株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

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株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
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2020年03月

都市封鎖、重要なのは政治の責任の取り方

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昨日のテレ朝モーニングショーでは、出演者の石原氏、山口氏、玉川氏で新型コロナによる外出や都市封鎖の規制が激論された。
石原氏や山口氏が、日本では「外出禁止」や「営業の強制的な停止」などの強硬策を政府や自治体が命令できない・・・と主張。
一方、玉川氏は「売上げを政府が補償すれば、店は安心して休み、人は夜外出しなくなる」・・・レストラン・バー・クラブなどの夜の売上の補填をすれば外出規制が効くと主張した。

トランプの大型バラマキ法案は、先日、このブログでも取り上げた。
肝心な事は強権を発動してニューヨーク市内などの営業停止や外出禁止を行って、新型コロナの蔓延を阻止しようとする時の政治の責任問題だ。
強制的に店営業や企業活動を禁止したのだから、その損失の責任は政府にある・・・だから、その損失を今回の政策パッケージの中で補填した。

逆に日本はというと・・・都知事の小池さんの発言でも「・・・をお願いする」「・・・していただきたい」となる。
埼玉県の知事は連休中のKー1の開催について「中止をお願いしたが、かなわなかった」とした。
なんか他人事で、自らの政治生命をかけて強く民間に迫った・・・という発言ではない。
中央も地方も誰も責任を負わない・・・民間の責任に転嫁・・・民間の責任なら補填する必要はないとなる。
たとえ、緊急事態法案が整備されていたとしても、日本の政治家は責任を取らない態度は変わらない。
米国並みの補償をするとしたら、GDPの1割、60兆円ぐらいの現金を積み上げなければならないだろうが・・・その覚悟がある政治家がいるか/いないかが、日本と米国の違いかもしれない。

というわけで、新型コロナの蔓延に対する政治家の対応は・・・まず、責任を取れる政治家が強権を発動し人の動きを止め感染拡大を防ぐ・・・そして、これで与えた民間の損害はきちんと補填する・・・新型コロナ騒動の終息後に強力な景気回復を図る・・・ということだろう。
テレ朝の議論で欠けていたのは、政治家自身の責任を取る覚悟だ。


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長期投資は本当に王道なのか(2)

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「長期投資は本当に王道なのか」を考えるのには、まずは長期投資の強み、良い所を考えてみよう。

長期投資の最大の利点は、経済の好不調の波を越えて投資できることだ。
ジョージ・ソロス的には言えば、経済にはブーム(景気好調時)とバースト(景気後退時)がある・・・株価もブーム時に上昇し、バースト時に下落する・・・このブームとバーストのサイクルを越えて投資すれば、安定的なリターンが得られるというわけだ。
バースト期に損失を被っても次のブーム期の株価上昇によりトータルでプラスになる・・・これが長期的な収益を安定化させる。

もう一つの大きな利点は、長期の経済成長に合わせた投資リターンを受け取ることができることだ。
グローバル経済はおよそ3%程度で成長している・・・だから、グローバルに株式を保有しているだけで、経済成長のリターン3%を受け取れる。
株価は長期的に企業利益とパラレルに上昇していくので、グローバルに分散投資をすれば世界の経済成長を収益化できるというわけだ。

さらに三番目の利点としてあげられるのは、基本的に「ほったらかし」でいいということだ。
グローバル株式を一定に割合で保有したら、そのまま10年でも20年でもずっと保有し続ければいいだけだ。
もちろん、長期では価格変動によってウェートが変わってくる・・・よく年金のリバランスが問題になるが、それは上がり過ぎた資産を減少させ、下がり過ぎた資産が買い増しすることで長期的に安定化させようという理屈だ・・・GPIFなど巨大な年金は定期的にアセットアロケーションを行う。
しかし、個人投資家が、たとえば、MSCI-ACWI(オール・カントリーワールド・インデックス)に連動するETFなどに投資すると、MSCIが勝手にリバランスしてくれるので「ほったらかし」でいい。

その反面、問題点も大きい・・・先進国経済が低成長に陥り、中国などの新興国も成長率が低下し始めているこの時期に、グローバルな経済成長が今後10年も20年も続くというのを信じ切る事は簡単ではない。
さらに、景気後退のたびに中銀が量的緩和を繰り返し、財政支出で政府の赤字が急速に膨らんでいる世界で、長期的にグローバルな経済成長率が低下傾向になるのではないかという疑問も出てくる。
人口の高齢化は日本だけでなく、先進国や中国、世界全体で起こっている・・・これが長期的なグローバル成長の制約にならないのかということに不安もある。

本当に長期投資は王道なのか・・・そこで実際に長期投資をする場合を想定して、①年金のようなバランス型投資、②最近流行のETFやインデックス投資、③昔ながらの個別企業への投資・・・三つの視点から再考してみたい。
長期投資の利点と欠点を考えることで真実が見えてくるかもしれない。


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2兆ドル対策はヘリコプター・クレジット

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度胆を抜く2兆ドルの「ウィルス安心パッケージ(Virus Relief Package)」が成立した・・・この迅速な行動はアメリカの危機感そのものだ。
この米国・新型コロナ救済策をどう考えたらいいのだろうか?

まずは基本的な規模の話だが・・・米国の名目GDP約20.5兆ドル、この財政支出はGDPの1割にあたるということ。
しかも、4-6月期に2兆ドル全額支出されるとしたら、四半期GDP5兆ドルの40%を占める金額になる。
ということは、4-6月GDPが新型コロナ騒動により40%減少しても、このパッケージで米経済全体を支えることができる・・・それで「リリーフ(安心)」と法案名に付けられている理由なのだろう。

パッケージ中身の特徴は、①ケインズ型の需要喚起策では全くない、②カネの完全なバラマキ政策、③個人だけでなく企業へのバラマキ政策、の三つだ。

まず①から考えてみよう。
この米法案は失業に直面する個人に1 兆2000億ドル、売上急減に直面する中小企業に3500億ドル、人の移動制限で影響を受ける航空などの大企業に5000億ドル、感染者の急増で大変な病院に1170億ドルを直接支援するものだ。
渡航制限や外出制限、都市の封鎖などの政府政策による民間の損失を政府が補償するというストレートな発想・・・ホントにアメリカ人らしい、明確な政策目的にそった対策だと思う。

日本だと、やれ商品券、やれ旅行券だと需要喚起政策が上がるが、アメリカ人の発想はその前に政府による損害を補償するもので日本とは大きな違いがある。
移動・外出制限しているのに商品券や旅行券という矛盾だらけの日本のおバカ政策・・・米国は日本を見下しているだろうなあ。

②これは完全なバラマキ政策だということ。
低所得~中間層に直接1200ドル(子供にも500ドル)のおカネをバラまく現金給付政策だ。
日本ではわずか1万2000円の現金配布でさえ、おカネを使わずに貯金に回るとか・・・そんな貧相な発想しかできない政治家ばかりだ・・・情けなくなる・・・一人10万円の現金給付をやってみろ!!!

③さらに個人へのバラマキに加えて、5000億ドルを航空各社や旅行関係の大企業の信用補完に使う・・・3500億ドルを小売りやサービスの中小企業の信用補完に使う。
昔、バーナンキFRB議長のヘリコプター・マネーが話題になったことがあるが、今回は個人向けのヘリコプターマネーだけでなく、これに企業への信用補完が加わり、ヘリコプター・クレジットといえる超バラマキ政策だ。

少なくともいえるのは、2020年4-6月期のGDPはこのヘリコプター・クレジット政策で支えられるということ。
その後の7-9月期に新型コロナ騒動が収束し経済活動が正常化すれば、米GDP成長も巡航速度に自然に戻るということを米当局者は考えているのだろう。

すでにFRBのバランスシートは2月末から1兆ドル以上急増している・・・それだけ量的緩和を行い、社債やCPを含む買入れを行っている・・・今後、もっともっと増えるだろう。
FRBはすでにバランスシートは無制限にすると決定している・・・その上、このヘリコプター・クレジット政策で2兆ドル以上の財政赤字が増加する。
これがその後の世界の大きな負担となってくるだろうが、「それよりも足元の景気が重要」だという米政権の強いメッセージだ。


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ソフトバンクを買わない理由

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ムーディーズがソフトバンクをBa1からBa3への2ノッチの格下げをした・・・理由は「市況の低迷の中、資産売却は容易ではない」
不思議な格下げで、会社の発表どおり「4.5兆円の資産売却して2兆円の自社株買い+2.5兆円の返済」なら17兆円の借入金が減少するので、格付けに大きなマイナスになるとは思えない。
しかも、自社株買いで米エリオットが期待するような株高になるかもしれない。

ソフトバンクの孫さんは日本では稀有の経営者で、非常に敏感に株価を見ている。
考え方がグローバル基準であるだけでなく、その行動力も高く、極めて迅速な意思決定ができる。
素晴らしい経営者だが、実は、我々投資家サイドから見ると大きな欠点を持っている・・・おそらく、それはムーディーズのベースにある考え方に通じているのではないかと思う。

それは「孫さん自身が価値を作り出していない」というシンプルな理由だ。
90年代にYahoo!に投資し、2000年代にボーダフォンを買収し、さらにアリババに投資した。
これらの投資実績を通じて世界の企業トップと友好関係を築き、孫さんはシードラウンドの投資案件が紹介される立場にのし上がった。
これを最大限利用したのが、アームの買収、ビジョンファンドのウーバー・ウィーワーク・ワンウェブなどへの出資だったのだろう。
しかし、自ら新事業を起こし、企業価値を創造することはなかった。

財務ではバランスシート左側の総資産36兆円・・・投資先の保有株式(20兆円)が最大項目で、右側では総負債28兆円、自己資本7兆円(うち留保利益5.5兆円)となっている。
つまり、28兆円の借金して20兆円の株式を買ったというだけの話だ。
自己資本比率が40%の日本企業がゴロゴロしているが、ソフトバンクの自己資本比率は20%もない・・・内部留保の蓄積=自己資本が少ない。

こうした企業が保有株式の売却に入ったら、バランスシートの左側の資産が急減すると同時に、右側の負債も減少し、もし自社株の消却をすれば自己資本も減少する・・・つまり、バランスシート全体が急速に縮む。
そうなると、自ら価値を創造できない企業だけに何の企業だか分からない状態になってしまう。
せめて、通信のソフトバンクを買い戻して通信企業として残ることもできたが・・・スプリントを売却し、アリババを売却し、アームを売却し、クローズしたビジョンファンド1号を投資家に償還したら、何も残らない。

資産売却したら何もなくなる・・・これがソフトバンクを買わない理由だ。


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新コロナウィルスで不思議な事(2)

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新型コロナ騒動はまさにアッという間に地球規模で感染爆発してしまった。
今となっては、中国武漢で大騒ぎしていた頃がなつかしく思えるぐらいだ。
でも、よくよく見ると意外な事、予想外の事も多く発生した。
以前にも「新コロナで不思議な事」を2月24日に書いたが、今回はその続編。

第一に、欧州がまさにパンデミックというか、感染爆発というか、オーバーシュートというか大変な事になっているが、ドイツは凄い・・・と言うお話。
メルケル首相が高熱を出して自宅隔離しているが、このドイツも陸続きの欧州大陸にあるので感染者は4万3211人と爆発した。
しかし、死者はわずかに262人なのだ。
致死率でも見ると、ドイツはわずか0.4%にすぎない・・・イタリア9.5%、イラン7.8%、中国4.1%、アメリカ1.2%・・・195か国の平均で4.3%
ノルウェーなど絶対数が少ない国では低い場合もあるが、数万人規模の感染者がありながら、死者が1%以下は凄い・・・さすが、ドイツの医療大国だ。

第二に、感染初期に話題になったダイアモンド・プリンセス号。
最近でも乗船客のうち2名の日本人が亡くなったと報道された・・・いまだに大変なのかと思うと・・・
この乗船者の数字を確認すると、感染者数712人、死者11人、回復者611人となっている。
しかも延ベ 4061人の感染テストが行われており、乗客とクルーの合計3711名の全員のテストが行われた。
つまり、現在90人が治療中ということだが、ほとんど新型コロナ問題が終了した事例となる。
1月後半の航海で香港人の感染が最初に問題化してからほぼ2か月で終了となった。
感染者の隔離ときちんとした医療をすれば、感染率19%、致死率1.5%、期間2か月で終わるウィルス感染だということを示しているだろう。

第三に、中東のペルシャ(イラン)は中国に近く一帯一路を通じて大量の感染者を出したが、中東への感染が思ったほど進んでいない・・・というお話。
イランの感染者数は2万9406人と凄まじく、死者も2234人に上った・・・しかし、湾岸諸国の数字を見ると、感染者数はサウジ900人、カタール537人、バーレーン457人、UAE333人。
この地域は宗教的な結びつきが強く、サウジのメッカ巡礼などでは数十万人が集まる・・・当然、集団感染やオーバーシュートが発生しやすい。
バーレーンにはシーア派の住民が多く住んでいて、イランに親族がいるケースも多い。
なんか変だな・・・隠しているのか、そろそろ40~50度になる気温の問題なのか。



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底100日が相場の基本

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新型コロナウィルスによってグローバル経済が大きくマイナス成長に陥るのが確実視されている反面、主要国の中銀が一斉に超金融緩和に踏み切り、流動性危機をはぼ完全に防いだ。
今回の中銀の迅速な動きは、リーマン危機、欧州危機、中国危機を立て続いた金融危機に対応してきた知識と経験が生きた・・・各国の中銀総裁はグッジョブ!!!

これから起こることは、急速に、そして、断崖絶壁から転げ落ちるように悪化するグローバル景気の深さ、それと対抗する各国の財政政策のバランスになる。
このバランスに呼応して、ボラティリティが低下してくる・・・これが市場の見方の基本観だ。

米国VIX(ボラティリティ指数)は3/16に82というリーマン危機並みの異常な高水準に達した後、現在63まで低下してきている。
日本の日経VIも同じく3/16に60の異常なピークを付けだが、現在48まで低下している。
このVIXが上げ下げしながらも低下基調をたどる・・・限界まで達したボラティリティは自然に低下するという経験則だ。

株価は上下変動を繰り返しながら、日経平均1万6000円台を下限に推移する・・・これをメインシナリオに置いておきたい。
これは日本企業のファンダメンタルは確実に棄損しているので、20%減益ぐらいを見ておく必要があると思うからだ。
この相場で重要なのは「底100日」という相場格言だ・・・底値圏であわてる必要は全くない・・・じっくり安値を待つことが必要だ。

リート市場も自律反発に入ったが、自己ポジションでは安値で買った銘柄をリート指数1700~1800ポイントの水準で利食う予定・・・フルポジションからキャッシュを10~20%に引上げ、次のチャンスで買うためだ。
こうした相場では高い株価で買うのは厳禁・・・安値で買い、高値で売る・・・これが原則。
底値り相場100日で平均買い単価を引き下げておくことで次の上昇相場で大儲けできる。


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長期投資は本当に王道なのか(1)

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積立NISAやiDeCoなどの非課税の投資スキームを始める人が増えている・・・非課税で長期の積み立て投資できるのは素晴らしいことだと思う。
しかし、今時の投資セミナーの講師、証券会社や銀行の講師、日経などのマスコミ講師、株式評論家などは、皆そろって「長期投資を絶対的な王道」のように説明するのは大きな違和感がある。
あるセミナー講師は、「日本株式と外国株式を資産の4分の一づつ保有すれば、過去40年間で〇〇%のリターンが出ている」と言ったり、「現在のように新型コロナ問題で下落している市場では長期投資が有利だ」とか・・・多くのセミナー講師が一斉に長期投資を強力に勧めている。
でも、本当に長期投資が投資の絶対的な王道なのだろうか?

セミナー講師や株式評論家について考えてみよう。
彼らは教科書的な投資理論は一応勉強している・・・しかし、根本的な問題点があると思う。

まず、第一に自ら投資を実践した経験がないことだ。
証券や銀行の社員、または日経などの社員が講師をしている場合、会社の内規で自己資金での投資が制限されている。
もちろん、投信を直接買ったり、NISAやiDeCoを通じて投信を買うことは認められている・・・しかし、顧客との利益相反の恐れやフロントランニングなどの懸念から、社員の株式売買を禁止している会社が多い。
だから、証券会社や銀行の自己売買部門で(会社のお金で相場を張った)経験のある人以外は、いろいろコメントしても、実際の売買経験はない。
あくまで「机上の空論」を学んで、その勉強知識を基にセミナー講師をやっているにすぎない・・・だから、暴落相場で大損した「投資家の痛み」を理解できない。

第二に、過去と未来を厳密に区別していないことだ。
過去の話と未来の話がゴチャゴチャになっているので、長期投資で資産形成できるといって、過去10年の話を今後10年に当てはめているだけとしか思えない。
米国株は2009年のリーマン危機後の安値からずっと上昇を続けているし、日本株も2013年以降アベノミクス相場から上昇傾向になる。
そういう意味では過去10年はまさに長期投資の醍醐味が味わえたはずだ。
しかし、今回の新型コロナ暴落から始まる次の10年、20年となると、過去と同じ実績が得られるとは限らない。
過去と未来をゴチャゴチャにして長期投資が王道だと言われてもピンとこない。

これらの講師の先生たちは実際の投資を経験していないし、過去の結果で投資の良い悪いを判断する・・・ここに大きな問題がある。
個人的にも長期投資を実践してきたが、長期投資は簡単なものではない・・・世界経済の長期拡大は永遠に続くわけではなく、日本株は特に長期投資の効果が小さい・・・忍耐も胆力も必要になる。
現在のようなパンデミック型暴落相場では、長期投資といえども大きな損失を被る・・・長期投資はデイトレードなどの短期投資よりも余程リスクが高いからだ。
そういう意味で、実際に長期投資を行うにはいろいろ考えておかなければならないことがある。
長期投資だから「バイ&ホールド」しておけばいいなんて、のんきな相場はもう終わっているかもしれない。

長期投資はきれい事ではすまない・・・評論家はその責任を取らない・・・勧めた証券や銀行の社員は自己責任だと言うだけだ。
長期投資を再考してみたい。


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資産価値割れの株価が変える経営

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日経平均はPBRが0.8倍近くに落ち込み、東証のリート市場でも全上場銘柄がNAV(ネットアセットバリュー)を下回る異常事態をなっている。
株式やリートの時価が純資産を割れた水準に落ち込んだことで、会社経営者やリート運営者は株主から大きなプレッシャーを受ける・・・大きな行動変化が出てくるはずだ。

ソフトバンクの孫さんが「4.5兆円の資産売却、2兆円の自社株買いと借入金の返済」を発表した。
資産価値を下回る株価が頭にきた孫さん、おそらく、米エリオットのプレッシャーも強烈だったのだろう。
2/14「米ファンドにロックオンされたSBG」では、最大9兆円のエグジットをすると予想した・・・今回の発表は4.5兆円であり想定の半分だった。
それでも、強烈なインパクトがあるだろう・・・資産価値を下回った株価は企業経営を変える典型的な例だ。

でも、これはソフトバンクだけではない。
資産価値を大きく下回った企業の経営者は大幅な自社株買いをせざるをえない立場に追い込まれる。
東証全体でPBRが0.8倍・・・余剰キャッシュを持つ企業が1000億円の自社株買いをして自社株を消却すれば、200億円の差益が発生する・・・これは利益ではないが、帳簿価額で調整される。
余剰キャッシュを何にも使わず、そのまま保有する経営者は「無能」の烙印を押される可能性もある。
過去の自社株買いでは「やるやる詐欺」が多く、自社株買い枠の3割程度しか実施しない会社もあった。・・・しかし、この状況では余剰キャッシュを抱えて「経営悪化しても大丈夫」という緩い経営は許されないだろう。
東証上場企業の財務優良企業の自社株買いブームが始まるだろう。

先日、森ヒルズの決算説明会があったが、そこで社長は「NAV1倍割れでは、エクイティファイナンス(公募増資)は厳しい。デットでの物件買収になる。LTVはまだ余裕がある」と語った。
今まで多くのリートが公募増資を実施し物件を取得し分配金を引き上げてきたが、この行動パターンが大きく変わる。
一つはデット(借金)を利用したレバレッジ経営だ・・・重要な事は「格付け」とLTV(借金/資産)。
財務は良くシングルA以上の高い格付けと借金を増やす余地であるLTVの水準を持つリートは、さらに外部成長する余地が多く買われるだろう。

もう一つはソフトバンクと同じ発想で、リートの保有物件の一部を売却し、その代金で自社株買いをすること。
NAV倍率が大きく1倍を割り込んでいるリートであれば、物件売却ー自社株買いの効果は非常に大きい・・・理屈はソフトバンクと同じで、これをやればリート価格が大きくNAV水準まで一気に回復するかもしれない。

新年度は新型コロナ騒動でスタートするが、リート市場ではエクイティファイナンスの減少で、株式市場では自社株買いの急増で、市場の需給関係はずっと良くなるだろう。
ファンダメンタル要因だけでなく、株式需給に注目が怠れない相場になりそうだ。


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成田国際空港、ある日のフライト・スケジュール

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この写真は京浜島から撮影した羽田空港だ。
新型コロナで外出注意とはいえ、今は桜のシーズン、さすがに多摩川土手のサイクリングロードは混雑で自転車は走れない。
というわけで道路がすいている大井ふ頭や京浜島でロードバイクをした。

このところの海外渡航制限は凄まじい・・・米国のビザ停止、欧州搭乗客に2週間の自宅隔離、欧州はほぼ国境閉鎖、中国・韓国の入国制限、シンガポールも外国人の入国停止・・・世界中が国境を閉鎖しようという動きを見せている。
京浜島から飛行機の発着を眺めていても、以前だったら30秒に一回ぐらい着陸していたのに、今は1~2分に一回ぐらいに減っているような気がした。

そこで羽田ではなく、国際線が多い成田の発着スケジュールを調べてみた。
ざっと数えたので、正確かどうかは保証できないが・・・
3月22日の成田発の国際便は、全部で209便あった・・・そのうち、キャンセルされていたのは79便に及ぶ。
やはり、3分の1以上はキャンセルされていた・・・新型コロナの影響は甚大だ。
そのキャンセル便のうち、ソウル、プサンなどの韓国行きの便が23便と一番多かった。
次に北京、上海、深圳、大連などの中国行きの便で15便・・・香港や台湾が7便づつ。

ソウル・韓国行きの便はほとんどがキャンセルされている状態だ・・・一方、韓国は感染者8800人で2900人が回復している峠を越えてきた国だ・・・新型コロナの収束がだんだん見えてきているので渡航制限の解除の可能性も出てくる。
中国も感染者81000人/回復者72000人と収束が見えてきている・・・ももともと北京・上海・大連・厦門などは感染者が特に多いわけではないので制限の解除が期待される。
中国・韓国・香港・台湾の渡航制限が解除されれば、52便が通常運行となるだろ・・・キャンセル79便のうち3三分の2が回復し、成田の空港機能は大きく改善される。

ここで取れる日本の戦略は、欧米が国境閉鎖で動きが止まっている間に、空いた滑走路を利用して航空貨物の便数を増やし、日本・成田をアジアの物流のハブ空港と世界に認識させることだろう。
今後2か月、欧米の巨大空港はほぼ機能停止状態になるが、その間に成田が中国・韓国・アジアへの経由地としてモノ・ヒトの動きの中心になる。
日本は従来のハブ空港戦略で出遅れた・・・一気に取り戻すチャンスかもしれない。


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FRB、日銀、ECB、BOE、やっぱり無視できない

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先週株価の急落に対して、主要国の中銀が矢継ぎ早に追加緩和にふみきった。
FRBが緊急利下げを発表し、ゼロ金利政策、さらに量的緩和に踏み込み・・・。
もともとマイナス金利のECBは1200億ユーロの量的緩和の追加を行うと発表・・・
日銀もETFとリートの買入れを2倍に12兆円と1200億円に拡大・・・
さらにBOE(英国)も政策金利を0.1%とほぼゼロ金利にし、2000億ポンドの追加量的緩和を発表した。
新型コロナ感染拡大に伴う、経済へのダメージを緩和しようというわけだが・・・

しかし、市場はこの金融緩和の材料を無視、さらに売り材料だと言わんばかりだった。
NY市場関係者の間では、リーマン危機後2008年11月に突然行われた、FRBの緊急利下げがデジャビュ-のように思い出されたのだろう。
この2008年の緊急利下げも金融機関の疑心暗鬼で効果が出ずに株価は暴落を続け、中国の4兆人民元規模のインフラ投資計画で大底を入れた・・・この悪夢が思い出されたのだろう。

それでも今回の政策当局の動きは迅速だ・・・日銀は3/19に4兆円の国債買取を行い、3/17以降3200億円(1200億円3/17、2000億円3/19)のETFと80億円(20億円3/17-18、40億円3/19)のリートを買った。
パニックで一日3~4兆円の売買急増している東証で、今までの2倍の2000億円のETF買いを入れても市場売買の5%にしかすぎない。
また、緊急避難先としてのドル資金需要やクレジットスプレッドの拡大などに対して、FRBがドル資金を供給し、各国中銀が社債やCPの買いオペを実施している。

いいか悪いかは別にすれば、FRBのゼロ金利と量的緩和、日銀の量的緩和の拡大、ECBの量的緩和・・・1年後、2年後には大きなインパクトを市場に与えているはずだ。
日本でも、時間軸を長くすると違った風景が見えるだろう。
1か月で1兆円の買い越しを毎月続け1年たったら、日本株の最大の投資家が登場したのと同じだ。

2014年のアベノミクスでGPIFが日本株のウェートを25%に引き上げたが、当時の運用額120兆円からすれば、年間18兆円ぐらいの買いだった。
今回の日銀も12兆円のETF買い越しをすれば、アベノミクス当時のGPIFに近い存在になる。
一日の市場では無視されても、1年という期間になるととても無視できる話ではない。

先週は中国の2月の経済指標が発表された・・・大方の感覚の通り、固定資産投資ー24.5%(前月+5.4)、鉱工業生産ー13.5%(+6.9%)、小売りー20.5%(+8.0)、失業率6.2%(5.2)と、いずれも急激な前年比の二けた悪化となった。
おそらく、中国だけでなく3月~4月の数字は欧米からアジア・・・すべての国で二ケタの急減に襲われるのは想像できる。
中国が先行指標だといえる・・・中国の3月はまだ悪化するだろうが、4月の数字ぐらいから正常化に向かうかどうかが注目される。

トランプの100兆円規模の財政投入、まだ詳細はわからないが30兆円とも噂される安倍さんの超大型補正、欧州も財政に踏み込むかもしれない。
新型コロナの収束が見えない中で、急速な恐慌的な景気後退を織り込むグローバル市場・・・今が一番不安な時かもしれない・・・新型コロナの収束が見えそうになれば、市場のボラティリティが低下し始めるとともに、中銀の行動や財政投入が市場に大きなインパクトを与えるだろう。


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リート大暴落のファンダメンタル的考察(2)

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東証リート市場は大混乱だが、不動産ファンドとしてNAVから考えると、現在のリート市場は東京都心の「ピカピカ」プレミアムビルが30%以上暴落する可能性を織り込んだ価格になっている。
リート価格が織り込む「将来の不動産市場の暴落」と「現実の不動産市場」のどちらかが正しくどちらかが間違っているのだろう・・・場合によっては「逆バブル」かもしれない。
今度はリートの金融商品として性格からこの問題を考えてみたい。

金融商品として利回りを比べてみよう。
現在のリートの平均利回りは6.7%・・・株式の配当利回りは2.9%、国債は売られているが、10年利回り0.07%、30年利回り0.41%
リートと長期国債の利回り格差は6%以上、リートと株式の利回り格差は3.8%と、かつてないほど拡大している・・・リートと長期債の格差は通常3%、リートと株式のそれは通常1~2%程度だ。
このリートと株式の利回り格差の急拡大は何を意味するのだろうか?

リートは賃貸料を基に分配する。
景気が悪くなると企業業績が悪化し、固定費削減としてフロアスペースを縮小するテナントが増える・・・あるいは、経営破たんする企業が増加して、退去するテナントが増加する・・・という経路での空率率の上昇、あるいはテナント事情による賃貸料の引下げでリートの分配金が減少する。

一方、株式の配当は、以前は好不況に関係なく安定配当という企業も多かったが、最近では純利益の30%をメドに配当に回す(配当性向を決めている)という企業も増えてている。
つまり、業績が悪化し、純利益が減少すると、これに比例して配当が引き下げられる場合が増えている。

企業から見れば、オフィス賃貸料は営業費用の中の固定費として、配当は税引き後の最終利益から支払われる。
景気が悪くなると、まず、純利益が減り配当が減らされる・・・次に、景気後退が深刻化してから固定費の削減が行われるのが普通だ。
固定費の削減では、最大項目である人件費、オフィススペース、その他固定費が対象になる。
企業が固定費削減に走る時は、すでに業績が相当に落ち込み、あるいは、赤字化している場合・・・そうでないと、企業は人件費に手を付けられない・・・人を減らすのは従業員の生活に直結するため簡単ではない。
つまり、景気悪化の初期局面で純利益に減少とともに減配される=株式は減配のリスクを見て売られる・・・そして、景気後退が長期化・深刻化してきた段階で固定費削減が行われ、ビルの空室率が上昇=リートが減配リスクを織り込み売られる・・・という流れになる。

という意味で、リートの分配金利回りと株式配当利回りの格差拡大は、企業が固定費に手を付ける景気後退の長期化・深刻化した段階で起こる。
リーマン危機時でも空室率は2008年から上昇を始め、ピークは東京地区で2010年10月で、景気後退にかなり遅行していた・・・リート価格は2008年に急落し2009年はほぼ低水準を続け、空室率の上昇を織り込んだ。
今回のリートの大暴落はたったの2か月だが、すでに景気後退の長期化・深刻化を織り込んでいる。
新型コロナ騒動での営業停止、外出・イベントの規制、さらに主要国の国境の閉鎖・・・と、拡大するヒトの動きの制限が断層のように一気に不況化をもたらすパンデミック型景気後退を投資家に連想させている。

リート市場はリーマン危機でいえば2008年をすっ飛ばして、景気後退が深刻化した2009年を織り込んでいるように見える。
2009年の空室率は9~10%(東京地区)でリートの分配利回りは2009年2月に7.9%にまで上昇した。
現在6.7%のリートの分配利回りは、少なくとも空室率の7~8%程度への上昇を織り込んでいるだろう・・・これは現在の空室率2%なので5~6%の上昇であり、東京都心の企業のうち5%は業績悪化や経営破たんでオフィスから退去するということを意味する。

5月ぐらいで渡航制限や外出規制や国境封鎖が緩和されるかどうかが大きなポイントになるだろう。
新型コロナを抑え込めず、人の移動制限が半年以上続くと、おそらく、景気後退は相当な深刻化が懸念される・・・リート市場はそうした深刻な景気状態を織り込んでいるといえる。
織り込み過ぎ=逆バブルなのか、リート市場の先読みが正しいか・・・時間がたてば分かる。

追)実は人間の英知にも期待している。
ヒトが動かなくても、世界貿易や物流とそれに伴う貿易金融・為替を回していく、すべてネット上で完結するシステムを作るだろうと・・・
世界が鎖国化しても、モノとカネが自由に国境を越え、世界経済を支えるインターネット社会の姿だ。
それができれば、パンデミック不況を相当緩和できるような気がする。


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リート大暴落のファンダメンタル的考察(1)

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イヤー!!! 3/19東証リート指数の大暴落は凄かった。
代表銘柄の日本ビルファンド(8961)とジャパンリアルエステート投資法人(8952)がストップ安を付け、東証リート指数は18%の大暴落。
すでに1月のピーク2250ポイントから3月19日現在1145ポイントまで49%の下落率だ。
わずか2か月で価格が半分になった・・・地銀や投信などの国内投資家のみんなが年度末に向けて強制的に投げまくったようだ。
さらに、NAV倍率が物凄い・・・すべてのリートがNAV(ネットアセットバリュー)を下回った・・・買収価値が非常に高い状態だ。

一方、3/18に発表された公示地価は全国平均で+1.4%と5年連続の上昇、三大都市圏の商業地は+5.2%と堅調な上昇が続いている。
札幌、仙台、広島、福岡の地方4都市の商業地は+10.3%と二けたの上昇を記録した。

三鬼商事の2月の空室率調査では、東京ビジネス地区1.49%と前月比ー0.04とタイトな状況が続いている。
大阪ビジネス地区1.94%(-0.02)、名古屋ビジネス地区2.21%(+0.03)と三大都市圏では空率率も2%かそれ以下でオフィス需給は非常にタイトな状況は変わっていない。

このリートの大暴落が示す「将来の不動産大不況」と足元の「現実の不動産市場」に非常に大きな違いがある。
これはリートという金融商品の市場と実物の不動産市場の違いによるものなのか? それとも、リートの大暴落がかなり先の将来で実物不動産市場の大不況を予想しているのだろうか?
ちなみにリーマン危機後のリート暴落は、空室率の急上昇と軌を一にしていた・・・今回はリーマン後のリート暴落とも決定的に異なっている。

リートは不動産賃貸料をもとに分配する金融商品の性格と、土地と建物を保有する不動産ファンドの性格と、二つの顔を持っている。
金融商品としてETF・公募投信・私募ファンドなど様々な形があり、それぞれ、異なる投資家層を集め運用されている。
一方、不動産ファンドとして、実物不動産市場の大きな買い手として活動している。
特に、スポンサーの大手不動産会社・大手住宅会社・大手商社などがリートに不動産のパイプライン(供給元)となり、ファンドをサポートしている。

まずは基本的な理解が重要なので、不動産ファンドとしての考察をしてみたい。
代表的な三菱地所のリート「ジャパンリアルエステート投資法人」を事例として考えてみよう。
東京都心5区の物件がポートフォリオ全体の7割と多い・・・さすがに丸の内の大家さんリートだ。
一株NAV(ネットアセットバリュー)は55万6000円、株価が50万円なのでNAVを割り込んでいる。
物件の入居率は99.3%でほぼ満室、賃料は過去1年で1%の増加とテナント状況も安定している。
しかし、株価は1月の高値81.3万円から3/19に50万円まで39%下落した。

もしこの価格で買収することができたら、成立した途端にNAVと時価の価格差10%の含み益が出る。
逆に言えば、もしプレミアム地区丸の内の不動産売買のプレミアムが20%だとしたら(NAV倍率1.2倍)、現在のリート価格は30%以上の不動産市場の下落を織り込んでいることになる。
たとえば、JホテルリートはNAV8万円に対して、時価は2万4000円で・・・保有ホテルにはヒルトンお台場などの人気ホテルが含まれている・・・2万円台で買収して物件売却すれば3倍以上の利益になる。
大手町のファーストスクエアやTK南青山などの超一流物件を保有するグローバルワン投資法人も、NAV13万円に対して時価6万円台・・・買収すれば2倍の儲けになる。
こうした買収対象がゴロゴロしているのが今のリート市場だ。

世界中の新型コロナ暴落でグローバル投資家がリスクを取れなくなり、日本の不動産を売却に出る・・・そして、東京プレミアム地区の大規模オフィスビルが30%~50%の暴落するというシナリオだ。
アジアの株式市場も大幅な下落をしており、日本の不動産に強気だったアジアの不動産業者も痛手を被っているだろうし、欧米のファンドも株式や原油・金の暴落で痛手を受けている。
しかし、海外ファンドの日本の不動産売りで都心プレミアム物件が3割以上下落するシナリオは現段階では見えていない。

結論としてリートは、資産価格NAVから見たら相当な不動産不況を織り込んでいるが、実物不動産市場にはまだ大きな変化は見えない。
「リートの市場価格」か「実物不動産市場」かどちらかが正しく、どちらかが間違っている。
すでに織り込んでしまっている株価水準・・・実物の不動産市場にこれだけの変化がなければ「買い」だが、じっくり「確認する時間」が必要なのかもしれない。

トランプの渡航中止勧告が8週間、オーストラリアの渡航禁止が5月まで、各国の渡航制限や外出禁止はほぼ4月中~5月の期間を設定している。
このあたりまで行くと、もう少し不況の度合いが見えてくるかもしれない。
いずれにしろ、時間の問題で「リート市場の価格」か「現実の実物不動産」のどちらが間違いだったかが分かるだろう。
場合によっては、前代未聞の「逆バブル」なのかもしれない。

個人口座でも損が雪だるまになっているが、この「逆バブル」という現象を見て好奇心が湧いてくる。
ファンダメンタルをもとに不動産データや市場をじっくりと研究してみたいという欲求が盛り上がってくる。


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日経平均はすでに景気後退を織り込む水準

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新型コロナ騒動の心のダメージは東北大震災に似ているかもしれない・・・投資家のやる気を完全に削いでしまった。
2011年の大地震の後、日本経済は2012年頃には正常化していたが、日本株は低空飛行を続け、回復には2014年のアベノミクスまで丸2年かかった。
今回の新型コロナ暴落は過去にないほどのスピードで、世界中の投資家の心に大きなダメージを与えている。

現在日経平均のPERは10倍だが・・・しばらく投資家のリスク感覚が厳しくなるので、今後1~2年の期間でせいぜい12~13倍程度ぐらいしか上がらないだろう。
わずか1か月前、15倍でも強気の評論家がいたのがずっと昔話のように思えてしまう。

そう考えると、今の1万6000円~1万7000円の水準は何を織り込んでいるのだろうか。
来期のEPSを5%減益、10%減益、20%減益と三つのケースで考えてみる。
5%減益になると、PER12倍で・・・日経平均18336円、13倍で・・・19864円
10%減益になると、PER12倍で・・・日経平均17376円、13倍で・・・18824円
20%減益になると、PER12倍で・・・日経平均15444円、13倍で・・・16734円だ

1万6000円の日経平均の現在水準は、来期業績の20%減少を織り込んでいる。
法人企業統計の過去分を見ると、リーマン危機の2008年度33%減益、さらに東北大震災時2011年は2Qに15%減益という瞬間風速があった。
企業業績の20%減益はこれらの危機に匹敵する業績悪化になり、すでに来期のグローバルな景気後退を織り込んでいる可能性が高い。
会社予想業績が出てくるのが5月・・・それまでに新型ウィルス騒動が一巡しているのかがポイントだろう・・・5~10%程度の業績悪化なら急反発することもありえるからだ。


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原油戦争を仕掛けるサウジの思惑

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OPECとOPECプラスの減産合意の失敗から、サウジが1200万バレル/日への増産を発表した。
世界はサウジが仕掛けた原油戦争に動揺している。

原油暴落がサウジ財政を直撃すると解説する評論家もいるが、サウジの財政は評論家が見ているより余裕がある。
昨年、アラムコの上場でおよそ10兆円程度を手に入れ、おそらく、ソフトバンクのビジョンファンド1号の出資分(3兆円程度)の現金化も交渉しているはずだ。
こうした資金流入により、サウジの当面の財政は十分に余裕キャッシュがある状態と想像できる。
つまり、今回の増産は、原油価格30~40ドルのレベルで当面推移させても問題ないという意志表示のように見える・・・そしてムハンマド・ビン・サルマン皇太子が懸案であったサウジの言う事を聞かないロシアや米シェール企業を叩いておく戦略に転換したように思われる。

原油の採掘コストはサウジが圧倒的に低いとはいえ、おそらく20~40ドル/バレル程度と思われる。
ということは30ドル台/バレルでの増産は採掘コストの低いサウジでさえ利益を生まないかもしれない・・・財政が厳しい時だったら、財政が持たない価格水準なのは間違いない。
他の中東産油国、クウェートやUAEも採掘コストぎりぎりの水準だろうし、ロシアや非加盟国は採算割れだろう。
米シェールオイルはずっと技術開発により生産の効率化を行ってきていて採算は上がっているかもしれないが、以前から50ドル/バレル以下では採算が取れないと言われてきた。

さらに強烈なニュースが入ってきた・・・欧州市場でロシア産原油の大手精製業者に対抗し、サウジ産を25ドル/バレルで供給すると通知したという。
欧州の石油大手はこれを歓迎、TOTALやBPなどがこのサウジ産の供給を受けると表明している。
まさにアラムコ、その背後にいるサルマン皇太子がロシアをターゲットにしたといえる。

当面の間、この30~40ドルの価格水準が続くだろう・・・でも、これで原油シェアの地図が変わる。
これは我慢比べではない・・・ロシアも米シェールも勝てるわけがないからだ。
この30ドルの原油価格が続くと、数か月から半年で米シェール企業の破たんが起こり、ロシアがOPECにすり寄ってくると、サウジのサルマン皇太子は読んでいるということだと思う。
でも問題もある・・・アラムコ株を買ったサウジ王族の金持ち連中の不満をどう抑えるかだ。

でも、原油の輸入国である日本や中国のアジア勢には大きなプレゼントになる。


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一帯一路はシルク・ロードでなくウィルス・ロードだった

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一帯一路は2014年から中国が始めた覇権確立のための対外政策だ。
多くの先進国はこの構想に警戒感を示してきたが、新型コロナで中国のウィルス覇権が成立しそうだ。
この一帯一路のルートはシルクロードと重なり、中国から中央アジアを通りペルシャ(イラン)へ、そしてトルコを通って欧州に達する。
その要衝が中東のペルシャ(イラン)と欧州のイタリアだった。
イランは米国から敵視され、元々イスラム教を相性の悪い中国と組んでしまった。
そして、欧州では経済に弱さを持つイタリアとギリシャがこの一帯一路に参加した。

イタリアのポピュリストたちだが、その本性も見抜けず、目先の中国マネーに惑わされ加盟してしまった。
その結果、大したプロジェクトもないまま、中国に発生した新型コロナウィルスが一帯一路を通じて大量に運ばれ、2万7000人を越える新型コロナ感染者数と2000人を越える死者数を出した。
しかも、イタリア国内だけでなく、移動の自由があるEU諸国に大量のウィルスをばら撒いてしまった。
ここまで来ると、欧州での中国ウィルス覇権といっても過言ではない。

一方、シルクロードのもう一つの中心地ペルシャだが、米国に悪者扱いされ経済制裁されて以降、中国に接近してしまった・・・新疆ウィグルの問題がありながら・・・
そして経済制裁の長期化から、イランの中国依存度は輸出入ともに3割に達してしまった。
中国とイランの間に鉄道を建設する構想があるが、その前に中国人が大量のウィルスを運んできてしまったというわけだ。
イランでも1万4000人を越える感染者を出し、死者が800人以上に上った。

野生動物ならネズミだろうがヘビだろうが何でも食べる民族であり、いつ、再び新型ウィルスが発生するかは分からない。
一帯一路で中国の覇権が確立してしまうと、シルクロードならぬ、新型ウィルスロードが出来上がり、「逆らうと、ウィルスをばら撒くぞ」と中国に言われる時代が来るかもしれない。
新型コロナの震源地としてイタリアを非難する声があるが、一帯一路が感染源であり、そこをきちっと調査すべきだ。
中国の覇権ロード、一帯一路が最大の根源だ。


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FRBのバブル作成計画

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米FRBが緊急理事会を行い、FF金利の誘導レートを0ー0.25.%へとフル引下げ、さらに7000億ドル(70兆円強)の量的緩和を決定した。
これで日銀、ECBに加えて、FRBもゼロ金利政策の仲間入りとなった。

しかし、基本的に米国のゼロ金利は日本や欧州とは違う。
日本は生産年齢人口の減少と生産性の低下で、潜在的にもほぼ長期的なゼロ成長に陥っている。
また、欧州も同様に人口の高齢化、金融機関の弱体化、産業の構造転換の遅れ・・・様々な問題に直面し、低成長局面にある。
でも、米国は違う・・・人口は引き続き増加しているし、生産性も向上している・・・さらに金融機関は強力で、産業構造の転換も進んでいる。
米国の潜在成長率は新型コロナ問題があっても2%以上はあると思われる。
ここが決定的に違う。

日本や欧州は所詮、ゼロ成長とゼロ金利・量的緩和の組合せだが、米国はプラス成長とゼロ金利・量的緩和の組合せだ。
プラス成長の国でゼロ金利・量的緩和を行うとどうなるかは明らかだが、それをあえて実施した。
今回のFRBの決定は実態経済に比べ、急激に縮小してしまった金融資本市場の回復を意識したものだ。

さらにG7の緊急電話会議で、ECBも日銀も量的緩和の拡大に追い込まれる可能性が高い。
となると、バブルを作り出そうという意図が見え見えの政策だ。
・・・おそらく、トランプの大統領選挙前の株価暴落は許さないという意志が働いているような気がする


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リートの誤算

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先週、リート市場が正真正銘の暴落を演じた。
リート市場が一日10%の下落・・・これだけの暴落をするとは、正直、全く想像もできなかった。
リートは株式よりもボラティリティが低いはずだったが、株式以上にボラティリティが上昇してしまった・・・大きな誤算だった。
この暴落相場を見ていて三つの反省点がある・・・人間は「反省する葦」でもある。

第一の反省点はリートが予想以上に世界的ブームとなり、グローバル・リートのパッシブ運用が巨大化していたことだ。
今回のリート市場の下落の特徴は、NY市場に上場している米国REIT指数と東証リート指数がピッタリと毎日毎日、ほぼ完全に連動していたことだ。
米国REIT指数の動きで翌日の東京のリートの動きが予想できたほどの強い連動性を示していた。
つまり、グローバル・リートのパッシブファンドが人気で残高が積み上がり、その解約売りが出てきた時、米国REIT指数と東証リート指数が同時に売られたため、両者の値動きがほぼ完全に連動したというわけだ。

第二の反省点は、東証リート市場の流動性の低さだ。
グローバル・パッシブファンドが売りを出す時は、幅広い銘柄を含むインデックス売りになるので多くの銘柄に一斉に売りが出る・・・しかし、リートの板には買い注文が少ない。
アクティブ運用者なら板を見ながら売買執行するが、パッシブ運用ではバスケットでまとめて売りを出す・・・したがって、薄い板に大量の売りが出て、売買インパクトが非常に大きくなってしまった。

第三の反省点は、分配金利回りなどファンダメンタルが下支え要因にならないことだ。
通常のアクティブ運用ではリートの場合、もちろん配当の実現可能性を考慮するが、基本的に分配金利回りで株価に水準感が出てくる。
ところが、パッシブ売りが中心の市場では、個別リートの利回りなどの水準感は全く関係ない。
まとめてインデックス売りが出て、利回り水準に関係なく暴落する。

・・・ということで
①グローバルなリートのブームで膨張したETFやパッシブ運用が逆転し暴力的な売りになった、
②市場でリートが品薄だったため、パッシブ売りのインパクトが大きくなった、
③リートの利回りなどの指標は完全に無視された、
・・・という3点、これが予想をはるかに越えるマグニチュードの大震災になってしまった理由だろう。

でも、このパッシブ売りのおかげで高い分配金利回りで好きなだけ欲しいリートを買うことができる環境ができた。
年初のターゲットは、①大手不動産や大手商社などのスポンサーが優良企業、②分配金利回りが4%以上、③ホテル型や商業型などインバウンド関連を避ける、という三点だが・・・ここにきての暴落で分配金利回りが5%以上の優良リートがゴロゴロしている状態になった。

というわけで20%保有していたキャッシュをほぼ全額投入、特にSQ日の暴落時に仕込んだ。
もちろん、市場は一寸先が闇、これがどうなるかは分からない。
しかし、5%以上の利回りがあれば、キャリー収益だけで十分な投資採算になると見ている・・・株価上昇がなくても、5年保有すれば東証リート指数の下落分を相殺できる。
キャリー収益が5%あれば長期保有できる。


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暴落相場でのメンタルの保ち方

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「人間は考える葦」と言ったのはパスカルだが、長い間、相場を見ていると本当に「人間は弱い」と思う。
特に暴落相場で人間のメンタルは弱い・・・命から二番目に大切な「カネ」が見る見る、どんどん減っていく・・・見ているだけで気が滅入ってくるからだ。
そんな時どうやって平静を保ち、冷静に判断して適切な行動が取れるのだろうか?
人間は弱い・・・ハイテクの現代にあっても・・・ずっと変わらぬ、悩ましい問題だ。

第一に、精神的な支柱となる宗教に支えてもらう。
これは最強の方法だが、副作用も大きい。
今がどんなに不幸でも神が助けてくれる・・・信じる者は救われるというわけだが。
宗教はどれも同じで、神を信じること、いつか神が救ってくれることをひたすら信じて待つ・・・信じきれれば精神は救われる。
しかし、新興宗教に財産をすべてむしり取られているかもしれない・・・暴落時の損失より大きくなりそう。

第二に、しばらく口座の損益を見ないようにする。
これは一種の対処療法で、暴落相場が終わるまで運用口座を見ない、知らんぷりするということだ。
しかし、これは一時的には精神安定剤になるかもしれない・・・暴落相場が終わり、口座を見ると巨額の損失という現実に引き戻されてしまう・・・あくまで一時的なものでしかない。
しかも、セリング・クライマックスという一番美味しい瞬間を逃してしまう。

第三に、とにかく全部投げ売りし、相場から解放される。
ポジションを全部売却すれば、精神的には「楽」になれる・・・その誘惑は大きい。
しかし、これをやったら二度と運用の世界に戻れない・・・気力が失われるからだ。
おそらく、次に戻ってこれるのは次の相場のピーク時で、同じことをくりかえすかもしれない。

第四に、バタバタ動くと損するのでトレードを中止して、ひたすら相場の勉強をする。
最初は、損失をできるだけカバーしようとバタバタとトレードし、もがきあがく。
しかし、それが無駄と分かるとトレードを中止して他の事に熱中しようとするが、損益が気になって仕方がない。
勉強するにも集中できない状態となる。

第五に、暴落相場を他虐的に眺め、気休めをする。
自分が厳しい時は他の人も厳しい・・・他の人が苦しむ姿を見て、一瞬の気休めで自分の辛さを忘れる。
大損し悲鳴を上げている人たちのブログを読んで楽しむ・・・その悲鳴が絶叫に変わった時、思いきって「買いに出る」かもしれない。

暴落相場では「考える葦」になって次の相場では「がんばるぞ」と自分に言い聞かせ、その準備をすることだろう。
それにしても、「カネ余りで、株は上がるに決まっている」などと言っていた平野憲一氏などの評論家連中は、今度は「米利下げじゃ、新型コロナは解決できない」などと言い出している・・・いかがなものか?
株式評論家の無責任な話にムカッとしているのはワシだけだろうか?


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安倍さん、カネを使うなら今だよ!!

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NY市場が前代未聞の暴落を演じている。
2日間で3000ドル以上の下落なんて、一日で2000ドル暴落した1987年の「ブラックマンデー」みたいだ。
あの時は、証券会社の投資情報部で、225銘柄がすべてストップ安をしたら日経平均はいくら下がるかを、下落する市場を見ながら必死に計算していた事が思い出される。
いくらパッシブ時代の株価急落(3/10のブログ参照)とはいえ、いよいよ、セリング・クライマックスが近いという感じがする。

かつてリーマン危機の時、最も問題になったのはカウンター・パーティ・リスクだった・・・銀行がお互いにサブプライム金融商品を隠し持っているのではないか?という疑心暗鬼が広がり、貸借取引や決済取引がフリーズし、輸出信用状などの貿易金融が止まった・・・その結果、貿易量が激落しモノの動きが止まり、経済が急失速した。

新型コロナでは欧米のパンデミック騒ぎで、「ヒトの動き」が停止しそうな感じだ。
金融システムは正常に動いているが、企業の出張や観光やイベントが大きく影響を受けている。
欧米企業はすでにオンラインでの卸売り・販売・金融決済が進んでいるので、ネット系サービス業中心に「ヒトの動き」の停止でもなんとか乗り切るかもしれない。
しかし、貿易立国で製造業中心の産業構造を変えられない日本は一番大きく影響を受ける。
しかも、日本のサービス業も人海戦術なので「ヒトの動き」がないとビジネスが成り立たない。

すでにGDPがマイナス成長にある日本経済には、新型コロナ騒動で「ヒトの動き」が止まることで、製造から物流、小売り、旅行や外食などのサービスまで広範囲に影響が出ている。
このまま放置すると、GDPのマイナス成長が長期化し非常に大きなダメージを受けてしまう。
今こそ、消費減税を実施し、公共投資を積極化すべき局面だろう。

5%のキャッシュレス還元がもうすぐ終わるが、還元を10%に拡大して1年間延長する。
あるいは、ここ数年の連続した台風や災害でダメージを受けた鉄道・道路や橋梁・堤防といった社会資本を一気に修復しレベルアップし、自然災害に強いインフラを作り上げる。

プライマリーバランスの黒字化を政府は約束しているが、この際、そんな事は棚上げだろう。



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WHO、追い込まれてパンデミック宣言

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WHOがパンデミック宣言をした。
そもそも、このテドロスとかいう事務総長は怪しげだった・・・中国で新型コロナが発生し武漢を閉鎖した頃、「中国はよくやっている」と、習近平を盛んに持ち上げていた。
ところが、イタリアで感染爆発し欧州大陸全般に拡散して、WHOの当初の甘い判断が糾弾されそうになると、一転、態度を変えた・・・それが今回のパンデミック宣言だろう。

欧米での1日を時系列で追うと・・・
・UKで感染ケースが22%急増し456人に、欧州の感染源のイタリアでは31%増加。
・イタリアで全ビジネスを停止、日用品や薬屋を除く。
・NYのバスケトーナメントを無観客に。
・シアトルで公立学校を閉鎖。
・プリンストンのパーティで集団感染。
・NY州は民間研究機関とウィルス・テストを増やすために対応協議。
・英国政府は緊急事態法のドラフトで労働党との協働を要請。
・オハイオ州では大規模集会を規制。
・全米で大規模なイベントを規制の方向、ワシントンは1000人以上の集会を中止要請。
・サンフランシスコは1000人以上のイベント(NBAなどを含む)の中止を要請。
・クウェートは国境を閉鎖。
・そして・・・WHOがパンデミックを宣言。
・NY州はシフトを2つに分けた就業、並びにテレワークの許容を企業に推奨。
・ハンガリー政府、緊急事態宣言、大学の閉鎖。
・英国政府、緊急経済パッケージ、約4000億円を発表。
・トロントで2万人が参加したマイニング・カンファランスで集団感染。

この一連のニュースを見ていると、欧米社会が新型コロナに震撼し、一気に恐怖に包まれた様子が見て取れる。
急速な感染拡大でブルブルと震える欧米の白人エスタブリッシュメント層の姿が見える・・・これで一気にWHO批判が強まるだろう・・・テドロス氏も追い詰められていったのだろうと思う。
ちょっと可哀そうな気もするが、中国からワイロをもらっているという噂もある。
WHOの権威が下落したのは間違いない。
でも、東京オリンピックも遠のいた感じ・・・せっかく観戦チケット当たったのになあ・・・?


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配当丸取りトレードの実験(2月決算銘柄の実績)

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2月決算銘柄では、R-サンケイRE(2974)とR-ハウスリート(8984)の2銘柄を選んだ。
まずは2月の配当丸取りトレードの実績だが、以下の表のとおり。
両銘柄ともに波乱の市場の中で、プラスの売買益を上げることができたので、結果的に配当の丸取りという当初の目的を達成できた。
2銘柄で204万円の投資を行い、合計収益は5万4380円・・・月間利回りは2.66%だった。
12月決算銘柄から始めた「配当丸取りトレードの実験」だが、この3か月の運用結果は、合計収益で12万185円となり、収益率は7.73%となった。
リートの増資の多さ、インバウンド関連のホテル型リートの暴落、リート市場全体の下落・・・いろいろ起こった3か月だったが、なんとか、配当丸取りトレードは実績を上げている。

銘柄 決算月 買値 口数 売値 配当/口 売買/口 合計損益
R-サンケイ 2月 125259 5 126100 2680 841 17605
R-大和ハ 2月 283385 5 284700 6040 1315 36775

2月は二つの予想外の要因でリート価格が大きく変動した。
一つはハウスリートが増資を発表したこと、もう一つは2月中下旬に新型コロナ騒動が拡大し、NY市場で株式だけでなくリートも10%以上の下落を記録したことだ。

まずハウスリートの増資だが、やはり予想通り、2/19に値決め、3/2払い込み日、3/3受渡日となり、配当落ち後の売りと払い込み後の利食いが同時で価格低下圧力となった。
怒涛の売りとまではいかなかったが、やはり、配当落ち後の価格が不安定化してしまった。

さらにそれに輪をかけたのが、新コロナ騒動の拡大によるNY市場の下落だ。
これにより日本でも東証リート指数が10%の下落を記録し、2月決算銘柄も大きく値を下げた・・・そのため、戻りを待ってから売却・・・先週の一瞬の戻り高値で売れたのが良かった。
はっきり言って、冷や汗ものの配当丸取りトレードだった。
本来、長期金利の低下はリートにはプラスだったにもかかわらず、NY市場の大幅な下落が日米のリート価格に大きく影響してしまった・・・リート価格を分析する上で重要な事例になった。

とはいえ、本来の目的である配当の丸取りはできた・・・トレードの目的は達成されたといえる。
3月決算銘柄の仕込みも始めたが、やはり、NY市場の下落に遭遇し、かなり厳しい局面に立たされている。
なんとか、配当丸取りの目標を達成できるようにオペレーションをしたい。


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パッシブ運用時代の株価下落

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今回の株価下落を見ていると、改めてパッシブ運用時代の下げ方なんだなぁと思う。
今でも株式評論家たちは、「信用評価損失がー20%を越えてきたから底だ」とか、「〇〇銘柄の信用売り残が〇%急増したから底だ」とか、「日本株のPBRが1倍割れたから底だ」とか、「追証が大量発生したら買いだ」とか・・・言い続けている。
なんか、時代錯誤という感じがする。

昨年8月の時点で、米株式投信のパッシブファンドの残高は4兆2710億ドル(およそ430兆円)、アクティブファンドは4兆2460億ドル・・・パッシブ運用がアクティブ運用を上回ってきた・・・それから半年、さらにパッシブファンドが増えているだろう。
これはパッシブ運用のコストが低いというのが最大の理由だろうが・・・各種スマートベータを含め、多様なインデックスにトラックするパッシブ運用が開発されたことも大きな理由だ。
そして現代の投資家たちは、個別銘柄のアクティブ運用ではなく、様々なインデックスを組み合わせて世界中の株式やETFを対象に運用している。
その本格的なパッシブ運用時代で直面しているのが、今回の下落相場のパターンだ。

日経平均のチャートもドイツDAXのチャートも物凄いことになっている・・・2月にこの1年の高値圏から一気に下落し、2018年の安値まで・・・わずか3週間で昨年1年間の高値~安値の範囲を動いてしまった・・・従来なら考えられない動きだ。
原油価格、たった一日で10ドル、30%の急落も凄い・・・ガソリンの販売価格が安くなる暇もない。
株価指数も原油も先物~デリバティブでつながっている・・・原油急落が米シェール企業のクレジットに影響し、それがクレジット・デリバティブ全体を震撼させる・・・クレジットがブレると株価指数もすべて売られる・・・という負の連鎖だ。
パッシブ投資家がその保有リスクを下げようと、あるインデックスを売却すると、その波及効果で多くのインデックスが瞬時にして売られる・・・最終的に全インデックスが売られることになる。
世界の投資家が普通に投資対象にする米国株、欧州株、日本株、アジア株、あるいは各種ETFやREITが同じように全部下落するというわけだ。

しかもこの下落率はドルベースなので、ドルより強い通貨を持つインデックスの下落率が大きく、逆に、ドルより弱い通貨の持つインデックスは下落率が小さいという傾向が出てくる・・・日本株や日本REITは世界のインデックスよりも円高分だけ下落が大きくなる。

もう一つは極まった売りの最終局面、セリングクライマックスもパッシブ運用時代では変わってくる。
損失に耐えられなくなった投資家がインデックス全体を投げ売る時、インデックスの売りが売りを呼び、物凄いマグニチュードの「大地震」になる。
アクティブ運用時代は株価3割下落し、追証が出て、投げ売りが出てクライマックス・・・よくある底入れパターンだったが、パッシブ時代では短期で暴力的なインデックス売りになる。

企業内容もファンダメンタルも関係なく全部売られるという、「味噌もクソも一緒」大味な全面安がパッシブ運用時代の株価下落の特徴なのだろう。
日経平均のPERは12倍、NYダウジョーンズのPERは15倍、日本のリートの平均利回りは4%・・・パッシブ全盛時代の下落相場を研究するチャンスだ。
明確なのは、単なる移動平均乖離や騰落レシオで解説する評論家はもうパッシブ運用時代にズレが生じているということ。


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韓国のダブル危機、新コロナの次はマンション

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韓国の新コロナ感染者数が3500人を突破し、世界第二位の感染大国になった。
しかし、韓国の危機は新コロナだけじゃない・・・ソウルの高級マンション・バブルも問題だ。
これが破裂するとマンション暴落で、新コロナの国内パンデミックとともに、韓国は国家の危機に直面する可能性さえある。

まず、韓国のマンション市場だが・・・
ソウルの江南地区などの15~20億ウォンの高級マンションの価格が天井知らずの高騰を演じ、ソウル市内のマンションの上位20%の売買価格が16.1億ウォンから18.1億ウォンに急上昇したという。
一方、下位20%の低価格マンションは3.1億ウォンから2.97億ウォンへと下落した・・・その結果、上位20%の高級マンションと下位20%の低価格マンションとの格差が、今年初めて過去最大の6倍以上となった。
江南地区(日本でいえば港区か?)のマンションへの投機がバブルを生む。

この状況に市民の不満が爆発し、文在寅は「15億ウォン以上のマンションへの住宅担保ローンの全面禁止」を発表、市民の不満を和らげようとした。
でも、またまた、文在寅は大間違いをしそうだ・・・今度は、最低賃金の無理やり引き上げよりも経済を混乱させると思う。

不動産投機が起こるには、物件の希少性(供給が限られている)、借入金のしやすさ、誰かが高い価格で買ってくれるという三つの思惑が必要だ。
これが「買うから上がる、上がるから買う」という投機の連鎖を生む。
もし、突然、高級マンションの住宅ローンを規制したらどうなるか?
火を見るより明らかなのは・・・現金でしか買えないとしたら、買える人は限られてしまう・・・ならば、誰かがさらに高い価格で買ってくれるという期待がしぼんでしまう。
そうなると、マンションを売却して早く実現益を出したいという思う人が増えてくる・・・その結果、マンション・バブルが破裂する。

不動産のバブルはつぶしてはいけない・・・これがバブル期の日銀総裁の三重野さんが残した教訓だ。
ここにきての新コロナ問題で内需が急縮小する韓国経済はマイナス成長に陥る可能性もある・・・それに不動産の暴落が始まったら、ダブルパンチもいいところだ。
新コロナを甘く見て大混乱を招いた文在寅だが、高級マンション・バブルの破裂を招く危険な政策に手を出した。


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永守さんの降格ドミノ人事の吉凶

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永守「活火山」が噴火したのかと思った・・・というのは日本電産の役員人事だ。
新社長を日産からスカウトしたのは記憶に新しいが、今回の役員人事は凄かった。

社長の吉本氏が副社長に、副会長の片山氏が副社長に、副社長2名が専務に降格。
それだけではない・・・副社長2名が専務に、専務3名が常務に、常務6名がヒラ執行役員に、常務から執行役員5名が顧問に降格が発表された。
さらに・・・執行役員2名が部長に降格された。
イヤーなんというか、日産からスカウトした関氏を社長にして、彼がやりやすいように年上の役員を降格させ新経営体制を作ったということだが、永守さん自身にはお咎めなしって?マジか?

可哀そうなのは、執行役員から部長に降格された2名だ・・・藤田さんと松橋さん。
サラリーマンにとって部長止まりと役員に昇格が天と地とほど違う。
たいだい、40歳台で執行役員に昇格する人と、部長のままでいる人と別れる・・・そして、執行役員に昇格した人はその後常務になり、専務になり出世の階段を上がっていく。
これに対して、50歳台で部長止まりの人は55歳の役職定年で終わり、55歳から定年までを窓際族として仕事もせずに会社にいるだけの存在になる・・・これがサラリーマン社会の典型だ。

そこに降格という荒業を連発させた永守さんの降格ドミノだ。
これで新社長がやりやすい体制になったのか? 降格ドミノで社員のモチベーションが上がるのか? 永守さんの強権経営は限界を迎えるのか? ・・・いろいろ重要な視点が含まれている。

1/26「事実で売る」を書き、永守さんのコメントが相場の転換点になると書いた。
2019年1月に「尋常でない変化が起きた」として米中摩擦による経済悪化を実感させたが、実はそこが株価の大底となった・・・さらに丸1年たった2020年1月に「業績の底打ち、事業の方向が見えた」と発言したが、今度は逆に株価は天井を付けた。
確かに永守さんは尋常な経営者ではないし、氏の発言の影響力は非常に大きい・・・株価を大きく転換させてしまう。

「和」を重んじる日本の企業風土の中で、これほどの降格ドミノ、強権経営を行った企業はない。
これが日本企業のぬるま湯的な部分を変え、日本企業に新たな成長を促すのかは注目を怠れない。
新社長の指導力でこの荒波を越えて日本電産を一丸にして経営にあたれるかが問われる。



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米金利の低下と原油下落は「需要不足」

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米FRBが緊急利下げを行い、FF金利の誘導目標を1-1.25%とした。
しかし、米10年債はその後も買われ続け、ついに10年利回りが1%を下回ってきてしまった。
これで現在の金利水準は、FF金利1-1.25%、2年債金利0.6%、10年債金利0.91%、30年債金利1.54%と平坦な(フラット)金利になってきている。

世界では日本の10年債や欧州の10年債はすでにマイナス金利だが、これに続いてFRBが今後も利下げを続ければ、米国までゼロ金利の仲間に入ってきそうだ。
新型コロナ騒動で今後の世界経済の成長率が下方屈折し、しばらくは世界は「需要不足」に直面することを債券相場は見ているのだろう。

もう一つは原油価格の下落だ。
OEPC総会でサウジ中心に減産拡大する方針が決まったが、非OPECのロシアなどが反対し、OPECプラスでは合意できなかった。
近年、非加盟のロシアや欧州、シェールオイルを拡大させてきた米国の生産量が増加し、OPECの需給調整が機能していない。
となると、新型コロナ騒動で停滞感を強めている大消費国・中国を中心に工場生産が低下し、物流・輸送や電力・の原油需要が停滞・・・「需要不足」なのだろう。

「需要不足」による世界的なゼロ金利状態、そして、「需要不足」で下落を続ける原油価格・・・どちらも「需要不足」の問題だ。
新型コロナ騒動はサプライチェーンや生産の稼働率などのサプライサイド問題が大きいと見てきたが、見方が甘かった。
世界中で個人旅行が停滞し、イベントや娯楽などの支出が急減している・・・IATA(国際航空運送協会)は新型コロナの影響でエアライン各社の損失が6兆円~最悪12兆円に達する予測を発表し、GBTA(国際ビジネス旅行協会)はイベントや出張のキャンセルで業務渡航の経済損失が5兆円以上と予測を出した。
さらに日本でも東京オリンピックがなくなればその経済損失が7-8兆円に達するという。
消費関連やエンターテイメント関連を中心に企業収益も悪化していく・・・個人消費の減退がグローバルに顕在化する・・・需要サイドが大きな問題になってきているようだ。
こうした「需要不足」の経済に対処するには、古典的な消費減税や財政政策になる。

その場合、新型ウィルスの封じこめまでの時間が勝負だろう。
ここ1-2か月の話ならば短期的な需要不足だけの問題で、夏までに世界経済が正常化していくる。
しかし、もう少し長引いて夏以降まで続くと、需要不足で世界のGDPが7-9月期までの四半期の悪化が予想されることになる。
その場合、早めに主要国がグローバルでの大型消費減税や財政政策へ踏みきるかもしれない・・・少なくともそうした期待が高まってくるかもしれない。
市場はそのあたりを見ているような気がする。


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今の子供、昔の子供

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安倍さんが突然「全国の小中高学校を臨時休業を要請する」と言い、日本中、大騒ぎだ。
感染に対して断固たる処置を取ることは政治家の存在感を決定する・・・中国、香港、台湾、封じこめに成功した国も失敗した国もあるが、感染に対して断固とした意志を示すのが指導者の役割だからだ。
その意味では、やっと、安倍さんの強い意志が見えてきたのが良い事だが・・・日本は子供を家で誰が面倒見るのか・・・親が会社を休まなければ・・・大騒ぎだ。
でも、子供が自分で危険を感じ、自分で自分の身を守り、自分の行動に責任を持つという経験をできるチャンスかもしれない。

昔の子供はある意味「ほったらかし」だった。
親が自営業などで自分で商売している家庭が多く、もともと子供にはかまわず、放任していた。
また、「カギっ子」が最初に世間の注目を浴びた頃、共働きの家庭でも子供を家に残していた・・・もちろん、当時は学童保育も整っていない。
多くの子供たちは首から「カギ」をぶら下げて遊んでいた。

でも子供は子供で自分で考えて行動していた・・・原っぱで遊ぶにしても、危険な場所を察しながら、遊んでいたように思う・・・家で友だちと遊ぶ場合でも、ちゃんと後片付けまで考えて、あまり散らかさないようにしていたと思う。
自由放任された子供たちは危険を感じることもできるし、ストーブやこたつの危険な所も理解していた・・・また、紙や燃えやすい物を散らかしたりする危険も分かっていた。
これは子供がそういう環境に置かれ、自分で考えて身に付けた行動パターンだ。

昔の子供は親が「ほったらかし」だったから、自分で行動や責任を身に付けた・・・でも、今の子供は親や先生に見張られていないと何もできない。
「臨時休校」なんてことになれば、大喜びしたのが昔の子供、友だちと会えなくなるのが寂しいというのが今の子供・・・その違いは、自分で自分の行動に責任を持つという経験をさせたかどうかだ。
今の社会環境が昔とは違い、様々な危険があり、子供だけで家に置いておくのはリスクが高いのも承知している。
子育てを終えた世代、ジジイ世代が無責任によく言うよ・・・と言われるかもしれない。
それでも今の学校や親たちの言い分を聞いていて、なんとなく情けなくなるのは、子供も自分で考えて、自分の責任で行動するというあたりまえの事ができるようになってほしいと思うからだ。


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新コロナ克服の関門は各国の疑心暗鬼かもしれない

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見にくいチャートで恐縮だが、これは中国政府が発表している感染者数の内訳:治療中の患者数(黄)、死者数(赤)、回復者数(青)、それに毎日の新規感染者数(棒グラフ)だ。

これを見ると、中国の新コロナ騒動は収束に向かいつつあるかのように見える。
感染者数野合計は8万270人だが、伸びが止まってきている。
逆に回復者(退院者)は4万9856人となり、感染者の6割以上は回復し退院している。
死者数は2981人で3000人の大台を目の前にしているが、このところあまり増えていない。
つまり、医療処置を受けている患者(入院その他)は2万7433人となる・・・ピーク時には6万人近くが入院や医療処置を受けていたとみられ、すでに患者数は半減してる。
外出制限の緩和により工場の稼働率も噂ではすでに8割台まで改善してきているという・・・製造業PMIは前代未聞の急落だったが、現場の復帰は進んでいる。
しかし、習近平・北京政府は疑心暗鬼になり、首都北京の閉鎖も検討されているらしい。

一方、感染者数は韓国5186人(うち回復34人)、イタリア2502人(回復160人)、イラン2336人(回復291人)、クルーズ船706人(回復100人)、日本293人(回復43人)・・・と続くが、欧米の感染者が増加傾向で、フランス204人、ドイツ196人、スペイン165人、アメリカ122人・・・この欧米での感染増加が世界の株式市場でパニックを引き起こした。
特に欧米諸国はこれからパンデミックを避けるための移動制限、入国制限、海外渡航制限、臨時休校・・・あるゆる措置を取り、感染防止に動く。

しかし、アジア全体では峠を越えてきたように見える・・・感染数(回復者数)。
シンガポール108人(78人)、香港100人(36人)、タイ43人(31人)、台湾41人(11人)、マレーシア29人(22人)、ベトナム16人(16人)・・・
日本人がウィルスを持ち込んだ場合もあったようだが、多くの国で感染者が回復し、患者数が急減している。
アジアには中国人が多く行っているので、もっと感染が増えてもおかしくなかった・・・気温が高いことが原因かもしれない・・・中東ではイランで感染者数が急増しているが、首都テヘランはカスピ海に近い寒い地域で、アラビア半島の暑さとは全く異なる。
感染者が3人のインドでもビザの発給の無効化を始めているぐらい、それでもこの地域も疑心暗鬼が強くなってきた。
感染者の多い地域では断固とした対策が必要だが、疑心暗鬼が広まってきている感じがする。

アジア地域だけで感染が増えていた時は、欧米人は「知らん顔」・・・イタリアから欧米に感染が広がった途端に欧米人が「アタフタ」し始めた。
要するにアジア人は感染して死んでもいいけど、自分たちに感染が飛び火するのは許さん!!という感じだ。
新型コロナウィルス拡大の実態以上に、世界が「パンデミックリスク」に過敏になっている感じがする・・・新型コロナ以上に各国間の疑心暗鬼が経済活動を妨げる可能性も出てきている。
そこに改善する実態と疑心暗鬼から生じる市場心理にギャップが出てくる可能性もあり、投資機会として注目している。


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実践的バリュエーションを考える(4)

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前回からPERを使った投資の話をしている。
高PER銘柄への投資でも、まずは重要な高PERの「成長株」の見方を取り上げた。
今回はもう一つ重要なのが、成長株ではない「シクリカル株」への投資だ。
「シクリカル株」とは、市況産業などのように景気の良い時と悪い時の循環(サイクル)の影響を強く受ける銘柄のことで・・・。
たとえば、原油価格が大幅な上昇をすると、輸入の原油価格が上昇するが、それ以上に石油製品の価格が上昇し、石油精製会社は儲かる・・・さらに石油を使って化学品を作る会社も製品価格が大きく上昇し儲かる。
また、ニッケルや銅やアルミニウムなども同じで・・・こうした企業を含めて「シクリカル」と呼ぶ。
まあ、一言でいえば、市況産業で原材料価格の変動で企業利益が大きく変わるような産業だ。

たとえば、石油化学会社だったら原油価格に大きな影響を受けるし、鉄鋼会社だったら原料の鉄鉱石価格、ステンレスだったら原料のニッケルやクロム価格に大きく影響される。
これらの原材料価格も世界の景気に大きく影響される・・・景気変動によって原材料価格も大きく変動すると同時に製品である素材の需要も景気次第、景気変動の2倍以上の影響を受けることになる。
だから、企業利益は景気拡大時にメチャクチャ大きくなり、景気後退時は大きく減少していしまう。
これをPERで見ると、景気拡大時は利益が大きく上昇するためPERは低くなる・・・逆に景気後退時は利益が大きく減少しPERは急上昇する。

こうした「シクリカル株」は景気サイクルを判断できれば、大きく儲けるチャンスが大きい。
利益の変動が大きいと同時に株価の変動率も大きいからだ・・・2倍3倍はあたりまえで5倍6倍もありえる株で、うまく売買タイミングを捉えれば、「大儲け」だ。
実際、ワシの知っているファンドマネージャーでもニッケル価格や銅価格をきっちりと分析し、太平洋金属や三井金属などの「シクリカル株」で大儲けをしていた奴もいた。
 
こうした「シクリカル株」では景気後退期の利益減少でPERが極大化する・・・そして、景気拡大期にPERは低下する・・・つまり高PER時に買い、低PER時に売るのがセオリーだ。
しかし、現実には景気後退期に高PER の銘柄を買うには勇気がいる・・・だからこそ、原材料市況をきっちりと見ていかなければならない。
原材料価格のチャートを確認し、景気に関する情報を集め、その需要国の状況を分析する・・・そこで判断できたら、景気悪化+高PER の「シクリカル」株を買う・・・けっこう手間がかかる・・・
それでもうまく行けばリターンが大きい。



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ひふみ投信にだまされるな

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2月25日にひふみ投信のCIO藤野氏が、ひふみ投信のHP上で「CIOメッセージ」を公表した。
要約すると・・・
ひふみ投信のキャッシュ比率は1月末で0.7%だったが、新コロナウィルスの拡大に伴う市場の不確実性が髙まり、過去10日間で現金化を進めた・・・その結果、2000億円を現金化し、3割弱のキャッシュ比率に引き上げた・・・今後の買い戻す予定で、アナリストも全力で買いたい銘柄をリストアップしている。

でもこれって・・・ダウト!!なのだ。

藤野氏は過去10日間で2000億円(純資産の3割)を現金化したと言ったが、もし3割のキャッシュを持っていたらどうなるかを検証してみよう・・・検証期間は2/13から2/28までの立会日で10日間。

まず、この間、TOPIXは11.8%下落した。
一方、ひふみ投信の基準価額は11.3%下落、純資産は1272億円から1121億円に151億円分減少した。
また、ひふみプラスの基準価額は12.2%下落し、純資産は5401億円から4720億円に681億円減少した。
この期間のTOPIXの下落率11.8%に比べて、実際の基準価額は、ひふみ投信で-11.3%、ひふみプラスで-12.2%でほぼTOPIXと同等の下落だったのが分かる。

これをどう理解したらいいのだろうか?
もしキャッシュ比率30%だとすると、TOPIXが12%下落しても、ファンドは8%程度の下落で済んでいたはずだ・・・これがキャッシュの保有効果だ。
しかし、ひふみ投信のパフォーマンスがTOPIXと同等だったということは、①キャッシュ保有していても保有銘柄が大きく下落し、キャッシュの保有効果を相殺した、②TOPIXが大きく下落した後、後手後手でキャッシュを引き上げた、のどちらかだ。

保有銘柄が短期間でそんなにアンダーパフォームするとは考えにくいので、おそらく、相場が下落した後にキャッシュを3割に引き上げていたと考えられる。
だから、キャッシュ効果がほとんどなかったというわけだ。
この藤野氏はのウソは言っていない・・・2000億円の現金化をしたのは事実だろう。
しかし、ひふみ投信のパフォーマンスを確認する限り「後手後手」の対応だったというのが正直のところだろう。
CIOメッセージとして出すなら、「相場が下がる前に対処した」ぐらいの事を言ってほしかった・・・そして、今度このキャッシュ2000億円を、いつ、どのように市場に戻すのか、きちんと説明しすべきだ・・・そうでなければ、この投信に対する信頼感はなくなる。
これではカッコイイことを言っても・・・なんか空しいだけだ。


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ストウブ鍋は優れもの

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今年最初の衝動買いがストウブの鍋だった。
正月に家族で軽井沢のショッピングプラザに行ったが、そこで「ストウブ鍋が大小二つで2万円」のセールをやっていた・・・一つでも2万6000円、それを二つで2万円・・・衝動的に買ってしまった。
というわけで、山梨の山小屋でストウブ鍋で料理するようになった。
でも、この鍋がとんでもない優れものだった。

たとえば、「鶏とキャベツのみそ鍋」を例にすると・・・
キャベツをザックリと切り、鶏のむね肉を大きめに切って塩をふっておく。
そして、ストウブ鍋にごま油、キャベツ、鶏のむね肉を入れる。
その上に、みそとみりんを混ぜた調味料をまんべんなく振りかける。
これだけだ。
あとは中火で加熱する・・・そして、蒸気が出始めたら、極弱火にして30分過熱する・・・そして、しばらく放置する。
・・・あとは白いご飯と一緒にほおばるだけだ。
超簡単だ・・・鍋に材料を入れて加熱するだけだ・・・あとは火加減を変えるだけ。
鶏肉は多めに入れた方がいい・・・そうでないと、キャベツにみそを付けて食べているような無味な感じになってしまう。

また、このストウブ鍋で無水ポトフも作れる。
ストウブ鍋に油を引いて、大きめに切った玉ねぎ、にんにく、棒のように切ったニンジン、大きめに切ったじゃがいも、極太のソーセージ、ベーコン、キャベツを入れる。
調味料としてコンソメを振りかける。
そして、中火で蒸気が出るまで加熱する・・・蒸気が出たら弱火にして40分、その後10分放置。
それだけだ。

細かい事は何もない・・・材料を切って鍋に入れて過熱し、最後に放置する・・・それだけ。
これなら誰でも料理ができる。
特に、山小屋で一人で生活している時には野菜不足になりがちなので、ワシの田舎でのグッド健康法だ・・・さらに手間のかからない無水調理・・・超ありがたい鍋だった。


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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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