株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2018年12月

清里の大晦日

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年末年始は大寒波が来るらしい。
仕事納めの28日を前にして、マスコミやテレビで「大寒波、大雪、交通の大混乱・・・」と盛んに言われてきたので、おそらく、帰省する人たちにも十分すぎるぐらいに「大寒波、大雪、交通大混乱」が刷り込まれてきたのだろう。

そうなると、物事は逆になる・・・鉄道や飛行機の利用が増え、高速道路は敬遠される。
29日に清里に来たが、いつもの帰省ラッシュもなく、高速道路の渋滞は全くなかった。
大騒ぎをしてくれたマスコミに感謝しながら、快適なドライブで2時間で東京から清里に無事到着。

清里は夜はマイナス7度ぐらいまで下がり、水も川も土も木も草も凍る。
だけど、晴天が続いているので昼間は霜や氷も解け、暖かい時間で犬も昼寝を貪る。
太陽の光でサンルーム状態になり室温は24度ぐらいまで上昇し、暖房がいらないだけでなく半袖でいられるぐらいの暖かさだ。

この時期の清里は夜が早い。
日没は5時過ぎだが、その前後からすべての物が急速に冷たくなっていく。
そして、蕎麦屋も洋食レストランも入れるのは6時までに入店した客のみで、6時以降は店主の気分次第でいつでも閉店されてしまう。
これを知っている客はちゃんと6時までに行くので、6時前はけっこう満席状態に近く混みあう。
そして、食事が運ばれ食べている時、来店する客に店主が「すみません、今日はもう閉店なんです。」と言っているのを聞く。
早く来て良かったという安堵の表情を浮かべる。

夜は温泉に行くのが楽しみだ。
丘の公園にある「天女の湯」へはいつも歩いて行くのだが、さすがに外はマイナス5度以下になっているので寒く、わずかな距離だが車を使う。
「天女の湯」の露天風呂はちょっとゆるいが、マイナス5度の外気の下でゆったりと湯に浸かると、いつまでも入っていられるような感じだ。
満天の星空を見ながら温めの湯に長時間浸かり、いろんな事をぼーっと考える。
至極の時間を過すことができる。

・・・・こうして1年が終わっていく。



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ゴーンは想像以上にヤバイ奴

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ゴーン氏は想像以上にヤバイ人物だ。
特別背任について続報がどんどん出てきているが・・・・
ゴーン氏が個人資産会社で行った為替スワップ取引で18億円の大損した・・・そして、そのスワップ契約を取締役会の決議を偽装して日産に移した・・・SECからこれはダメと待ったがかかった・・・そして、スワップ契約を自分の会社に戻した・・・しかし、追加担保がなかった・・・サウジ人の金融会社を使って信用補完をした・・・サウジ人に対して日産にあるゴーン氏の専用ポケットから謝礼1400万ドル(15億円)が払われた。

今出ている情報では、簡単に言うとこんな感じだ。
でも、ゴーン氏が自分の損を会社に押し付けたのは間違いないし、それをSECが咎めたため元に戻した・・・一旦着服したおカネを返せば「無罪」なのか?という点だ。
泥棒が1回おカネを盗んで、ダメだと言われたから返した・・・無罪????
ありえないでしょ・・・そういうのを「盗人、猛々しい」と言う。

サウジ人への謝礼15億円は、ゴーン氏は販促やトラブル解消への謝礼で正当なものとしているが・・・一体、何の販促やトラブルなのか?
もし、追加担保に関連してサウジ人が便宜を図ったため、その謝礼だったら日産ではなくゴーン氏自身の会社が支払うべき・・・だって、すでにこのスワップ契約はゴーン氏の個人会社に戻されているわけだから。
ゴーン氏の個人管理会社から信用補完に関して支払いがあるのか調べてみればすぐに分かることだ。

スワップ契約の担保に関連して個人管理会社が関与していなかったら、その時点でゴーン氏の背任だ。


さらにゴーン氏が会社の予算を通さない専用ポケットを持っていたことも極めてヤバイ。
表向きは予算に計上してからでは時間がかかるということだけど・・・ゴーン氏が緊急に使える会社予算外の私的ポケットを持っていたって、おかしくないか???
会社の役員になるとそれぞれの交際費枠が与えられるが、どこで誰と何に使ったかは領収書とともに会社に提出するのが普通だ。
そうでないと、税務調査で交際費やその他の経費とは認められないし、個人の着服と区別がつかない。
日産はこのゴーン氏の専用ポケットをどう会計処理していたのか、わからんし完全に異常だ。
この専用ポケットを調べれば、おそらく、小さな着服が数多く出てくるだろう。
家族で行った旅行費用とか、愛人とした豪華な食事とか・・・エトセトラ・・・

ワシら普通の民間人からすれば、強欲なゴーン氏は日産の私物化で完全にアウト!!!
オーナー会社では、自分の資金を出して作った会社を自分で経営して利益を上げたのだから、オーナーが税金を払ったあとで何に使おうが自由だ・・・でも、オーナーでもない株主でもない単なる雇われ経営者のゴーン氏がこれだけのやりたい放題した事はありえない!!!
しかし、法律の世界ではどうなるのかは今後のお楽しみだ。
ゴーンの特別背任は、少なくとも日本人の法律知識を増やす良い機会になっている。




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2018年大納会を終えて

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2018年の大納会が終わった。
今年はひどい年だったが、これもまた、市場の一つの断面だ。
日米欧の中央銀行の量的緩和でマネー経済が膨張している現在、米FRBに加え、欧ECBも量的緩和の出口に徐々に向おうとしているが・・・実態経済に対して、マネー経済が大きく膨張している今の市場では、中央銀行の微妙な政策調整が求められている。
この過剰なマネーを放っておくと、株式市場でバブルが発生してしまうし、過剰なマネーの吸収ペースが速いと株式市場が下落してしまう。
各中央銀行は隘路に立っているといえるし、来年も中央銀行の政策次第で株価が振れる状態は続くのだろう。

景気拡大を持続させ、過剰なマネーを少しづつ吸収し、金融市場を安定させることが2019年の大きな課題だ。
マネーの拡大局面では株式市場はあふれるマネーの流入で上昇してきたが、マネーが縮小する局面では市場心理の振れが大きく、ちょっとした要人の発言などで株価が乱高下するボラタイルな市場になる。
トランプの発言に右往左往する市場で、強気になったり弱気になったりと忙しい一年だったが・・・こういう時勢だからこそ市場心理にいたずらに惑わされるのでなく、市場実態に合わせた投資を心がけたい。
株価が下がると実態経済も悪化するというのは、因果関係が逆だ。
実態経済の変化があって、それが株価に反映されるわけだが、問題は経済データは後になって出てくるので、その瞬間の実態経済をとらえきれないことだ。
投資家はいろいろ想像力を働かせて過去のデータから現在の実態を推定するしかない。
その想像力が来年は必要になってくるのではないだろうか?

幸いなことに、この正月休みは比較的長く、その間に投資を各人じっくり考える時間がある。
ワシも田舎でスローな正月を過ごし、来年の投資をいろいろイメージ・トレーニングしておきたいと思う。



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空母「いずも」から考える日本語と英語の違い

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防衛大綱が閣議決定され、防衛予算の大幅な引上げとともに護衛艦「いずも」が空母化されると報じられた。
この空母という言葉に野党やその他の自称リベラル人が反応している。
空母というと、海上に浮かぶ要塞、そこから戦闘機が飛び立ち、敵を果敢に攻撃するというイメージが出来上がっているからだ。
でも、元々の英語にはそんな意味はない・・・単にエアークラフト・キャリアーと英語では言う。
飛行機を運ぶ船という意味だけだ。
日本語に訳した時、航空母艦としたことが問題だった。
この日本語訳が意味を拡大解釈し、この奇妙な拡大解釈をもとに勝手に大騒ぎする。

この他、危険な外来語としては、インテリジェンスという言葉がある。
日本語でインテリジェンスというと博学な頭の良い人とかその知識みたいな感じがしてしまう。
でも、英語のインテリジェンスは、もちろん頭がいいという意味もあるが、通常使うのは狡猾で謀略をする人という意味だ。
謀略というニュアンスが一番近い日本語だと思う。

使い方が間違っていると思うのは、例えば、スケルトン。
元々の英語は骨とかがい骨という意味で、なんかおどろおどろしいニュアンスのある言葉だ。
だが、日本ではスケルトンのケース(透明なケース)などと使われている・・・英語ではスケルトンというより、トランスペアレント(透明)だ。

また、よく使われるセンス。
「あの人はセンスがいい」と言ったら、ファッション感覚が良くでTPOに合わせた服装の選び方がいいという褒め言葉だ。
でも、元々の英語の意味は、センス、センサー・・・つまり、察知する能力という意味だ。
センサーはいたるところで使われている・・・温度センサー、衝突防止センサー、人知センサーなどなど。
センスはファッションに関して良いセンサー、流行に敏感なアンテナを持っているという意味だ。
その人の服装選びが良いのではなく、流行に敏感、つまり、ファッション雑誌をよく読み、流行の先端を気にしている人・・・というのが本来の意味になる。

日本語はガラパゴス的な発展をしてきた言語だ。
多くの外来語が混ざり、言語によるコミュニケーションが発展してきた半面、本来の意味と違う外来語も多い。
それによって違った解釈も出てくるので注意が必要だろう。

セリング・クライマックスの見極め方(後編)

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この本が書かれた当時の市場はシンプルな個別銘柄の取引だけが行われる市場だった。
現在は、個別銘柄の売買に加え、インデックス裁定取引、ETFの売買、アルゴリズム取引などが複雑に執行されている市場だ。
こうした複雑な市場でこのセリング・クライマックスはどのように現れるのだろうか?

これらの複雑な取引手法のうち、インデックス裁定やアルゴリズム取引は、短期の売りと買いを繰り返すもので、ポジションの傾き(売りに傾いたり、買いに傾いたり・・・)が比較的小さい取引だ。
インデックス裁定は、先物に売り/買いが入り現物との価格差が広がった時、反対の裁定取引が出て修正するということが多い・・・つまり、売りと買いが組み合わせるので市場には中立的だ。
また、アルゴリズム取引は、一定の条件で売り/買いの発注が出るように設計され、その後、一定の条件で反対売買が出るようになっている・・・短期間ではポジションの傾きが出るが、一定時間後には修正されてしまう。
また、ヘッジファンドが運用しているロング/ショートなども売りと買いの組合せであり、ポジションの傾きはそれほど大きくない。
したがって、これらの取引手法が主要因でセリング・クライマックスが出現するとは考えにくい。

昨日のNY市場が典型的だが、現物株の動きというより、先物とそれから生じるインデックス売買がの動きが市場の方向を決定する。
証券会社のディーラーやプロップトレーダーが一番先にポジションを取るのが先物だし・・・時価が割安だと判断した機関投資家が先物で買いポジションを作り、その後、時間をかけて現物株にスイッチするということも行われる。
価格が荒れたセリング・クライマックスでは一瞬で価格が変わっていくので、現物株の売買は時間がかかりタイミングを逃してしまう・・・当然、個人投資家も買いを入れるだろうし・・・だから、ディーラーも機関投資家もまず先物を使うのが一般的だ。

しかも、誰かが大口の先物買いを入れたというわけではなく、自然に多くの先物買いが入ってくる状態がセリング・クライマックスで、あれよあれよという間に先物買いが集まってくる・・・そして、あれよあれよという間に先物価格が上がり、インデックス裁定が入り、指数が一気に上昇するという展開になる。
昨日のNY市場は「一日の反転」ではなかったが、クリスマスを挟んだ3日間でセリング・クライマックスを見せたと思われる。
でも、日本市場でセリング・クライマックスが起きないと、ホント、全くおもしろくない。
NY市場を追いかけているだけの市場じゃ、つまらない。
来年はもっと日本市場の独自性が出てくると期待。



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セリング・クライマックスの見極め方(前編)

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この本はなんと1969年に書かれたチャート分析の教科書だ。
チャートは学んで忘れろと言われるテクニックで、形のとらわれすぎると失敗してしまう微妙な分析ツールだ・・・しかし、株価の動きから、市場の心理の変化をとらえる・・・使い道によっては便利で簡単な分析手法だ。
株価はランダムに動くので、過去の株価の動きを示すチャートが未来を示すことはありえない。
しかし、株価は市場心理に影響されて急落や急騰を繰り返す・・・これはファンダメンタルでは説明しきれないもので、市場心理の急激な変化が要因だ。
その意味で市場心理の動きを示唆するチャートを見るのは有効といえる。

この本の中に「一日の反転」という言葉が出てくる。
「一日の反転は、恐怖の売りの終わりにしばしば現れる。セリング・クライマックスと呼ばれるが、特別な意味がある。」
「長期的な上昇や下落のあとに数か月間に記録された一日の売買量をはるかに上回る売買量とともに現れる。その日はギャップ(窓)を開けて寄り付き、急激に上昇または下降する。値動きの幅も通常なら2-3日で動く分を短時間で記録する。しばらくの激しい値動きの後、突然の反転が起こる。そこからそれまでとは逆に急激な反対売買が起こり、株価は下落または上昇する」

こうした激しい株価変動は長い間市場を見てきた人は何回も経験している。
売りが売りを呼ぶ、心理的にも非常にキツイ場面で、起こる現象だ。
昔の人はこのセリング・クライマックスを「コツンと音がした」と表現した。
これは「コツン」と株価が底を叩いた音だとされてきた。
ホントに「コツン」という音を聞いたわけではなく、音を聞いたような感じになるほどの急激な市場変化だということだろう。

というわけで、このセリング・クライマックスのクラシカルな条件は、(1)寄り付きから大きな売り注文が出て、多くの銘柄が売り気配となり、ギャップ(窓)を開ける、(2)その後も急激な一方向の値動きで、短時間で2-3日分の動きを記録する、(3)売買高が急増し、過去数か月の一日売買量を大きく上回る出来高を記録する、(4)突然、反対売買が急激に出て株価が反転し、反対方向に急激に動く、ということになる。

先輩ディーラーA氏。
まだ、東証に場立ちがいて体育館のような場所で注文・約定が行われていた頃の話。
このA氏は「場立ちの足音」を聞いてセリング・クライマックスを判断していた。
ドッ、ドッ、という場立ちの足音がいつもより格段に大きく煩雑に聞こえると「コツン」は近いと言っていたのを思い出す。
顧客トレーダーB氏。
当時のトレーディング・フロアーには大きな株価ボードがあり、そこに数百という銘柄の株価・前日比が出ていた・・・赤の表示が前日比プラス、青の表示が前日比マイナスだった。
このB氏は「相場が下がり、表示の赤がどんどん減って青がどんどん増えていく・・・そして青ばかりになると、そろそろ「コツン」が来るぞと身構えたそうだ。
というように、昔はそれぞれがこのクライマックスの判断を経験的にやっていた。
今の電子化された市場は全く役に立たないけど・・・それでも電子化された市場でもセリング・クライマックスは起こる。

昨日24日のNY市場の急落を受けて今日は朝から売り気配の銘柄が多く、しかも寄り付きは窓を開けての急落し、その後は下げ続け、大引けは1000円以上の大幅な下落になった。
しかし、クリスマスで外人は少なかったと言われるが、売買代金は2兆5000億円で通常の範囲だった・・・というわけで残念ながら、セリング・クライマックスの条件には当てはまらない。

でも、インデックス売買が中心になっている現在の市場では、このクラシカルなセリング・クライマックスの条件も変わってきているだろう。
後編では、インデックス売買中心の現在の市場で、セリング・クライマックスがどう起こるのかを考えてみたい。



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日本のホテル、災害からの回復力

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今年は台風の被害あり、地震の被害あり、火事の被害あり、たいへんな年だった。
今年の漢字が「災」となったのも分かる気がするが、その災害をどう付き合うか日本人の大きな課題なのだろう。
地震では、6月の大阪北部地震、小学校のコンクリート壁が崩壊し児童が下敷きになった。
7月の集中豪雨、真備町があっという間に水没、9月の台風21号、タンカーが橋に接触し関西空港が水没し機能を停止、そして、9月北海道胆振地震、北海道全域での停電・・・・

9月の関西空港の閉鎖では、多くのアジアからの観光客が足止めを余儀なくされ、多くのツアーや宿泊予約がキャンセルされ、大阪中心に関西で大きな被害が出たし、同じく北海道胆振地震でも札幌などのホテルではキャンセルが続出し、大きな被害が出た。
特に空港が一時的に閉鎖された関空や新千歳では観光客のツアーのキャンセルが相次いだ。
9月の大阪と札幌の状況から考えてみよう。

大阪や神戸や札幌のホテルの稼働率や客室単価をリートの開示資料から影響を考えてみよう。
9月の客室稼働率を見ると、それまでの80-90%台のほぼフル稼働という状況から一変し、15-25%も一気に稼働率の低下が見られた。
神戸では93.4%→79.1%、大阪96.9%→72.2%と関空の一時閉鎖で海外観光客のキャンセルが相次ぎ、稼働率は10%以上の急低下となった。
札幌でも北海道地震の影響が大きく、91.9%→66.1%と稼働率の急低下が顧客離れの激しさを物語っている。
客室単価(ADR)も前月から4000円程度の下落が見られ、稼働率の低下と客室単価の下落のダブルパンチとなっている状況がよく分かる。
一部屋あたりの売上高は、6000円から8000円程度減少し、ホテルの営業を直撃している。

しかし、この台風21号や北海道地震など災害の影響は、10月には稼働率も客室単価も戻していてほぼ1か月で急速な改善を見せた。
特に大阪のなんばオリエンタルホテルの10月の稼働率は96.2%と大幅に回復し、一気にほぼ満室の状態まで戻した。
北海道はやや影響が長引いた感じで、メルキュール札幌は稼働率は83.1%と年度平均を回復したが、客室単価は12311円と低く、割引きして顧客を集めたといえる。
総合して、災害ダメージからの回復が早いといえるだろう。
もちろん、災害は地域全体にダメージが大きいが、個々のホテルの対応は迅速で素晴らしいと思う。
また、年度平均を前年比で見ると、これほどの災害があったにもかかわらず、神戸では稼働率が前年比プラスだし、大阪と札幌でも2-3%のわずかな低下にとどまっている。
ここが日本のホテルの災害に対する強さだろう。
リートの投資では、災害は大きなマイナス要素となるので、災害からの復旧の迅速さもリートを選別する重要な基準になるだろう。

神戸メリケンパークオリエンタルホテル
Jul-18 Aug-18 Sep-18 Oct-18 年度累計
客室稼働率 実績(%) 85.4 93.4 79.1 86.8 84.1
前年比(%) 1.1 2.7 -5.8 2.7 0.3
ADR 実績(円) 15,577 20,542 16,421 17,075 16,855
前年比(円) -1,808 -902 479 -630 269
なんばオリエンタルホテル
Jul-18 Aug-18 Sep-18 Oct-18 累計
客室稼働率 実績(%) 96.5 96.6 72.2 96.2 92.3
前年比(%) -0.9 -0.6 -22.5 -0.4 -3.2
ADR 実績(円) 19,809 20,401 16,589 18,261 19,419
前年比(円) -1,316 -1,615 -459 -1,958 -219
メルキュール札幌
Jul-18 Aug-18 Sep-18 Oct-18 Nov-18
客室稼働率 実績(%) 88 91.9 66.1 83.1 82.1
前年比(%) -1.1 -0.6 -21.8 -1.3 -2.4
ADR 実績(円) 17,814 17,448 13,505 12,311 13,950
前年比(円) 349 955 -1,476 125 543





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南青山の子供だって自由だ!!!

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南青山の児童相談所の設立で、地元住民が大反対が話題になっている。
アッと驚くのが、住民の考え方だ・・・「貧しい人が住んでもスーパー等の値段が高く、つらい思いをする」とか、「公立学校でもここは特にレベルが高く、(貧しい家庭の)子供が落ちこぼれて苦労する」とか、「子供の着ている服が上から下までラルフ(ローレン)で・・・」とか・・・・
全く、「選民意識・拝金主義の塊り」みたいな親ばかりで唖然とするが・・・・

世の中いろんな人がいて、一部には「選民意識・拝金主義の塊り」の大人もいる。
彼らは彼らの価値観で必死におカネを稼ぎ、中には1億円以上も出して南青山に住むことに人生最大の価値を見出している人もいるだろう。
世の中、きれい事を言っても意味がないし、おカネによって何でも買えるし、人の心や身体だって(もし売る人がいれば)おカネで買えるかもしれない。
おカネが万能だと信じている人も多くいるだろう。
また、ZOZOの社長みたいに巨額の散財を自慢する人もいるし、それを見て凄い!と思う人も多くいる。
どんな価値観を持とうが自由だ。
でも、それは親の話で、子供は自分で考える自由を持つ。
その拝金な親を見て自分も同じになりたいと思うか、その親を反面教師として親と違う生き方をするか・・・それは子供の自由だ。
子供は多様な人のいる環境で自分で考え選択していく。
その子供に親の価値観を押し付けるとしたら、その親は人生の後半に後悔するかもしれない。
子供は親の付属物ではなく、独立した人間だからだ。

昔、小学校のクラスの金持ちのボンボンがいた。
「僕んちのイチゴは最高級のイチゴだから、ヘタまで美味しいんだ。」と自慢した。
そして、その後、悪童どもに、口を開かされ、近所の八百屋でもらってきたイチゴのヘタを口いっぱいに詰め込まれた。
ボンボンは大泣きして家に帰った。
その後、PTA会長の親が怒鳴り込んできたが、悪童たちはお咎めなしだった。
親の心、子知らず・・・だったと、そのPTA会長は悪童たちを問題にしなかった。
昔の風景だ・・・子供と学校と地域が近い関係にあった。

都会では今は違うのだろうけど、田舎ではまだ子供は地域の宝と本気で思っている人が多い。
山梨でも地域の子供の安全は住人の義務だという考え方が根付いている。
田舎では小学生でも学校まで2キロも3キロも歩いて通学する子供が多いので、地域での見守りが大切なのだ。
子供は地域で育てる・・・南青山との違いだな。
でも、どっちいいかは個人の選択の問題だ。



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シャイアー買収の為替への影響、修正および追加

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12月12日のブログ「年末年始、ドル高への思惑」で武田のシャイアー買収案件のディールクローズで円売り要因になるのではないかと書いた。
当方の誤解もいろいろあったので、会社のHPによる開示資料を元に修正をしたい。

買収資金のうち現金支払い分3兆円は、今年5月につなぎ融資で308億ドルを調達したと発表されている。
その後、10月から11月にかけてつなぎ融資に返済のための資金調達が行われている。
5000億円のショートタームローン、米ドル社債55億ドル発行、欧州で75億ユーロのユーロ建て社債発行、JIBC(国際決済銀行)37億ドルのローンなどで、2兆円以上は調達された模様。
この調達資金でつなぎ融資が返済されているはずでつなぎ融資のターム変更がHPで開示された。

つなぎ融資の残金額はよく分からないが、1兆円未満と思われる。
現在分かっているには、円での調達は5000億円でこれはドル転してつなぎ融資の返済に使われる。
その他の社債発行による資金調達は外貨建てであり、円/ドル為替には影響しない。
あと残りのつなぎローンの返済が円建ての調達や手元資金で行われるならば、この部分は円売り要因となったかもしれない。

いずれにしろ思惑としての円売り要因は残るが、実際にどのぐらいの円売り要因だったかはよく分からない。
会社はHPで現金支払いの目途がついたと公表している。
当方の誤解もあり、ご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい。


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ウィークリー雑感(12/23もうはまだなり)

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ほんの3週間前に「まだはもうなり」の話を書いた。
「まだまだ大丈夫」と思っていると、いつのまにか「もうダメだ」に変わってしまう・・・「まだ」はすぐ「もう」に変化してしまうのが市場というものだと書いた。
しかし、ワシもこんなに早くこんな「ダメダメ」状態になるなんて想像していなかった。
こうなると、「まだはもうなり」ではなく、「もうはまだなり」になってしまった。
つまり、「もう止まるか、もう止まるか」と思って市場を見ている間は、「まだ下げ止まらない」・・・投資家が底入れてほしいなと思っているうちは株価の下げは止まらないという意味だ。
むしろ、投資家があきらめて「持ち株をぶん投げ」をしたら、株価は底入れるという皮肉な話となる。

下の表は今回の相場暴落をリードしたFANG系の米IT・ハイテク株の一覧だが、株価下落は悲惨ともいえる状態だ・・・グーグルは23%の下落で一番小さいが、他の銘柄は32%から55%の大幅な下落を記録している。
ここ数年、グローバル投資家はこれらの米IT・ハイテク株を保有しないとパフォーマンス競争で勝負にならなかったため、ほぼ全員のファンドマネージャーがこれらの銘柄をオーバーウェートしているといっていい。
そして、これらのポートフォリオ中心銘柄が崩れた今10-12月期、ファンドのリターンは大きなマイナスに落ち込んだと思われる。
ピークから現在までの時価総額の減少はアップルで4085億ドル=40兆円以上だ。
この6銘柄だけで1兆5703億ドル=160兆円程度と、巨額な損失が出ている計算になる。
もちろん機関投資家の買いコストはもっとずっと低く、実際の損失はもっとずっと小さい・・・でも、四半期という期間損益で大きなマイナスが出ているのは間違いない。

今後、この損失処理が今後の問題となってくる。

列1 ピーク 現在値 変化率 時価総額 損失分 PER
APPL 233.47 150.73 -35.4% 7442 4085 12.66
AMZN 2050.5 1377.45 -32.8% 7143 3490 77.18
GOOG 1273.89 979.54 -23.1% 7048 2118 36.76
FB 218.62 124.95 -42.8% 3834 2874 18.83
BABA 211.7 132 -37.6% 3475 2098 37.75
NVDA 292.76 129.57 -55.7% 824 1038 17.32
アップル、アマゾン、アルファベット、ファイスブック、アリババ、エヌビディアの略。変化率は%、時価総額は億ドル、損失分は時価総額の減少分、時価・PERは直近(12/21現在)

機関投資家は四半期のパフォーマンスで評価されるので、この10-12月期のグローバル株式の運用状況はけっこう悲惨なものとなっているだろう。
これらを大きくオーバーウェートしているファンドマネージャーは、おそらく、四半期が終わる前に処分に出ているかもしれない・・・四半期ごとにパフォーマンスを年金等のスポンサーに報告しているが、その報告会でスポンサーから大きなオーバーウェートが問題にされる可能性があるからだ。
こうした損失処理のための売り切りが株式市場を不安定にしているかもしれない。
だが、一方、少しでもパフォーマンスをよく見せたいという事情もあるので、月末には買いを入れる行動、ウィンドウ・ドレッシング(期末の株価のお化粧)をする可能性もある。
とにかく、ここまでくると株式需給で値動きが荒くなるかもしれない。




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ゴーン特別背任!勝負に出た検察と日産

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ゴーン逮捕の問題について世界中のマスコミがあまり報じていないことがある・・・問題の元凶はゴーン氏だけでなく、ルノーもだということだ。
確かに日産の苦境時に8000億円の資本を提供し窮地に立たされた日産を救済したのは事実だが、それはもう20年近く前の話だ。
その20年間に日産が回復・成長し、生産能力、先端技術、デザイン開発力、販売台数のすべてで日産はルノーを上回り完全に立場が逆転したにもかかわらず、この上下関係は全く変わらなかった。
日産の利益が配当としてルノーの収益を支えてきたし、ルノーの投資案件にも日産が資金を出す形でルノーに日産のおカネを献上させられてきた・・・日産の配当利回りが高いのはこれが理由だ。
車体の共通化によって日産の開発した技術をルノーが無料で使い、日産もどき車を欧州で販売してきた・・・この上下関係を維持したいのが現在のルノーで、逆に日産はこの上下関係を見直したいのだろう。
しかもルノー株のたった15%しか保有していないフランス政府が介入するのも非常に違和感がある話だ。

今回のゴーン氏の逮捕劇は、こうした不平等条約を正す大きな機会で、20年間に渡り搾取し続けられた日産の独立戦争だ。
そう考えると、日産側の役員も検察も徹底的に戦う覚悟があるのだろう・・・それがゴーン氏の特別背任での再逮捕だと思える。
特別背任はゴーン氏の為替デリバティブ取引での巨額損失(18億円ともいわれる)を日産に付け替えさせた容疑だが・・・ゴーン氏の主張はもともと外貨建てで給料をもらうところを円で受け取ったので為替ヘッジをやった・・・だから日産が悪いという理屈だろう。
外貨建て給料支払い等についての契約によっては、自らの損失を会社に負わせた特別背任になるかもしれない。

また、海外に日産の所有する家をゴーン氏と家族が私物化した件も、業務上の必要性があったかどうかが焦点になるだろう。
業務上での使用ならば会長だけでなく日産社員も同行しているはずで、検察は何か握っているのかもしれない。
いずれにしろ、特別背任となると、有価証券虚偽記載どころの話ではなくなる。
検察は全面対決の態勢に入ったということだろう。
いずれにしろ、ゴーン氏の役員報酬も、為替損失の付け替えも、ゴーン氏の海外邸宅も、すべて本来は株主に帰属するべき利益から支払われているわけで、一番怒るべきは日産の株主だ。
株主を無視して勝手な行動を取った取締役会長だったゴーン氏、それを見逃してきた歴代の取締役、すべての役員がガバナんずの欠如の責任を取るべきだろう。

追記)
テレビのコメンテーターが有報虚偽記載は被害者が見えないボーツとした罪で、特別背任は会社が被害者と明確だ話していた。
全く間違っている・・・有報虚偽記載は株主に対する裏切りであり、特別背任も会社ひいては株主に対する背任だ。
コメンテーターがテレビでこの程度のコメントすること自体、日本では株主の権利が理解されていないとが分かる・・・とても残念!!!・・・だから、株式投資はギャンブルと言われる国だと改めて認識する。



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Annus Horribilis(今年はひどい年だった)

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個人投資家にとっては、今年はひどい年だった。
エリザベス女王が1992年の在位40年記念式典で、Annus Horribilis(アンヌス ホッリビリス)とスピーチしたのは有名な話しだが、1992年以上に2018年は日本の個人投資家に厳しい年だった。

まずは、昨年熱狂したビットコインだ。
昨年末には2万ドル/1ビットコイン近くまで暴騰していた価格が春先には6000ドルに下落し、秋に再暴落、現在3000ドル程度まで、6分の1になってしまった。
以前、簡単に時価総額の多い3つの仮想通貨(ビットコイン、XRP、イーサリアム)を調べたが、合計の時価総額は60兆円から10兆円に大きく減少していた(「ビットコインの死」を参照)。
つまり、ピーク時の時価総額から50兆円も縮小した・・・その分大きな損失が投資家で出ていることの証拠だ。
ビットコインはまだ機関投資家の運用対象でないため、その損失の多くは個人投資家に発生したはずだで、おそらく、日本の個人投資家にも数兆円の損失が出ているだろう。

第二に大型IPOの不振。
鳴り物入りでをIPO行った、フリマ・アプリのメルカリ。
上場直後は個人投資家に人気で3000円のIPO価格から大幅に上昇し、6000円の高値を付けた。
IPOで買った投資家は2倍になったわけだが、その後はじり安を続け、IPO価格3000円を割り込み、直近では2000円を割り込んだ。
公募+売り出しで4000万株が上場され、IPO価格3000円で1200億円以上の大型IPOだった。
これが結局、焦げ付き個人投資家の損失になった。

12月には超大型の通信ソフトバンクの上場。
1500円のIPO価格で、親会社の売り出しが2兆6000億円という過去最大のIPOとなった。
しかし、上場後は1200円まで下落し(12/20現在)、2兆6000億円の2割、5000億円の含み損を抱えることになった。
このディールでは孫さんの一人勝ちの状況だ・・・IPOに関わった証券会社も引き受け手数料をもらったわけで勝ち組に入るが・・・個人投資家はほぼすべてが負け組となってしまった。

これだけひどい年も珍しい。
でも、個人投資家だけではない。
機関投資家は四半期ごとのパフォーマンスに一喜一憂しているが、この10-12月期のパフォーマンスは、それこそ、Annus Horribilisだ。
おそらく1月に入って四半期の数字が確定してからだろうが・・・年金もソブリンファンドもヘッジファンドも・・・すべて相当悲惨な数字が出てくるはずだ。
こうなると、これらの損失の後処理が大変になる。
売るに売れずポジションを引っ張るとさらに損失が拡大する・・・心機一転、頑張るためにはポジションを投げなければならない・・・という感じで投資家心理が大きく悪化し、損失から逃げたい一心でポジションを清算することになる。
今の相場はそんな売りが株価をさらに崩している感じだ。



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PayPay騒動、日本でスマホ決済がダメな理由

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PayPay騒動はある意味すごかった。
知り合いでも「これすげえ」と言って、興奮して以前から欲しかった25万円の一眼レフカメラを買った御仁もいた。
100億円の還元ポイントで世の中を動かした孫さんの手腕は凄かった。
でも、これで逆に日本でスマホ決済が進まない理由がよく分かった。
その後にクレジットカードを巡るトラブルが相次いだからだ。
トラブルに対して日本人、特にカネを持っている日本人は弱いということだ。

中国人はたくましく、多少のトラブルをなんとも思わない。
中国の日常はトラブルだらけで、トラブル耐性のない人は生きられない。
ほとんどの中国人はバーコードのスマホ決済を普通に使う。
中国の乞食もスマホを持っていて、寄付はスマホ決済で受け取るらしい。
スマホ決済に伴うトラブルはほとんどの中国人には関係ない。
クレジットカードも持っていなければ、銀行口座にはわずかな現金しかないからだ。
つまり、クレジットカードを持てない中国人たちは、少ない残高の銀行口座で決済するのでリスクも小さいといえる。

日本はクレジットカードが普及しているので、PayPayでもクレジットカード決済を選んでしまう・・・そして、ここに大きな落とし穴があったというわけだ。
通常、クレジットカードでの決済は、クレジット金額の制限はあるものの、普通に数十万円という相当な金額が簡単に決済される。
しかし、その一方で個人のサインが必要だったり、個人の暗証番号が必要でセキュリティは厳しい。
でも、このPayPayではそのどっちも不要なので、クレジットカード番号だけで数十万円という金額が決済されてしまう。
だから、このセキュリティの違いを悪用して、クレジットカードの詐欺が相次いだわけだ。
PayPay騒動の後には、膨大なトラブルの山が築かれた。
悪党たちも抜け目ないのだ。

日本人はクレジットカードを持ち、銀行口座にはかなりな金額の現金を保有している・・・だから、スマホ決済についても相当な安全性を求める・・・だから、スマホ決済は進まない。
この点がトラブルに合っても関係ないカネのない中国人と、トラブルに合ったら被害が甚大な日本人との差なのだろう。

逆に日本でスマホ決済を広めるためには、スマホ決済自体の簡単さや正確さではなく、その支払いの元になるポケットを通常の銀行口座やクレジットカードと分離して、リスクを限定した専用のポケットを作ればいいということになる。
そうして、トラブルの被害をそのポケットのに入っている金額に限定するためだ。
でも、それならSuicaのようなもので、Suicaをスマホに入れてバーコード決済にすればいいのかも???



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ふるさと納税で10%ピンハネされている!!!

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自分のふるさとでもない所に寄付するんかい?というCMもあるが、ふるさと納税は都会の地方税を地方に回すという意味で効果的な政策であるのは間違いない。
現在は返礼率(返礼品金額/寄付金額)を30%以内にしろという総務省の指導があるが、それにしても、寄付金とともにその30%は地元企業の製品売上がなるので、地元にも大きなプラスになる政策だ。

ところが、ふるさと納税を比較してできるサイト、ふるさとチョイス、さとふる・・・たくさんあるが、これらのサイトが手数料として10%を自治体から受け取っているという問題がでてきた。
ふるさと納税の総額は2017年度で3653億円と巨額なので、その10%というと300億円以上がふるさと納税サイトの収益になっているということになる。
これらのサイトはプログラムを開発しメンテするだけなので、非常に美味しいビジネスだったわけだが・・・クレジットカードでも手数料は最大で5%なので、この10%ピンハネは異常だ。
しかもふるさと納税は個人が払っている税金であり、その10%の税金をサイトが着服しているのはやっぱり問題だろ!!!!

そこで意識の高い個人はふるさと納税サイトで返礼品などを確認したら、その自治体のHPに行き、直接納税すればいいのではないかと思う。
ワシは北杜市にふるさと納税をしているが、この北杜市はふるさと納税サイトを使っていない。
それでも北杜市のHPから登録して納税をすると、振り込み用紙を送ってくるので、用紙を使って送金すればオーケー。
ちょっと面倒くさいけど、そんな手間ではない。
しかも、振り込みの領収書をそのまま確定申告に使えるので、自治体からの証明書を待つ必要がなく、この点は簡単で明瞭だ。
自治体にとっては、納税者が直接自治体のHPから納税してくれ、しかも納税の10%を取られないのでずっといいはずだ。
納税者にとっても少し面倒くさいが、自分の税金の10%をピンハネされるより余程いいはずだ。
納税者も利口にならないと、つまらない所でピンハネされてしまう。
油断も隙もない世の中だと実感した。



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孫さんのエヌビディア魔法(後編)

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孫さんのエヌビディア魔法の後編だが、今回はこのゼロ・コスト・オプション取引がエヌビディアの株価をどう影響してきたか、さらにこの取引を解消するとどう影響するのかについて話てみたい。

この30億ドルという巨額のオプション取引は世界でもトップクラスの証券会社しか相手にできない規模だ。
残念ながら、野村でも大和でも日系証券には扱える規模ではなく、たぶん、ゴールドマンかJPモルガンあたりだろうと想像できる。
まず、ソフトバンクが30億ドルのエヌビディア株を買う・・・そして、株価が上昇してきた所で証券会社とオプション取引を行う・・・すると、何が起こるのだろうか?

ソフトバンクには30億ドルの現物株式、プットオプションの買い、コールオプションの売りというポジションができる。
このポジションの損益だが・・・株価がさらに上昇すると、現物株で利益が上がるが、プットオプションの買いがオプション料の損失になり、コールオプションの売りは損失となる・・・というわけだ。
では、この取引を受けた証券会社のポジションはどうなるか?
ソフトバンクの反対で、プットオプションの売り、コールオプションの買いとなるが、さらに、この取引のヘッジのためにエヌビディア株を空売りする必要がある。
オプションだけでは、プットオプションの売りが株価下落時に大きく損失を出してしまう・・・だから、その損失をヘッジするためにエヌビディア株を空売りしなければならない。
つまり、ソフトバンクが株価上昇時でこの取引を行うと、相手の証券会社がエヌビディア株を空売りすることになる・・・株価上昇時ではこの取引によって空売りが増加し、株価の上昇を抑えていくことになる。
ただし、ここで個人投資家は空売りが増えたからといって買ってはいけない・・・この空売りは市場で買い戻しが出てくるような話ではないからだ。
空売り残の急増にだまされてはいけない。

では、もしソフトバンクがこの取引を解消したら、何が起こるのか?
このポジションを解消していくと、逆のことが起こる。
ソフトバンクはエヌビディア株を売却し、プットオプションの買いを売り戻し、コールオプションの売りを買い戻すことになる。
また、相手の証券会社はエヌビディア株の空売りを買い戻し、プットオプションの売りを買い戻し、コールオプションの買いを売り戻すという反対の動きをする。
これが相対で行われるので、お互いのポジションを相殺するだけのことだ・・・だから、市場への影響は中立になる。
結論的にいえるのは、ソフトバンクが保有する30億ドルのエヌビディア株を売却しても、株価にはほとんど影響しないということだ。
ブルームバーグのニュースを見た人が、エヌビディア株を第4位の株主であるソフトバンクが売却すると大変な事になると考え自分の持ち株を売却する、というのは大きな間違いだということになる。



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東名あおり運転、未必の故意で殺人罪だ!!!

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ユーアーギルティ!!!!













東名高速のあおり運転事件の判決が出た。
懲役18年だが、問題となった停止中の危険運転致死傷罪は適用できるかについては、適用しないという判決なので、もう一つスッキリしない。
一応、裁判官は、妨害運転によって生じた事故発生の危険性が現実化した・・・被告の妨害運転と死傷事故との因果関係を認めた。
でも、それなら、被告の妨害運転が予見できる死亡事故を引き起こしたとするならば、そして、その因果関係を認めるならば、これは殺人ではないかと思う。

被告の車が被害者の車の走行を妨害して、東名高速の追い越し車線に停止させられた。
その追い越し車線は、普通、100キロ以上のスピードで車が流れている。
その追い越し車線に強制的に停車させられた・・・ということは、後ろから100キロで走ってくる車に追突される可能性が高いのは、誰でもわかる、子供だってわかる、サルだってわかる。
100キロで走行している車にほんのちょっとでも接触すれば死亡事故になる・・・高速道路での死亡事故では多くの前例があるはずだ。
だとしたら、犯人は意図して被害者の車を追い越し車線で停車させた=追突されて死ぬ可能性が極めて高いことを理解していたはずだ。
そうだったなら、危険運転致死傷ではなく、殺人罪のではないか?

犯人本人が直接手を下さなくても、「未必の故意」による殺人罪というのがある。
「未必の故意」とは・・・確定的に犯罪を行おうとするのではないが、結果的に犯罪行為になってもかまわないと思って犯罪に及ぶ際の犯罪者の心理状態。殺人の場合、明確な殺意がなくても相手が死ぬ危険性を認識していれば、故意として殺人罪が適用される・・・ということだ。

裁判官の言う通りだとしたら、運転妨害が死亡事故と一定の因果関係になるなら・・・このあおり運転事件でも、犯人が被害者の車を高速道路の追い越し車線に停止させたことは、犯人が追突事故で即死の可能性も認識していたということになる。
だったら、殺人罪で、しかも二人を殺した大悪人ということになる。
次の控訴審では、是非、殺人罪で争ってほしい・・・と思っているのはワシだけだろうか?
甘すぎる判決は同様の事件の再発防止にはならないし、まして、危険運転致死傷罪が適用できないのに、懲役18年も理解しづらい。
中途半端な判決のように思える。



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ウィークリー雑感(12/16 不動産バブルへGO?)

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都心オフィスの空室率が2%(東京1.98%)を割れたというニュースがあったが、なんと、27年前のバブル期以来の低い空室率らしい。
全国のオフィス空室率を見ると、仙台は4.55%で比較的余裕がある状態だが、その他の主要都市は名古屋2.90%、大阪2.86%、横浜2.70%、札幌2.32%、福岡2.20%とすべて3%を割れた低い状態にある。
通常、オフィス需給では3%程度の老朽化した競争力のないオフィスビルがある前提で、空室率3%は強固なボトムと思われてきた。
今回、その3%を主要都市が下回り、東京は2%を割れてきた・・・優良なオフィスはほぼ満室状態にあると言っていい。
これは不動産バブルなのだろうか?

オフィス需要が強い要因として、一つは入居企業がIT企業や地方企業の東京進出と多様化してきたこと、第二にデスクワークだけでなく、社員の交流のための共有スペースやカフェテリアなどの用途が増えていること、第三にスモールオフィスの増加とコ・ワーキング・スペース(ウィーワークなど)が増加してきたこと・・・不動産のプロは指摘している。
最近の人手不足の中で優秀な人材を集めようとすると、大手町・六本木・渋谷など、東京都心のカッコいいオフィスで小ぎれいな交流スペースやカフェテリアがあるようなオフィス環境が必要になっているのでないかと思う。
人手不足感が強い(新大卒の取り合い)をしている現状では、当面、このオフィス需給のタイトな状態が続いていくと考えるのが自然な見方だ。

しかし、賃料はバブル期の過熱感とはほど遠い。
東京のオフィス賃料は平均20734円/m2で、バブル期の平均4万円以上に比べまだまだ半値の水準だ。
リーマン危機前の水準は2008年で2万2800円以上で、これまた、現状はリーマン前よりも低い。
この賃料という点ではまだまだバブルとはいえない。
ただ、賃料の上昇率を見ると、中央区(+10.4%)、新宿区(+10.0%)、千代田区(+9.33%)、港区(+7.37%)、渋谷区(+5.28%)と軒並み大幅な上昇を記録している。
特に新築オフィスはここ1年で+10%と二けた上昇していおり、いよいよ、バブル的な上昇期に入り始めたのでないかって感じがする。

2019年は、オフィスの新規供給も40万m2と2018年の60万m2から大きく減少するので、東京のオフィス需給はタイトな状態が続くと予想されている。
オフィス需要は強くしかも供給が限定的とするならば、なんか、久しぶりに不動産バブルが近づいてくる音が聞こえるようだ。
ちなみに2020年の新規オフィス供給は70万m2で供給が増加する・・・2020年は正念場になるが、その前の2019年は「バブルへGO」かもしれない。



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日本の英語教育の謎(4高校生以降)

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高校生の英語の授業というと全く訳がわからない。
高校ともなると普通科、工業科、商業科、その他に別れ、しかも受験から就職まで目的も多様化しているので、全くもって何のために英語の授業があるのか訳わからない状態になる。
自分でも高校で何を習ったのか全く思い出せないし、思い出すのは変な英語を話す年取った太った先生がいたというぐらいだ。
副読本として何冊かの英語の本を読んだぐらいで、何の進歩もなかったとしかいえない。
ヒアリングの授業もあったが、テープの不鮮明な声を聴いているうちに眠くなったという記憶しかないし・・・今でも振り返って思う、一体、あれはなんだったのだろうか?

大学の一般教養の英語はさらに謎だらけだった。
なんか本を読んで訳したり・・・とかやった記憶はあるが、何も身についていない。
大学1~2年の時に週1時間ぐらいの授業があったはずだが、出席する意味もわからず、ろくに出席もしなかったから全く覚えていないのもしょうがない。
まあ、ろくな学生でなかったのが悪いと言われれば、その通りと答えるしかない。
一般教養の英語のほか、経済英語や政治英語の授業があったが、サミュエルソンの経済学を読んで訳したり、政治の原書を読んだぐらいだった。
結局、中学生の3年間、高校生の3年間、大学生の一般教養の2年間、合計8年間、英語の授業を受けてきたが、何も身についていない。

社会人になってアジアの国の人たちと話すと、たいだい1~2年で英語を話せるようになるらしい。
日本人は中学生から10年近く英語を勉強するのにほとんどの人が英語を話せないと言うと、彼らは本当に驚いたように言う・・・なぜ?
この「なぜ?」が日本の英語教育の謎の根本的な謎だ。

大学の英語授業に飽きて、自分で日米会話学院に通った・・・スーパーな英語教育を行っていた。
1か月もすると英語の耳が出来上がり、英語ネイティブの先生の言っている事が普通に聞き取れるようになるし、美人のアメリカ人の先生もいたので、楽しい思い出もたくさんできた。
語学は繰り返しで習得するもので、様々なドリルで繰り返して話すことで、瞬間的なやり取りができるようになる。

そこで理解したのは、高校や大学の英語授業はそれこそ勉強する目的も習熟の方法も意味不明だったから全然だめだったということだ。
やっぱり、目的を明確にして、それに合ったやり方をしないと英語は身につかない。            
英語でコミュニケーションをしたいならば専門の会話学院に通う方が余程いい。
結局、日本の英語教育の一番の問題は・・・目的が不明確だから身につかないといえるのではないだろうか。



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孫さんのエヌビディア魔法(前編)

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ブルームバーグは、ソフトバンクがエヌビディア株を売却する計画だと報じている。
・・・「米中貿易摩擦のほか半導体メーカーの需要や成長見通しの悪化でエヌビディア株は10月のピークから48%下落している。株価急落でソフトバンクは持ち株を手放す方向に傾いた。」
・・・「ソフトバンクは2017年前半にエヌビディア株の保有を30億ドルに積み上げ、4位の株主となった。持ち株はビジョンファンドに移管された。」
・・・「持ち株を積み増しながら株価下落をヘッジできる「カラー取引」を行い、この取引で30億ドルの利益を上げるだろう。」

ソフトバンクがエヌビディアに投資したのは、確か株価が140ドルの頃だったはずで、その後株価2倍以上の大幅上昇し292ドルを付けた。
現在の株価は150ドル台とほぼ「往って来い」という状態で、現物株では10%程度、30億ドルの投資ならば3億ドルの利益にすぎない。
なぜ、孫さんは株価の「往って来い」にもかかわらず、大幅な利益を上げることができるのか?
これはどういうことだろうか?
これが孫さんのエヌビディア魔法で、ブルームバーグのニュースでも出てくる「カラー取引」だ。

カラー取引というのは金利の取引で、キャップ(上限金利)とフロアー(下限金利)を取引するものだ。
変動金利が上限を超えると困る人がキャップ料を支払い、相手が変動金利が上限を上回った分を払うというような取引で、株式のオプション取引に似ている。
これからは想像だが、おそらく株式オプション取引でいう「ゼロ・コスト・オプション」を使ったのではないかと思う。

簡単に言うと・・・
オプションを買うということは、オプション料を支払い(買い、または売りの)権利を買うわけだが、ゼロ・コスト・オプションはこのコストであるオプション料をゼロにする取引だ。
オプションを買うとオプション料というコストを支払い、オプションを売るとオプション料を受け取ることになるので、オプションの買いとオプションの売りを組み合わせればオプション料を払わなくて済むことになる。

現物株であるエヌビディア株を保有しているソフトバンクなので、株価下落をヘッジするオプション取引は、プットオプションの買い+コールオプションの売りという組み合わせになる。
これでオプション料の支払いはなくゼロ・コスト・オプションになるし、株価の下落をヘッジできる。
つまり、株価が下落すると現物株には損失が出るがプットオプションの買いがあるので収益が上がる、一方、株価が上昇するとプットオプションの買いが損失となるが現物株の利益がオプションの損失をカバーするという取引だ。
このゼロ・コスト・オプションをエヌビディア株の上昇に合わせて、証券会社と相対で取引していったと想像できる。
こうすれば、エヌビディア株が「往って来い」になったとしても、株価が高い時にこのオプション取引を積み上げていけば、株価が下落しても利益を上げることができる。
これが孫さんのエヌビディア魔法の正体だろう。

でも、不思議なのは孫さんは「2040年のシンギュラリティ」を目指す長期投資としてビジョンファンドを作ったはずで、なぜ、短期的な株価ヘッジをしたのかという点だ。
ビジョンファンドは単なる儲けるためのファンドに変質していくのかもしれない。
次回、30億ドルという巨額な相対取引がどのようにエヌビディア株の変動に影響したかを考えてみたい。




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隣に外国人が暮らす日常

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入管法の改正案が両院で可決、成立した。
安倍政権は野党議員の質問にもあいまいな回答に終始したまま、詳細を決めずに中身が不明な大枠だけで成立したような感じだ。
細かいところがどう決まるかは今後の問題だが、これらは国会で議論されて決まるものではなく、役人が省令を出して決まるものだ。
そこには国民は不在で知らないところで役人が勝手に決めてしまう。

最大の原則は日本での労働許可を持つ外国人は日本人と同様に人権を持つことだ。
国内の職場で働き、メシを食い、酒を飲み、友人と話し、カラオケを歌い・・・何国人だろうと同じ人権を持つ。
つまり、労働基準法を遵守し、所得税・住民税を払い、健康保険を払い、家族を持ち子供を育てる。
外国人労働者とはいえ、そんな日本人と同じのことをする普通の人たちなのだ。

海外では多民族が一緒に暮らす大都市も多い。
大規模なデモで揺れるパリ・・・フランスはもはやフランク族の文化の香り高いフランスではない。
北アフリカの旧フランス領からの移民が多く、フランス人の10人に1人は移民だと言われている。
移民のうちモロッコ人が15%、アルジェリア人が13%、チュニジアが5%となっている。
EU統合後、ヨーロッバ諸国からもポルトガル・スペイン・イタリアから多くの移民が流入した。
こんな多民族都市であるパリ、イスラム人口も600万人と1割もいる多宗教都市でもある。
当然、貧富の差も大きく、移民失業率も高く、文化や宗教の背景も違い、ちょっとしたことで不満やストレスが爆発し、テロが多発したり、不満デモが爆発したり、社会が不安定化している。

ロンドンも多民族都市だが、パリとはちょっと違っている。
多民族が共存し、それぞれのコミュニティを作り・・・インド人の生活地域、ユダヤ人が多い地域、アジア系や中国人が多い地域などに分かれている。
日本人もバブルの頃はロンドンだけで5万人ぐらいいたが、現在はだいぶ減ったとはいえ、まだ3万5000人ぐらいいるし、英国全体では6万人ぐらいいる。
昔から日本人は日本人学校のあるロンドン西北部に住む傾向があり、やっぱり日本人コミュニティを作っている。
それぞれがコミュニティの中で問題処理をしているのだろう・・・だから、あまりデモとか過激な動きは見られていない。

普通に外国人が隣で暮らす時代になると、東京はどうなるのだろうか?
日本人は単一民族の生活に慣れ、コミュニティが閉鎖的だと言われてきたが、入管法改正後は、ある意味、日本人が外国人に対してどれだけオープンになれるか、その度量が試されるのかもしれない。
日本人が許容する多民族都市の東京は、日本人の「おもてなし文化」が本当の意味で根付いているのか? それとも外面だけのものだったか?によって形が変わってくるのだろう。




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年末年始、ドル高/円安への思惑

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日本の株価が急落しているわりには、ドル/円はあまり動いていない。
普通、NY市場が大幅に下落すると、リスクオフ・トレードが出てドルが売られやすく、円は買われやすくなるが、今回はそういう動きが見られない。
でも、今は一時的にドル/円は特殊な為替需給となっていると思うので、この妙なドル/円の安定をあまり信じない方がいいかもしれない。

一つは米国のレパトリ減税の影響だ。
米国の多国籍企業は海外で稼いだ利益を繰り延べることが認められてきたので、海外に留保された利益が多く3兆ドルともいわれている。
そこに切り込んだのがトランプで、繰り延べルールの廃止とともに現金に15.5%、非流動性資産には8%と、以前の適用税率35%を大幅にカットした・・・米国の法人税率21%を下回る優遇税制だ。
アップル・グーグル・マイクロソフトの海外での米国債保有は2017年末で2200億ドルもあり、それらが徐々に米国内に還流していきている。
トランプに文句を言われないようにするには、この年末までにある程度の金額を還流しようというインセンティブが働いているかもしれない。
ただし、ドル預金やドル建て有価証券を米国に持ち込んでも為替には中立で、現地通貨の預金や有価証券のレパトリがドル高要因になる。

もう一つは武田のシャイアー買収だ。
この7兆円のビッグディールが株主総会で承認され、1月のディール・クローズに向けて資金決済が行われる。
この買収計画では、現金3兆円と新株4兆円分をシャイアーの株主に支払うことになる。
決済までの短い間に現金3兆円が為替市場で円売り/ポンド買いとなって出てくるわけだ。
日本の経常収支の黒字額が月間1兆円ぐらいなので、月間黒字の3倍の円売りが出るということになる。
長期的には大した影響がないが、1か月程度の短期間に出ると、それなりに為替需給に影響する。

米国の多国籍企業の決算期末の要因、武田の大型買収の決済要因などが円売り/ドル買いとして為替市場に一時的に影響している可能性がある。
これを考えると、年明けからは株価とドル/円の連動性が回復してくるのではないかと思う。





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ゴーン氏の給料は高すぎるのか?

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ゴーン氏が有報の虚偽記載で逮捕されてから、企業トップの給料についていろんな見方が話題になった。
海外の自動車会社のトップは20~30億円に給料をもらっているから、ゴーン氏が20~30億円もらうのは当たり前だ・・・という人もいる。
かといって、ここは日本なので日本企業のトップはだいたい1~2億円という給料が多く、トヨタのCEOは5億円だし、高額で有名なソニー会長も10億円で、比較すると、ゴーン氏の20~30億円は高い・・・という人もいる。

ワシら、投資家からすると、役員報酬は決算確定後に株主総会を経て決定されるもので、利益処分案の中身の話になる。
そもそも収益から様々なコストや特別損失や税金もすべて差し引いて最後に残った利益が純利益で、これは株主に帰属すべきものだ。
その純利益から、株主が配当を受け取り、役員が役員報酬を受けることになる。
つまり、これが本来、株主が株主に帰属する利益の中から役員に経営の成果に見合う報酬を与えているという意味だ。
だからこそ、株主が株主総会で経営者への分け前を決めるという形を取っている。
でも、有価証券報告書で虚偽記載があると、株主にはなんの承認もなく、経営者自身が勝手にヤミ報酬を決めているというガバナンス上の大問題となる。
これは株主に対する背任行為だし、日本の株主をバカにしている行為になる。
ゴーン氏は、低レベルな日本企業にはガバナンスなんて関係ない!と思っていたようで、自分が株主よりも上位にいるという行動を取ってきた。

欧米企業でも高成長企業はオーナー経営者が多い。
彼らは創業時から企業を育て、時価総額数兆円の企業に育て上げてきた人たちで、はっきり言って何千億円の報酬を受け取ろうが何ら問題もなく認められる。
日本でもソフトバンクやファーストリテイリングなどはこのカテゴリーに含まれるだろう。
プロ経営者は数年間で企業を立て直し、また、次の別の不振企業のトップになり再建していく・・・という企業再建のプロであり、その成果に対して巨額の報酬が与えられるのも当然だ。
しかし、日本企業で順番に経営者になる社長やCEOにはこうした欧米流のプロ経営者はいない。
ゴーン氏も日産を立て直してからフォードのCEOに転身していれば、プロ経営者として巨額の報酬をもらってもおかしくなかったが、結局、日産に居座り、誰も文句言えないゴーン帝国を日産内部に作ることに専心してしまった・・・だから、プロ経営者とはいえない。

日本の社長やCEOはたまたま順番でなって人もいるし、同期入社の一番でなった人もいるぐらいなので、サラリーマンのトップという意味合いが強い。
プロ経営者ではなく、プロ・サラリーマンなので、報酬1~5億円程度が株主が認める貢献度というところだろう。
ゴーン氏もプロ経営者でなく、やっぱり、ゴーン氏の業績に対して20~30億円は高すぎるような気がする。



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忘れ去られる権利

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以前、たぶんFT紙だったと思うが、ネット社会の問題として「The right to be forgotten」というのを主張していたことがある。
これは「忘れ去られる権利」という意味で、個人データがインターネットの端っこでいつまでも残ってしまう問題を指している。
たとえば自分の名前でグーグル検索をやってみる。
自分の会社員時代の人事異動の情報、フェイスブックやリンクトインの自分の情報、過去に書いた論文や本、さらに若い人たちなら大学の同好会HP、ゼミのHPなどの中にある多くの個人情報が出てくるだろう。
グーグルの検索能力がどんどん上げってきているので、インターネットの端っこにあるような、自分としては全く忘れているような情報が突然出てくることがある。
人間は忘れてもインターネットは忘れることがない・・・これがインターネットの恐いところだ。

たとえば、ある会社が就職時のエントリーシートにAIの格付けを使い、多くの応募者の中から1次選抜をするとしよう。
会社にとってはこのエントリーシートに目を通すだけでもたいへんな作業で、エントリーシートのAI選別は、近い将来、必ず起こると予想されている。
AIはまずビッグデータベースからその会社に合う人材属性を判断する、そして、数多くのエントリーシートからその人材属性に合わない者を削っていくことになる。
その際、インターネットの隅々まで検索してその人物の属性を判断するだろう。
AIは複雑な判断をするので、選別で落とされた人には自分が何で落とされたか理解できない。
そもそもAIは自分の判断理由を説明できない、ブラックボックスの中にいるからだ。
だいたい、応募者は自分を良く見せるようにエントリーシートに記入するが、そのお手盛り情報もAIには簡単に見抜かれるだろう。
ブラックボックスかお手盛り情報かはどっちもどっちといったところで、応募者は全く理由を説明されずに落とされることになる。

おそらく、ここが最も恐ろしいところで、AIがインターネットの隅々まで検索すると、自分も忘れていたような過去が表面に出てくるかもしれない。
たとえば、帰国子女で英語が得意だとシートに書いても実は海外では日本人学校だったとか、スポーツに打ち込んだと書いても実はクラブの幽霊会員だったり・・・隠しておきたい恥部がすべてバレてしまうかもしれない。
現在の自分とは関係ないような過去がインターネット上の残ってしまうことが大きな問題となる場合も出てきそうだ。
だから、個人情報の保護だけではなく、賞味期限切れの個人情報をインターネットから削除することも必要だと思うんじゃな。

運用の世界でもAIが使われるようになるだろうが、一番の問題はAI運用が失敗した時、誰が説明責任を果たし、どう結果責任を取るかが不明な点だろう。
運用の世界のAIについてはまた別途考えてみたい。



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ウィークリー雑感(12/9インカム投資の年)

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今月18~19日に予定さあれているFOMCでは利上げがあるのか?どんなコメントが出されるのか?世界が注目している。
すでにパウエル議長の「中立金利に近い」という発言で、10月に3.2%台を付けてから3%台での動きを続けてきた10年債利回りも3%を割れ、長期金利が低下してきている。
今回のFOMCで利上げは想定の範囲内だが、その後、しばらく金利を変更せずに情勢を見守るという予測をする識者も増えており・・・この12月のFOMCが大きな転換点になってくる可能性もある。

そうなると、米経済の絶好調+FEDの金融引締めの継続+ドル1強体制という基本シナリオがやや変化してくるはずだ・・・といってもリセッションに入るわけではなく、2019年は変化の兆しが出てくる年と位置付けられる。
そういう意味で相場の基本シナリオは、米経済のややスローダウン+FEDの引締め終了+ドルのやや軟化という組み合わせになってくると考えられる。
その場合、以下の三点に注目する必要があるだろう。
第一にFEDの引締めの方向が変わると。米ドル債券への需要が強まってくる。
第二に来年の米企業業績はややスローダウンする見通しになり、株式への期待はやや抑えられる。
第三に為替はドル1強体制が変化し、ドルは軟化する反面、新興国などの通貨が強くなる。

この三つの条件で考えると・・・株式の需要が減少し債券の需要が増加すること、新興国などの通貨も反転してくること、キャピタルゲインへの期待が減少しインカムゲインへの期待が増加することなどが明確になってくると思われる。
特に投資の面で重要なのは今までのGAFAなどの成長株を中心にしたキャピタルゲイン重視の相場から、金利や配当や分配金といったインカムゲイン重視の相場に変わってきそうなことだ。

インカムゲイン重視というと、利子や配当や分配金をもらえる投資対象、つまり、債券、高配当株、リートなどを思い浮かべる人も多いと思う。
でも、利子や配当をきっちりと収益にするには、価格が下がらないことが前提になる。
配当を5円もらっても価格が10円下落したのでは、合わせると5円の損になってしまう。
つまり、価格の変動の大きさ、ボラティリティが高いと、高い利子や配当も収益として実現できない可能性が高まる。

たとえば、外債投資・・・米ドル10年債の利回りは3%程度あるが、ドルが他の通貨に対して強い時はその3%の利回りを実現できるが、もし、ドル安に転じれば為替損が利回りを落としてしまう。
新興国債券などでは10%以上のクーポンが付いている債券もあるが、その国の通貨が下落してしまえばクーポンの10%リターンを実現できないかもしれない。
要は債券利回りと為替変化を掛けて投資を決める必要があるということで、来年もし数%の円高を想定すれば、3%の利回りの米債よりも0.5%の円債の方がいいかもしれない。

たとえば、利回り商品・・・4~5%の配当利回りのある高配当株式やリートに投資する場合を考えてみよう。
高配当株式は通常株価指数よりもボラティリティが低いことが多いが、それでも株式なので年10~20%程度のボラティリティはある。
同じようにリートが分配金利回り5%としても、リートのボラティリティが通常株式より低く5-10%程度なので、ボラティリティ考慮後のリターンはリートの方が高くなる。
だkら、この場合ではボラティリティ考慮後のリターンではリートに投資すべきとなる。
高配当株式でもいろいろあるが、高配当を実現するには低ボラティリティの銘柄の方がいいということになる。

いずれにしろ、インカム重視の投資では利回りの高さとともに価格ボラティリティを考慮して投資を決める必要がある。



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ファーウェイ副会長逮捕の意味

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ファーウェイの副会長が米国の要請に基づいてカナダで逮捕された。
表向きはイランへの制裁に違反したという疑いだが、その背景は、何でもありの無法地帯である中国に対して、先進国がそろって感じている強硬な拒否感だ。

ウォールストリートジャーナルは11/22に「米国政府はサイバー安全保障上の危険性があるとして、ファーウェイの通信機器を避けるように同盟国や説得を試みている」と報じた。
そして、ニュージーランドのスパーク社は、「国家通信安全局の警告を受け入れて5G通信の構築にファーウェイの通信機器を排除する」と発表した。
さらに英通信大手のBTも5Gについてファーウェイ製の機器を調達しない方針を表明した。
日本政府も、政府調達から安全保障の問題があるファーウェイとZTE製品を排除すると発表した。
ファーウェイはZTEと並び、米国では実質的に排除されており、同盟国や友好国全体に中国製品の排除が広がっているというのが現状だ。

その背景には中国製の通信機器にスパイ半導体が仕込まれていて導入した相手国のすべての情報が中国に流れたり、サイバー攻撃の起点となったり、中国製街頭カメラに個人監視機能がついていて導入した国の地域情報や個人情報が中国に筒抜けになっているという懸念がある・・・もちろん、知的所有権を無視した、先進国の通信技術の漏洩も大きな問題だ。
すでに8月の国防権限法で、政府機関とその取引企業でファーウェイとZTEの機器とサービスの利用を禁止し、2社の携帯電話や通信機器には半導体ウィルスが仕込まれており、中国による不正傍受やサイバー攻撃に利用されていると断じている。
ただし、ZTEの制裁とファーウェイの問題には大きな差があることに注意が必要だ。
ZTEの場合は、米クアルコムから半導体を調達し通信機器を製造していたので、クアルコム製の半導体を規制することでZTEの経営に大きな打撃を与えた。
しかし、ファーウェイにはハイシリコンという半導体子会社がスマホやタブレット向けの半導体を製造しているから、米政府は規制できない。
だからこそ、製造でなく、販売の方を規制しようと同盟国に通達を出したというわけだ。

今年は米中の貿易不均衡が問題となり関税引上げ競争が展開したが、来年はいよいよ本丸の中国の無法地帯に踏み込もうとしているように見える。
だから、この動きは一過性ではなく、二つの大きな流れになるはずだ。
一つは、単なる貿易摩擦から知的財産の保護・先端技術の漏洩防止・次世代の技術覇権という本丸の戦いに入ることだ。
もう一つは、米国対中国という構図から、先進国対中国という構図へとレベルアップしていくことだ。
今回、米国発でファーウェイ・ZTE製の機器やサービスについて排除という方針が出たが、多くの同盟国や友好国で受け入れる方向がでてきたことに大きな意味がある・・・今後、何かあれば先進国を含めた対応になってくる可能性がある。




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「理想買い」と「現実買い」の狭間

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東京MXテレビで市場の場況やニュースを放送しているが、その番組キャスターたちが毎日、いろいろコメントしている。
先週、あるキャスターがNY市場が大反発した時、こう言った。

「これから5G通信時代に入り、情報量が飛躍的に拡大する。同時に、すべてのモノがインターネットに繋がるIOTが急速に進む。AIの技術が進化してロボットが人間に代わる能力を持つようになり、自動運転が一般化する。こうした4次産業革命のキーディバイスとなるのが半導体。半導体の需要は爆発的に伸びるのは間違いない。半導体株は最近売られているが、長期の流れを見れば買いだ。」

たしか、このキャスター、半年前に市場が下落する前、ユーフォリア(陶酔感)とともに同じことを言っていたと記憶している。
たぶん、この人の頭の中にはこの「4次産業革命」が刷り込まれていて、いつでも、どんな時でもこのフレーズが口から出てくるのだろう。
でも、この手の確信犯は相場を見る上では厄介な存在だし、相場の局面に応じた柔軟な対応を妨げる要因にもなる。

相場には「理想買い」と「現実買い」の二種類がある。
「理想買い」とは夢を買う相場で、現実化するのが数年先であっても関連会社の株価が急上昇する。
だから、将来の利益を買う・・・つまり、PERが上昇していく局面だ。
「現実買い」とは実際の利益成長を買う局面で、EPSの上昇にそって株価が上昇する局面だ。

半導体のNVIDIAを代表例として確認してみよう。
NVIDIAは孫さんのビジョンファンドも確か140ドル程度の時、4000億円分の株式を購入したはずだ・・・それほど魅力的な会社だった。
言わずと知れたグラフィックチップ(GPU)のトップメーカーだが、GPUはCPUの10倍のスピードがあるとしてAIには欠かせない半導体と考えられている。

株価とPERの動きを追ってみよう。
ソフトバンクが買ってから株価はどんどん上昇し、292ドルの高値をつけたのが今年の9月で、その時にPERは40倍にまで上昇していた。
それが10月の暴落で株価は133ドルまで下落、その時のPERは18倍とほぼ市場平均まで低下した。
もちろん、ビットコインのマイニング事業向けの半導体が減速するなどの悪材料はあったが、要は市場に対する成長プレミアムがはげ落ちたということだ。
この株価下落、そして、市場に対してプレミアムの剥落は、それまでの「理想買い」が終わりを迎えたということを意味する。
「4次産業革命」の物語を信じて将来成長を織り込む高いPERで買ってきた人たちが、一旦、冷静に企業のファンダメンタルに戻って評価したからこそ、この株価下落が起こった。
半導体の「理想買い」が終わり、今後「現実買い」の局面に入るということを示唆している。
おそらく、今後、始まる「現実買い」は企業のファンダメンタルをちゃんと見て買う相場になるだろう。
それこそ、企業アナリストの出番といえる。

このキャスターみたいにいつでも「4次産業革命」物語を信じて、40倍、50倍と高いPERでどんどん買い進んでいく相場局面は終わっている。
にもかかわらず、万年、念仏のように「4次産業革命」物語を繰り返す・・・一般投資家を惑わす大罪といえる。




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やさしい投信運用(7バランス型運用続き)

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iDeCoの運用は、まず長期的に運用成果を出す、次にベンチマーク対比ではなく絶対値でリターンを上げる、そしてリスクを管理し大負けを避ける、という三つが必要だ。
でも、これらは市場リターンに大きく左右されることを覚悟しなければならない。
株式市場は長期的にリターンをもたらす市場だが、そうでない場合もある。
アメリカ株でもNYダウ1000ドルの壁を呼ばれ、1970年から10年間1000ドルを抜けなかったこともあるし、日本株では1990年の高値は39000円水準で28年経っても抜けていない。
つまり、いくら長期投資といってもリターンが上がらない局面もありえるのだ。
今は長期の株式上昇期にあるので、誰でも簡単にリターンが上げることができるが、これが10年続く保証は何もない。

前回話したのは失敗例でもあるが、iDeCoの投資は長期投資なのでできるだけ、ダウンサイドのリスクを減らすように4資産のウェートを変えていくことは重要だ。
もちろん、前回の失敗例のようにドルの下落予想(円高)で外国株と外国債券を減らしたのはいいが、逆に株価の反発と金利低下局面で乗り遅れるということも十分にある。
しかし、これはある意味、必要経費を考えておいた方がいいだろう。
保守的に動くことで少なくとも円高で外国資産が目減りすることを避けられたからだ。

iDeCoの運用では特に重要な事は損失を回避することだ。
損失回避が十分にできれば長期のリターンは必ず上がる。
逆に上昇相場で大きくリターンを上げても、その後の下落相場で大きな損失を出したのではなにもならないし、大負けすると取り返そうとして、さらにリスクを取った(株式のウェートを上げるなど)ポジションにしてしまう傾向もあるので、長期投資では大負けを避けすることが重要だ。
少しづつ少しづつリターンが出ればいいぐらいに思っていた方がいいと思う。



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韓国は自らの情けない過去を直視すべき

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三菱重工を相手取った「強制労働と勤労挺身隊訴訟」の韓国最高裁の判決が出た。
その前には新日鉄を相手取った「元徴用工訴訟」でも韓国最高裁は慰謝料の支払いを新日鉄に命じた。
さらに新日鉄に対して資産の差し押さえを行うと通知、日本政府の見解も知っているはずなのに韓国のエスカレートがすごい勢いだ。
本気で日本と対峙していく気なのが呆れ果てる。

韓国ハンギョレ新聞はこう書いている・・・

「29日、強制動員被害者に賠償せよとの判決を受けた日本の三菱は、“戦犯企業”の象徴だが、日本政府の態度に歩調をそろえ責任を否認し続けている。韓国の裁判所で判決が下されたり、または裁判が進行中の強制動員訴訟15件のうち、7件は三菱重工業が相手だ。三菱相手の裁判が多い理由は、代表的な軍需企業で朝鮮人強制動員にも先頭に立ったためだ。日本が1938年の国家総動員法制定後、強制動員した朝鮮人は70万人以上と推定される。日本の歴史学者、竹内康人氏は、三菱重工業、三菱鉱業、三菱の工場建設に動員された朝鮮人を約10万人と推定する。」

国家総動員法は日本国民を強制的に軍需関連施設に動員するための法律で、多くの日本人が強制的に働かせられた。
問題は当時の朝鮮半島は1910年に日本に併合され、朝鮮人は日本国民だったことだ。
日本人だから日本の法律で強制動員されたわけで、韓国人だけが強制労働の被害者ではなく、日本国内にも多くの強制動員の被害者がいることを忘れてはならない。

そもそも世界が帝国主義だった時代、欧米の列強がアジアの各国を植民地として支配していた時、日本は朝鮮半島を併合した・・・だから、国家総動員法で動員されたわけだ。
半島を支配していた李氏朝鮮の悪政で国内が揺れ自力で解決できず投げ出し、そこをねらって清国が出兵したことが日清戦争を勃発させた。
そして、その後いろいろあり、最終的に朝鮮半島は日本に併合された・・・結局、朝鮮が分裂し虚弱な地域で自力による統治ができなかったことが清国や日本の介入を招いたわけだ。
中国もアヘン戦争で香港を100年間差し出し、マカオはオランダに、インドシナ半島はフランスに差し出し、朝鮮半島は日本に差し出したにすぎない。
それが正しいか悪いことかというと、当時は正当化されたし、現代では侵略は悪いこととされているだけの話で、100年も前の日韓併合を現代の論理をもって当時の善悪を決めても全く意味を持たない。
それ以上に、当時の朝鮮人民は清国とも日本とも戦わず自らを放棄した・・・自分たちの情けなさを帝国主義のせいにして自分を正当化しているだけにすぎない。

同じことが第二次大戦後、朝鮮戦争でも起こった。
韓国人は北朝鮮と中国軍に攻め込まれた当事者だったのもかかわらず、韓国軍は逃げ惑い首都ソウルを捨て逃げた・・・ソウル中心部に流れる、ソウル市民が多く渡っていた漢江の橋を爆破し、李承晩と韓国軍人がソウル市民を犠牲にして逃げたとも言われている。
北朝鮮軍の侵攻に逃げるだけだった李承晩と韓国軍は何もできなかったし、あまりに情けない状態だったのだ。
その韓国を守ったのは日本から派遣されたマッカーサー率いる米軍で、北朝鮮と中国軍を38度線以北に追い込んだ。
結局、米軍は3万人ものアメリカ人の若者を犠牲にして韓国を守った。
だから、朝鮮戦争の休戦協定は北朝鮮と中国と米国(名目上は国連軍)の間で結ばれたわけで、そこには韓国は参加していない。
なぜなら、韓国軍は逃げ惑うだけの情けない人たちだったからだ。

歴史を直視することは、自分たちの情けなさをいかに正当化するかということではなく、歴史を事実のままに理解して自らを反省することだ。



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カショギ事件がアメリカの中東勢力地図を変えた

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まだ最終的は結論が出ているわけでないが、サウジ人ジャーナリスト、カショギ氏の殺害事件はうやむやにされそうになってきた。
当事者は自国内のサウジ領事館でジャーナリストが殺害されるという現場であったトルコとエルドアン、殺害を指示したのではないかという疑惑のサウジアラビアのムハンマド皇太子、一時トルコと揉めていたアメリカ人牧師問題も片付き大きな中東カードを握ったトランプとアメリカの三者だ。
カショギ事件はこの三か国にとって大きな契機になったかもしれない。

トルコはアメリカの同盟国だが、対シリア政策で親アサドのエルドアンと反アサドの米・サウジの対立、政権の支持基盤がムスリム同胞団であることなどでアメリカはトルコに微妙な空気が流れていた。
アメリカ人牧師の拘束は両者の対立を明確にしたが、アメリカとの対立もトルコリラ暴落の遠因になったことも記憶に新しい。
さらにイスラム過激派への支援を根拠にサウジがカタール制裁に動いた時もトルコはカタール支持と対立し、トルコは中東でサウジとも一線を画してきた。
しかし、このカショギ事件ではサウジ皇太子の追求の急先鋒となり世界のマスコミをリードすると同時に、これを利用してアメリカとの関係を改善させることを仕組んだというわけだ。
いつのまにか、サウジ皇太子追求の矛先を収め、アメリカ人牧師を帰国させ、アメリカ関係を改善させてしまった。
ここ数か月のエルドアンの立ち回りは見事だったというほかない。

サウジのムハンマド皇太子は、サウジの内情を知りすぎ、対立王族に近いカショギ氏を煙たく思っていたのだろう・・・チャンスがあれば消したいと思っていたはず・・・で、実行した。
ただ、事件が国際的に非人道的との非難を受けたことが彼の大きな誤算だったのだろう。
事件に関連した18人を逮捕し事件の幕引きを図ったが、思惑どおりに行かず、トランプの軍門に下ったわけだ。

そして、トランプはこの非人道的な殺人事件に対して、人道面から強く非難すると同時にスンニ・ムスリムのサウジとトルコに圧倒的な政治影響力を持つことを考えたのだろう。
というのも、音声データが残っているとしてムハンマド皇太子の殺人指示を明確にしていたエルドアンが途中から黙り込んだし、CIAがムハンマド皇太子の関与を表明したのにトランプ大統領はのらりくらりと態度を曖昧にしたからだ。
そして、その後、アメリカはサウジへの大量兵器輸出で合意し、トルコはアメリカ人牧師を帰国させた。
アメリカはサウジに大きな恩を売り、トルコはアメリカを丸め込むことができた。
このカショギ事件の幕引きがアメリカ・サウジ・トルコの中東強力なラインを形成に大きく影響したことは間違いない。

さらに親米政権であるイスラエルも加えて、この4国がトランプの中東カードとして機能していくことになる。
カタールがOPECからの離脱を表明したが、おそらく、サウジとトルコに組まれたら小国カタールにとっては耐えられない状況に陥るため、先にOPEC離脱で先制パンチを打った。
中東の勢力地図はサウジートルコーイスラエルーアメリカという軸に展開していく・・・トランプは強力な中東カードを握ったと見るべきだろう。
となると、イラン、シリア、カタールなどはどう行動するのだろうか?
トランプの「原油は高すぎる」という一言で原油が下落するのもこの中東カードが効果を発揮しているように思う。




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「まだはもうなり」を今考える

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長年株式市場で運用してきたが、いまだに難しいのがこの「まだはもうなり」をちゃんと実行することだ。
この「まだはもうなり」相場格言の意味は、例えば・・・・・まだ大丈夫だと思っていると、突然、株価が下げ出し下方修正でもう暴落してしまった・・・・というような場合だ。
「まだいける」と思っていても、いつのまにか「もうダメだ」に変化してしまう・・・そこが難しいところだ。

なぜ、こんな格言を言い出したのかというと、ちょうどまだもうかを考えている最中だからだ。
現在の株式市場のファンダメンタルは、(1)日本の企業業績は今上期の二けた増益から今下期には一桁増益かゼロ成長かぐらいまで減速する、(2)米国景気は順調なものの、トランプ減税の効果が一巡し増益率は落ちてくる、(3)中国の10-12月期の景気は落ちてくる、(4)12月のFOMCでの利上げが予想されるが金利の上昇は限界に近い、(5)グローバルにPERは低下し、日本株PERは12倍、PBRは1.1倍と割安な状態にある・・・というところになる。

その中で今年たいへんな思いをした中国、米中貿易摩擦、中国景気を取り上げて「まだはもうなり」で考えてみたい。
米中の関税引上げで中国景気の悪化が予想され、上海市場や香港市場の大きな株価下落を演じた。
もっとも敏感なのは中国の巨大ネット企業、NY上場するアリババと香港上場するテンセントで、両社の株価は40-50%の暴落となったが、11月にはボトムを打ち、底入れ気運が高まっている。

一方、中国経済は7-9月期の数字で見る限り大きな悪化は見られない。
心配された関税引上げ後の米国輸出も二けた増加だし、GDPも6%台半ばの伸び、固定資産投資も順調に伸びている。
しかし、これらは関税引上げ前の駆け込み輸出があったために良かった可能性もある。。
関税引上げの影響がフルに効いてくる下期は、米国への製品輸出が鈍化し、輸出の鈍化は生産の低下につながり、輸出の減少は経常収支の黒字減少につながると予想される。
中国では経常収支の黒字減少は人民元安につながり、当局の人民元買い/ドル売り介入によって、中国国内の流動性は縮小し引き締め効果が出る・・・巨額な負債残高を持つ中国の民間企業には大きなマイナス要因となる。
こうなると、生産の低下、経常収支の悪化、流動性の低下、負債の負担増という循環に陥る。

ただし、上海や香港の株価指数やアリババ・テンセントの株価を見ると、今後の中国景気の悪化を先取りして売り込まれ、織り込みが進んでいるように思う。
アリババのPERは42倍、テンセントは31倍で市場平均よりも高いが、株価の下落で正常化が進み、ちょっと高めぐらいに落ち着いてきているといえる。
では、実際に関税引上げの影響をフルに受けて中国経済指標が悪化し始めると、どうなるだろうか?
そこが「まだはもうなり」で考えているところだ。
株価が先に織り込んでいるから「まだまだ、大丈夫」と考えるか、「もう、すぐに中国経済の実体悪化でグロバール市場は混乱に陥る」と考えるか,悩ましいところでもある。
まだまだ、大丈夫」は危ない兆候でもありえるが、一方、日本は特にPERやPBRが低く割安な状態にあり、先行きの悪化は織り込み済みで大丈夫かもしれないし・・・

G20でトランプー習近平会談が行われ、関税の引き上げは90日間延期され、さらなる対応が図られることになった。
まだかもうかの判断も延長戦に入ったかもしれない。




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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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