
株式市場では「不景気の株高」は基本的な現象の一つだ・・・不景気になり、金利の引下げなどの金融緩和を取られ、経済活動の停滞とともに使途のないカネが増えていく、これが株高を引き起こす・・・というものだ。
しかし、今回主要国市場で起こっていることは、過去前例のない規模での「不景気の株高」だ。
新型コロナ・パンデミックが先進国経済を止めた・・・「停滞」ではなく「止めた」。
一方、主要国の中央銀行はかってないレベルの量的緩和を行い、主要国政府はかっていないレベルの財政支出を行っている。
この結果、普通の経済サイクルでの「不景気の株高」と全く異なるレベルで「不景気の株高」が起こっている。
米国のFRBのバランスシートは緩和を始めた3月中旬からすでに2兆5000億ドルもの規模で増加した・・・国債から社債、CP、ジャンク債まで買い取りを実行している・・・3/17に「FEDのバブル作成計画」と書いた
トランプ政権は一人1200ドルのバラマキを含む2兆ドルの第一弾に加え、中小企業支援の4800億ドルの第二弾を決定している。
米国の個人や法人口座には膨大なカネが積み上がっている一方、外食もゴルフも飲み会もすべて休業でカネを使うことができない。
その結果、余剰資金が口座に滞留し、一部が株式市場に流れ込む、または流れ込む期待が生じている。
日本でも事情は全く同じだ。
日銀は国債の無制限買取り、ETFの12兆円の買い、など大幅な量的緩和を行っている。
5月に入ると、個人給付金などで20兆円近く、休業協力金、中小企業支援金、家賃支援、などなど、総額では20~30兆円に膨らむ。
緊急事態宣言の下、使う見通しのないカネが個人や法人の銀行口座に滞留する。
こうした資金の流入期待が株式を押し上げている。
日本でも5月には実際の口座に次々と振り込まれてくる・・・アメリカと同様な「不景気の株高」が起こってくるだろう。
昨日はNASDAQのPERも急上昇し25倍以上になった・・・4/17に「全値戻しはやりすぎ」と書いたが、その後も、ファンダメンタルと全く関係のない株高が進んでいる。
気を付けることは、実際に外出規制が緩和されると、事業再開に向けて開業投資や原材料の仕入れ、雇用の確保に資金が使われるようになるので「不景気の株高」は終わることだ。
5月後半に米国で規制が段階的に解除され、6月以降日本でも段階的な解除になるとしたら、そのあたりの株高の行きすぎに注意が必要になる。

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