株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2019年07月

ホルムズ海峡、自国タンカーは自国で守れって?

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英国のタンカーがホルムズ海峡でイランの革命防衛隊に拿捕される事件が起こった。
革命防衛隊はイランの支配階級である宗教指導者に直属した別組織だが、その頂点にいるハメネイ師を守るのが役目だ・・・ちょっと前、日本のタンカーに爆雷が仕掛けられ炎上したが、これも革命防衛隊の仕業と言われている。
この宗教指導者に直結する革命防衛隊の行動が、各国政府の思惑から離れて、ホルムズ海峡の将来を決めてしまうことに大きな不安を感じる。

トランプは「ホルムズ海峡を通過するタンカーへの依存度は、中国で65%、日本25%だ」として、これらのリッチな国を米国民の税金で守るのはおかしい、「自国のタンカーは自国で守れ」と言う。
しかし、そもそも、トランプの米国が始めた対イラン強硬策であり、それでホルムズ海峡が不安定になったからと言って、「自国のタンカーは自国で守れ」もないだろうと思う。
米国の発案による「有志連合」も欧州各国からは不人気で、これをディールにするために「自国のタンカーは自国で守れ」を取り上げたのかもしれない。
つまり、「有志連合」への参加を募るために「自国のタンカー・・・」発言をして、それならば「有志連合」に参加せよ・・・というわけだ。

でも、このディールに乗る国は限られているだろう。
NATO諸国はまだ「イラン核合意」から離脱していないので、おそらく、簡単には「有志連合」への参加ができない・・・その前に「イラン核合意」から離脱するのが順序だからだ。
ボリス・ジョンソンの英国は可能性がまだ低いが、トランプに嫌われたメイ前首相で悪化した米国関係を一気に修正するために参加してくるかもしれない・・・自国のタンカーが拿捕されたし、名分は立つ。
しかし、中国は一帯一路の要衝であるペルシャ(イラン)を取り込みたいため「有志連合」には参加しないし、中国籍タンカーは革命防衛隊には攻撃されないと信じている。
日本はなし崩し的に圧力を掛けられて最後は参加となるかもしれない・・・でもこの訳わからん「有志連合」より、自衛隊を派遣して日本のタンカーを自ら守る方が余程筋がいいかもしれない。
この地域の複雑さが急激に増しているからだ。

中東の不穏な空気は、宗教絶対制か、世俗的王制か・・・という支配層の駆け引きによって作られている。
イランはパーレビ国王を追放した宗教革命でイスラム絶対制を作った・・・と同時に、同様の宗教絶対制を指向するイスラム原理主義やヒズボラなどの過激派などと通じ、宗教革命をこの地域に拡大しようとしている。
もちろん、イスラム教のシーア派とスンニ派の戦いというイスラム教の派閥面が大きかったが、今や、宗教絶対制か世俗王制かという戦いの構図が強くなってきている。
だから、サウジアラビアなど世俗的王制の国は、このイスラム絶対制の拡大を何より恐れている。
それだけ、サウジの王様にとっては自分の一族の存続がかかり、自らの命をかけた戦いになりつつあり真剣さが違ってきていると見える。

米国はそこを理解し、ユダヤ教のイスラエルと、イスラム教スンニ派のサウジを共同戦線ラインに組み込み、イランと対峙する。
宗教的にはユダヤとスンニが組むこと自体が考えられないが、宗教絶対制と世俗王制との戦いという視点だったら、米ーイスラエルーサウジのラインが一定の範囲で理解できる。
そう考えると、今回の対立は・・・残念ながら・・・相当、根が深い。
サウジの王様かイランの宗教指導者が死んで体制が変わるまで続く公算が大きい。
安倍さんがハメネイ師を会ったというが、宗教音痴の日本人がこの地域でできることは全くない。
有志連合にしてもイラン包囲網にしても日本は傍観すべきだろうし、自衛隊を派遣して自国のタンカーを守る方がストレートにシンプルに日本のポジションを主張できるだけに余程いいかもしれない。
その方が政治色を薄められる・・・「自由な航行」の原則の下に自国のタンカーを自国で守るだけだからだ。


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債券バブルと東証REITの関係(4)

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最近の不動産関係にニュースを見ていてちょっと気になるのは、借入金の超低利と銀行の緩い融資姿勢によって起こる不動産市場の過熱と、日本を挙げたイベントである東京オリンピック・パラリンピック後の不動産市場だ。
REITはその格付けによって支払い金利が変わってくるが、優良REITでは借入金利が0.5%程度と異常に低い金利なってきている・・・また、中堅REITでも1%を下回る借入金利も見られる状況だ。
もちろん、REITにとって金利が低いことはREITにとってはコストの低減になり良い事だが、こうした超低金利が不動産融資を必要以上に拡大し、不動産市場が過熱状態になっている可能性もある。
借り手の不動産デベロッパーの過大な投資、個人の過大な不動産投資などが不正を引き起こしているのかもしれない。

たとえば、スルガ銀行が不正の融資審査で問題を拡大した「かぼちゃの馬車」シェアハウス事件、不動産融資データの改ざんでつまづいたTATERU事件、さらにアパートの不正建築で問題となったレオパレスの賃貸アパートの事件・・・不動産関係の不正が相次いだが、サブリース契約+不正融資+不正施工という最強の不正組合せで起こった事件だ。

問題はこれで終わったわけではないことだ。
まず、30年一括借り上げ、サブリース契約の
危うさ。
30年一括と言いながら途中で契約の見直しがあり、オーナーが入居率が低くても安定した賃貸料を受け取るという夢のような話ではなかったことがはっきりした。
おそらく、他のサブリース業者を通じて行ったアパート経営も同様にリスクが出てきている。

第二に銀行の貸出が伸びない中で銀行のドル箱だった不動産融資も審査が厳しくなってくることだ。
今後、融資審査など相当に厳しくなれば、マンション建設の伸びが鈍化するのは間違いない。
高層のタワマンの売れ行きが鈍っているらしいが、特に埼玉など土地が余っている地域の高層タワマンなどは気を付けた方がいいだろう。
高層タワマンを建てる必然性もないため、バブル期の越後湯沢の高層リゾートマンションのように30年後は廃墟になっている可能性もある。

第三に、破たん懸念のあるサブリース契約の処理がこれから進むことだ。
かぼちゃの馬車で作ったシェアハウスをどうするのか? 融資の返済は大丈夫なのか? TATERUで建てた投資用物件のオーナーは過大な借金を返済できるのか? 最悪のレオパレスは補強工事後に入居者が集まるのか? などなど、多くの疑問が解決されていない。
中には過大な融資を受けているオーナーもいるだろうし、元利返済が滞り不良債権化してくる物件も相当ありそうだ。
低金利による過大な不動産投資に何か思わぬ事が起こると、金融システム全体に影響することも考えられる・・・そのリスクが徐々に上がってきている事例が増えている。
個人の不動産投資、銀行融資などに
ネガティブな問題が出やすいのではないだろう。

でも、そんな事件にもかかわらず、東証REIT市場では住宅REITが最も人気になっている。
REITの利回りランキングを見ると、最も低いREITは三井不動産系の日本ビルファンド2.81%、東急リアルエステート、三菱地所系ジャパンリアルエステートなどのオフィスリート総合型だが、それと並び、住宅型の日本アコモデーション、コンフォリア、アドバンスレジデンスなどが上位に入っている。
主としてマンションに投資する住宅REITが、ピカピカの都心型オフィスREITと並んでいる現在のREIT市場には違和感を感じる。
通常、賃貸マンションは退去しても次から次と入居者が出てくるので稼働率が安定している反面、賃料は上昇しないという特徴がある。
良い立地のマンションであれば比較的安定した投資となるが、REITの利回りが低く分配金の内部成長も見込めない・・・こうした分配金利回りの低い住宅REITには過熱感を感じる。


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韓国語ってこんなに激しいの?

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日本語に翻訳した時に、強烈な言葉遣いだなって思うのは韓国語(朝鮮語)だ。
北朝鮮の国営放送が「金同志が米帝に・・・」などのプロパガンダは、聞いているだけで息苦しくなる。
でも、北朝鮮だけでなく、韓国人も同じような言葉遣いをするようになった。
たとえば・・・
韓国綜合ニュース・・・崔宰誠(チェ・ジェソン)委員長は日本の輸出規制に関し、「日本発の経済大戦が現実のものとなるなら、日本は再び国際貿易秩序を崩壊させた『経済戦犯国』として記録されるだろう」と警告した。

また・・・
「自国企業の被害まで当然視する態度で神風自殺爆撃が行われた真珠湾空襲が想起される。(戦犯国)日本は経済戦犯にならないよう願う」

さらに・・・
「東京五輪まで1年を切った今、歴史認定と率直な謝罪がない日本に平和オリンピックの資格があるのか

福島農産物に対して偽りの強弁をして自国民も冷遇する食品を全世界の五輪参加選手たちの食卓に上げる

・・・とまで言い切った。

なんだ、これは???・・・日本発の経済大戦? 経済戦犯国? 神風自殺爆撃と真珠湾???(真珠湾攻撃は神風特攻隊ではないし・・・) オリンピックの資格???(韓国人が決めるの) 自国民も冷遇する食品を五輪選手の食卓に???(日本のデータでは安全は立証されている)

これは韓国語を日本語に翻訳する時の誤訳なのか?と思った。
韓国の委員会の委員長がこんな「お下劣な、品位も知性もないような」表現を本当に使うとは普通、考えられない。
翻訳が下手で、本来の韓国語を普通の日本語にちゃんと翻訳したら、もっと普通の自然な言葉遣いになるのだろうか?
それとも韓国の要人は,そもそもこんなに「お下劣な、品位も知性もない」人なのだろうか?
なんか、北朝鮮国営放送のプロパガンダ放送やアジ演説の言葉遣いと、韓国の要人の言葉遣いがその激しさ、「お下劣さと低品位と無知性」で似てきている。

確かめるために韓国語をちょっと勉強して確認してみたいと思う・・・本当に、韓国人や朝鮮人は普段の韓国語会話ではからこんな言葉遣いをしているのだろうか?
どなたか韓国語を理解できる方、このあたりの解説をしていただけると助かります。


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ウィークリー雑感(7/28 半導体株、上昇の意味)

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米調査会社ガートナーが2019年の半導体売上が4290億ドルとなり、2018年から9.6%減少するとの予測を発表した。
もちろん、米中摩擦の方向によって大きく生産状況が変わる可能性は否定できないが、NANDフラッシュメモリーやDRAMの在庫が過剰など、特にメモリーの需給が弱いと指摘している。
しかし、この弱気が多かった半導体市況が反発し、半導体関連株が世界中で急反発している。
米SOX指数は、5月の高値を抜き新高値を記録している・・・AMDを始め米半導体株も急上昇しているし、日本でも決算数字が弱く下落していた東京エレクトロンやアドバンテストなども急反発となった。
こうした半導体株の反転上昇に対して、一番先に話題となるのは売り方の買い戻しという説明だろう。
しかし、SOX指数が新値を取ってきていることを見ると、次の大きな半導体市場の変化を見据えていると考える方が妥当だ。

一つの仮説は、韓国サムスンの半導体生産の減少が他国の半導体メーカーを刺激すること。
今まで大量生産による高いコストパフォーマンスで半導体市場を牛耳ってきた韓国が、日本製の材料に規制を掛けられることで、逆にTSMCなどの台湾ファウンドリーやAMDやマイクロンなど米国半導体メーカーがチャンスと捉えているかもしれない。
実際、TSMCは先端半導体の新工場の建設を発表しているし、マイクロンも広島工場の拡張を行った。
サムスンの半導体生産に問題が生じている反面、他のメーカーが半導体工場や製造装置への投資を増やしていく・・・つまり、半導体の勢力地図が変わる局面に入ってきたといえる。

もう一つの仮説は、米中摩擦の長期化によってサプライチェーンの再編が本格化し、中国からの生産シフトが起こり、その過程で新たな投資が起こっている可能性だ。
中国はサプライチェーンの中心に位置してきた製造・組立工場だっただけに、本格的に生産シフトが行われると中国以外の地域に大きな設備投資を生む。
特にベトナム・タイ・インドネシアなどの東南アジア地域はすでに進出しているハイテク企業が多く、人件費も中国に比べ圧倒的に安い。
大きなサプライチェーンの変更が始まったといえるかもしれない。

韓国は日本の輸出優遇の解除が世界経済を混乱させると言っているが、実際はその逆になる可能性がが高い・・・これを示しているのが最近の半導体株の急反発かもしれない。
サムスンの半導体生産が減少しても、他の半導体メーカーの増産によって補われる可能性が大きいからだ。
また、サムスン自体も韓国から離れ、主力のベトナム工場へ生産移管する可能性だってある。
そうなると、世界の悪影響を与える日本政府の輸出規制という韓国のWTOへの提訴は、そもそも何の意味も持たないかもしれない。
また、中長期的に中国が世界の生産工場の地位を降りるとしたら、世界の主要ハイテク企業のサプライチェーンが本格的に構造変化する時代に入っていく・・・一方で中国や韓国の国内景気にはマイナス要因となるが、これも変化の一断面にすぎない。
決算数字の悪く、調査会社の見通しも悪いこの時期に、世界の半導体株が急上昇しているのは、こうした時代の変化を見ているのかもしれない。


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バブルの物語(3 ITバブル)

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1990年代はインタネットの勃興期で、米クリントン政権で「情報スーパーハイウェイ」構想が進められ、ネット検索のネットスケープやYahoo!が登場した。
そして、インターネットを使ったビジネスの将来性が、バブルの条件①壮大な夢が市場を虜にした。
そうして起きたのがITバブルで、1998年から2000年初頭の時期を指している。
当時、米国でもネットの本屋さんでスタートしたアマゾンが上場し、赤字経営のまま株価が急上昇したり、日本でもソフトバンクや光通信の株価が大暴騰した。
インターネットの夢、ネット企業が次々とIPOでNY市場に上場してきた時期でもあり、IPO価格の急上昇とともにインターネット・バブルが増幅していった。

もう一つ重要なのが、バブルの条件②、ITバブル特有の需給構造だ。
誰が言い出したかは分からないが、当時よく言われたニューエコノミーとオールドエコノミーという二分類だ。
ニューエコノミーはインターネットを中心にしたビジネスで、ネット検索やネットショッピングはもちろん、ネットを使った物々交換までニューエコノミーとして機関投資家の買い候補になり、従来のブリック&モルタル企業はオールドエコノミーとして売り候補とされてしまった。
日本では、ソフトバンクが株価20万円まで買い上げられたり、携帯販売の光通信がニューエコノミーの旗手としてもてはやされたりした。
異常な拡大解釈とともに、単純に良い/悪いの二元論に集約されてしまったため、誰にでも分かりやすく、重厚長大産業を売り、ITの臭いがするサービス産業を買うという行動が市場を席捲してしまった。
こんな二元論で良い企業と悪い企業が決められてはたまらんというところだが、これが現実の株式市場で起こった・・・しかも、日本だけでなく、NY市場でも欧州市場でも起こった。

バブルの条件③のレバレッジだが、実は、このITバブルの前にアジア危機が起こり、アジアの国は資本流出に見舞われ大変な危機に直面していた。
その後、LTCM(ロングターム・キャピタル・マネージメント)という巨大ヘッジファンドが新興国債券のロングショートで大失敗・・・巨額倒産をしてしまった。
アジア危機とヘッジファンドの倒産・・・こうした流動性危機を回避するため、世界中の中央銀行が金利の引下げを行い、市場への資金供給を増やした。
この金利引下げとその後のITバブルで市場は急速にレバレッジを高め、行きつくところまで行ってしまったというわけだ。
ソフトバンクの株価が歴史的な高値20万円を付けたが、ソニーも1999年の年末にストップ高を連日付けて、株価3万円の上場来高値を付けた。
そして、翌年の大発会からソニーは売り気配になり、株価が急落・・・バブルがはじけた瞬間だった。

ITバブルの恐ろしさは、プロ投資家でも市場の流れに逆らえなかったことだ。
誰もがニューエコノミーとオールドエコノミーという単純な二元論から逃れることができなかった・・・プロのファンドマネージャーでもオールドエコノミー銘柄を買ったらパフォーマンスがガタガタになり、クビになってしまう恐怖に苛まれた。
ただ、バリューファンドのマネージャーは割高なニューエコノミー銘柄を買うことができずITバブルの間のパフォーマンスがボロボロになった。
しかし、それでも忍耐強くバリュー投資を続けたため、その後、ITバブルのピークアウトとともに2000年の初頭に大復活を遂げた・・・日本市場でこれだけバリュー投資が有効だったのはこの時期だけだ。

今月末のFOMCで予防的な利下げを期待する声が市場にあり、一部にはこのITバブル直前の利下げ(1998年)を例にして、今回もバブルが起こるとコメントしている評論家がいる。
バブルの3条件、①バブルの夢、②バブルの需給、③バブルのレバレッジを考えてみよう。
FRBの予防的な利下げで需給は確かにバブルっぽくなるだろうし(②の条件)、債務残高などを見るとレバレッジも高い(③の条件)かもしれないが、バブルを作り出すような壮大な夢(①の条件)が今の相場には欠けている。
だから、一部の評論家が期待するようなITバブルの再来はないと思う。


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サラリーマンは付加価値で勝負する時代

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銀行業務のロボット化(RPA)が進んできているようだ。
三井住友銀行では、営業員が朝パソコンを立ち上げると、その日に訪問する予定の顧客のあらゆる情報、口座の残高、投信残高、住宅ローン、担保の状況などすべてがメールで報告されているそうだ。
銀行内にあるすべての情報を一度に見られるため、顧客訪問の準備が一気に進む。
これらの情報はシステム内にあるロボットによって選別され表示される。
三井住友銀行では今年度末までに5000人分の業務をロボット化する予定だと言う。

米ユーアイパスの技術を使った業務プロセスのロボット化だった・・・ユーアイパスが気になるな。
2017年に日本進出後、1年4か月で300社の顧客企業を獲得し、今や1000社の顧客と急拡大している。
主要銀行9行のうち、三井住友、みずほなど7行がソフト導入をしているという。
しかも、ユーアイパスの社長は「時間的、精神的に負担をかける手作業から社員を開放する」ことが目的で、人員削減が目的ではないとしている。

でも、これは終身雇用がまだ亡霊のように残る日本社会に向けたセールストークという感じがしてならない・・・銀行の経営者からすれば人員削減はマストで、多くの支店を維持する必要がなくなるキャッシュレス社会で雇用を維持する方が無理筋という話だろう。
みずほ銀行がシステム統合のために3連休の間、ATMを休止した・・・びっくりしたが、みずほのATMには長蛇の列ができていた・・・まだ、現金(ATM)に頼っている人がこんなに多かった。
しかしながら世の中は確実にキャッシュレスに向かって動き出しているし、将来、個人はネットバンキング+キャッシュレス、支店は法人営業や貸付などが中心になるのだろう。
そうなると、これらの数百店舗の支店網は多すぎる・・・不良資産化するかも。

サラリーマンはRPAなどのソフト環境の中で、どんな付加価値を上げられるかが問われる。
同じ数字、同じ分析表を見ても、そこから何を考え、何をビジネスにつなげられるかは、人によって大きく違う。
付加価値のある人間とスタンダードな人間、その違いがRPAの上で大きな差別化をもたらすことになる・・・付加価値はその人が持つ個性であり、ちょっとでも他の人と違う考え方や仕事ができる事が大切になる。
銀行のような金融サービスでは基礎的なオーソドックスな考え方をベースにして、その上でちょっと個性的な考え方を合わせて付加価値を生み出すことが重要になる。


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「敵の敵は友」は同床異夢

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中国の行動を見ていると、興味深い点を感じる・・・それは「敵の敵は友」という発想だ。
古くは中南米の強圧的+人権抑圧的な政権・・・自由と民主主義のアメリカから敵対視された国に対して中国は多額の融資を通じて関係を築いてきた。
また、いくつのの人権問題が表面化したアフリカの軍事的な政権(スーダンなど)も同様で、多くの有償支援をして影響力を拡大してきた。

たとえば、中南米、ベネズエラ・・・前チャベス大統領がアメリカと対立していたのは衆知の事実で、それを好機と見た中国がベネズエラに620億ドルを貸し付け、石油資源の獲得を目指した。
しかし、次のマドウロ政権が汚職にまみれで、さすがに中国もやや引き気味だがまだ多大な影響力を維持している。
また、ブラジル・・・中国はブラジルの油田、鉱山、港湾、大型ダムを買いあさり、500億ドル以上の直接投資をしている・・・これに対して極右のボルソナロ氏が大統領になると、中国はブラジルそのものを買い取ろうとしているとして反中国姿勢が明確化した。

そして、米中摩擦の最中の中国、アメリカと何かしらの対立を持っている国にすり寄っている。
ロシアもそうだし、イランもそうかもしれないし、北朝鮮も同じ文脈でとらえられるかもしれない。
米朝関係が進展している時期はダンマリを決め込み、米朝が決裂したとなると、習近平が北朝鮮を訪問し友好関係をアピールする・・・明らかに米中摩擦を考えた上での対米アピールだろう。
ロシアとの関係も同様で、歴史的には激しい中ソ対立もあり、必ずしも順調な関係ではないが、習近平がロシア訪問し、媚びを売るようにロシアやプーチンを持ち上げた。

しかし、この「敵の敵は友」の戦略は、それぞれの思惑が異なり同床異夢で終わる可能性が高い。
中南米にしてもアメリカとの関係が改善されれば、中国ー中南米関係は変わる。
アフリカにしても人権問題で他の先進国に相手をされない国を取り込もうととしているが、アフリカに人権を重視した、本来あるべき政府ができるれば中国の出番はない。
ロシアは中国が牛耳ることができないややっこしい相手だし、北朝鮮も米国との関係改善ー制裁の解除が最終目的で中国を利用しようとしているだけだ。
同床異夢・・・習近平は何を考えているのだろうか?


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韓国のインチキ日本製品不買運動

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輸出優遇リストから韓国向け3品目を除外し、さら「ホワイト国」からも韓国を除外する日本政府の方針に対して、韓国内では日本製品の不買運動が盛り上がってきていると報道されている。
なんか、またか・・・といった感じで、懲りもせず、効果のない事を続ける人たちに呆れる。
ユニクロの衣服を買わない、アサヒビールを飲まない・・・日本への旅行をしない・・・トヨタの車を買わない・・・・でも、残念ながら、これらは全く効果がない。

元々、韓国人は自国製品を買おうという意識が強く、同じような価格で同じような性能だったら、韓国製を買う。
たとえば、自動車市場では現代自動車や起亜自動車など韓国製の国内シェアが85%に達し、欧州車を含めて輸入車は15%のシェアしか取れていない・・・最近、日本のハイブリッド車が好調とのニュースがあるが、日本車のシェアは非常に低い。
スマホでは韓国の最大手、サムスンが圧倒的で一社で65%の国内シェアを持っている・・・その他は中国製などがシェアを取っている。
さらに家電製品でもサムスンとLGを合わせると、国内シェア90%・・・世界市場ではサムスンのシェアが落ちているが、韓国内では依然として圧倒的だ。
こんな自国贔屓の強い韓国市場では、日本企業だけでなく、欧州企業もまともなビジネス展開ができていない。
今年、仙台の急成長メーカー、アイリス・オーヤマが仁川に70億円かけて新工場を建設すると発表したが、韓国内市場だけでなく、米中摩擦の拡大に対応して中国の国内生産を韓国に移そうという発想だ。
それほど、韓国市場は自国贔屓で特殊な市場なのだ。

そんな韓国市場で広く受け入れられてきたユニクロやアサヒビールは、日本製や日本企業だからではなく、純粋に品質と価格で韓国人に受け入れられてきたものだ。
つまり、韓国人が反日の雰囲気が高まり、ユニクロのヒートテックを買わない、スーパードライを飲まないと言っても、おそらく本音ではヒートテックを着たいし、スーパードライを飲みたいのだ。
だから、一時的な反日感情が収まると、また、これらを買い始めることになる・・・という訳で、過去、何回も不買運動が起こったが全く効果がなかった。
さらに元々韓国製品が圧倒的なシェアを持ってきた韓国市場なので、不買運動を起こすネタも少ない・・・せいぜい、すでに表面化しているユニクロ、アサヒビール、日本旅行ぐらいで、大したことがない。
そこにあるのは、日本たたきの政治パフォーマンスだけという、実質的な効果が全くない、インチキな不買運動だ。
歴史的にこのバカな不買運動を何回も繰り返してきた・・・懲りない奴ら・・・コリアンだ。


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親の心、子知らずか? 子の心、親知らずか?

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昔から「親の心、子知らず」と言われる。
長い間、時には厳しい態度で手塩にかけて育ててきても、子供は自分で勝手に成長したと思いこみ、親の心が分からない・・・よくある。
特に、人材育成に長時間がかかる技能職ではとてもたいへんな問題だ。
ジャニーズなどの芸能事務所は、10代の子供の頃から歌・ダンス・芝居を仕込み、巨額の費用をかけて人材育成している。
今の話題の吉本興業なども若手タレントのためにNSC養成所を運営し、大金を使ってお笑いタレントの育成をしている。
でも、売れっ子になった若手タレントは、今の人材流動化の時代、他の芸能事務所を移籍したり、自分の芸能プロダクションを設立したり、よりギャラの良い所、良い仕事があるところに簡単に異動してしまう。

これでは巨額の初期投資が回収できないので、芸能事務所は人材の異動に神経を尖らすことになる。
ジャニーズがSMAPの移籍に関して、3人の出演番組を終わらせたり、この3人が出演する番組には他のジャニーズは出演させないと暗黙の圧力をかけたことが独禁法に抵触する可能性を検察に指摘された・・・あるいは、脅したり、恫喝したりという圧力をかけて引き留める・・・などなど、人気のある歌手やタレントが移籍に関して芸能事務所とトラブルを起こすことも多い。
これは人材育成の初期投資が高く、人気が出たからといってギャラの高い所に移籍されてはたまらんからだ。
実は、ファンドマネージャーやアナリストも同様の問題を抱えている。
一流のファンドマネージャーやアナリストに育つまでには、少なくとも10年はかかる。
その間、様々な実務研修を行い、先輩のファンドマネージャー(チューター)について勉強し、レベルを引き上げていく。
でも、人材流動化の時代、高い給料で引き抜きに合うと、意外と簡単に移籍してしまう・・・全く、「親の心、子知らず」の状態に陥る。

でも、世の中は逆に、「子の心、親知らず」の状態に入ってきたのかもしれない。
それを強く感じたのが、今回の吉本の社長会見だ。
人材の流動化は避けられないとしたら、育てた人材に優遇した仕事場を与え、高い給料を与え、その上で活躍してもらわなければ初期投資を回収できないということが明確になっているからだ。
これは運用会社でも同じで、若い頃から仕事内容やその実績に応じた仕事環境や収入を与えていかなければ優秀な若手社員を引き留めできない。

以前、証券会社の自己勘定運用部を担当していた時、部員20名のうち、なんと6名が一気に辞めたことがあった。
これは上げた収益の10%以下の年収じゃやってられないという不満が背景だったが、証券会社の給料は処遇テーブルで決まっていたためなんともできず、大量の退職者を出してしまった。
ある意味、芸能人も同じだろう・・・吉本はギャラの9割が会社で1割が芸人というのは否定したが・・・5~6割会社で4~5割芸人というのは認めた。
やっぱり・・・「子の心、親知らず」だったということだろう。
人材流動化の時代、人材育成とその投資回収はだんだん難しくなってきたと思う。


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宮迫、謝罪になっていない謝罪会見

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「興業は反社組織の表の顔」を書いたが、昔から〇〇興業と名が付く会社は反社組織と繋がりがある場合は多かった・・・吉本興業も同じだったかもしれないけど、今は反社会勢力との繋がりは御法度だ。
でも、芸人、個々人にはいろいろな繋がりがあったということが、今回の宮迫の一件でよく分かったというところだ。
本人が吉本から契約解消され記者会見を行ったが、違和感のある会見だった。

まず、第一にきちんと反省した謝罪になっていないこと。
不快な気持ちになったすべての人に謝罪すると言いながら、誰に何を謝っているのか不明だった。
振り込め詐欺グループの犯罪金から100万円というギャラを受け取ったことで、「詐欺に合った人とその家族に不快な思いをさせた」という言葉が出てきたが、何を謝罪したのだろうか不明だ。
100万円を受け取った事か、詐欺グループの宴会に出て交際したことか、詐欺グループに加担した事か、よく分からない。
テレビという公共の電波に乗って儲けていた本人は、当然ながら、社会的な影響も責任も大きい。
本来ならば、詐欺グループと交際があったこと(反社組織の排除に違反したこと)を世間に向けて謝罪すべきなのだが・・・ESGにまい進するスポンサー企業にとっては反社との決別が最重要課題だったのにまともな謝罪と説明がなかった。

第二に、常に「言い訳」ばかりで謝罪になっていないこと。
金塊強奪グループとのギャラ飲みに関しても、芸能生活30年で何万枚もの写真を取ったので、その一枚に犯罪者との飲み会があっても自分は知らないし自分に責任もないとシラを切った。
でも、この手の連中はたった一枚の写真で脅し、ゆすり、たかり、連中の言いなりにされてしまう・・・これが反グレやヤクザのやり方だ。
何枚もの写真が出てくる宮迫は、当然、彼らのターゲットになっていたのではないかと推測される・・・だとしたら、この「何万枚の言い訳」は他の写真が多く出てくることの予防線を張っているとしか見えない。

第三に、吉本の問題にすり替えて言い逃れをしていること。
吉本の若手芸人の待遇の問題は今回の反社組織との交際問題とは関係がないし、若手芸人の収入が少ないから反社組織とのヤミ営業をしていいという話ではない。
全くの別の問題にすり替えて、自分の行為を正当化しようというセコイ考えが見え隠れしてしまう。

第四に、社会人として重要なな説明責任が全うされていないこと。
反グレ連中なら一目で分かるはずだし、その連中の雰囲気が普通じゃないことぐらい感じただろうし、1回で100万円のギャラが異常だとは思わなかったのだろうか?
ここを本人の言葉できちんと説明すべきだったが、残念ながら、「言い訳」と「すり替え」に終始した、後味の悪い謝罪会見だった。

この会見の後、さんま氏は「うちの事務所に来い」、松本氏「吉本に対し、動く」、ロンブーの片方は「正直者が戻ってきた」、北野氏は「最低賃金を保障しろ」などとコメントした。
芸人は芸人だけの「仲間内」に生きていることがよく分かるコメントの連続だ。
待遇の改善は吉本という会社内の問題で、本来、今回の謝罪会見とは関係がない。
そこをはっきりさせて、世の中の「一般常識」と芸人の「仲間内の常識」の乖離を埋めてほしい。
そうでないと、芸人に対する不信感は消えない。


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ウィークリー雑感(7/21 株価のデカップリング)

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米中交渉の再スタート、さらに板門店での米朝首脳会談と世界を驚かせた大阪のG20からほぼ1か月が経過した。
先週末まで1か月間の世界株価指数のパフォーマンスを見ると、イスタンブール+8.3%、コロンボ+6.5%、ベルギー+4.1%、サウジ+1.8%、オランダ+1.6%、NYダウ+1.6%、ブラジル+1.4%、英国FT100+1.3%、TOPIX+1.1%、香港ハンセン+1.0%、台湾+0.6%、ドイツDAX-0.6%、韓国-1.4%、インド-2.1%、上海総合-2.5%となっている。
NYダウは2万7000ドルを突破し新高値を付けたが、1か月パフォーマンスでは特に大幅に上昇したという訳ではない。
上昇トップに上げられるのはトルコなどの新興国で、FRBの金利政策期待でドル安(新興国通貨高)が進んだことが大きく影響しているだろう。

一方、明らかに弱いのがアジアの各株式指数だ。
アジアで上位にいる香港や台湾でも若干の上昇にとどまり、日本は週末の2%上昇でなんとかプラスに浮上したが、上海や韓国はマイナスのパフォーマンスに沈んでいる。
香港は通貨を米ドルにペグしているので、米利下げ期待は香港でも利下げ期待を生じさせているはずだが、ハンセン指数は若干のプラスだけだ。
韓国は日本の輸出規制で優遇を外されたことが追加的なマイナス材料で、パフォーマンス下位にいる。
韓国・インド・中国がマイナスになり、総じてアジア全体が弱い・・・アジアと米国などの他地域でデカップリングし、乖離が生じてきている。
これが何を意味し、今後どうなるのであろうか?

米中交渉の再スタートで世界の株価は一旦大きく戻した・・・しかし、その後はFRBの利下げ期待やECBの新総裁(ラガルド氏)への期待などで欧米の株式市場が堅調で推移した反面、アジアは戻りが鈍いデカップリング状態(NY株式に付いて行かれない)に置かれた。
考えられる要因の一つは金融政策の効果の違いだが、これは大きな要因ではないだろう。
日本市場では追加緩和やその効果を疑問視する意見も多いが、中国・香港・韓国・台湾では緩和期待が生じてもおかしくないからだ。
次に考えられるのは、米中摩擦のリスクが顕在化しサプライチェーンの再構築でアジアの生産が低下している可能性だ。
もちろん、欧米企業は生産シフトを検討中だが、いまの段階では実際の影響は限定的だろう。

・・・と考えると、最大の可能性は中国の景気停滞とともにアジア全域の景気スローダウンの可能性を株価が読み始めている可能性だろう。
中国の月次の貿易統計を見ても毎月の輸入額が前年比で大きく減少している・・・これは国内需要の低下によって起こっているという懸念が出てきている。
サムスンの四半期決算を見てもスマホ販売の停滞が続いている・・・スマホ自体が飽和状態に入っている可能性さえもある。
TSMCの四半期決算でもやはりスマホ向けの減少などは目についたが、そこは3ナノまでの微細加工ができる新工場を作るなど、5G向けに最先端半導体にシフトしていく方針が語られた。
世界全体の部品供給基地、組立て生産工場としてのアジアに停滞感が出てきている。
この株価のデカップリングは、GAFAなどのIT情報サービスが引っ張る米国株に対して、製造業への依存度が高いアジア全体の停滞感を織り込んだ結果かもしれない。
つまり、アジア株の回復には製造業の回復がポイントになってくるだろう。



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イランと北朝鮮の違い

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昔の話だが、ブッシュ大統領が世界を混乱に陥れる「悪の枢軸(Axis of Evil)」と呼んだ国が三つあった・・・イラン、北朝鮮、イラク。
9.11のテロ後、アメリカはテロ支援国家やテロ組織と関係している国家に照準を合わせ、対抗姿勢を強化した・・・そしてイラクのフセイン体制は核開発の証拠もなく軍事介入で消滅させられた。
残るのはイランと北朝鮮だが・・・この両国は対照的なほど、米国の扱いが違っている。
その後、民主党政権ではイランの核合意に見られるように国際連携でイランの核開発を凍結したのに対して、北朝鮮は金正恩が実兄を殺害し、ミサイルを打ち上げ、核実験を繰り返す「悪の枢軸」のままの行動に突っ走り、グローバル社会から非難を受けていた。
しかし、トランプ政権で大きく流れが変わった。
トランプはイラン核合意から離脱する一方、北朝鮮には歩み寄り、首脳会談を3回も行った。
この違いはどこから来たのだろうか?

まずイランだが、イスラム教シーア派の大国でシリアやイラクなどの国家、ヒズボラなどの過激派組織につながっているとされる。
この地域ではアメリカの支援を受けているイスラエルが台頭しイランを対峙してきているし、サウジなどのスンニ派諸国もイランへの警戒を強めている。
しかしながら、そこに現代のシルクロードとして一帯一路を進める中国が、旧シルクロードの要衝だったペルシャ=イランにラブコールし接近してきた。
このイランー中国のラインがこの地域の背後にあって、そのため、米イランの一段と対立が深まっているのではないだろうか。

一方、北朝鮮は歴史的に中国依存が髙かったが、金正恩政権になってから距離を置き始めていた。
そんな状態でトランプ政権が登場し北朝鮮との距離感を縮め、3回にわたる米朝首脳会談を行った。
もちろん、朝鮮半島の非核化への大きなチャンスということもあるし、朝鮮半島の中国の影響力を抑えておきたいという動機もあるだろう。
北朝鮮と中国の関係を希薄化させ、朝鮮半島と周辺地域から中国包囲網を強めるということだろう。
米国は朝鮮半島、沖縄、台湾、グアムという中国包囲網を考えているのかもしれない。

というわけで、イランも北朝鮮もその背後にいる中国との関係で両国の扱いが変わってきている・・・仮説だが・・・。
中東ではイスラエルーサウジアラビアー米国のラインで、イラン-中国に対抗していくということだろうし、逆に朝鮮半島では北朝鮮-中国のラインを弱体化させることで、朝鮮半島全域での米国の影響力を高める。
人権や宗教の問題では、人権抑圧の独裁者の北朝鮮か、一般社会の上に宗教家が君臨する宗教独裁のイラン、どっちもどっちというか、両方とも全くお話にならない国だ。
また、核開発や生物兵器や化学兵器などの殺人兵器問題でも同じ穴のムジナで、大きな差はない。
でも、米国と中国の二大パワーの衝突の一断面で、これがトランプ政権の両国の扱いの違いを生じさせている・・・米中の衝突は、貿易問題から地政学的な問題へ焦点が移っていくのかもしれない。


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債券バブルと東証REITの関係(3)

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REITは二つの特性を持っている。
一つは金融商品としての特性で、株式や債券の伝統的資産に加え、ヘッジファンドやハイイールド債などのオルタナティブ資産とも比較される。
もう一つは不動産に投資するビークルとしての特性で、不動産市場の動向に影響される。
前回は東証REITを金融商品としての見方から考えたが、今回は不動産投資という視点から東証REITを考えてみたい。

半年ちょっと前、12/16のウィークリー雑感で「不動産バブルへGO」を書いた。
オフィスの空室率は日本の主要都市すべてで過去最低水準に低下し、需給が極めてタイトな状態だ。
空室率の6月の数字を見ると、東京1.72%、大阪2.33%、名古屋2.09%、福岡1.79%、札幌2.29%など、東京と札幌ではわずかに上昇したが、大阪・名古屋・福岡は低下し、全国的に空室率が過去最低水準にある。
この要因として、(1)IT系企業のスタートアップの増加、(2)社員の交流スペースの増加など、オフィス環境の向上、(3)スモールオフィスやWeWorkなどのコ・ワーキングの増加など、新しい起業や新しい働き方がオフィス需要を生み出している。
当面、空室率は低水準で推移すると見込まれている。

空室率が低下すれば賃料は徐々に上がっていくが、そこにはタイムラグがある。
入居企業が賃料の改訂時期に値上げをしていくことになるので、今の空室率の低下が来年や再来年の賃料改訂に影響してくる・・・今後も賃料の上昇が続いていくことになる。
上場REITの決算を見ても、賃料はだいたい5%程度で上昇しているケースが多い。
空室率の低水準ともに賃料の上昇も不動産の価値を高め、これがREITの内部成長をけん引していく。
組入れた不動産価値の増加が、REITの価値を引き上げているといえる。

しかし考えておく必要があることは、不動産とREITは違うという点だ。
たとえば、上場REITの財務状況は健全で、LTV(借入金/不動産総額)を見るとほとんどのREITで40%台であり、過大な借入金を抱え込んだREITは少ない。
厳格にLTVを管理しているREITが多く、この面からはREITは比較的安全な投資対象だ。
しかし、不動産市場全体は、高層オフィスビル、高層タワーマンション、ホテル開発などなど、開発案件が激増している・・・当然、不動産融資も増加しているはずだ。
REITではLTVがきちんと管理され、財務内容が健全であっても、その元にある不動産市場が過熱し過大債務に陥る状況になれば、REIT価格は影響を受けてしまう。
したがって、REITは安全と言いながらも、不動産市場に気を付けておかなければならない。

また、REITの運用会社についてもよく吟味する必要がある。
運用会社の運営方針や考え方、また、トップの不動産市場に対する見識・経験などは重要な指標となる。
保守的な運用を心掛けているREIT、積極的に外部成長を取り込んでいこうとするREIT、REITの運用方針にもかなりの違いがあるからだ。
どちらが良いという話ではないが、不動産市場の立ち上げり局面ならば積極的運用方針のREITの方が外部成長力があるだろうし、不動産市場が成熟化した局面では内部成長を中心にした保守的な運用方針のREITの方が安心できる。
不動産市場の局面によって投資するREITを選別する必要がある。
そのためには、REITの決算発表時に運用会社の役員が決算説明会を開くので、そこで経営陣の考え方にじっくりと耳を傾けることだ。
実際の説明会に参加できなくても、HPから説明会の動画を見ることができる。
直接、声を聴き、考え方を知る非常に良い機会となるはずだ。
次回は、今、気になっている不動産市場のリスクについて考えてみたい。


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中国、恐怖の家族写真

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この写真は中国のニュースサイトである大紀元から拝借したものだ。
真ん中にいるのが20歳の大学生で、一緒に映っているのは、彼の両親、祖父2人、祖母1人、曽祖父母2人、と合計8人。
中国インターネットでは「恐怖の家族写真」と呼ばれ、また、「一人っ子政策」を忠実に守る家族はすべて同じ家族問題に直面すると話題になった。
つまり、本人はもちろん「一人っ子」だし、彼の父母も当然それぞれ「一人っ子」になるので、その上の尊属である祖父母3人(一人は亡くなっている)や曽祖父母2人も老後の面倒を看なければならない。
特に中国では儒教の影響か慣習なのか分からないが、息子は両親を介護するのは当然の事とされている・・・これが息子の大きな負担になっている。

少子高齢化では最先端を行っているのが日本だが、実は中国の高齢化のインパクトは日本を上回る・・・中国の人口は14億人と日本の10倍以上なので、高齢化のインパクトも10倍以上だからだ。
さらに日本では介護制度もあり、特養老人ホームも増えてきているし、民間の介護付き老人ホームも多く作られ、高齢化社会に対して日本は準備をしてきたが、中国では介護施設なども今後の課題だ。
ワシも経験したが、老親の介護はたいへんな重労働で、介護保険や介護施設、または介護ヘルパーさんたちの力を借りずに自分だけでやるのはかなりハードだ。

しかし、中国では高齢者は60歳以上と日本より低年齢で高齢者の枠に入るが、すでに60歳以上(高齢者の範疇)の人口は2億3000万人に達し、毎年800万人以上が60歳以上の人口に加えられていく。
高齢化の先進国、日本でも65歳以上の人口が3000万人程度で、中国の高齢化のスケールがものすごい事になってくると分かる。
さらに「一人っ子」がそれに輪をかけてくる・・・若手の中国人には将来の祖父母や両親の介護の負担が大きくなるし、中国人のカップルで「一人っ子」同士の結婚だと、夫婦二人で4人の両親を、さらに、8人の祖父母の面倒を看ていかなければならなくなる可能性もある。
巨大な高齢者人口とともに「一人っ子」政策による歪みがダブルで社会問題になってくるだろう。
中国人も楽じゃない。


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投資と税金の話(2)

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投資リターンを税引き後で考えることは、個人投資家として最も重要なことだ。
個々人によって給与所得も違うし、配当額もキャピタルゲインも違うので一概には言えないが、実現益(キャピタルゲイン)と配当、税金をすべて考えて、もっとも有利な組み合わを選ぶべきだろう。
特に長期投資では税金をいかに減らすかが、最終的なリターンを決定する。

たとえば、自分で積み立てる場合とiDeCo(確定拠出年金)で積み立てる場合を比べてみよう。
話を簡単にするため、毎年30万円の積み立てを20年間するとしよう。
単純化するために、株式や外株に分散投資をして平均リターン3%を得ると仮定すると・・・
この場合、初年に30万円を投資し、3%のリターン9000円を得る。
2年目には合計60万円の投資+前年のリターン9000円で18000円のリターンを得る。
3年目には30万円×年数の投資+前年までのリターン合計に対して3%リターンを得る・・・これを続けていくと、20年後、元本の合計が600万円に対して、投資収益の合計が230万円(複利計算)になり、積み立て資産(元本+投資収益)は830万円になる。

もし、これを普通の証券口座で投資すると、キャピタルゲイン課税20%として、20年間合計で46万円の税金を払うことになる・・・というわけで税引き後の積み立て資産は786万円に減ってしまう。
もし、iDeCo口座で投資すると、このキャピタルゲイン課税がなくなり、46万円の税金を節約することができる。
さらに、毎年の掛金30万円が所得控除になるので、所得税が10%の人なら毎年3万円の税金を節約できる・・・もし所得税率20%の人なら毎年6万円の税金を減らせる。
こうした所得控除によって、人により税率により異なるが、60万円から120万円の税金を節約できるわけだ。
つまり、キャピタルゲイン課税の減少46万円+所得控除による減税分60万円~120万円で、合計106万円から166万円の節税になる。

iDeCoのような長期の非課税投資は、これだけ税金面での優遇を受け取ることができる。
同じ年率3%の投資リターンでも、20年後に定年退職した時、約786万円だけを受け取る普通の人と、節税分を含めて約890万円から約950万円を受け取る非課税投資の人と、大きな差が出てしまう。
これが節税の複利効果で、長期の非課税投資の強みだ。
長期投資は節税をよくよく考えることで、はじめて最大限のリターンを得ることができる。
お互いに税金をよく勉強しよう。

参考までに年30万円、3%収益で20年積み立てた場合の数値例。
  積立金 3%収益 収益合計 課税
1 30.0 30.9 0.9 0.2
2 60.0 62.7 2.7 0.5
3 90.0 95.5 5.5 1.1
4 120.0 129.3 9.3 1.9
5 150.0 164.1 14.1 2.8
6 180.0 199.9 19.9 4.0
7 210.0 236.8 26.8 5.4
8 240.0 274.8 34.8 7.0
9 270.0 313.9 43.9 8.8
10 300.0 354.2 54.2 10.8
11 330.0 395.8 65.8 13.2
12 360.0 438.5 78.5 15.7
13 390.0 482.6 92.6 18.5
14 420.0 528.0 108.0 21.6
15 450.0 574.7 124.7 24.9
16 480.0 622.8 142.8 28.6
17 510.0 672.4 162.4 32.5
18 540.0 723.5 183.5 36.7
19 570.0 776.1 206.1 41.2
20 600.0 830.3 230.3 46.1
単位万円


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韓国の上から目線がウザイ

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おそらく韓国では日本や日本人に対してリスペクトしたり、親しみを持つことは禁じ手なのだろう。
レーダー照射事件でも日本の航空機にレーダーをロックオンしても言い訳ばかりし、なんと、最後は日本の航空機が異常接近したと、問題をすり替えて日本が悪いと反撃した。
今回の輸出規制やホワイト国の認定解除にしても、日本が証拠もなしに韓国に輸出規制したとか、徴用工問題の報復を貿易でしたとか、すべて日本が悪いという論調にすり替えられている。
どうもまともに論理で話ができない相手になってしまった。

韓国の元駐日大使が「道徳性や善悪の二面性では解決しない」(韓国日報の日本語版)と発言した。
はっきり言って・・・「道徳性」って何???、「善悪の二面性」って韓国が「善」で日本が 「悪」ってこと???・・・と感じた。
この元駐日大使の韓国人は、おそらく、日韓関係を改善したいために正直な意見を言ったのだと思う。
でも、この言葉は日常的に使う言葉から乖離し過ぎていて、全然ピンとこない。

内容をよく読むと、「道徳性」とは、過去の日本統治時代に日本が韓国に対して行った反道徳的な事を意味しているということが、なんとなく分かった。
つまり、「反道徳的な日本や日本人」に対して、道徳性としての正義は韓国にある・・・これは過去も将来も変わらないので、いつでも「道徳的な韓国や韓国人」は「反道徳的な日本や日本人」を見下すことができる・・・という韓国人の意識だ。
「善悪の二面性」とは、こうした「反道徳的な日本や日本人」は絶対悪で、「道徳的な韓国や韓国人」は絶対善だという二面性を表しているということだ。

これが韓国や韓国人の、普通の、当然の意識だとしたら、
日韓関係には大きな壁が存在する。
これでは、お互いが理解し、歩み寄って、信頼関係を取り戻すという段階は見えないぐらい遠い。
こうした意識があるからこそ、韓国はいつでも「上から目線」で日本に発言するのだろう。
しかも、下っ端の小役人まですべてが「上から目線」なのが困りものだ。

日本が韓国の輸出管理の問題があるとして、3品目の優遇を解除、韓国を優遇リストから外すと発表した・・・・これに対して、韓国が自ら不正輸出を調査し、結果を公表し、再発防止策を決めて、日本に報告する・・・そして、輸出規制を元に戻してほしいと嘆願する・・・というのが本来の筋だ。
でも、この当然の筋を無視し、逆ギレして日本が悪いと叫ぶ・・・なんか、駄々っ子を相手にしているみたいで、後味が悪い。
そもそも、戦後の韓国経済は、賠償協定による日本の経済援助、民間レベルでの公式の技術移転、日本の民間技術者が韓国企業に技術情報を流したことによって、「漢江の奇跡」と呼ばれる発展をした。
にもかかわらず、「恩を仇で返す」韓国には呆れ果てる。


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消費税、もう一つ別の視点

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今回の参議院選挙では、野党からすれば絶好の攻め手が消費税の10%への引上げなのだろう・・・ということで、テレビでは大学の先生が出てきて、あーだこーだと無駄な議論をしている。

所得が増えない状況では予算制約があるので、消費税の引き上げ2%分だけ消費が減少するのはあたりまえの話だ。
そして、消費者がおカネを使わなくなる分、経済活動全体が縮小し、カネ回りが悪化する。
肝心なのは所得が増えているのか、減少しているのかということで、所得が増えていれば問題はない。
しかし、少子高齢化が進む日本では、所得の伸びが低く、そこに消費税を増税されたら、もちろん経済は悪化する・・・野党はそこを攻撃するのだろう。
・・・でもこれは一面的な見方にすぎない。

もう一つの別の視点は税の公平性という点だ・・・この点からは、消費税ほど公平な制度はない。
(1)所得税をほとんど払っていない金持ちの高齢者からも徴税できること。
高齢者は年金とアルバイト的な仕事をしてわずかな給料をもらっている場合が多い。
そうなると、年金に源泉徴収があるが、アルバイトを合わせても年収が低く大した課税できない・・・都内に大きな家を持ち、多額の貯金を持っている高齢者でも払っている税金は、固定資産税や利子配当課税ぐらいだ。
お金持ちの高齢者に課税する手段は消費税ぐらいしか残っていない。

(2)自営業者など、すべての所得を正確に捕捉ができない人たちからも徴税できること。
昔はトウ-ゴウ-サン-ピンと言われたが、サラリーマンが源泉徴収で10の税金を取られるとしたら、自営業は5の税金、農家は3の税金、政治家は1の税金しか取られないという意味だった。
自営業者には経費が大きく認められるし、農家はそもそも出荷量=売上を正確に把握できないし、政治家はカラ出張やヤミ手当とかいろいろあるのでほとんど税金を払わない。
今では税務当局の徴税能力が上がっているので、少しはマシな社会になっているだろうけど、やっぱり所得税で100%源泉徴収されるサラリーマンが圧倒的に不利だ。
その点、消費税は、サラリーマンだろうが、自営業者だろうが、農家だろうが、政治家だろうが、すべての人に公平に課税できる。
だから、消費税を増やして、所得税を減らすことは税の公平性を高める。

(3)所得税を払わない不法労働や不法滞在の人たちからも徴税できること。
さらに問題なのが、不法滞在などの外国人で、不法労働や不法滞在は全く課税できない。
国内に220万人の外国人が住む時代・・・そして、さらに外国人を増やそうとしている時代。
当然、こうした所得税を課すことができない人たちが増えてくるのは間違いない。
英国のVATという消費税は20%以上だが、これは移民が多く課税できないために消費税で徴収するという考え方で税率をどんどん引き上げた結果だ。
日本も同様の状況になりつつあるだろう・・・消費税を上げないと公平に課税できない社会になろうとしているのではないだろうか。

物事を一面的に見てはいけない・・・消費税を経済学者の視点だけで見るのではなく、財政学者の眼から見ていくことも重要だ。
もし、消費税を20%にして、その分、所得税を大幅減税したら、日本人はどう思うのだろうか?


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ウィークリー雑感(7/14 パウエルの不確実性)

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先週はFRB議長のパウエル氏の議会証言が注目された。
結論は7月末での利下げ可能性がほぼ100%になったということだが、この証言の中で不確実性という言葉を20回以上繰り返し、利下げを正当化する根拠としていた。
でも、彼の言う不確実性が何なのか、あまりはっきりしない。
米中摩擦ならば、交渉の再スタートで不確実性は低下しているはずだし、米経済の失調ならば、経済指標がしっかりしているのでやはり不確実性は減っているはずだからだ。

現在のパウエル氏は歴代のFRB議長に比べて、分かりにくいし、意見がコロコロ変わり、イマイチ信用できない。
最高のFRB議長はグリーンスパン氏だが、その彼の次の議長、バーナンキ氏も決断力に優れたFRB議長だった。
2008年のリーマン危機を受けて、わずか1年数か月間でFF金利を合計5%も引下げ、量的緩和を行い4兆ドル以上の米国債を買った・・・これで米経済はリーマン危機を乗り越えたといえる。
その次のイエレン氏は量的緩和からの出口政策をリードし、何回も連続利上げをしたが、きちんと事前に市場に織り込ませて、株式市場を安定化させた・・・その手腕も見事だった。
しかし、現議長のパウエル氏は、その言動も不安定で、その政策の理論的な根拠も不明確だ。
だから、中銀の独立と言いながら、どうもトランプ政権に忖度しているようにしか見えない。

NY市場はそのパウエル議会証言を受けて大幅に上昇し、2万7000ドル近辺の最高値を突破した。
これでトリプルトップを上抜けたわけで、大きな分岐点を越えたといえる。
6/21に「アメリカの株式中心主義」で書いたが、いよいよ、NY市場のPERの上昇が顕著になっていく局面に入ったようだ。
そして、NY市場のPERが上昇し、経済ファンダメンタルとの乖離が広がっていく・・・重要なのは、株式市場が期待する通りに経済ファンダメンタル、特に企業業績が上昇していくかだ。
そうでなければどこかで限界を迎える。



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裁定取引の都市伝説

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今年に入って、東証の裁定買い残が減少傾向で、6月には3000億円を下回った。
最近は5000億円だが、過去3兆円や4兆円の残高があった時と比べると過去最低水準といえる・・・この数字を評論家がよく話題にしている。
指数裁定取引とは、株式指数の先物と現物の価格差が広がった時、割高な指数な売って割安な指数を買う、その価格差を収益化する取引だ。
そんなに難しい取引ではないが、なぜか、都市伝説のような誤解が多いのもこの取引の特徴だ。

代表的な例だが・・・
(1)裁定買い残の下限が3000~5000億円で、これは株式指数の底値圏を示すという説・・・典型的な都市伝説のたぐいだろう。
裁定買い残が増加する時は、先物に大口買いが入り上昇し、現物価格を上回る・・・そして、先物を売る=ショートすると同時に現物株のバスケットを買う=ロングにする。
つまり、裁定買い残が増える時は先物に買いが入っている状況なので、裁定買い残がカラカラになれば、次に爆発的に増える、そして、株価は上昇する・・・ということらしい。
しかし、残念ながら、裁定残の動きは「主」ではなく「従」なので、先物に大口売買が入って大きく動くことが先で、それに裁定取引が追随していくに過ぎない。
だから、裁定買い残が過去最低水準だからと言って、先物の大口買いが入るわけでないし、底入れとは限らない・・・因果関係が逆転している。

(2)裁定買い残が増加する時は外人が日本株を買うという説。
これは正しい時もあったが、いつも正しいわけではないので、都市伝説みたいなものといえる。
外人でもヘッジファンドやCTAのような業者は基本的に先物をよく使うので、彼らが先物買いを仕掛ける時もある・・・そんな時、彼らの仕掛け的な先物買いで、スプレッド(先物と現物の価格差)が広がり、裁定買いが入り、株価指数が上昇したこともあった。
そういう意味では正しいのだが・・・先物の仕掛け人が必ずしもヘッジファンドやCTAなどの外人である必要もない・・・日本の投資家が仕掛ける場合も十分にある。
だから、外人買いと裁定残の動きがいつでも同じように関係しているわけでもない。

(3)「裁定買い残-裁定売り残」のマイナスは、投資家心理も極端な弱気を示すという説。
直近、7月5日現在では、裁定売り残が9583億円、裁定買い残が5124億円となっていて、「裁定買い残-裁定売り残」は、-4459億円・・・だから、市場心理は弱気が極まり、買い戻しで上昇すると言う。
昔は信用売りで裁定売りポジションを組んでいたが、今は証券会社が信託銀行などから直接株式を借りて売るケースが多い・・・裁定取引のコストが下がり、裁定売りを組みやすくなっている。
裁定売り残は、もちろん、先物が上昇しスプレッドが広がるならば利益が上がるので解消していく・・・あるいは、先物をロールオーバーせずにSQを使えば損益チャラで解消できる。
だから損失覚悟で現物株を市場で買い戻すのはありえないので、裁定売りの解消によって市場が上昇することもない。

東証が開示している裁定取引を行った業者の一覧表を見ると、5月まで主要な業者であったドイツ証券が裁定取引から撤退したようだ。
ゼロ金利でスプレッドが広がらず裁定取引自体の収益性が低下しているため、裁定業者は野村、みずほ証券など数社しか残っていない。
これも裁定取引の衰退を示しているのかもしれない。


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民主化の香港、立法化の台湾

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香港での民主化デモが続いている。
今までは香港島のセントラル周辺でのデモが多かったが、これがカオルーン(九龍)地区へと広がりを見せている。
香港では主要な政府関連ビルやオフィス街は香港島にある・・・その香港島の反対側にあるのがカオルーン地区で、もともと九龍城があったり、男人街や女人街があったり、オールドでチープな香港の良さが全面的に出ていた街だった。
今では、最新の高層ビルが次々と建設され、伝統的な香港の街といった感じも徐々に失われてきている。

そのカオルーンで、23万人が参加したデモが行われた。
ここは中国深センと繋がっている地区で、多くの本土人がいる地区だ・・・というわけで、直接、北京政府にアピールするためのデモだったのだろう。
北京政府はすでに暴力化したデモに対して厳罰を与えろと香港警察に指示しているようで、逮捕が相次ぐ厳しいデモとなってしまった。
今回の香港の民主化運動は、香港の民主主義下で育った若者が、自分たちの将来を自分たちで選択したいという当然の感情がその元にある。
香港返還時に認められた一国二制度も、承認期間の半分が経過してしまい、香港の若者にとっては「中国との一体化」が現実的な問題になりつつある・・・そこの緊迫感が根強く、簡単には終わらないだろう。

一方、対照的なのが台湾だ。
台湾は国民党の蒋介石が建国した中国で、人民軍の建国した共産党中国とは基本的に異なっている。
しかし、中国共産党は台湾は自分のものだ(一つの中国)と主張して、台湾に圧力をかけている。
一つの中国か二つの中国なのか、今後、どう動くかは予断を許さない状況だ。
しかし、台湾の立法府が次々と対中国の法律を制定し、独自の戦略で動いていることは注目できる。
すでに先月19日には「国家安全法」改正で、中国の情報機関に協力しスパイ活動を行う公職員や軍関係者に厳罰を与える・・・
7月3日には「両岸人民関係条例」改正で、一定レベル以上の公職員や軍関係者に共産党や中国軍が行う活動への参加を禁じ、「国家の尊厳を損なう行為」として罰を与える・・・
さらに公職員が退職後3年間は中国本土へ行くとこも規制される。

台湾は中国共産党による影響力の浸透を強く警戒し、特に公職についている高官、台湾軍の一定レベル以上の軍人に対して、中国共産党から距離を置くように法制化した。
独立した立法府による法律化なので、北京政府も全く介入できないかった。
もちろん、台湾にも親共産党の政治家もいるだろうが、これで大きく活動が制限されることになる。
次の台湾総統を決める選挙も今年あるので、台湾は大きく動き出す可能性が高い。
これが香港の民主化運動にも影響していくかもしれない。



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日本企業も、指名解雇の時代へ

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ドイツ銀行の株式トレーダーなど1万8000人のリストラが話題になっている。
週明け8日に世界でもっとも早く解雇通知を出したシドニー、そして、シンガポールや香港・・・などなど、ぐるっと世界を一周するリストラの波が始まった。
ウォール街ではリストラ対象社員は食堂に集められ、解雇と退職パッケージの通知の入った封筒を受け取り、それで、自席に戻る事なくオフィスを出ていく。
外資系金融では見なれた光景で、私物を詰めた段ボール箱を抱えて、高層ビルのオフィスから歩いて出ていく・・・よくニュースで見られる場面だ。

外資系社員には日常茶飯事なので、特に驚いて騒ぎ出す人や泣き出す人もいない。
整然と出ていく光景が、世界中の金融都市で見られた・・・この規模のリストラもすごいとは思うけど・・・それを受け入れて整然とオフィスを後にする姿もすごいな。
こうした光景を見る度に、昔のエコノミストをしていた親友を思い出す。
彼が外資系のエコノミストをクビになったのは2008年にリーマン危機後のことだった。
会社が日本ビジネスの縮小を決め、それに伴ってリストラを行ったのだが、実に退職パッケージはすごかった。
まず、退職金として年収1年分を受け取り、さらに、月次給料を12か月間もらうというパッケージだった・・・合計年収2年分を受け取ったと言っていた。
指名解雇が厳しい日本で、円満に解雇するためにはこのぐらいの退職パッケージが必要だったということだろう。
しかし、そこは贅沢が染みついた外資系社員、贅沢三昧で1年もするとすべて使ってしまったという。
その後・・・・しかたなく、恩師をたよって大学の講師になり、外資系に比べたら超安月給で長時間働き、最後は身体を壊して数年前に亡くなってしまった。

日本ではずっと指名解雇は御法度で、従業員は守られてきた。
しかし、それは、日本企業の終身雇用制度の下、定年まで働き続けるのが慣例で普通の事であったからだ。
トヨタ社長の「終身雇用の限界」発言もあるが、日本企業が本格的に終身雇用をやめると、おそらく、日本でも指名解雇が可能になってくるだろう。
ましてや、人がやってきた仕事をAIが代替していく時代になれば、2年分の給料を払ってでも指名解雇するという日が来るだろう。
そうなると、日本の労働市場はどんどん欧米化しそうだし、労働者は当然ながら生産性の向上を求められる・・・これがさらに次のリストラを呼び、リストラが広がっていく。
こうした意味では日本企業も大きな転換点にあるのかもしれない・・・そうなれば日本企業の低い生産性も大きく変わるだろう。


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GPIF運用報告の注目点

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厚生年金を運用するGPIFが前年度の運用報告を公表した。
全体のパフォーマンスは+1.52%とカスカスのプラス・・・そのうち、国内債券+1.4%、国内株式-5.1%、外国債券+2.7%、外国株式+8.1%となっており、国内株式のマイナスを外国株式で埋めて、若干のプラスで着地という無難な運用報告になった。
この運用報告の中で、いくつか気になった事がある。

まず、第一に、国内株式のアクティブ運用がボロボロになっている事。
国内株式全体ではー5.1%だが、、TOPIXが-5%で東証指数の下落が最も大きな下落要因だ。
しかし、アクティブ運用を見ると、TOPIXを1.6%下回る、-6.6%とかなり悪い。
業種別比率を見ると、銀行や卸売り(総合商社など)が東証指数に比べオーバーウェートになっており、アクティブマネージャーはPBRの低い業種を狙ったバリュー投資で失敗したのかもしれない。
マネージャーの変更が行われるかもしれない・・・運用会社は戦々恐々となっているはずだ。

第二に、国内株式のパッシブ運用の特徴だ。
GPIFはパッシブのベンチマークを多様化してきたことで、面白い結果が出ている。
TOPIX-5%を基準にして、良かったベンチマークは、MSCIジャパンESGが-2.8%、S&PGIVIジャパンー3.9%などが注目される。
環境意識の高い欧州ではESG(環境・社会・ガバナンス)が有効でESG投資が流行してきたが、このGPIFの結果により、日本でもESG投資が広がってくるキッカケになるかもしれない。
もう一つのGIVIは、ベータ値(市場に対する感応度)の高い30%の銘柄を除いたベンチマークで、ボラティリティの低い銘柄が中心になっている。
つまり、市場の波乱の中で低ボラの銘柄が相対的に良かったというわけだ。
ESGや低ボラは個人投資家にも有効なスマートベータであり、利用しない手はない。

第三に、国内債券のパフォーマンスはこれから悪化することだ。
前期は米国金利がピークアウトし債券利回りが低下=債券価格の上昇となったため、債券のキャピタルゲインが増加、パフォーマンスを支えた。
しかし、すでに10年債の利回りはマイナスとなっていて、今期は苦しくなる。
しかも、事業債を16.7%(ベンチマークはわずか1.7%)も組入れており、クレジット・リスクを高く取っているため、株式市場が下落すると事業債でも損失が発生する可能性が高い。

第四に、外債や外株だが、米国依存が明確になったことだ。
外債では米ドル債を54%(BM44%)と大幅にオーバーウェート、逆にユーロ債を22%(BM40%)を大幅にアンダーウェートしたが、これで米金利の低下でプラスになった。
外株でも米国中心にソフトウェア/サービスを15%(BM10%)と大幅にオーバーウェートしている。

個人のiDeCoの運用比率と比べて参考にできるし、ESGや低ボラなどのETFも利用できる。
GPIFの知恵を使うと、個人の運用ももっと面白くなる。


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債券バブルと東証REITの関係(2)

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日銀の量的緩和で日本国債はマイナス金利が定着し、さらにFRBの緩和姿勢への転換で米長期金利も急低下し、機関投資家特に年金基金などの運用難は一段と厳しくなっている。
JPモルガンの「企業年金運用動向調査」は116の企業年金にアンケート調査しまとめたものだが、この調査でも大きなポートフォリオの変更が確認された・・・オルタナティブへの資産配分が全体の21%となり、初めてが国内債券のウェートと逆転したという。
オルタナティブ資産とは、伝統的な株式や債券とは違ったリスク・リターンを持つ資産のことで、具体的にはヘッジファンド、不動産ファンド、インフラファンドなどだ。
日銀のマイナス金利で国内債券が十分なリターンを上げられなくなり、企業年金は国内債券への資産配分を減らし、ヘッジ外債やオルタナティブ資産(不動産ファンド、インフラファンド、ヘッジファンドなど)を増やしてきたわけだ。

国内年金の運用難は厳しい。
国内債券に代替できるような安定したリターンを上げられる商品は、米ハイイールド債(為替ヘッジ付き)、ロングショートなどのヘッジファンド商品、不動産ファンド(REITを含む)ぐらいしかない。
そのうち、USハイイールド債(BBB以下)はまだ6%台の利回りがあるが、ドル建て商品であり為替ヘッジすると日米金利差2%を取られ、実質4%台になってしまう。
日本株のロングショート商品はだいたい2~3%程度のリターンで、東証REIT指数は3.8%の利回りだ。
インフラファンドは長期で5%以上の利回りとされているが、短期の換金はできない。
USハイイールド債を使ったヘッジ外債でも4%、国内のREITで3.8%なら、私募REITなら4%以上あるかもしれない・・・不動産ファンドを買う方が簡単で説明もしやすい。
・・・というわけで、円建て商品で4%前後を上げられるのはREITなどの不動産ファンドしかない。
ここに資金が集まろうとしている。

JPモルガンの企業年金調査でも、ここ数年でオルタナティブ資産に資金が流入してきている背景には機関投資家の運用難があるが、これが不動産市場にどう影響しているのかを次回は考えてみたい。


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老後の資金不足問題の胡散臭さ

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老後の資金不足2000万円という金融庁の報告書がかなりに批判を浴びた・・・しかし、豊かな老後を過ごすにはそれなりのおカネが必要になるのは当たり前の話だ。
でも、この話題が胡散臭いのは、背後にこれで儲けようとしている業界や企業の陰が見え見えだからだ。
老後の不安を煽って、貯蓄商品や投信や保険商品を売り付けよう・・・ひと稼ぎしようという意図が見え見えで、しかも金融庁もグルになって個人をだまそうとしているようにしか見えないところがなんとも胡散臭い。

証券会社出身のワシが言うのもなんだが、昔の日本の証券界には顧客の迷惑も考えず、営業数字を上げるためだけに仕事する営業マンが数多くいた。
顧客をだましてでも回転売買をさせて手数料収益を上げた社員が評価され、顧客の事情を考えて親身になって行動する社員は収益性が低くリストラ対象になってきた・・・つまり、生き残っている営業マンや出世した役員たちには、多かれ少なかれ、客をだまして収益を上げてきた人たちもいるだろう。
今は違うかもしれないが・・・

老後資金の問題は、金融庁や銀行・証券によって誇張され、危機感を煽られ、何かしなきゃと思わせることが問題だということに気がつかないと・・・騙されてしまう。
騙されないためには・・・老後、最も重要なことは、自分の使えるおカネで暮らしていくということだろう。
国民年金(基礎年金)は毎月1万6000円を25年間支払い(現在は10年に短縮)、老後毎月6万円程度もらう制度だが・・・掛金合計(25年として)は480万円で、毎月6万円受け取ると80か月以上(7年以上)もらえば掛金を取り返せる・・・つまり、長生きすればするほどプラスになる、割と有利な制度だ。
そして、この国民年金だけでも、一日2000円で暮らせば、毎月6万円で暮らせる計算になる。
これを基準に自分が老後何をしたいかを考えて、おカネを上乗せして貯蓄していけばいい。
車を持ったり、旅行に行ったり、ゴルフをしたり、高級レストランで食事をしたり・・・これらはおカネがかかる・・・そうしたい人は、住居費、娯楽費、交通費などの上乗せ分を考えて老後の設計をすればいいという話だ。

つまり、いくら年金があるからといっても、おカネの使い方で大きな差が出る。
年金が少なければ、少ないおカネで生活できるように考えればいい・・・実はそれだけの事だ。
ただ、難しいのは生活水準を引き下げることで、今まで普通にしてきた生活水準を続けたいと思うのが人情だ・・・贅沢に慣れている人は老後、それだけおカネが必要になる・・・そういう人にはiDeCoとかNISAで非課税投資をしていくことが最も良いと思う。
くれぐれも老後の不安を煽ったようなセールス・トークに騙されないことだ。
老後はそれぞれで、個々人の生活スタイルに合わせた考え方が重要だろう。


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ウィークリー雑感(7/7 NYの新高値とFRBの利下げ)

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6/21に「アメリカの株式中心主義」を書いた。
通常は経済ファンダメンタルが株価を動かすが、トランプ政策では株高が経済の先行き期待を作り出し、将来の景気が良好だと認識させる・・・株価が景気の先行き期待を作り出すという政策だ。
その柱はFEBパウエルの圧力を掛けて利下げ期待を市場に浸透させること、自分の蒔いた種である米中摩擦についてトランプ・ツイートによって市場の期待をコントロールすることの二つだ。
そして、トランプ・ツイートは成功し、さらに7月のFOMCでの利下げがほぼダンディールになってきた(利下げしなければ株が暴落しかねない)ことで、NY市場は史上最高値を更新した。
でも、株価が最高値のある現在、このパウエルの利下げをどうみるべきなのだろう?

12年前の2007年8月、サブプライム危機の最初の兆候が現れたのがパリバ危機だった。
低所得層への住宅ローンであるサブプライム・ローンを証券化したMBS(住宅ローン証券)で運用してきたBNPパリバのファンドが急激な解約と現金化に見舞われ、しかも解約を凍結したことに不安に感じた投資家が起こしたパニックがパリバ危機だ。
その時、NYダウは14000ドルの最高値(7月)から一瞬急落したが、9月に入ると、事の重大性を認識したFRBが緊急利下げを行い、FF金利5.25%から4.75%へ大幅に引き下げた。
そして、NYダウはFRBの利下げを好感して10月には14162ドルの新高値を付けた。
その後もFRBは利下げを続け、2008年12月までに0.25%へと、わずか1年4か月で合計5%のFF金利のj引き下げを行った。
しかし、NYダウは2007年10月の最高値を上回ることなく、2008年3月には11740ドル、2008年11月には7552ドルと下落していった。

当時とは経済環境がまるで異なる。
しかし、利下げが効果を発揮し株高が起こったのは、2007年9月の利下げ、その一回だけだったという事実は重要だ。
つまり、連続的に利下げをするようならば、その背景の経済が急速に悪化しているはずで、2回目以降の利下げでは経済ファンダメンタルの悪化により株も売られるということを示している。
従って、もっとも重要な事は、経済ファンダメンタルがどのように変化していくかであり、これが株価の決定するということだろう。
米国のファンダメンタルは堅調だが、米中摩擦の相手、中国にはややキナ臭い気配も感じる。

中国経済に対して強気の評論家も多いが、米中摩擦もあり生産基地としての中国は明らかに終わり、欧米の主要企業はベトナムなどの東南アジアへ生産シフトし始めている。
そうなると、中国国内では、今までの過大な投資、それを支えた過大な借金が企業収益を生まなくなり、重荷になってくるかもしれない。
中国の膨張した不動産市場、急拡大した住宅市場、過去の膨大なインフラ投資・・・これらの債務の処理が必要な時期に差し掛かっていると思われる。
米リーマンブラザーズの関連損失は60兆円にも達したとされるが、中国の過大債務は300兆円とも400兆円と言われている。
リーマンショックのような危機ではないだろうが、中国経済が債務調整に入る可能性は高い。
その場合は世界経済全体も調整色が強まってくるだろう。


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日本の「深慮」と韓国の「勘違い」

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日本の半導体素材3品目の優遇措置の廃止で、韓国は大騒ぎになっているらしい。
確かに日本としては、慰安婦合意の勝手な破棄、レーダー照射事件での言い逃れ、徴用工裁判でも過去の合意の破棄・・・と続いた不信感があり、韓国をホワイト国から除外するという判断になったのは理解できる。
でも、半導体素材3品目も韓国への禁輸ではなく、普通に審査を通らないと輸出できないというだけの話だ。
これが将来の日韓関係にどう影響するかでマスコミは右往左往をしているが、実際、サムスンやSKにとっては対応可能な問題だろう。

現代の企業は多国籍化しているので、韓国本国への輸出が制限されても・・・たとえば、サムスン電子の巨大工場はベトナムにあるので、日本から半導体素材を直接ベトナムに輸出すればいいだけだ。
サムスン電子はDRAMにしてもフラッシュメモリーにしても日本の技術を使って世界シェアを取ってきたので、半導体材料・素材の供給だけでなく、半導体製造装置など生産技術も日本に頼っている。
今回の3品目だけでなく、製造装置も将来の対象になる可能性もあり、サムスン電子などにとっては大問題になるはずだ。
しかし、韓国外に生産を移管してしまえば、国籍による規制はあまり効かない。
現在はスマホの組立が中心になっているベトナム工場に半導体生産、スマホ部品の生産を移せば、これらの規制を回避できるだろう。
しかし、韓国内の生産や輸出には大きな影響を及ぼす。
つまり、この規制により、サムスン電子もSKハイニックスも韓国外で半導体生産を増加させることになり、韓国内の生産は空洞化し、韓国内の雇用は減少する。
サムスン電子やSKハイニックスは多国籍企業として生き残れるが、韓国内の工場や施設で働いている韓国人はリストラなどの厳しい状態に陥ることが予想される。

国境のない企業と、国境に制限される政府、その差が歴然としてくるというわけだ。
そうした意味では、もし、サムスンの株価が暴落すれば「絶好の買い場」になるかもしれない。
でも、韓国経済の浮上は難しい・・・中小企業や内需企業が成長していない韓国では、財閥系の大企業が生産移管したら、残念ながら国内の雇用や景気は大きな影響を受ける。
これが日本政府の隠れた意図ではないだろうか?
つまり、非常識な文在寅を失脚させるために輸出規制を仕掛けた・・・さらにホワイト国から韓国を除外し圧力を掛ける・・・でも、サムスン電子やSKハイニックスは多国籍企業として生き残るので、彼らの取引先の欧米企業などには悪影響はない・・・WTO提訴しても誰も韓国を支持しない。
結局、韓国の国内生産の空洞化を促し、韓国本国経済は苦境に陥いる・・・これが日本政府の本当の意図かもしれない。
これが韓国政府の非常識を変えるキッカケになればいいと思う。


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投資と税金の話(1)

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投資で配当をもらったり、うまくいって儲かった時、税金をしっかり取られる。
この税金はネットの投資リターン(コストから税金からすべて差し引いた最終利益)を決定する大きな要因になるのでバカにできない。
通常、配当と実現益の合計(トータルリターン)の2割程度は税金で取られるので、3%のトータルリターンを上げても、実質的に2.4%のリターンになってしまう。

しかし、高額所得者から見れば、所得税だったら最高税率で45%、さらに住民税10%と合計55%も取られているので、分離課税の20%は天国のようだろう。
たとえば、SBGの孫さん、部下の幹部社員には10億円以上の給料を払っているが、自分は1億円程度しかもらっていない・・・でも、配当収入が60億円以上あり、配当課税の20%、所得税と住民税で20%+なので8割弱は実質的な収入(この例では48億円弱)となる・・・給料をもらうよりも配当を高くして受け取る方がずっと税引き後の収入が高くなる。
だから、孫さんは自分の給料には興味なく、部下にはたくさん給料を出しても、自分には出さないわけだ・・・これは孫さんが聖人君主だからではなく、税引き後の収入を最大化しただけだ。
ちなみに給料でもらっている孫さんの部下は、10億円もらっても6億円を税金として取られ、実質的に4億円強しかない。
でも、普通の投資家には20%の分離課税さえ、パフォーマンスを悪化させる要因になるし、もっと関心を持つべきだろう。

税金を節約することで長期的にパフォーマンスを最大化することを考えてみよう。
まず、配当課税について考えてみよう。
給料や配当などの課税所得の合計が695万円以下の人は、申告分離課税や総合課税を選べば配当控除があるので、配当の源泉徴収(配当収入の15%所得税+5%住民税+復興特別税2.1%)を取り返せる可能性がある。
株の損失がある人は申告分離課税で損失を合算できるし、課税所得の少ない人は特に330万円以下の人は税金を払う必要がなくなる。
面倒だからといって何もしないと、課税所得が少なく確定申告で税金還付があるのに、受け取れないことになるから要注意だ。

次にキャピタルゲイン課税だが・・・
「特定口座の源泉徴収あり」を選択すると、証券会社が損益を管理し、20%の源泉徴収してくれるので便利だ。
でも、譲渡損失がある場合は受取り配当から控除でき、確定申告によって配当の源泉課税を取り返せる可能性がある。
譲渡損失を繰り越しすれば、今年度に譲渡益がなくても、翌年の譲渡益を損益通算して、税金を抑えることができる。

投資とは、最終的な税引き後のリターンを最大にすることが目的であり、譲渡益や配当収入に加え、税金を管理することで達成できるものだ。
投資家は税制をちゃんと理解して、税引き後のリターンを最大化することを考えるべきだ。
ワシは今までサラリーマンで給与所得があったので、配当も譲渡益も常に分離課税を選択し、20%の税金を納めてきた。
しかし、退職後の今、税制をフルに利用して、税引き後のリターンの最大化を実現したいと考えている。


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債券バブルと東証REITの関係(1)

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東証REIT指数が上昇し、過去の高値2015年の1月の1990ポイントに接近してきてる・・・REIT市場で何が起こっているのだろうか?

まずは東証の投資家別売買データで確認してみよう。
買い手は証券自己と金融機関で・・・自己は4月に+438億円、5月に+97億円と買い越し・・・金融機関は4月に+144億円、5月に+104億円の買い越しとなった。
証券自己の買いはREITのETFを組成するための買いと思われる・・・日銀のREITのETF買いが続いているので、その日銀オペに対応したものだろう。
金融機関の買いは純投資と思われる。

一方、売り手は個人投資家と海外投資家で、個人は4月に-89億円、5月に-230億円の売り越し、海外は4月に-717億円、5月に+4億円で2か月で713億円の売り越しだった。
個人投資家はIPOなどで買ったREIT銘柄を売却しているだろうし、REIT全般に価格上昇で利食いに出たものだろう。
海外投資家はここ数年、ずっとREITの買い越しを続けてきたので、その利食いと思われる。

こう見ると、この高値圏でREITを買っているのは、日銀と国内金融機関ということになる。
日銀は別格としても、国内金融機関が史上最高値にあるREITを買い越していることが注目される。
日本の債券バブルがひどい事になってきているからだ。
日銀は量的緩和で国債を買い占めてしまっているため、10年債の利回りはマイナスで運用対象にはならない・・・だから、債券を買いたくても、その中心となる国債、しかも指標銘柄となってきた10年債はマイナス金利で買えない。
そのために仕方なく、機関投資家は20年以上の超長期国債を買ったり、利回りの高い事業債を組み入れ、なんとかリターンを底上げしている。
そして、その延長線上に、利回り商品であるREIT、ヘッジ外債(海外のハイイールド債を組み入れた外債ヘッジ商品)、不動産ファンド(私募ファンドなど)・・・などがある。
債券で運用してきた資金が、こうした利回り商品に流れこみ、その一部の資金が比較的安全な上場REITにシフトしてきたということだろう。
東証REIT指数の上昇の背景にはこうしたことがありそうだ。

しかし、上場REITの時価総額は15兆円弱で、機関投資家が本格的に資金シフトしたら、時価総額がどう見ても足りない。
たとえば、GPIFの日本債券は
全体の28%、金額では42兆円を運用しているが・・・そのGIPFが日本債券から利回り商品にシフトしようにも、上場REITの時価総額では明らかに足りない。
次回は年金などの機関投資家に焦点を当てて、「債券バブルと東証REITの関係」を深堀してみたい。


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日本の「諦め」と韓国の「意地」

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ついに日本政府が韓国制裁に動いた。
半導体の材料、スマホの有機ELに使われるフッ化ポリイミド、感光材であるレジスト、フッ化水素の三品目の韓国への輸出を規制した。
慰安婦最終合意を自分勝手に破棄され、レーダー照射事件でも言い逃れ、元徴用工判決では過去の合意や考え方を勝手に変更し、司法の独立を尊重するとバカな事を主張した韓国。
これらの問題に対して、日本政府はずっと我慢し、粘り強く、韓国政府に対応を求めてきた。
しかし、韓国政府はまともな解決策を提示せず、まるで日本政府を無視してきた。
ついに日本政府も、まともな解決策が韓国から出てくるという事を「諦め」たのだろう。
これが、今回の制裁という形で現れた・・・日本国民は全員、賛成している。

ところが、韓国はこれを「意地」で返してきた。
(1)この程度の輸出規制は、韓国企業にとっては想定済みで、この三品目は大きな在庫を持っている。
だから、この程度は韓国企業にとって在庫調整でしかない・・・全く効かない・・・事実を知らない日本政府の無知を示しただけだ。
(2)G20で自由貿易の原則を確認した安倍政権が、自らの方針を反故にして、保護主義的な政策を取った・・・全く矛盾していると言いたのだろう。
(3)徴用工裁判という独立した司法判断に対して、関係のない輸出規制で対抗してきた・・・この事自体が意味わからない、バカげた対抗策だと言う。
(4)韓国はこの不公正な貿易規制をWTOに提訴することに考えている。
・・・韓国のマスコミの論調を見ていると、こんな反応だ。

まず言えることは、この三品目の輸出規制が長期化するにつれて、韓国が在庫整理だと強がりを言っても、サムスンやSKには大きな影響を与えることだ。
次に、これは保護主義ではなく、国際ルールの沿った対応をしない韓国に対する制裁であることを韓国の政府もマスコミも勘違いしている。
そして、朴槿恵の弾劾や裁判でも見られる通り、韓国の司法はもともと独立してないし、韓国政府、韓国の国民感情の代弁者でしかない。
さらに、この「司法の独立」という言葉を、韓国政府はどういう理屈で主張できるのか、全く理解できない。
さらに65年の日韓請求権協定に基づいた紛争処理スキームである第三者の調停を韓国が無視しながら、自分はWTOに提訴するという愚策・・・ありえないほどの自己矛盾を韓国人はどう説明するのだろう。
韓国のマスコミなどの反論は、いずれも、大きくピントがずれているとしかいえない。

おそらく、これまでの忍耐と粘り強い交渉から、「諦め」の境地に達してしまった日本を軽く見ているのかもしれない。
この規制は日本政府の最初の意志表示であり、日韓関係では大きな分岐点となると思われる。
これで徴用工問題などで進展が見られなかったら、さらになる制裁を課すだろうし、韓国がエスカレートしてくる場合などには一段と強硬な政策が取られるだろう。
日本政府は占領の記憶から韓国に対して歴史的な負い目を持っていて、過去、ずっと韓国に対して甘い対応をしてきた・・・これが日韓関係の大きな転換点だと読める。
この韓国制裁は米国の同盟国に対するものであり、米国の了承を受けているはずだ。
となると、米国も韓国への制裁に賛同したことになる・・・どうする?文在寅。


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米朝会談を洞察すると・・・

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衝撃的な板門店での米朝首脳の握手、世界に大きなインパクトを与えている。
メディアでの反応も様々だが、トランプのツイートがきっかけで歴史的な会談が、それも板門店で行われたことに衝撃を受けた。
一日たってマスコミの話を見ると、ツイッターから始まった首脳会談に驚く、SNS社会の新しい会談だ、周りのSPがアタフタしていた(電撃的だった)・・・などなど。
本当に電撃的にツイートから始まった会談なのか、誰かが仕掛け人がいるのか、真相は闇の中だが・・・日曜日のウィークリー雑感で「G20の勝者は習近平」と書いたが、それはワシの洞察の結果であり、正しいかどうかは分からない。
でも、いくつかの断片的な情報から読めることを書いた・・・正しいかどうか分からなくても断片的な情報から洞察することは重要だろう。

いくつかの断片的な情報から考えてみよう。
一つは、大阪のG20会場の廊下でトランプがキョトンとしている文在寅に「親指を立てて、ツイッターを読んだか、一緒に努力しよう」と語ったことだ。
これは、文在寅は板門店での米朝会談についてなんかの予備知識を持っていなかったということで、トランプが次の訪問地である韓国に対して自らが板門店に行くからと宣言したわけだろう。
もし、文在寅が仕掛け人ならば、ツイッターを書く前にトランプから声が掛かり、相談していたはずだ。

次に板門店での米朝会談の前、トランプが板門店の「自由の家」から出て金正恩の待つ38度線に向かう時、文在寅がトランプと一緒に行こうとして制止された・・・この場面が全世界に流された。
これってトランプと金正恩のミーティングにお前はいらないと言われたに等しい。
この場面を見ても、このお膳立てをしたのが韓国というのはありえないと分かる。

もう一つは、外交はギブ&テイクだが、今回の米中会談で中国は次の関税引き上げを回避し、ファーウェイでも前進を勝ち取った・・・では、アメリカは中国から何をもらったのかということだ。
農産物の中国への輸出はあるが、それだけなのか?・・・疑問が残る。
何か、決定的なお土産をトランプはもらったはずだ・・・でも、何も公表されていない。
そのお土産が、板門店で突然の会談だったのではないかと思う。
つまり、習近平がお土産として、金正恩が会いたがっているという情報を与えたということは十分にありえる・・・場合によってはG20後の韓国訪問時に板門店で・・・と示唆されたのかもしれない。
そして、トランプはこの話に乗っかってツイートし、電撃的な米朝会談で歴史に残る米大統領を目指した。

これも推測の域を出ないが・・・ワシの洞察の話だ。
そして、金正恩の非核化の条件が自らの保障であることに徐々に分かってきた。
北朝鮮を攻撃しないという安全保障ではなく、金正恩自身の身分保障となると難しい。
アメリカは金正恩の身分を守るのか、北朝鮮の人権無視、気に入らなければ処刑というとんでもない体制を守るのか、次に待っているのはアメリカにとっては難問の連続だろう。


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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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