
G20は各国首脳同士の直接会談が多く、その全貌はなかなか一般人には分からない。
断片的な情報だけでだが、開催国日本の安倍首相、全体会議での奮闘、精力的な各国首脳との会談が報じられている。
トランプ大統領は相変わらず、得意の口先であれこれ話題を振りまいている。
でも、恐ろしいほど戦略的に動いたのは、習近平、中国主席だという気がする。
トランプ大統領との会談前にも、BRICS各国の首脳と、日本や欧州の首脳と相次いで会談している。
しかも戦略的に動き、BRICSの各国首脳との会談後は、「世界経済を混乱させる保護主義に反対する」とか、「単一国が勝手に行う制裁に反対する」とか、明らかにトランプ氏の包囲網ともいえる一連の会談内容をリークしてきた。
アメリカを名指ししてはいないが、明らかにアメリカの包囲網を作っているように見える。
G20の前に、習近平はロシアに行きプーチンに媚びを売り、北朝鮮を訪問し金正恩に熱烈ば歓迎を受けた・・・これらもトランプ大統領との米中トップ会談を意識した外交であったと思われる。
そして、G20ではもちろん先進国の首脳とも会っているが、新興国の首脳を精力的に会談したように見える。
習近平と中国はG20の前から周到に準備を行い、保護主義的な政策に反対する陣営を増やしてきた・・・そして、G20に入ってからも着実に新興国の首脳を味方につけ、トランプ大統領との首脳会談に向かったのだろう。
これだけ準備され、米国もトランプも一時、習近平の意見を取り入れたということだろう・・・中身がよく分からない会談結果を次々を発表した。
「追加関税は当面、課税しない」とか、「貿易交渉を再スタートする」などで、5月の追加関税以降、途切れていた貿易交渉を再開させ、ファーウェイへの米部品も安全保障に問題がないかぎり販売可能と公表された。
交渉の再開は両者の既定路線だったのだろうし、これで何か進展があるかは分からない。
ファーウェイへ輸出も、米半導体のマイクロンがすでに安全保障に抵触しない製品の輸出を始めるとのアナウンスがあった後で、これで従来の禁輸リストを全部解除するわけではないだろう・・・安全保障という規定をより厳格に管理するということだと思われる。
となると、実質的に何が変わったかというと不明確なので、米国の反中派も特に反対できない曖昧な会談結果となっている。
さらにトランプ大統領が韓国-北朝鮮の非武装地帯で金正恩に会うことも、おそらく、習近平がお膳立てしたのではないだろうか。
習近平の北朝鮮訪問の間にトランプの突然の非武装地帯への訪問が企画され、G20でのトランプー習会談でトランプに提案され、トランプがそれに乗っかったと推測している。
これだけの結果は、習近平の周到な準備工作が功を奏したためといえるのだろう。
その背景にあるのは、米国に対して一定の距離を持つBRICSや欧州諸国、アフリカ諸国、中南米諸国などに積極的な外交をして、トランプ包囲網を作り上げ、トランプ政権に圧力をかけたことで、これにより表向きの貿易交渉の継続を獲得した。
香港の民主化運動家が「香港問題」をG20で取りあげるように運動したが、それも習近平が抑え込んだというところかもしれない・・・なかなかやるなあ、習近平。

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