悪く、長期間憎しみが蓄積し半永久的に仲直りできない場合もある。
ここから起こる事は、米国や日本に向けたミサイル発射ではなく、韓国に照準を合わせた心理的かつ物理的な砲撃だろう。
この身内のケンカみたいなもの・・・日本も米国も静観だろう。
韓国は国民の目をそらすため、日本をターゲットにしてくるだろうけど・・・


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村



河井議員の選挙違反は当選自体を無効にすべき

IMG_0322

















不正資金を受け取ったという証言が次々と明るみに出たが、議員特権で逮捕を免れていた河井議員夫妻・・・国会が閉会されるすぐに逮捕された。
検察が証言を集め、資金の送り先リストまで押収されているというのに、この小市民のようなオジサン夫妻が何故、ここまで頑強に「不正はしていない」と言い続けたのか、未だによく理解できない。
送ったカネは選挙工作ではなく、単に「お祝い」とか「お礼」とか日常のやり取りだとでも言いたいのだろうが、選挙前という送ったタイミング、相手が選挙工作だと認識したこと、など簡単に言い逃れられるとは思えない。

それでも否認するのは・・・

まず第一にもっと大きな悪を隠しているケース。
何かよく分からないが、何か「もっと大きな悪」を隠している場合、否認したまま逮捕され有罪となり、その「もっと大きな悪」を隠したまま刑務所に入るという動機はありえる。

さらに安倍政権に関わる「政権がぶっ飛びそうな裏」がある場合、このまま否認し続ければ「黒川検事のような検察官」が登場して助けてくれるかもしれない。
安倍政権のやり方を河井夫妻がよく知っているはずだ。

あるいは、単に議員報酬をできるだけ多く欲しいからというのも考えられる。
不正に配ったカネはもともと選挙費用として自民党から配られた政党助成金から出ている「税金」、議員特権を盾に逮捕を免れてきた数か月の二人分の議員歳費も「税金」、逮捕され有罪になり議員を辞めるまでにも二人分の議員歳費も「税金」、もうすぐ公務員ボーナス時期で受け取れる二人分の議員特別手当も「税金」・・・
まさにたんまりと・・・夫妻の口座にはカネが振り込まれる。
これって異常だ・・・すべて「税金」でこの事件が成り立っている。

大学生の頃、不正入学が事件になった・・・古い話なので記憶にない人も多いと思うが、早稲田大学商学部で起きた「集団不正入学事件」だ。
商学部のある教授が裏口入学を取り仕切っていたが、金持ちの親が動いて入学した知り合いがいた。
悲惨だったのは、この知り合いは退学ではなく、入学自体を無効にされた。
当時大学4年生で、それまでの授業料や入学金もすべて無効となり、人生に4年間の空白が生じた。

もし河井夫妻が有罪になったなら、国会議員の辞任で済ますことなく、当選自体を取り消すべきだろう。
大学の不正入学と理屈は同じだ。
そして、受け取った議員歳費、ボーナス、不正使用した政党助成金・・・すべての「税金」を国庫に返済すべきだ。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

実践的バリュエーションを考える(8)

2AB84132-F1F3-49F0-9086-6CF2C899E5DA
















前回からPBRを使った投資を検討している。
ソニー株をバリュー投資の事例をして上げたが・・・バリュー投資で大切な事は三つだ。
(1)資産を精査して正確なバリュエーションを計算すること・・・正確な資産評価、
(2)バランスシートの右側を精査して劣化した資産や利益を生まない資産をチェックすること・・・資産のクオリティの評価、
(3)業績のターンアラウンドの可能性だ。

この三点を考えることは、実はバリュー・トラップを避けることに通じる。
これはバリュー投資を行う上での「割安のワナ」であり、割安で買ったものの、永遠に割安のままでリターンが上がらないという状態だ。
株式市場では「万年割安株」と呼ばれている銘柄で、これが典型的なバリュー・トラップだ。

たとえば、現在の市場では銀行株が万年割安株の範疇に入っているが・・・
銀行は全国をカバーする支店網があり、巨大な銀行オンラインでつなぎ、ATMや窓口で様々な金融サービスを行っている。
しかし、問題はこの巨大な支店網やオンラインシステムが大きなお荷物になりかけていることだ。
フィンテックが進み、暗号通貨が一般化しキャッシュレス社会になり、ネットバンキングですべてのサービスが提供される時代になると・・・巨大な支店網やATM網が遊休資産になってしまうかもしれない。
膨大な支店の土地建物、過剰な人材資産、ATMなどの機械資産などを考えれば、銀行のバランスシートには大きな無駄があると言われる時が来るかもしれない。
その分、銀行のPBRは低くなるのは当然の理だろう。

業績のターンアラウンドを考えることがバリュー・トラップを避けるコツだ。
PBRとROE(自己資本利益率)には明確な関係がある。
ROEは利益/自己資本で、自己資本=株主資本を使ってどれだけの利益が上げたかという尺度だ。
簡単な恒等式を使うと・・・

      PER(P/E)=PBR(P/B)÷ROE(E/B)

          Pは株価、Eは利益、Bは自己資本

この式の意味することは、低PBR銘柄はROE(利益率)が低いから低PBRなのであり、高PBR銘柄はROEが高いから高PBRなのだということ。
重要なことは、現在低PBRであっても、将来のROEが上昇するならば、PBRは上昇していくということだ。
業績のターンアラウンドを考えることは、企業のROEを考えることだ。
ROEが将来上昇するならば、バリュー投資は最高のリターンを生むだろう。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

新興国、コロナ破綻が現実化

1024px-2020_coronavirus_patients_in_China.svg







欧州を始め、米国、日本、インド、ロシア、次々に経済活動を再開している・・・さらに元々制限していなかたったブラジなどの新興国もある。
日本では一日の新規感染者数が数十人というのにマスコミは大騒ぎしているが、新興国の感染者数はケタ違いの増加を示している。
世界全体で見ると、感染爆発とそれによる経済停滞がむしろ深刻さを増しているといえそうだ。

先進国では米国の新規感染者数/日が2万4000人と1.1%の増加が目を引く。
でもそれより新興国だ・・・6/18現在
       新規感染者数/日(概数) 伸び率    累計感染者数
ブラジル   3万3000人     +3.5%   96万5000人
インド    1万2000人     +5.6%   36万7000人
ロシア      8000人     +1.4%   56万1000人
コロンビア    3000人     +5.6%    5万7000人
バングラデシュ  4000人     +3.9%   10万3000人
南アフリカ    3400人     +4.0%    8万人
サウジアラビア  5000人     +3.6%   14万6000人
メキシコ     5000人     +3.2%   16万人

この感染者数の伸びが継続している・・・厳しい感染爆発としか思えない。
評論家は「感染第二波」がどうのこうのと言っているが、グローバルに見た方がいい・・・感染爆発は続いているからだ。

4月のIMF予想では、2020年GDP成長率はインド+1.9%、ブラジルー5.3%、ロシアー5.5%、メキシコ-6.6%だが、一段の下方修正も考えられる状況に陥っている。
となると、一次産品、農産物、鉄鉱石や銅といった基礎資源の生産や流通にも停滞感が出てくることも予想され、それがブーメランのように先進国に影響してくる可能性もある。
新興国の経済悪化が世界経済の大きなリスクになるかもしれない。
特にIMFが予想を下方修正したら要注意。

ブラジルにしてもインドにしても、感染爆発よりも経済活動を優先させた・・・これが一段の感染爆発を引き起こしている。
坂道を転がり落ちるように、新興国の経済破綻に向かっているようにしか見えない。
将来、先進国にとっても経済かく乱のリスクだろう。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

リートの減配リスクを考える(3)

33931E92-35A9-41D0-8853-DFEC90D2ADC6
















星野リゾートが決算発表を行った・・・かなり衝撃的な減配が示された。

賃料収入は20年/4月期61.5億円、20/10月期60.2億円、21/4月期43.4億円と、大きく減少する予想だ。
売上や利益の基準期間のズレによる要因だが、足元の悪化状態が反映されるのが21/4期であり、その期に28%の減収が予想されている。
さらに衝撃的なのは変動賃料の減少ペースで・・・20/4期20億円、20/10期19.5億円に対して、21/4期がわずか3億円の予想だ。
圧倒的に集客力があると見られた星野リゾートでさえ、足元の変動賃料はほぼゼロに低下している。

星野リゾートの社長、星野氏は最近よくテレビに出演し、以下の2点を主張している。
(1)インバウンドの減少より、国内旅行客を取り込む。
国内の旅行市場は27兆円、そのうちインバウンドは4兆円にすぎない・・・国内客をしっかり取り込めればインバウンドの減少を補える。

(2)日本人の海外旅行も大きな減少になるので、その分国内旅行が増加する。
日本人の海外旅行も新型コロナで止まるので、その分4.3兆円が浮く・・・これが国内旅行に回れば、インバウンドの減少を補って余りある。

・・・と非常に強気だが、国内旅行客の多くは高齢者・・・そして、高齢者は新型コロナを恐れて、どんどん旅行に出るというわけではないだろう。

しかし、星野リゾートは中期的には注目される点も多い。
(1)富裕層を相手にした「星のや」などの高級ホテル業態は回復感が早めに回復すること。
一泊7万円も8万円もする高単価の「星のや」には、海外旅行を制限された富裕層の需要が高まる。

(2)「星野リゾート物件」を5割以上に増やす方針を出したこと。
弱点は、競争力のない「星野リゾート以外の物件」が64%(不動産時価ベース)を占めていることだ。
この「以外の物件」は資産価値でもヤバイ・・・DCF法で6.2%の鑑定評価の低下が見られる。
一方、「星野リゾート物件」は1.7%の減少にとどまっている。
「星野リゾート物件」を5割以上に増やすとしている。

分配金利回りは3.8%、減配の影響で投資家には物足りない。
しかし、決算後の価格は堅調であり、減配を無視しているかのようだ・・・これはリート投資家がモメンタム指向を強めていることを反映している。
本来リートは利回りで買う商品であり、モメンタム投資になじまない・・・利益成長率が低いからだ。
最近の物流リートに人気化や、ボロボロのホテル型リートの物色はコロナ後の戻り期待なのだろうが、物流リートの平均利回りは3%台半ば、ホテル型リートも減配を修正したら3%台の利回り・・・利回りの魅力がない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

断捨離と個人消費の微妙な関係

80138891-78B1-4617-87FF-D943BEE7FE6F
















羽田空港から飛び立つ飛行機を真近に見られる京浜島・・・一方で、巨大なごみ処理工場があるのも同じ京浜島だ。
大量のゴミを積んだ巨大なトラックが次々とごみ処理工場に入っていく・・・大量のごみを分別し、再処理していく巨大なごみ処理機が長時間稼働している。
このゴミ処理工場前では巨大ゴミトラックが列を作りゴミ処理待ちをしている・・・東京のゴミ問題がリアルに感覚的に理解できる場所だ。

新型コロナ騒動で在宅を強いられた人たちが在宅中に断捨離を行い、不要な衣服や古いバッグや古い家具などを次々と捨てる。
ゴミの日には不燃ごみが大量に捨てられ、資源ごみが山のように積み上げられる。
我が家も例外でなく、断捨離が進んでいる・・・申し訳ないと思いながらも、大量のゴミを出すことになる。

ふと気がついたのだが、断捨離とするとモノが不要になりゴミに変化していくプロセスがまるで見えるような錯覚を感じることだ。
大切にしていたモノが時間とともにゴミになる・・・品質が劣化してしまった場合もあるだろうし、デザインが古臭く使えなくなったモノにあるだろう。
その時間の経過が見えてしまうのだ。

そうなると、新しい製品を見ても買いたいとい欲求が湧かなくなる。
ピカピカの製品も数年たつとゴミになってしまうのが見えてしまうから、将来確実にゴミになってしまうモノを今買いたいとは思わなくなる・・・断捨離によって消費意欲は大きく減退してしまった。

たとえば、新聞。
日刊紙なのでわずか1日でゴミとなる・・・だったら、ネットでニュースを見れば十分だ。
たとえば、雑誌。
週刊誌ならば、わずか1週間後にはゴミだ・・・月刊誌なら1か月経てばゴミになる。
たとえば、衣服。
何回も切ればすぐに色あせるし、タンスに入れておくだけで流行遅れになる。
たとえば、家具。
安物を買うとすぐに色あせて変色したり、壊れたり・・・そしてゴミになる。

モノは一定期間後にゴミに変化する。
となると、何年たっても大切に使えるようなモノしか買いたくなくなる・・・長く使うと味が出てくるような高品質のモノしか買わない。
多くの人達が新型コロナの「ステイ・ホーム」期間に断捨離をした・・・ということは、すぐにゴミになるモノは買わないという人が増えるだろう。
断捨離をするとモノを買わなくなるという、断捨離と個人消費の新たな関係が大きなトレンドになるかもしれない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

ボラティリティ「高止まり」の怪

DDD7A619-2524-4030-A4D0-1C5BF46697DC
















ボラティリティ(以下、ボラ)は市場心理を映す鏡だ。
「オプションの売り」は時間価値の減少が常にプラスに働くので価格が動かなくても儲けることができる反面、大きく動く=ボラの上昇があると負ける。
逆に「オプションの買い」は価格が動かないと確実に負ける・・・価格が大きく動くと思うからこそオプションを買う=ボラを買うに等しい。
このオプションを買う投資家の心理がボラの上昇に大きく映し出される。

4月以降株式市場は順調な戻り相場を形成してきたが、ボラティリティ・インデックス(VIX)を見ると明らかに高止まりしている。
シカゴのVIX(S&P500)は3/16に82.69の超高値を付けた後低下してきたが、ボトムは24.52(6/5)と過去にないぐらいの高止まりしている。
日本でも日経VIは3月のコロナ暴落で60.67(3/16)を付けた後、NY市場と同じように戻り相場で25.58(6/8)まで低下してきた・・・しかし、それでも25以上の高い水準にある。

ゴルディロックス(適温相場)と呼ばれるような安定した上昇基調では多くの投資家が「オプションの売り」に回るので、通常、VIXは10~20の低い範囲で推移し、20を超えると警戒するというレベルになる。
今回も株価指数だけ見ていると、この3か月間安定した上昇基調をたどったように見える、しかし、ボラは高止まりで、適温相場時のような水準には下がっていない。

これは常にオプションを買いたい投資家が市場にいるということを示している。
何かを警戒している・・・新型コロナの第二波、米中摩擦の激化、景気回復の遅れ、など考えられるが、市場の本心は分からない。
いずれにしても株式市場の再暴落に対する警戒感が残っている市場だといえる。

プット/コールレシオ(プットオプションの売買金額/コールオプションの売買金額)を見ると、現在1.57と通常のレベルにあるが、たまに2を越える・・・直近では6/11に2.15を付けた。
これは時折りプットを大きく買い越す投資家がいるということを示している。
今年の2月、新型コロナが中国で感染爆発し欧州に広がり始めた頃、このプット/コールレシオが2以上の日は、2/19が最初で、2/21~2/28、3/6~3/9、3/17~3/18・・・2以上の高水準の日が断続的に続いた・・・そして3月中旬に向けて奈落の底に落ちて行った。
今回の戻り相場では2以上の日はまだ一回しかないが、この現象が断続的に出てくるかがポイントになるだろう。

いずれにしてもVIXが40以上に上昇し、プット/コールレシオが断続的に2以上になると、市場の警戒感が強まるだろう。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

新型コロナ禍で割を食った人

IMG_0672
















新型コロナ禍は様々な人たちを非常に理不尽に苦しめた。
もちろん、ウィルスに感染して苦しみ抜いた挙句に亡くなった人たちが一番可哀そうだが・・・コロナ禍で会社がつぶれたサラリーマン、休業要請で店がつぶれた人もいるだろう。
個人的な感覚で申し訳けないが・・・新型コロナ禍で割り食った人のランキングを作ってみた。

やっぱり一番は病院や医療関係者だ。
感染リスクに直面しながら患者を診る・・・素晴らしい事だが・・・実際には院内感染が蔓延し、世間から冷たい視線を浴び、外来患者が減ったことから病院経営が悪化し、医療関係者のボーナスもカットになってしまう・・・ところもあるらしい。
人のため世の中のために尽くしながら、世間から冷たい目で見られ、ボーナスもカット・・・なんてどう見ても理不尽の極みだ。

二番目は・・・どう考えても役所の事務職員だ。
政府が10万円の給付金を決めたのはいいが、その事務負担が通常に数倍になっている。
政府はまずオンライン申請を進めたが、これが曲者・・・オンライン申請の中身、氏名、家族、銀行口座、オンラインにもかかわらす、すべて、職員が自分の目と手で再確認させられ・・・これで事務負担が2倍以上に増えた。
さらに郵送の申請書でも「届かない」「遅い」というクレームが役所を襲い、「カスハラ」的なクレーム電話の対応で事務負担がさらに2倍以上に増えた。
人のために夜中まで仕事を頑張っているのに「カスハラ」クレームばかり、人の記入ミスの後始末をさせられ、さらに文句を言われる(カスハラ=カスタマー・ハラスメント)。
一次、二次と補正予算が次々に決まるほど余計な仕事量が増え、「カスハラ」クレームが増える・・・どうみても理不尽だ。

三番目には在宅勤務で、仕事と家族の間で右往左往したサラリーマン。
十分なリモート・システムもなく、自腹でパソコンを買い在宅で仕事を始めたのはいいが、狭い部屋では家事をする妻からは粗大ゴミ扱いされ、子供からは遊び相手にされる。
結局、仕事がはかどらず在宅残業ばかりになる・・・しかし、残業代はビタ一文出ない。
4月の給料は基本給のみで残業代は大幅なカット・・・4月勤労統計では残業代が12.2%も減少した。
さらに6月のボーナスも大幅なカットが見えている。
可哀そうなサラリーマン。

他にも多くの人たちが理不尽な仕打ちに苦しんだのだろう。
ネットの誹謗中傷はエスカレートしているので大変な思いをした人も多いだろう・・・緊急事態中に麻雀をした役人、沖縄旅行した芸能人、沖縄ゴルフでウィルスをまき散らした芸能人、多目的トイレで事をしたお笑い芸人・・・などなど。
ゴッド・ブレス・ユー


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

配当丸取りトレードの実験(5月決算銘柄)

DB1C13F1-A1BC-420E-80B6-E172969FFBA3
















4月決算銘柄(積水ハウス、星野リゾート)は、予想配当ベースだが、配当と実現益の合計で+28.1万円、月間リターンは+14.8%だった。
これに続き、5月銘柄は平和不動リート1銘柄だけだったが、配当と実現益で+17.8万円、月間リターンは+18.8%と順調な収益積み上げができた。

この2か月の大幅なリターンで年初来のパフォーマンスも∔16.2%と、3月コロナ暴落の損失を取り返して二けたのプラスに転じた。

銘柄 決算月 買値 口数 売値 配当/口 売買/口 合計損益
R-平和不 5月 95050 10 110400 2525 153350 178750

しかし、いくつかの問題も抱えている。
第一に実績配当の問題だ。
今までのリートはほぼ順調な決算を発表し、実績配当は予想配当を上回って着地していた。
しかし、4月決算の星野リゾートは株価こそ順調に値上がりしたが、リートの減配はこれからがヤマ場になるだろう。
昨日の決算発表で分配金は13302円と予想を若干上回る着地となったので一安心だ(注)。
この予想配当と実績配当の違いが大きくなってくると、この配当丸取りトレードは難しくなることには気を付けたい。

第二にリート指数が上昇し、やや過熱感も見られる水準にきていることだ。
さらにクオリティの高いリートの利回りが低下し、この6月決算銘柄では配当丸取りトレードの対象となる銘柄がなくなってしまった。

というわけで、6月決算銘柄の配当丸取りトレードは・・・買いたい銘柄がないので「一回休み」・・・残念だがしかたがない。

注)星野リゾートの分配金は変動賃料の基準期間がズレているためで、今後1年の配当は35%の減配となる。
当方の試算よりも厳しい減配となった・・・さらに分配金利回りは今ままでの5%台から3.7%に急低下、魅力がなくなった・・・残念。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

寛容は支配の始まりか?

IMG_0336
















お笑い芸人の不倫が話題だが、年収1億円の芸人のくせに多目的トイレはないだろ、事が終わると1万円札を渡すのもないだろと思う。
世間を敵に回すのは理解できる。
でも、彼の奥さんは「激怒して離婚」ということもなく、まだ「好きだから話し合う」という。
かなりの戦略家かもしれないと思う。
世間ではこの不倫夫も頭がいいと言われているらしいが、個人的にはこの奥さんの方が数段上ではないかと思う。

それは不倫夫に示した「寛容」のことだ。
多目的トイレ、事後の1万円札、女性のモノ扱い・・・普通に考えるとありえない「女性の人権無視」のように見えるが、女優妻から見れば「相手はモノ」であり、人間扱いされていないとなる。
世間の反発は強いが、女優妻からすれば「モノ」に対して目くじら立ててもしかたがない、それより「寛容」を示せば、夫婦の力関係が変わると考えたのかもしれない。

「寛容」というのは相手を「支配」する最初のテクニックでもある。
これは昔話によく出てくる・・・桃太郎は犬や猿などの動物に「寛容」を示し家来にしてしまう・・・三蔵法師は暴れ者の孫悟空を「寛容」+「輪っか」で支配していく・・・似たような話はいくらでもある。
つまり、相手に「寛容」になることで精神的優位に立ち、相手を「支配」していく。

夫婦の問題は夫婦にしか分からないが、このきれいな女優妻がどこまで戦略的に夫を支配していくかには他人事ながら興味はある。
この夫は自分中心で「非寛容」の典型的な性格に見える・・・そして、奥さんが「寛容」を持ってこの「非寛容」の夫を牛耳っていくって、なんかの物語にありそう。

昔、タイガーウッズが多数の女性と不倫をして話題になったが、その時は悲惨な離婚だった。
しかし、これで吹っ切れたようにゴルフに集中し、大復活を遂げた。
このお笑い芸人はどうなのだろう?
離婚して過去を清算して心機一転で復帰するのと、女優妻に牛耳られ支配された結婚生活を送るのと本人としてはどっちがいいのだろう?
それとも女優妻が菩薩のような人で、不倫夫の危機を助けて「内助の功」で一気にブレークするのだろうか?


個人投資家の最強運用興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM





にほんブログ村

バフェット指数の語るもの

8E97D987-45B9-4E56-B868-235001C7DE1F
















新型コロナ騒動の結果、NASDAQが新高値の1万ポイントに乗せ、NYダウ万7000ドル台を回復した・・・先週は若干ヒヤッとした下落があったが・・・。
一方、新型コロナによるロックダウンから経済活動が再開に向けて動き出しているが、実体経済の動きはまだまだ鈍い・・・この米国株式市場と実体経済の差をどう考えればいいのだろう。

バフェット指数は名目GDPと株式市場の時価総額を比べたもので、時価総額/名目GDPで計算される。
簡単に言えば、投資家の期待が反映される時価総額、実体経済の規模を示す名目GDPを比べることで、株式市場のバブル度を計る尺度だ。

このバフェット指数が昨年末で152と、米国の時価総額が米国名目GDPの1.5倍を越えた。
その後、新型コロナ暴落で3月末には120まで低下したが、その後の株価反発で再び150(6/10現在)に上昇している。
昨年末時点で株式市場はかなりバブル化していた・・・新型コロナ禍での株価暴落で市場のバブル度は一時かなり調整されたといえるが、5~6月の戻り相場、一部銘柄の新高値更新で再びバブル度が上ってきたといえる。

問題は4-6月期の米国の名目GDPだ。
一部で予測されているのは二けたのGDP減少と、新型コロナによる全米でのロックダウンが大きく影響していると予想されている。
大幅な低下が予想通りに公表されると、7月に発表されるGDPデータで、バフェット指数の分母の数字がさらに小さくなる・・・つまり、このバフェット指数はさらに高い数字になることが予想される。
四半期GDPだけではなく、今年のGDPがどのぐらい減少するのか、それによってバフェット指数の水準が決まる・・・超割高を示唆するかもしれない。

過去のITバブルのピーク時2000年3月末で148と、やはり、同じような株式時価総額の膨張を記録した・・・その後、ITバブルが崩壊し、2000年代初頭のハイテク株暴落につながった。
しかしながら、バフェット指数の150という水準は絶対的なバブル警戒ラインというわけではない。
名目GDPは国内生産であり、GAFAはじめ多くの米・多国籍企業が海外で稼いでいる分は含まれていない。
このグローバル化による海外収益が米企業業績を増加させたことを考えると、このバフェット指数は長期的に右上がりに上昇してもおかしくない。
これを含めてバフェット指数を考える・・・今後の大きなポイントになると思う。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM





にほんブログ村


雑草テロにギブアップ

611DEB4A-4391-4D40-9FD5-7E9477B2FFD0
















この時期、田舎では雑草が伸び方が加速し、まるでインベーダーゲームのように雑草に攻め込まれてしまう。
この山小屋に住み始めた頃は、この雑草テロに対抗しようとして砂利を使って非武装の中立地帯を作った・・・その記録が「雑草テロとの戦い」にあるので興味ある人は参照してみてください。
結局、雑草には勝てなかった・・・・でも、この「雑草テロとの戦い」を通じて学んだ事がある。

「庭は作り込めば作り込むほど、その維持が重労働になる」
いつでも花が咲いている花壇があり、生えそろった美しい芝生があり、という美しい庭がある家が近所にある。
でもそこの住人と話すと、毎日夫婦二人で庭仕事をして庭を維持していると言っていた。
つまり、二人で毎日庭仕事をするほどの重労働なのだ。

「管理が一番簡単なのは放ったらかしの庭」
隣の家は別荘として使っているらしく、ほとんど空き家状態で数か月に一度しか来ない。
当然、雑草がボーボーになるが、月に一度、庭師が来て草刈り機で全部刈る・・・おそらく契約した庭師なのだろう。
植木を植えたり、芝生を作ったりせず、何もしていないので、エンジンの付いた草刈り機で一気に全面の雑草を刈るだけでいい。
一番簡単だ。

「庭仕事、肉体労働の後はビールがうまい」
気温が高い日でも、ここでは風が抜けると一気に涼しくなる。
ウッドデッキに椅子を出して、ゆっくりとビールをグラスに注ぐ。
そして、風を感じながらゆっくりと飲む。
犬にオヤツを上げながら、時間をかけてビールを飲み干す。

雑草テロに負けてもこの楽しみがあれば、田舎生活もマンザラではないと思える。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

中国、新型コロナ後の本当の問題

2020-nCoV_cases_in_Mainland_China.svg















新型コロナウィルスの震源地でありながら、感染が一巡し、経済活動を早めに再開した中国。
経済のセンチメントを表す製造業PMIは2月に40.3まで急落した後は50前後の動きとなっている・・・いち早く、新型コロナ騒動から回復した中国経済に注目する人たちも増えている。
確かに、中国政府も金融緩和し、商品券をバラまくなど消費喚起にやっきになっている。
しかし、その政策に問題点が見て取れる。

5月の社会融資総量が3兆2000億元の増加になり、累計残高も268兆元と前年比12%と急増している。
社会融資総量とは銀行融資にノンバンク融資を加えたもので、銀行以外の融資が多い中国では借金の大きさを一番正確に示す数字だ。
一方、銀行融資は1兆4800億元で前月より減少・・・ということは、銀行の融資を受けられない企業や個人がシャドウバンキングを通じて借金を増やしたということになる。

中国の問題点は借金の増え方が経済成長に比べ高すぎることだろう。
2019年末には251兆元の残高で前年比10.7%の増加だった・・・この時期の中国経済は6%程度の成長率だったので、借金の増加10%、経済の成長6%という感じ。
借金の伸びが経済の成長ペースよりも高いという状態が続いている。

もう少し前から見ると、2017年末205兆元(+14.1%)、2018年末227兆元(+10.8%)であり、経済成長率の鈍化とともに社会融資総量の伸び率も下がってきていた。

そして、もっとも大きな問題点は新型コロナ後・・・だ。
中国の経済成長率が今後どのぐらいになるかは、全人代でも公式の目標値は示されなかった。
1-3月期の6.8%のマイナス成長は新型コロナによる都市閉鎖の影響であり、しかたがないともいえるが・・・2020年の成長率がどこまで回復するかは未知数だ。
内需はそれなりに戻るにしても、先進国のマイナス成長を影響を受けて外需の戻りが鈍い。
現在で2020年の成長率を3%程度とする予測が多い。

となると、今年の経済成長率3%に対して、借金は12%で伸びている・・・借金の伸び方が著しく高いということになる。
借金しても企業の成長率が高く、企業の収益率>金利ならば、企業は金利を支払えるので問題は生じない。
しかし、新型コロナ以後、中国企業の収益率が落ちてくるので金利支払いにも困る企業が増加してくるだろうし、融資が焦げ付く可能性も出てくる。
その場合、不良債権の急増が懸念される状況となり、中国経済の圧迫要因になる。

中国のバブル企業、海航集団(HNAグループ)が1兆元の負債で経営破たんしたが、過大な負債で成長してきた中国企業は収益率の低下とともに経営不安に陥るケースが増えてくるだろう。
これをもってすぐに中国経済がへこたれるわけではないが・・・この借金の伸び率と経済成長率の乖離は中国企業の業績が悪化すると大きな問題となる・・・よく見ていく必要がある。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

お中元は何のため?

IMG_0561
















新型コロナ騒動で大変な時期でも「お中元」の季節がやってくる。
毎年、毎年、百貨店などは様々な企画を行って「お中元」需要を取り込もうと躍起になっている。
今年は、なかなか会えなかった知人にコメント付きで商品を送るという企画もあるらしい。
お世話になった人たちへのお礼ということで、日本社会で続いてきた慣習だが・・・「お中元」をもらったから「お返し」とか、会社の上司によく見られたいから「お中元」とか、なんか人間関係上の貸し借りみたいな感覚もある。
この「お中元」という慣習はなんか曖昧で何のためなのか、サッパリ理解できない。

昔はおそらく会社内でも「お中元」や「お歳暮」の習慣があっただろう。
しかし、これは「上司へのゴマすり」や「人事の優遇」「評価の上乗せ」みたいなアンフェア感が付きまとっていた。
それで、入社した当時から「虚礼廃止」という看板を立てて、会社は「お中元」や「お歳暮」を禁止していた。

しかし、その後もずっと、この「お中元」や「お歳暮」は地下に潜って脈々と続いていたのだ。
「虚礼廃止」を真に受けたワシは生涯、一回たりとも「お中元」や「お歳暮」を上司に送ったことがない・・・社員全員が送っていないと思っていた。
ところが・・ところが・・・なのだ。

部長になってはじめて、この「虚礼廃止」が地下に潜っていたというのが分かった。
部下から、あるいは、部下の親御さんから、この「お中元」や「お歳暮」が送られてくる。
送ってきた部下には、「こんなことで君の評価は変わらないよ」と伝え、もう送らないでくれと言った。
それでも変わらない人は変わらない。

日本の会社では続いてきた「お中元」や「お歳暮」・・・そして、これをうまく使って上司に取り入り出世した社員も多かったのだろう。
「バカの連鎖」が日本の会社にはあり、この「お中元」や「お歳暮」で出世した上司は、「お中元」や「お歳暮」をくれた部下を評価する・・・さらに一歩進んで「お中元」や「お歳暮」を要求するかもしれない。
日本の会社の「バカの連鎖」とは、一旦バカな社員が出世すると、さらにバカな社員ばかり取り立てるので、会社全体にどんどんバカが増えていくという連鎖だ。
こういう連鎖のある会社に投資したら、とんでもない目に合ってしまうので気を付けたい。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

株高に変化の芽が見える

5728ac05683a49070e3c32ab93e8e065c55b8762







最近のブログを振り返ってみたい。
チェック1・・・5/13「テスラ株はバブルのバロメーター」を書いたが、テスラ株は900ドルの大台を乗り越え、史上最高値に飛び出した。
このところの上昇はテスラ自身というより、スペースXの打ち上げ成功でイーロン・マスク氏の経営力評価が上がっているためかもしれない・・・しかし、いよいよ米株はバブル領域に入りつつあるのかもしれない。
値動きが激しい局面に入ってくるのだろう。

チェック2・・・5/25「個人の買いが株高の原動力」で書いたのは、新型コロナ後グローバルに個人投資家が活躍したのが株高につながったことだ。
しかし、日本の個人投資家は鋭い・・・5月第4週の個人は現物売買で3059億円の売り越し、信用売買でも256億円の売り越しに転じている。
さらに信用残でも2兆136億円と前週比300億円程度の減少となった・・・しっかり、利食いを入れている。
高値での利食いは「千人力」だろう。

チェック3・・・6/5「中国のプラクティカルな思惑」で、米中が貿易摩擦の合意第一弾の破棄に向かう可能性を書いた。
合意に反して中国が米農産物を買っていないことが、米国内でも問題になり始めた。
特に中西部の農業州で不満によりトランプ支持が低下してきているからだ。
おそらく、中国は米農産物の買いペースが上がらず、もう合意を守ることが困難なのだろう・・・となると、第一弾合意を破棄する方向に進む可能性が出てきた。
トランプが香港への優遇見直しを決定すると、それに中国が反応する形で、最悪、第一弾合意の破棄につながるだろう。

さらに金融面にも変化の芽が出てきた。
それはFRBのスタンスが微妙に緊急モードから平常モードに戻りつつあることだ。
(1)FRBのバランスシートの伸びが鈍化したこと。
4月は毎週2000億ドル~1兆ドルの大幅な拡大をしてきたが、5月以降は600億ドル~2000億ドルにスローダウンしてきた・・・6月はほぼ数百億ドルへとさらに減少するだろう。
(2)長期金利の上昇を放置していること。
経済活動を再開を買った株高の局面で、米10年金利が0.9%台まで素直に上昇した。
景気の底入れを素直に反映した動きだろうが、FOMCでトーンダウンしてくる可能性も見るべきだろう。

テスラ株がバブル領域に入り、米株全体にはバブル警戒が高まる・・・さらに株高を演出してきた個人投資家が利食いに入る・・・米中摩擦も懸念が引き続き強い。
さらにFRBが微妙にスタンスを変えてくる可能性があり、相場にちょっとした変化の芽が見られる。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD




株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

「ブラック・ライブズ・マター」と新型コロナの複雑な関係

1024px-2020_coronavirus_patients_in_China.svg






新型コロナ騒動で、今まで我慢してきた不平等、人権無視、経済格差という問題を噴出してきているという感じがする。
米国のポリスによる黒人殺しに端を発した「ブラック・ライブズ・マター」デモ。
世界全体に波及している・・・おそらく、世界全体で格差・差別・人権無視の不満が高まっているのだろう。

新型コロナ禍で満足な治療を受けられずに亡くなった人たち、その一方で、新型コロナ禍の過剰流動性相場で大儲けをする富裕層の人たち・・・これが世界の現実だ。
新型コロナ禍があぶり出したのは、差別や格差によって感染率や死亡率が大きく異なっているという事実と、失業率全体14.7%から13.3%に低下してもアフリカ系の失業率は逆に16.7%から16.%にわずかに上昇しているという事実だ。
感染による健康被害とコロナ不況による失業で苦しむ多くの有色貧困層がいる。

米国の人種差別、中国による人権無視・・・枚挙のいとまがない。
こうした一般市民の不満の受け皿として「ブラック・ライブズ・マター」が格差・差別撤廃に向けたグローバルな運動に発展していく可能性もある。
個人的にはこうしたデモに賛同したい・・・しかし問題もある。

一つは新形コロナの再感染爆発が起こるか?
密集し大声で叫ぶデモ参加者を見ると、もし再感染爆発が起こったら恐ろしいと思う。
毎日、米国の感染状況を見ているが、まだ毎日2万人の感染者増加がある・・・これが2週間後に再加速するかをじっと見ている。
これが起こると運動の継続は難しくなる。

もう一つは一般大衆はどれだけ長い期間、運動に参加できるのか?
デモ参加者は一般大衆であり、仕事をしなければ生活できない・・・デモばかりするわけではない。
失業率が低下し、人々が仕事に戻り、長期間になると運動についていけない人たちが増えていく。
これも運動の拡大を難しくする。

この二つを乗り越えてこの「ブラック・ライブズ・マター」運動が拡大していくならば、9月の香港選挙、11月の大統領選挙に大きな影響を与えるだろう。
世界は格差や差別撤廃に向けて大きく舵を切っていくのかもしれない。
結局、世界を変えるのは選挙だ。
株価を持ち上げることで再選を狙ったトランプが負けるとしたら、その時、異常な相場は逆転するかもしれない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

日産幹部の大量転職は成功するか?

CBFABCB5-5E81-45EE-A903-D92FBD3A275D
















日産の経営幹部が次から次へと転職しているという・・・幹部サラリーマンの転職では大きく二つの理由がある。
一つは会社での自分の将来を見限って出ていくというケース。
しかし、多くの場合、他社に行くと従来のノウハウが生かせず苦労する。
本人の能力や知識以上に日本企業には隠れた障壁がある。

もう一つは親玉がまず転職し、追いかけるように部下を次々と移籍させる場合だ。
この親玉の存在感とリーダーシップ次第だが、ダメなら全員討ち死にするという悲惨な結果になる。
日産のケースはこっちだが、日本電産は永守さんがドーンをいる会社なので、結局、永守さんに評価されるかどうかですべて決まる。

数年前の話だが、メリルリンチ日本証券の幹部がみずほ証券に転職した・・・すると、多くの幹部社員がメリルリンチ証券を退職し、みずほ証券に移籍した・・・ということがあった。
最初に移籍した幹部社員が自分の仕事をやりやすくするため、昔の部下に一斉転職を勧めたということろだ。
みずほ証券自体が多くの合併会社だったので、移籍先の旧来社員との軋轢もなくチーム移籍がスムーズに行ったケースだろう。

しかし、今回はいい加減なビジネスモデルの証券会社ではなく、日本を代表する優良企業、日本電産だ。
関氏が次世代の社長として日本電産に転職したことが今回の契機となったのだろうが・・・永守さんは非常に厳しい経営者だから、おそらく関氏も短期間で結果を出すことを求められているはずだ。
それを受けて関氏が古巣の日産から使い易い部下を引き抜いたというところだと推察する。

問題は幹部の引き抜きに合った日産ではなく、ダメ会社の筆頭のような日産の幹部社員を引き受けた日本電産の方だ。
これは関氏が永守さんの期待に沿うような活躍ができるかにかかっている。
日本電産の永守さん、ファストリの柳井さん、SBGの孫さん・・・これらのオーナー経営者は非常に厳しい・・・この三人とも、過去、後継者として選んだ次の社長候補を次々と落選させた。
どんなに優秀な経営者でもこれらのカリスマ・オーナーには及ばないので、何処かでオーナー経営者を失望させてしまう・・・というか、この三人のオーナーが全面に出ている限り次の候補は成長しない。
後継者として入社しても数年でアウト。

日本電産は中国で車載モーター工場を建設すると発表した。
これは、おそらく、日産時代の中国人脈を使った勝負ネタだろうけど、世界からの孤立を厭わない中国は今後どんどん難しい商売相手になってくるだろう。
会長の永守さんと商売相手の中国共産党・・・まさに「前門の虎、後門の狼」・・・どっちも手ごわい。
今後に「永守さんの日本電産」から「関さんの日本電産」になるかはこの中国ビジネスで決まるかもしれない・・・注目を怠れない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

PCR検査数、玉川氏に違和感

2020-nCoV_cases_in_Mainland_China.svg















偏った見方かもしれないが、昔から朝日新聞は好きになれなかった・・・というのは、自称リベラルという妙な正義を振りかざして、自分が正しく、相手が間違っているという主張ばかりしてきた新聞だからだ。
その朝日新聞の嫌な部分がテレ朝の玉川氏に見える感じがしてならない。

報道番組で、玉川氏は「PCR検査を増やして、新型コロナの非感染を証明する。これは安心の証明だ。それによってビジネスが進むようになる。海外出張なども安心してできるようになる」と発言している。
そしてPCR検査の数を広げて誰でも受けられるようにすべきと主張する。
本当だろうか?

最初の違和感は、日本人の海外出張は相手国の基準に合わせた対応が必要なことだ。
自らPCR検査した結果に関係なく、相手国の条件次第で入国できるか決まる・・・相手国が2週間の隔離を要求する場合もあるだろう。
日本でのPCR検査と相手国の入国条件とは直接関係がない。

次の違和感は、PCR検査で陰性だったからといって、それが安心の証明にはならないことだ。
ワクチンが完成した場合ならワクチン接種が非感染の証明になるが、PCR検査の場合ある時点での非感染はある程度証明できても、将来の非感染を証明できない。
今でもアフリカなどの国に入国する時は各種のワクチン接種が義務付けられている場合もある。
PCR検査ではなく、ワクチン接種がビジネス渡航の全面解禁につながる。
ワクチンとPCR検査がゴチャゴチャになっている。

感染者の風評被害を避けるためにPCR検査の陰性を受け、安心だと証明するという。
これなんかも筋違いな感じがしてならない。
日本人社会全体が「新型コロナには誰でも感染する可能性がある」ということを理解して、新型コロナに関わる差別を撤廃すること、つまり、日本社会が新型コロナに寛容になることが先だろう。
新型コロナに感染したアナウンサーが謝罪会見を行ったが、謝罪するなら視聴者にではなく、感染後出演したことで迷惑をかけた出演者やスタッフに対してすれば十分だろう。
マスコミのこうした「安易な謝罪」が差別を助長しているのかもしれない。

もし、PCR検査を社会の安心のために使うなら、全国民が毎日受ければいいかもしれない・・・でも、これは膨大な検査費用の無駄使いになるのは間違いない。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

実践的バリュエーションを考える(7)

2AB84132-F1F3-49F0-9086-6CF2C899E5DA
















PBRを使った株式投資を前回から見てきたが、その二回目だ。
PBRを使う有利な点は利益のように予想する必要がないことだろう・・・利益予想自体がとても難しいし、無理して予想してもほとんど当たらない。
熟練アナリストでも当たらない予想を基にPERで投資するよりも、予想の不要なPBRで投資する方がとっても簡単だ。

もう時効だから問題ないと思うが、今回は運用会社が行ったPBR投資の実際例としてソニー株を取り上げてみたい。

これは2012年かた2013年にかけての事だった。
ソニーは2012年3月期に5200億円の大幅な赤字に陥った。
日本のエレクトロニクス業界は、主要なデジタル製品で新興国の追い上げと競争激化、リーマン危機後の1ドル=80円台の超円高で大きな打撃を受け、いかにソニーといえども例外ではなかった。

こうした環境で株価が暴落したソニー株をバリュー投資マネージャーたちが果敢に買い始めた。
ソニー株が1000円台まで暴落した・・・このPBRを中心にしたバリュー投資で成長株イメージのあったソニー株を買うのは珍しいことだったのでよく覚えている。
PBRが1倍を割れ超割安になった水準から大きく買い注文を入れた。

ところが、運用に関係のない一部の役員さんたちが異を唱え始めた。
日経新聞が2012年6月に「PBR1倍割れ、それでも買えない日本株」という特集を掲載し、山崎元氏などの評論家が「市場が企業に与えた経営者失格の烙印」とコメントしたりと、ソニーを否定するムードが世の中全体にあった。
本来、投資判断は運用部門の専管事項のはずだが、「ソニー株が急落したら、顧客にどう言い訳するのか」と言いたい放題の役員もいた。

では、その時、ファンドマネージャーは何を考え、ソニー株の大口保有を決断したのか?
まずは、B(ブックバリュー)の精査。
2011年3月期の一株純資産は2538円で、PBRは0.7倍だった。
2012年3月期に事業環境も悪かったが、会計上で米国事業の繰り延べ税金資産の引当を実施したため赤字額が2000億円増加した・・・その結果としての5200億円の最終赤字だった。
繰り延べ税金資産は過去の赤字で払い過ぎた税金分が将来戻ってくることを前提に資産計上するものだ。
この入り繰りのために赤字が増加したが、会計上の話で実際の営業キャッシュフローは変わらない。
これらをすべて修正した上で、PBRが割安だと判断したわけだ。

もう一つは金融部門、映画やゲームのコンテンツ部門が順調に安定した業績を上げていること。
エレクトロ二クス部門のリストラで部門収益が今後改善されてくる・・・それによりソニー全体の収益が回復してくるという読みだ。
実際、ソニーはテレビの分社化、VAIOの売却、大崎の本社ビルの売却などのリストラ策を次々と実行していた。

その後、ソニー株価は1000円台を脱し、アベノミクス相場に乗って上昇し、パフォーマンスに大きく貢献した。
PBRを使ったバリュー投資には、正確な資産評価、資産のクオリティの精査、そして、業績ターンアラウンドの検討という三つのプロセスが重要だということが分かる。
特にバリュー投資が難しいのは、PBRが低くなるほどの悪環境で、多くの人たちが弱気になっている中で投資判断することだ。
評論家や外野の人たちの言う事を無視する「胆力」が必要になるということ。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

中国のプラクティカルな思惑

co_asa_cn[1]







中国はもちろん中華思想に基づいた長期戦略を立てて行動しているが、実際の政策や行動はかなり実利的というか非常に抜け目ない。

たとえば、何故、返還時「香港の自治」を保証した中英合意を無視してまで「国家安全法」を制定するのか?
香港の「一国二制度」は中国の国力が弱い時期に英国に押し付けられたもので、中国の国力が高まった現代では不要だ・・・だから、約束を無視しても一向に構わないと考えている。
領土に関して・・・台湾は本土を追われた蒋介石が逃げた先であり、もともと中国のものだ。
台湾を完全に掌握する・・・そのためにはまずは「一国二制度」の香港を完全に中国のものにする必要がある。

たとえば、何故、5月の全人代を期間短縮してまでも開催したのか?
香港の立法会選挙が9月に予定されているが、ぞれまでに香港の民主派を徹底的に(=人民解放軍を投入して)弾圧できる法的バックグランドを作るのが目的だ。
9月から逆算すると8月までに常務委員会で立法化する必要があり、そのためには全人代を5月に開催し「国家安全法制」を採決する必要があった。
すべては立法会選挙で民主派を完全に打ちのめすためで、親中派主導の香港を作り直す。

たとえば、米国の制裁「香港優遇の廃止」に対して、何故、米国からの農産物停止を強行するのか?
米中の第一弾合意で、中国は米国からの輸入2000億ドルを増やす・・・農産物の追加輸入400億ドルも約束している。
しかし、実際、この1-3月期の輸入は少なく、どう見ても達成できない・・・だったら、米国に対して強気に出て合意を廃棄させた方がカッコがつく。
達成できずに米国に怒られるより、合意を破棄して強い中国を演じた方がいいというわけだ。

国家間の約束事、他の民族の自治や権利、領土や海洋の支配・・・中華民族の力が弱かった時代に押し付けられたものは無視し、国力が上がった現代ではそれにふさわしい新しいものを作ればいいと考えている。
と考えると、中国の様々な行動が一貫して見えてくる・・・プラクティカルな思惑が透けて見える。
でも、過去の国際間の約束を無視する・・・これは極めて危険な道に見える。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM







にほんブログ村

どっちの言い分が正しい?

55368890-8072-47A0-8BA8-7032B86E3FEB
















最近のテレビを見ていて、とても不思議に思うことがある。
新型コロナ騒動の報道番組で・・・
休業中の居酒屋店主がテレビで訴える・・・「都から50万円の休業支援をもらっても全然足りない。家賃に従業員の人件費、光熱費を入れたら月200万円ぐらいかかる。」・・・っと。

逆に大学生もテレビで訴える・・・「居酒屋が休業して、アルバイトをクビになった。学費も払えないので大学を辞めるしかない。」・・・っと。

店主は従業員に払う給料が払えないからもっと給付金をくれと言う・・・一方、従業員だった学生は居酒屋をクビになって学費が払えないから補助してくれと言う。
どっちの言い分が正しいのだろう?

もともと居酒屋で終身雇用はないだろうし、ほとんど時間給のアルバイトやパートで対応しているはずだ・・・時間給だったら働いた時間分の給料しかもらえないはずなので、学生の言い分の方が正しいような気がする。
しかし、居酒屋の店主が、もし、長期間の雇用契約で雇っていたら休業しても手当を払う必要があるかもしれない。
・・・という意味ではこのテレビ報道では全く実態はつかめない。

何故、こうなるのか?
マスコミの報道姿勢、そのものが問題なのだろう。。
マスコミは常に話題になりそうな人たちの声をセンセーショナルに報道するので、一番困っている「長期の労働契約社員」を雇っている居酒屋店主の話を取り上げ、一方で、一番困っている「アルバイトをクビ」になった学生を取り上げる。
だから、どれだけの居酒屋店主が休業中でも人件費を払っているのか? どれだけの学生が首切りにあったのか? 全く整合性がないので報道番組を見ているだけでは全体像をサッパリ理解できない。

マスコミにはセンセーショナルな取り上げ方ではなく、真実の正確な報道をしてほしいと常々思う。



個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

超ド級の「不景気の株高」だった

94947346-2422-4487-B5EB-FE1ED7D03712
















ここまでの「不景気の株高」・・・こんな「株だけのV字回復」は見たことがない。
新型コロナ騒動で多くの人たちが失業し、多くの企業が倒産した経済不況の最中に、株式市場だけがどんどん上昇してしまった。
株価を見ているだけでは新型コロナ騒動は何でもなかったように見えてしまう・・・実際には多くの人たちが困窮しているにもかかわらず・・・だ。
ワシの自己ポジションも3月に被った評価損が急速に減り、現在、評価損と実現益がほぼ拮抗、今年のポジション損益はチャラに近づいている。
各国の金融・財政政策の恩恵を株式投資家だけが受けている・・・株投資だけが優遇されている状態、これでいいのだろうか?

ゴールドマン・サックス証券が株式市場の弱気の見方をついにギブアップした・・・これは現在の世界の機関投資家すべてに共通しているのかもしれない。
コロナ不況を想定して株式をアンダーウェートしていた年金などの機関投資家、グローバルファンドやミューチャルファンドの連中すべて、為す術もなくウェートの見直しを迫られている。
これだけの株価上昇だと、良い/悪い、強気/弱気に関係なく、一旦はポジションをニュートラルにすることを強制される・・・これが上値での買いにつながっている。

評論家の平野憲一氏は6月1日に・・・株は「安い時に買い、髙い時に売る」のではない、「高い時に買い、さらに高い時に売る」・・・さらに「高い時に買い、さらに高い時に買う」と言い切った。
評論家がこう言い出すと、そろそろ、需給の限界が近いのかもしれない。
需給の限界とは何か?・・・「すべての買いたい投資家が買い終わった状態」だ。

相場に耳を傾けつつ、自己ポジションの利益を積み上げると同時に、売り上がり戦略を着々と実行していくべき絶好の局面だと判断している。
世界で600万人以上が感染し、40万人近い死亡者を出した新型コロナの感染爆発・・・多くの人達が病気や不況に苦しむ中にあって、投資家のポジション損益が少しでもプラスで終われれば「満足」すべきだ。
評論家・平野氏のように強欲に大儲けを望むべきでないと思う。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

リートの減配リスクを考える(2)

5D0EC1AE-4006-4C0B-9E9E-61486DB16E60
















森トラストホテルリートが分配金予想を大幅に下方修正した・・・この数字を使ってリートの減配リスクを具体的に検討してみたい。

今8月期の予想配当が前年同期の3219円/口から1727円/口へと、前年同期比46%という大幅な減配となった。
極めて厳しい分配金カットで、利回り投資家はガッカリだろう。

その内容を検討してみたい。
森トラストホテルはファンド全体の固定賃料と変動賃料を開示していないため、ちょっと面倒だが、保有する個別ホテルの収益状況で検討せざるをえない。

シャングリラ東京・・・2020年8月期の変動賃料は6.35億円。
前期の賃料は9.54億円だったので、前期比33%の減少となっている。
一応、最低保証賃料は8.82億円(年間)で、現在の賃料予想は上回っている。

ヒルトン小田原・・・今期の変動賃料は2.04億円。
前年1月から12月までの基準利益の合計×95%の半年分となるので、昨年のホテル運営状況が反映されている。
という意味では新型コロナ騒動のマイナスは含んでいないので、来年の分配金に影響することになる。

コートヤードマリオット・東京ステーション・・・今期の変動賃料はわずか1.32億円。
前期は4.33億円だったので、前期比70%の大幅な減収となった。
3か月前のコストを引いた調整営業利益×90%という契約なので、新型コロナ騒動の影響が色濃く出てしまった。

コートヤードマリオット・新大阪ステーション・・・今期変動賃料はわずか1.36億円。
前期3.86億円だったので、前期比65%の大幅な減少だ。
コートヤードマリオット東京と同様の仕組みで、やはり、大きなマイナス影響を受けている。

ホテルサンルートプラザ新宿・・・固定賃料6.52億円。
固定賃料なのでホテル運営状況の影響はなかったが・・・

これを見て分かるのが、ホテルとの賃料契約によって大きな違いが生じることだ。
コートヤードマリオットの2ホテルは最低保証があるものの、変動賃料の低下で7割近い減収と大きな要因になった。
また、ヒルトン小田原は前年の基準利益から今期の賃料が計算されているので、後から新型コロナ騒動の影響が表面化してくる。

ホテル型リートの業績は、組み入れたホテルの賃料契約で減少率が決まる・・・それだけ分析が難しい。
まずは変動賃料の契約が全体のどのぐらいあるか、そして、完全な変動賃料や最低保証付き変動賃料のような仕組みには景気悪化時には注意が必要になる。
今後の観光客や出張客の回復が期待される・・・しかし、タイ・ベトナム・オーストラリア・ニュージーランドの4か国が解禁されたものの、全体のインバウンド客の回復には時間がかかりそうだ。
国内旅行客は徐々に回復するが、ホテル型リートは契約形態によって回復のペースが変わってくる。
特に変動賃料が主体のホテル型リートは、これからも分配金が引き下げられていく可能性が高い。


個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

周りはすべてコロナだと思え

B89D44C2-224D-4B0E-8FDC-8A698A88CD60
















休業していた店や施設が再開している・・・山梨のゴルフ場も再開し、しばらくぶりにゴルフを楽しんだ。
でも、コロナ前とコロナ後ではずいぶんと変わってしまった・・・まるで「周りはすべてコロナだと思え」という感じだ。

フェンスで仕切られた受付ではマスクは必着で、体温検査を行い、コロナ申請書の記入後プレーするという手順だ。
ラウンド後のクラブハウスでも、テーブルの並びが横一直線になり、友人とは横に並んで座る・・・ウェートレスとの接触を避けるため、食事の注文も紙に記入し箱に入れる・・・
プレー後に行った温泉でも受付でロッカーキーをもらい、入ると2メートル間隔で不使用と使用できるローカーが配置されていた。

これがコロナ後の施設なのかと思った。
ゴルフは予約制だし、温泉も受付でロッカー指定するので、客数を制限できる・・・コロナ後は全部、客数制限をするようになるのかもしれない。
すべての施設で予約制で人数制限をするとしたら、当然、客の回転が落ち、収益にはマイナスになる。
その条件で収益を維持するのは客単価を上げていくしかない。
安売り+高回転で収益を上げるビジネスモデルは終わり、高客単価+人数制限で収益を上げるビジネスモデルに変わっていくということだろうか?

たとえば、単価の高いつまみを出し高級酒を売れる居酒屋ならば生き残るかもしれない・・・遊園地や動物園は屋外のみ、屋内施設は入園制限をするかもしれない。
ディズニーランドも入園の事前予約制になるかもしれないし、アトラクションも完全予約制になるだろう・・・となると、入園料は引き上げられることになるかもしれない。
さらにサービスもシンプルに必要なものだけになるかもしれない・・・「おまけ」みたいなサービスは余計な感染リスクを高めるだけだからなくなるのかもしれない。
それにしてもコロナ後の生活はいろいろ変化が出てくると思う。



個人投資家の最強運用
興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0


株式需給の達人 (投資家編))
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
楽天市場
プロフィール

kabusanjin

株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
カテゴリー
RSS
  • ライブドアブログ