株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2018年10月

ソフトバンクの親子上場はカオス(2)

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まず、ソフトバンクのファンダメンタルを今4-6月期で確認しておこう。
営業利益は7150億円のうち、通信のソフトバンク事業が2218億円、ビジョンファンドのSVF事業が2399億円、スプリント事業が981億円、ヤフー事業388億円という状況だ。
通信のソフトバンクがキャッシュフローを稼ぐキャッシュカウ(安定的なキャッシュを生み出す牛)で、ビジョンファンドのSVFはソフトバンクの将来成長のカギを握るというファンダメンタル構造を持っている。
しかし、通信のソフトバンク事業は孫さんは伸びていると主張しているが、国内のスマホ市場も成熟化し、今後、政府主導で通信料の低下が行われると減益になる可能性もあるだろう。
ヤフー事業は今回の子会社上場に紛れ込ませる形で通信ソフトバンク事業に株式を移し、事業再編を行っている。
スプリント事業は黒字化を達成しているが、売上の伸びがマイナスで今後の利益成長期待はない。
総じてこれらの通信・国内ネット事業部門はそれほどの成長は期待できないと思われる。

一方、ビジョンファンドのSVF部門は営業利益の33%の2399億円を計上し順調に伸びているが、孫さんはそのずっと先を見ている。
孫さんの考え方は、シンギュラリティ(技術的特異点)、AIによって機械が人間を越えていく時代に向けた投資を一段と積極化させるということだ。
その時代の中心に、ARMのAI化されたチップが、さらにNVIDIAのクラウドのAI化が地球のインテリジェント化、スマート化を実現するとしている。
ARMのチップ出荷量は+17%の55億個、シェアリングのWeworkやDIDI、ロボットのボストンダイナミックスなどビジョンファンドが出資している会社はたしかに伸び盛りだ。
しかし、NDIDIAの3割以上の下落に見られるように期待が先行しているだけに株価のボラは高い。

こうしてファンダメンタルを見ていると、今回の通信子会社の上場には二つの意味があると思われる。
一つは子会社上場で調達した資金を成長性の高いビジョンファンド部門へ回し、成長性の低い部門から高い部門に資金をシフトさせさらに成長を追求するという意味だ。
ビジョンファンド2号の設立も視野に入っており、ソフトバンクの群戦略(強いコミットメントで完全買収するのではなく、筆頭株主として自由な経営を支援する)を進めていくだろう。

もう一つは流動負債8兆2000億円、長期借入金5兆3000億円、社債7兆2000億円という負債を減らし、財務基盤を改善させようということだ。
ソフトバンクの借入金の大きさは金利上昇局面に入ると問題が多い。
したがって、通信子会社を上場させ、キャッシュを得ることで借入金を減らせることがグループ全体のプラスになるという判断だろう。

しかしながら、通信ソフトバンクの上場はキャッシュカウを部分的にでも手放すことで、ソフトバンクの借金だらけの経営リスクは高まる。
ビジョンファンドも投資先がかなり期待先行であり、金融情勢の悪化(長期金利の上昇=割引き率の上昇)とともに株価の現在価値も低下しやすく不安定化する。
ソフトバンクの親子上場はカオスとしかいえない。




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ソフトバンクの親子上場はカオス(1)

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ソフトバンクが通信子会社の上場計画を進めている。
親子上場は安易な資金調達方法として多くの企業グループが使ってきた「打ち出の小槌」だった。
子会社を上場させて株式の部分売却で資金を調達でき、しかも、50%以上の株式保有で連結対象となり、子会社の利益をグループ利益にフルに連結できる。
上場して資金調達ができて、しかも決算にフルに貢献できる安易な資本政策で人気だったが、コーポレート・ガバナンスの観点からは少数株主の存在が様々な論点を含んでいる。
今回は主に親子上場の問題点からソフトバンクをどう考えるかを、そして次回ソフトバンクの経営戦略の中で親子上場をどう考えるかを話してみたい。

まず、東証の上場基準や特別決議の株式保有比率のしばりがあり、品薄株となること。
東証の上場基準では、親会社や特定の大株主がその上場企業を保有する特定保有比率が85%以下と規定されている。
つまり、子会社を上場させる場合、親会社の持ち株比率を85%以下にする、要は15%以上は子会社上場時に売却しなければならない。
と同時に商法の規定で、連結子会社にするには子会社を50%以上保有する必要があり、さらに、資本政策で(会社合併や分割など)特別決議を必要とする場合66%以上の賛成が必要で、上場後の子会社を完全な支配下におくためにはおくためには、親会社はおよそ70-80%の子会社株式を保有することになる。
つまり、わずか、20-30%程度の株式を上場させるにすぎない。
そして、そのわずかな上場株式が市場で取引され株価を決定してしまうことになる。
ソフトバンクの通信子会社株は相当に品薄株となり、市場での株価変動が大きくなるだろうし、これが親会社のソフトバンク株にも影響するだろう。

もう一つは最近のコーポレート・ガバナンス・コードで少数株主の権利を尊重せざるをえないことだ。
ガバナンス・コードは「株主の権利」「株主以外の利害関係者との協働」「適切な開示」「取締役の責務」「株主との対話」など5項目を定め、上場企業の行動指針をしているものだ。
子会社の上場はこうしたガバナンスコードから大株主である親会社の勝手な振る舞いを制限する。
ソフトバンクのような戦略的な企業には少数株主の尊重は通信子会社の経営スピードに影響する問題となる。
おそらく孫さんの興味はすでに通信ビジネスにはなく、シンギュラリティ(技術的特異点)に向けたグループ戦略に神経集中しているのだろう。
そうなると、さらに子会社上場が裏目に出る可能性があろう。

業界環境は菅官房長官の「日本の通信費は高すぎる」発言以降、厳しさを増している。
確かに通信費を国際比較してみると日本の通信キャリアーの高さが明確なので、通信費引き下げの圧力は今後さらに強まることも予想される。
通信キャリアー全体の収益悪化が予想される環境の下で、通信子会社を上場させるのはいかがなものかと思う。
IPO価格は今後決定されるだろうが、今回のIPOが少数株式の売り出しであり、しかも収益環境の悪化が見込まれる中で、子会社上場に大きな期待を持つ投資家は限られるのではないだろうかという疑問を払拭できない。
やっぱり、この親子上場はカオスだと思う。
次回は、ソフトバンクのファンダメンタルを検討し、孫さんのグループ戦略の中でこの親子上場の持つ意味を考えてみたい。 




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ごみ持ち帰りがトレンド

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田舎にいると、もっとも身近に感じること・・・ごみは捨てる物から自分の中にため込む物になったことだ。
昔から山に行くと、ごみはすべて持ち帰るのがあたりまえだ。
観光化されたハイキング・コースなどでは、ごみ箱が設置されていてごみを捨てて帰ることができたが、今はそんな観光化された山にもゴミ箱は少ない。
山登りでは自然に100%帰るもの以外は必ず持って帰らなければならないことが、暗黙の明確なルールになっているからだ。
山から下りて、自分のリュックを見るとごみばかりでごみバッグ状態になっているのに気がつく。

でも、この山の習慣が田舎だけではなく、都会でも必要になってきたようだ。
プラスチックごみの海洋汚染が大きな問題となり、スタバをはじめ様々な企業がプラスチックごみを出さないように工夫しようとしている。
さらにごみ箱は爆弾テロなどに使われるケースも多あり都会でもごみ箱を道路脇に置くことは危険な世の中になってきたし、さらにオリンピックに向けて厳しくなるだろう。
コンビニでもごみ箱を室内に入れているところもあり、店員の眼の届く範囲に置いている。
これはコンビニ店で購入した物以外を捨てさせないためだ。
駅や公共の場ではごみ箱を置いていないのは自分のバッグにごみを入れて持ち帰れということなんだろうが、きちんと徹底していないと、都会ではポイ捨てしたのをごみ箱がなかったからと言い訳されそうだ。

特に中国人はごみは清掃人が処理するもので普通の人はポイ捨てすればいいという考え方だ。
逆に言い訳として「ポイ捨て」しないと清掃人の仕事を奪ってしまうから・・・ということを言う中国人もいるだろう。
ディズニーランドでは常にきれいに保つため、「ポイ捨てOK」にして多くの掃除人が道路からベンチまですべてをきれいに維持している。
中国は人件費が安いし、ディズニーランドはその分の人件費を入園料に含めているからできることだ。
でも、こうした生活習慣の違う旅行者が多く訪日する時代、日本人にも徹底されていない「ごみ持ち帰り」を観光客に徹底できるのかは問題のような気がする。
中国人の女子学生が民泊の部屋をムチャクチャ汚したことが報道されたが、中国人はごみに対する意識が異なっているので懇切丁寧に説明しないと理解されないだろう。
ごみ用のビニール袋を観光客に配り持ち帰りを奨励するのは今の環境問題を考えると逆効果だし、撥水性のある濡れても大丈夫な紙袋ではコストが高そうだし・・・
プラスティックごみの問題は海洋汚染との関連で指摘されることが多く、プラスティック製のストローをやめるとかが話題になったが、そんな程度の問題ではない。
今、日常の生活なのかで「ごみ、ポイ捨て」をどうやってやめさせ「ごみ持ち帰り」を徹底するか、しかも、日本人だけでなく訪日外国人にも含めた対応策が必要になっている。
東京オリンピックに向けた「ごみ、ポイ捨て」は一人一人の意識が変わらないとけっこう大変な問題になりそうだ。




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ウィークリー雑感(10/28リスクオフなのに?)

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運用関係者が日常よく使う言葉に「リスクオン」「リスクオフ」がある。
これは簡単な言葉で市場の状態を表すことができるから、日常会話では使いやすい。
「リスクオン」とは、ポートフォリオのリスクを高める動きで、通常、株式の上昇、ドル/円の上昇(円安)、金の下落、長期債の価格上昇(利回りは低下)などが同時に起こる現象を指している。
「リスクオフ」はその逆で、株式の下落、ドル/円の下落(円高)、金の上昇、長期債の価格下落(利回りの上昇)が同時に起こる現象のことだ。
「リスクオフ」になり株価が下落するとポートフォリオのボラティリティが拡大するので、投資家は、ボラティリティの低いアセット(長期債券など)や株式価格との相関性の低い(金や商品など)に資金を移してポートフォリオのボラティリティを抑えるような行動に出る。
また、円は経済ファンダメンタルが安定した通貨として「リスクオフ」の市場では選好されドル安/円高になりやすいし、そのドル安が金高と商品高を誘発する。
これが「リスクオフ」を起こす市場メカニズムだ。

こうした現象が大きく市場にあらわれる時は機関投資家や年金などの巨大投資家がアセットアロケーションの変更している可能性がある。
リスクパリティのようなリスクを一定にする機械的運用だけでなく、アクティブ運用でもリスク水準は意識され、日本の年金運用でもリスクが高まる局面では日本株と外国株のウェートをさげ、日本債券を引上げ、外国債券は為替の動きでウェートを変えることは普通に行われている。
価格下落の恐怖心理で本能的にボラティリティの高い資産から低い資産に動かす市場参加者もいるし、もっと長期的視点でアセットアロケーションを変更する機関投資家もいる。
彼らの動きが市場では「リスクオン」「リスクオフ」という変動を引き起こす。

ところが、この10月の株価の急落は、今までとはちょっと違い単純な「リスクオフ」とは異なる様相を見せている。
日経平均は今週末までで12%の下落を記録し、今年1月にトランプが貿易戦争を仕掛けた下落相場の14%に近づいてきた。
しかし、今回の株価下落ではこの「リスクオフ」という現象があまり見られない、あるいはごく限られた範囲でしか見られない。
1月の下落時は為替は急速に円高になり、ドル/円が113円台から104円台まで9%の円高となったが、今回は113円台から111円台までの円高にとどまっている。
しかも今回は他のアセット価格の動きが鈍くドル安もあまり進まなかったので金や他の商品もあまり買われなかったし、米10年債利回りも3.2%から3.1%とあまり変化していない。

これは何を意味しているのだろうか?
いくつかの可能性が考えられる。
まず一つは、株式を売却した資金が待機資金としてキャッシュ保有されている可能性だ。
通常、機関投資家の運用ではフルインベストメントが基本なので、たとえば、日本株を売却したらその資金をどこかに移す必要があるので、アセットクラス間の資金移動が起こってしまう。
もし、アセットクラス間の移動がないとしたら、株式の売却代金がキャッシュで保有されていることになり、待機資金として次の動きの準備になっているという可能性がある。

もう一つは、この下落が短期トレーディングによって引き起こされた可能性だ。
自己勘定部門のトレーダー、アルゴリズムトレーダー、トレーディング中心のヘッジファンド・マネージャーなどが売り仕掛けを積極的に行った場合、先物やオプションなどのデリバティブを総動員してショートポジションを作るので、他の資産へ資金が移動することはない。
しかも、デリバティブを使って高いレバレッジを取るので、元の資金が小さくでも大きなショートポジションを作れる。
株式市場でこうした高レバレッジのショートをするだけなので、他の資産価格には影響しにくい。

今現在では推測の域を出ないけど、いずれ買い戻しが入る局面になり、この10月の急落の主役がどうやって株価の急落を誘発したかが分かってくるだろう。
そのとき、通常の弱気相場の中で起こる「資産リバランスによる資産移動」や「安全資産への移動=質への逃避」などが見られていない理由が明確になってくると思われる。

最近の調整局面の最初の2か月の各資産の値動き
列1 Jul-15 Sep-15 変化 Jan-18 Mar-18 変化2 Sep-18 Oct-18 変化3
NYダウ 17689 16248 -8% 26149 24103 -8% 26458 24688 -7%
日経平均 20585 17388 -16% 23098 21454 -7% 24120 21184 -12%
ユーロ50 3600 3100 -14% 3609 3361 -7% 3399 3134 -8%
上海 3663 3052 -17% 3480 3168 -9% 2821 2598 -8%
Yen/$ 123.24 120.28 -2% 110.77 106 -4% 111.94 111.91 0%
Euro/Yen 135.51 134.97 0% 135.07 130.8 -3% 130.53 127.6 -2%
原油WTI 50.9 45.45 -11% 63.67 62.76 -1% 70.21 67.59 -4%
1128 1124 0% 1331 1324 -1% 1198 1235 3%
米10年債 2.26 2.04 -10% 2.7 2.74 1% 3.07 3.08 0%
月末値の比較で、実際のピークーボトムとは異なる。直近10月は10/25引値。



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安田さんの帰国、テレ朝記者の誤解

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イラクの過激派に拘束されていた日本人ジャーナリスト安田さんが解放されて帰国した。
アラビア半島に数十回出張した経験から、アラブ過激派に取り囲まれ、日々、生命の危機にさらされて生きるというのは考えられないぐらい厳しい状態だっただろうと思う。
危険地域に自分のリスクで取材を敢行し、信念を持って行動する気概は素晴らしいと思う。
「勝手に危険地域に行って勝手に拘束された、自己責任だ」という声があるのは残念だし、基本的に法律の理解不足だ・・・国民の生存権は憲法に書いてあるので、憲法をよく読んだ方がいい。
国家が国民を守るの義務があるのは、どんな危険地域だろうが、どんな事情だろうが、ジャーナリストだろうが、普通の旅行者だろうが、民間人だろうが、公務員だろうが・・・全く関係ない。
すべての国民の生命を守る義務がある・・・たとえ、自分のリスクと自分の判断でイラクに行って拉致されても、当然、国家は安田さんの生命も守る義務がある。

でも、テレ朝の玉川とかいうコメンテーターの主張を聞いてぶっとんだ。
「ジャーナリストが国民の知る権利を守り民主主義を守っているのだから、安田さんは(民主主義を守った)国民的英雄として、敬意をもって迎え入れるべきだ」
朝日のおかかえ記者からこの発言が出るかという感じで、この誤解がおそろしい。
ジャーナリストでも真実を追求する人もいれば、朝日新聞のように偏向した考えに基づき偏向報道に終始するジャーナリストもいるし、記事を売るためにねつ造したりウソをついたりするジャーナリストもたくさん見てきた。
ジャーナリストが国民の民主主義を守っているなんて、朝日の記者がよく言えるものだと感心してしまう。

民主主義の根幹には国民の投票により(間接的に)決定されるという「最大多数の最大幸福」が基本にあり、その制度を守っていくのは国民一人一人の意識と覚悟だ。
ジャーナリストが民主主義を守るなんて誤解だし、国民の知る権利を満たしているのがジャーナリストだなんて全くの誤解だ。
それより、このインターネット社会=様々な情報が瞬時に動き回る世界で、日本のジャーナリストに何ができるのかを考えた方がいい。
何が起こっているのかを知らせるのがジャーナリストの役割だというなら、その取材よりも一早く様々な現場にいる人たちが直接情報発信している現状をなんと言うのか。
イラク情勢だって、日本語情報には限界があるが、英語情報を検索すれば相当な量と質の情報にアクセスできる。
ただし、ネット社会の情報は玉石混合で何が正しいのか何を信じるべきかの判断が難しい・・・必要なのは正確な理解の元に正確な情報を正直に意味のある情報を伝えられるジャーナリストだろうか。



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不都合な真実の歴史的重み

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歴史の真実は都合が悪いとはいっても簡単に変えることができない。
若い世代もきちんと勉強してその歴史の重みを感じるべきだが、一般市民も不都合な事実は聞きたくないし、時の政権も不都合な真実を隠したいので、それがなかなかできない。
今、韓国では朝鮮半島の将来を自分たちで決めようという動きがあるが、これは全くの事実誤認、あるいは歴史の勝手な解釈だ。
北朝鮮の経済制裁の解除に関して、文在寅政権が勝手に先走り制裁解除する意向をトランプに打診したところ、トランプは米国の承認なしに制裁解除はしないと撥ね付けた・・・つまり、米国の承認なしに勝手なことをするなと警告したいうことだ。

文在寅は事実をきちんと把握しているはずだが、韓国の国会議員やマスコミは理解していないので朝鮮半島の問題は韓国と北朝鮮で決めるという論調が目立つ。
しかし、北朝鮮の経済制裁は国連決議であり、常任理事国であるアメリカの承認なしには何も変わらないし、韓国が自分で決定できるものではない。
もっと解釈すれば、韓国は朝鮮半島の休戦協定にも参加していないので、北朝鮮に対する平和条約や終戦宣言に関する発言権は韓国にはない。
休戦協定は、朝鮮人民軍と中国、そして、国連軍としてのアメリカの間で結ばれた協定で、韓国は当事者ではないからだ。

だいたい、韓国は自分にとって不都合な真実は見ないふりをするし、感情に走らず冷静に議論できる国民ではない。
朝日新聞のねつ造記事により韓国民が慰安婦問題を大騒ぎしたのと同じ構図だ。
朝日新聞は慰安婦記事がねつ造だったと公式に謝罪したにもかかわらず、韓国民は不都合な真実を見ないふりをし世界中に慰安婦像を立てようとした。
朝鮮戦争についても同じで、韓国人は主体的に何もできなかったにもかかわらず、その事実を忘れたふりして、朝鮮半島の将来は韓国人が決めるなどと平気で言う・・・不思議な気がする。

でも、ある意味、残念ながら、沖縄も同じ構図を持っている。
アジアに睨みをきかす重要な拠点である沖縄を米軍が自由に使うことは、沖縄返還の条件として返還協定で認められている。
そうでもしなかったら、沖縄は日本に永遠に帰ってこなかったというのが不都合な真実だ。
だから、市街地に近い危険な普天間より安全な海上の辺野古への移転を米国が認めたのは米軍が沖縄県民に配慮した結果ともいえる。
ところが、辺野古の移転計画は沖縄県も沖縄市民も認めてスタートしたはずだったが、いつの間にか、沖縄の事は沖縄県民が決めるという話にすり替えられてしまった。
そして、今度の沖縄知事も辺野古移転の反対派でまだまだ揉めそうな感じだ。
しかし、米軍も政府も返還時の条件をよく理解しているので、反対派が何を言っても何も変えることはできない・・・歴史の約束事だからだ。

朝鮮半島の休戦協定は1951年の話だし、沖縄返還は1972年の話で両方とも大昔の話だ。
その昔話が数十年たってこんな事になるってことは、両国政府ともに自国民に正直に説明してきたのだろうか? 都合良い話だけを国民に伝えてきたからこうなったのではないか? という疑問が生じる・・・そこのところの政府の姿勢に問題ないのか、改めて考えてみる必要があるのではないかと思う。



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70歳雇用の法制化は姑息な政策

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安倍さんが未来投資会議で70歳までの継続雇用を法制化する方向を打ちだした。
安倍さんも自民党も相変わらずズレているなぁ・・・としか言えない。

すでに60歳定年後65歳まで継続雇用が法制化され、ワシの同期入社の連中も多く再雇用に応じて60歳を過ぎても働いておる。
しかし、あまり良い話を聞かない。
多くの人は再雇用になった途端に、同じ仕事をしているのにかかわらす給料は30~50%カットになり、さらにボーナスも出ないし、全く働く意欲もなく、毎日、会社に行ってお茶を飲んでいるだけだ。
まともに働いている若い連中には邪魔なだけで、かといって大先輩なので文句も言えず、何とも言えない職場のやる気を吸い取るブラックホールのような存在に成り下がってしまう。
こんな事をやっていて人手不足対策だって・・・ズレているとしか言えない。
それがさらに70歳まで延長されるなんて、企業にとっては大迷惑な話だし、雇用される高齢者にも迷惑な話だ。

でもこれは政府にとって大きな二つのメリットがある。
(1)再雇用を70歳まで延長することは、企業の人件費コストで社会保障費を負担させることを意味する。
定年すれは給料がなくなり社会保障費の支払いも終わるが、再雇用されれば給料から社会保障費を支払う・・・つまり、企業の人件費の増加分の一部が社会保障費に充てられているわけだ。

(2)再雇用期間の年金の支払いを減らせることが大きなメリットになる。
再雇用されている期間は給料が激減するので、人によっては年金の一部を受け取れるこもしれない。
しかし、収入がある再雇用者の65~70歳の期間の年金は相当減額されるとこは間違いないし、これは年金財政の大きくプラス寄与するだろう。

おそらく、この政府の方針は、年金財政の悪化、社会保障のコスト増大に対して、きちんとした説明を避け、あいまいに人手不足のせいにして年金財政や社会保障を企業に負担させることが目的なのだろうと推測できる。
こんな姑息な手段を使っていると、人件費コストの上昇で日本企業の業績が心配になるし、企業は自己防衛のため本社を海外に移したり対抗策を取るかもしれない。
それより定年制を廃止して、個人の能力で自由に働ける社会を作るべきだろう。



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ESG投資とソフトバンク

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サウジの体制批判記者をトルコのサウジ総領事館で殺害した事件で、トルコのエルドアン大統領が会見し計画的なものだと断定した。
先にも書いた通り国家間の問題として原油市場に大きく影響することはないだろうと思われるが、民間企業にとってはとても厄介な問題となりそうなことがある。
それは最近流行のESGだ。

ESG投資とは、欧米の年金では昔から社会的責任投資(SRI)の大きな柱となってきた考え方で、欧米の年金基金や国連などの国際機関の年金で採用されてきた実例がある。
国連では責任投資原則(PRI)を定めていて、国連の資金を運用する運用会社はこのPRIに署名し、毎年、この原則にそった情報開示が求められる。
最近は日本の年金、GPIFでも採用され、ESGの原則にそった運用を運用会社に求めるようになってきた。

そもそもESGは、E(環境)、S(社会的責任)、G(企業のガバナンス)の意味だが、東芝などの粉飾決算、自動車各社の排ガス・燃費の改ざん、スルガ銀行の不正融資・・・などなど多くの日本企業はESG原則のうちGの企業バンナンス問題でアウト!!となってきた。
でも、今回のサウジ記者殺害事件は、Sの社会的責任でアウト!!となる可能性がある。

社会的責任はかなり広範囲で捉えられる問題で、人権は特にセンシティブな問題だ。
過去には、海外の生産拠点で児童に強制労働をさせたとか、輸出した電子部品が海外企業の兵器生産に使われたとか、などなどで日本企業が引っかかる事例もあった。
そして、今回はサウジのジャーナリストという言論の自由の中心にいる人物を、法律に基づかない不法なやり方で殺害したという事件で、S(企業の社会的責任)の観点からすればサウジに関係している企業には投資が困難になる場合もありえる。
すでに欧米企業では、リチャード・ブランソンのバージングループが、同社の宇宙事業に対するサウジからの10億ドルの出資をキャンセルしたと報じられたが、シリコンバレーなどでサウジとの関係を見直す企業も今後増えてくるはずだ。
日本ではサウジのMBS(皇太子)から巨額の出資を受けているソフトバンクのビジョンファンドが大きな焦点となってこよう。
数兆円単位でサウジが出資した1号ファンドだけでなく、10兆円規模でスタートする2号ファンドもサウジの巨額出資がすでに計画されている。
こうしたファンド出資はサウジに直接の利益を与えるものとしてESG原則に抵触してくる可能性もありそうだ。
今後の成行きには注目が集まるだろう。
サウジでの国際会議での講演をキャンセルようだが・・・・孫さん、どうするの?



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美し森でオリオン座流星群を観る

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オリオン座流星群が21日夜に極大を迎えるというので、22日の朝2時に起きて清里の美し森に行ってみた。
ワシの田舎の家からは車で10分程度で行けるので、正月の初日の出や天体観測ではよく行く場所だ。
美し森には小高い丘があり簡単に登れるのだが、さすがに真夜中となると暗くて危険なので、丘には行かず駐車場で観ることにした。

着いたのは2時半過ぎだった。
まだ、満月に近い明るい月が西の空にあり、その明るさで西の空の星はよく見えなかった。
しかし、オリオン座はちょうど南の空に輝いており、オリオン座のペテルギウス、小犬座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスという「冬の三角形」がよく見えた。
さらにオリオン座の中にあるM42星雲やオリオン座の上方にはすばるの星雲がよく見える。
でも双眼鏡を覗くと夥しい数の星が見えて、何座を見ているのか全く分からなくなってしまうほどだ。

この時点でもいくつかの流星が観測できたが、小さく短い流星で本当に流れたのか眼の錯覚なのか分からないぐらいだった。
しかし、3時過ぎに月が西の空から沈んでいくと、360度の満点の星となった。
ここからが本番で、オリオン座の周辺に数分に一つぐらいのペースで流星が観られた。
駐車場で観ていた若い人のグループ、家族連れ、老夫婦などが歓声が上がる。
一番印象に残るのは、0.1秒か0.2秒ぐらい、その軌跡をずっと追えるぐらいの長さを持った流れ星だった。

流れ方で気がついたのはオリオン座を中心にして放射線状に流れるケースが多いことだ。
オリオン座から東で見えた流星は東に流れ、オリオン座から下の方で見えた流星は下方に流れる、オリオン座から西で見えた流星は西に流れるなど、オリオン座から放射線状に流れる星が多い。
まるで花火のような軌跡をたどっていく・・・これも多くの流星が観られるから分かることだ。
最高の天体ショーを楽しんだ一夜だった。



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サウジ記者の暗殺で原油価格はどうなる?

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いくら在外総領事館には治外法権があるとはいえ、人を殺すのは大きな問題だし、その死体をバラバラにして分からないように処理するのはもっと問題だ。
このサウジ記者はトルコにあるサウジ領事館で殺害された事件は、公式に認めたサウジ政府に対して世界が非難している。
サウジ王室に近いトランプ大統領も国際的なサウジ非難の声にさずがに対応を迫れている。
その結果、サウジに対して何かしらの制裁を与えるのか、厳重注意ぐらいで済ませるのか、ちょっと微妙な空気となってきた。

しかし、そもそもこの中東地域は暗殺が普通に行われる伝統があり、英語のアサシネート(暗殺する)という言葉は中東の暗殺集団であるアサシンからきているという話もある(ゴルゴ13を参照)。
おそらく、トルコのエルドアンだって多くの政治的反対勢力を暗殺して大統領まで登りつめたのだろうし、シリアのアサドはそれこそ何十万人という数の市民を殺害し続けている。
秘密警察を持っているサウジ王室はそれこそ言論統制・服装から飲酒などの生活習慣まで全国民の監視を続けている。
秘密警察に捕らわれたサウジ国民は数多く行方不明になっているし、欧米流の人権という言葉が通用しない地域なのだ。

誰がサウジ記者の暗殺を命じたかは分からないが、おそらくサウジ当局の誰もこの事件で反省や謝罪をすることはない。
こうした感覚の違いが大きく、欧米諸国も日本もサウジ王室を被告人に仕立てて、厳しい制裁、特に国際市場からサウジ原油を締め出すような過激な制裁は困難だろう。
まあ、ちょっとお茶を濁すような実効性のない制裁が出てくる程度ではないかと思われる。

そもそもMBS(サウジ皇太子)の改革を欧米は支持してきた。
女性の権利拡大と女性の活用・登用、原油依存経済の構造改革、将来の国家資産を拡大するPIF(パブリック・インベストメント・ファンド)の活用、などなど様々な分野におよぶ。
サウジアラムコの上場は需要が少なく延期されたが将来上場する予定は不変で、その資金を使って経済改革をさらに進めるという計画は変わっていないようだ。
ワシントンポストに寄稿するサウジ記者に対して同情の念はあるにしても、今までのサウジとの関係を一発でぶち壊すような、手のひらを返すような対応はできないだろう。

というわけで、当面、原油価格にはあまり影響しないと思っている。
逆に、次のOPEC総会でサウジがこの借りを返す形で、欧米諸国が要請すれば増産に応じる可能性もあるだろう。



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ウィークリー雑感(10/21中国のGDP)

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今年の株安の震源地は米国ではなく中国だ。
今年の1月まではトランプの法人減税により米国株が急上昇したことで各国ともに株価上昇の恩恵を受けてきたが、1月後半からトランプの関税引き上げ政策が発動されグローバル市場は株安に転じた。
しかし、その後は再上昇した米国株や日本株、往来相場に終始している欧州株、下落トレンドの上海株や香港株と値動きがバラつき、特に上海株は1月高値から29%の下落、香港株は25%の下落・・・中国が株安の震源地になったのは間違いない。

経済実態への影響として、まず最初に注目されたのが中国の7-9月期のGDP速報だ。
実際の対中国関税引き上げ時期は、7月初旬に第一回目、8月下旬に第二回目、そして、9月に第三回目が行われたが、中国の7-9月期GDPや経済指標には部分的にしか表れていない。
7-9月期GDPは前年同期比+6.5%と4-6月期の+6.7%から若干の低下にとどまった。
9月の工業生産は前年比+6.0%、小売りは前年比+9.2%とあまり変化していないし、固定資産投資も1-9月で前年同期比+5.4%と比較的堅調だった。
9月のCPIは+2.5%で食品価格が+3.6%と上昇したが、食品の輸入価格が関税の影響で上がってくるはずだが極端な動きは見られない。
GDPの伸びは確かに予想+6.6%を下回りリーマンショック後の最低の伸び率を記録したが、上海株価の29%下落は市場がさらなる中国経済の減速を見ている証左だろう。

HSBCは「中国経済は勢いを失いつつある。対米貿易摩擦のせいにするのは簡単だが、現在の景気減速は主に国内に要因がある。インフラ投資は縮小し、自動車販売は伸び悩んでいる」とコメントし、OCBCは「関税の駆け込み需要が続くが、5050億ドルの対米輸出に25%の関税が掛けられれば、来年の中国GDPの伸びは6%以下に鈍化する」と懸念を示した。
いずれにしろ、2019年が中国の正念場になると思われる・・・それを市場が織り込んで上海株価が3割の下落を演じたといえる。

中国経済への影響は対米輸出に高関税ー米国への輸出が減少ーグローバル企業が中国の生産拠点を移転ーグローバルなサプライチェーンの再構築という経路をたどると想定でき、中国の工業生産の減少と外国企業の中国投資の減少と二つの影響が考えられる。
グローバル企業が中国の生産を中心としたサプライチェーンを見直すとしたら影響は長期化する。
IMFが10月発表した中国の経常収支は2018年975億ドルの黒字となっており、2017年の1648億ドル、2016年の2022億ドルの黒字から大幅に減少する予想だ。
ただ一方、市場はこうした長期的な影響まで織り込みに行っているのだろう。
今後の市場の見方で重要なのは、この株価下落が中国経済の悪化をどこまで織り込んでいるかの判断で、いつ、どのような形で、悪化を織り込み自律反発するかを想定しておく必要があるかもしれない。




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統計数字から考える(2 日銀短観)

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統計数字から考えるとういうことで、前回は財務省の法人企業統計を取り上げたが、今回は日銀短観を考えてみたい。
これは日銀の短期経済観測調査という、3か月に一度、全国の約1万社にアンケート調査をしたものだ。
主要な項目としては、まず、業況判断、これは業況が「良い」から「悪い」を引いて回答総数で割ったパーセント表示したDI(ディフュージョン・インデックス)だ。
日本経済を担う大企業、中堅企業、中小企業が業況をどう判断しているのか大雑把に取らえることができる数字だ。
次に売上げ、利益などの項目だが、伸び率で表示され、設備投資、在庫、価格判断、資金繰り、金融の貸し出し態度、雇用などの項目が「良い」-「悪い」のDIで表示されている。
日銀短観の数字は経営者の判断の集まりなので、経済のセンチメント指標としてとても参考になる。
ヒト、モノ、カネの経営要素を経営者がどう感じているかが分かる、たいへん興味深い数字だ。

それでは実際に日銀の9月調査を見てみよう。
第一の注目点は、やはり日本企業全体にある人手不足とその対応なのだろう。
雇用を見ると、大企業で6月-21から9月-23、中小企業で6月-35から9月-37と人手不足が拡大している。それにつれて省力化のためソフトウェア+研究開発投資の伸び率が高まっている(大企業6月+4.6%、9月+10.3%、中堅企業6月+9.7%、9月+13.8%)。
人手不足感が厳しく、外国人労働者のビザ発給問題も政治課題になる一方、短観ではソフトウェアや研究開発を推進し人手不足に対応しよとする企業の姿が浮き彫りになっている。

第二の注目点は、企業の価格判断がいよいよデフレ感覚から変わりつつあることだ。
国内製品・サービス需給判断だが、大企業製造業で6月-2から9月+1と1990年6月以来のプラスに転換した。
しかも販売価格は大企業製造業6月5から9月7と上昇を見込む経営者が増え、一方仕入価格も大企業製造業6月30から9月27といずれも上昇し、特に仕入れ価格の上昇を感じている経営者が多い。
つまり、国内の製品需要が強く、1990年以来の需要超過になり、景気の腰が非常に強いことを暗示する。
さらに販売価格と仕入れ価格ともに引き締まった状態だが、特に仕入れ価格の上昇が顕著だ。
為替の円安傾向や原油価格の上昇が企業に原材料価格に反映しているためだろう。
この価格判断が企業の利益率にどう影響するか、そして、販売価格をさらに引き上げることになるのか要注目だ。

短観が日銀から発表され、多くのマスコミはヘッドラインの業況判断だけを見て、貿易摩擦懸念や自然災害で業況判断が3四半期連続で悪化したというコメントを出している。
数字を細かく見ると、今回の日銀短観は以下の点で企業業績に悪影響する可能性も指摘される。
(1)幅広い景気拡大の中労働需給が引き締まり企業は人手不足に直面している。このままだと人手不足で生産が落ちたり、人件費の圧迫で企業収益が抑えられる可能性もある。
(2)国内の製品需給の引き締まり、いつ販売価格に転嫁されるか、いつ国内物価が上昇を始めるが注目点になってきたことだ。
(3)業況判断DIの停滞は、やはり仕入れ価格が上昇見込みで販売価格の転嫁が遅れているために企業の利益マージンが低下させることを見ているのかもしれない。
こうした点に企業経営者がきちんと対応できるかが分かれ目だ。



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就活ルールの廃止は主体的な学生を増やす

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経団連がついに就活ルールの廃止を決定した。
9/29に「就活ルール廃止で何が変わる」というブログを書いたが・・・その内容を要約すると・・・
(1)経団連的大企業は外資系に優秀な学生を取られているという不満があるが、これは採用方法というより企業(職場)としての魅力がないと優秀な学生に思われているからだ。
(2)就活スケジュールに縛られてきた学生が解放されることで、例えば、就職前に長期間外国を放浪する、長期インターンで企業を良く知ってから入社する、大学の研究室と企業の共同研究後そのまま入社する、など有意義に時間を使えるので優秀な学生には大きなプラスだ。
(3)新卒・既卒を含めて通年採用になると、企業の人事部は採用プロセスと事務処理にたいへんな負荷がかかることだ。

良い所もたくさんあると思うが、世間では就活ルールの廃止にいろいろな反応がある。
まず、企業側の反応だが、「採用しづらくなる」が64%、「採用しやすくなる」が5%、「変わらず」が残り30%という結果だった。
そして、学生側の反応は、「ルールは必要だが今の日程でなくてもいい」が46%、「ルール不要」が29%、「現行ルールがいい」が24%という結果だった。
企業側は経営者というより実務を担う人事部の意見だろうから、当然、事務作業が膨大に増加する新卒・既卒を含めた通年採用には反対するのは当然だ。

面白いのは、約30%の学生が「ルール不要」を希望していることだろう。
この30%の学生は自分の能力で企業社会を生きていく自信と覚悟を持っているから、縛り付けるルールをいらないと考えている。
と同時に現行ルールかどうかは別としても「なにかしらのルールが必要」という学生は70%になる。
彼らはルールが廃止されたらどうしていいか分からない主体性のない学生という分類になるのだろう。
企業が欲しいのは実はこの30%の学生なのではないだろうか?
ルールのない、海図のない航海、自分の才覚でどうとでも変わる将来、それを求めている主体的な学生がこの3割なのではないだろうかと思うからだ。

ここに基本的なズレが出てきている。
つまり、企業の欲しい人材は「就活ルール不要」と考えている学生なのだろうが、彼らはこの経団連的大企業の横並び経営とは基本的に相容れない。
要するに、就活ルールの廃止は学生にとって「踏み絵」のようなもので、企業が欲しい学生は「就活ルール不要」とする人材なのだろう。
政府が就活ルール作りに動くらしいが、基本的にやめておいた方がいい。
採用は民間の自由を尊重すべきだ。



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10月の株価急落の意味するもの

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今の段階では底入れとはいえないし下落の途中である可能性もあるが、とりあえず、9月末から10月初からの現時点の下落率を調べてみた。
NYダウジョーンズ-7.6%、SP500-7.8%を中心にして、英FTSE100-7.9%、独DAX-8.0%、日経平均-8.8%、TOPIX-9.0%、香港ハンセン-10.3%、上海総合-10.9%だ。
欧米市場はだいたい8%程度の株価下落を記録したが、日本の株価は9%程度下落率で欧米と比べてやや大きいと感じるかもしれないが、この日本株の下落率は為替の円高分を考えれば、ほぼ説明できる。
ドルで考えれば、主要先進国は8%程度の下落であったといえる。
アジアの株価下落がやや大きいとはいえ、10%程度調整なら香港株や上海株でも需給調整の範囲といえる。

この株価急落を見て気づいたのは、株価指数では今のところ単なる需給調整程度の10%以内の下落率だが個別銘柄では30%から40%下落している銘柄もあり様相が異なっていることだ。
もちろん、以前に指摘したようにアリババやテンセントといった中国IT企業の株価下落が30%以上になり目立っているが、米ハイテクIT企業でもフェイスブックやテスラなど一部の銘柄の下落率が大きくなっており、銘柄間格差が広がり始めている。
株価指数こそ下落率が小さいが、株価の格差が拡大していることに注目すべきだろう。

もう一つ重要なのは、株価が急落にもかかわらず、米10年債利回りはあまり変化していないことだ。
米10年債利回りは一時3.2%を越えたが、昨日3.16%と今でも3%を越える水準を維持している。
通常の急落相場で起こる「質への逃避」が見られていない。
投資家が危険を感じて本能的に安全資産に資金をシフトすれば、市場では株から債券への資金移動が起こる.
つまり、現段階では投資家は本能的な危険までは感じていないということだろう。

もちろん、下落相場のまだ始まりで今後広範囲に株価が下落し、株から債券への「質への逃避」が起こるかもしれない。
でも、過去の暴落相場では下落の最初から「全面的広範囲な株価の下落」と「質への逃避」が起こっていたのも事実だ。
過去の大きな調整場面とは違うと感じている。



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富山湾の寿司、食いねえ

00B51DA5-1797-46E3-BC60-0AA2151AA6F3富山市に寿司を食べに行った。
この時期、富山湾には美味しい魚が多く揚がる。
それを最高の寿司にしてくれる職人がいる・・・それがこの写真、富山市の寿司店、「鮨人」さんだ。
素材のうまさを最高の鮨にして客を堪能させてくれる寿司職人もいるし、素材とシャリと味付けを組み合わせて最高のハーモニーを作り出す職人もいる。
今年、小樽で食した寿司は正に素材の美味しさでストレート勝負をする寿司職人だった。
そして、今回富山で食した寿司は、それと対極にある感じの、ネタとシャリと味付けの楽しみを存分に味わう寿司だった。

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いくつかの料理を紹介したい。

まず、これは、クエとノドグロのしゃぶしゃぶ。
クエは高級魚として有名だが、しゃぶしゃぶにするとクエのシコシコ感をしっかりと残ったまま柔らかくなる。
ノドグロのメスをしゃぶしゃぶにしたもので、ノドグロのしっかりした味わいと柔らかく溶けそうな食感を味わうことができる。




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これを「赤と白」とマスターは呼んでいたが・・・・
甘エビの握りが赤で、白エビの握りが白というわけだ。
特に注目は、富山コシヒカリのシャリに黒酢が使われているが、この黒酢に砂糖が全く使われていないということだ。
つまり、黒酢の甘さを抑えることでシャリが素材の甘さを引き立てるということらしい。
白エビの握りは圧巻だ。
もっちりした白エビの食感とシャリの硬さ、そして、白エビの甘さと甘くない黒酢のシャリ、この組み合わせが最高なのだ。


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そして、これはオスのノドクロの焼き物とズワイガニの握りだ。
魚は一般的にメスの方が大きく、オスは小さい。
でもノドグロのオスはけっこう脂が乗っていて、焼き物としてその脂の乗りで美味しく仕上がっている。
ズワイガニはしっとりとした歯ごたえがあり、黒酢のシャリに口の中で混ざると、口の中にハーモニーが広がる一品だ。





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これはブリの握りだが、マスターに言わせると寒ブリより今の秋のブリの方が美味しいという。
冬の冷たい海水で魚は体温を保温するため脂を蓄えるので、冬の時期の寒ブリが最高に美味しいと言われているが・・・
マスターの説では、冬の冷たい海に多くのブリが少ない餌を争って取ろうとするので餌が十分でないが、この時期は餌が海中に十分にあるので、むしろ寒ブリより秋のブリの方が美味しいらしい。
15キロにブリの握り、美味しかった。


その他、もちろん、マグロ、アオリイカ、アジ、アナゴなどの握り、カワハギの手巻き、ウニとズワイガニとイクラの和え物、梅の茶碗蒸し、ブリの焼き物、ズワイガニのエキスで作った汁物、などなど、どれもこれも素晴らしく美味しいひと時を楽しんだ。
日本人に生まれてよかったと思った、至福の瞬間だ。
これで全部で一人8000円なり。



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寒い清里、この秋初めてのストーブに悪戦苦闘

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今日はぐっと気温が下がり、今、外はもう10度ぐらいしかない。
このまま行くと、たぶん夜中は相当冷え込んでくるので、ストーブを付けることにした。
薪を薪置き場から運び入れて、薪ラックに入れたところがこの写真だが・・・何か不安がよぎる。
写真のとおり薪が変色し、普段の乾燥した木の色じゃなくなっている。
このところの連続した台風や大雨で薪が湿ってしまい変色してしまったのかもしれない。
とにかく、ストーブに数本入れて火を付けてみた。

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薪ストーブを付ける時は、まず、内気循環するように煙突を開き、火付け用チップを置いてその上に引火付け用の細い木を数本組合せ、下のチップに火を付ける。
ここまではうまくいき、上の写真のように火付け用の細い木はよく燃える。
しかし、薪の本体にはなかなか火が付かない。
火が付かないそのものに問題があるか、煙突が詰まっていたり設備に問題があるかだ。
悪戦苦闘すること、約1時間、湿り気の少ない薪に取り換えたり、火付け用の細い木を増やしたり・・・やっと薪が燃え始めた。
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薪に火が付き安定して燃え始めたら、外気循環から内気循環に変える。
そうすると、ストーブ内の温度が急激に上昇し、700度とか800度ぐらいになり、で付け完了ということになる。
上の写真は火付け作業開始から1時間ぐらい経って、やっと薪が燃え始めたところ。

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そして、この写真が薪に火がついて、ストーブを外気循環から内気循環にした時のストーブの状態だ。
炎が青く光り出すと良い状態で、燻りながら燃えてストーブ内の温度が急激に上がってくる。
この状態をずっとキープできれば、室内はどんどん暖かくなる。
あとは酸素量を調節しながら、できるだけ長い時間燃焼を続けさせる。
なんとかうまく良い燃焼状態にできたが、なんと2時間近くかかってしまった。
こんな調子では寒い冬はストーブがつく前に凍えてしまうよ。


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なぜ、韓国大統領は監獄に入るのか?

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韓国は恐ろしい国で、歴代の大統領が皆、退任後非業の死を遂げたり、在任中の不正で監獄行きになっている。
前大統領の朴槿恵氏もその友人とサムスン会長の不正で、本人否定のまま有罪判決が出てずっと収監されている。
最近のニュースでは前々大統領の李明博氏も収賄で15年の懲役という有罪判決が出て、現在控訴を進めているという。
なぜ、歴代の韓国大統領は任期を終えた後、収監、亡命、暗殺、自殺など悲惨な老後を過ごすのか?
なぜ、前任者の悲惨な老後から学習せずに、在職中に収賄、汚職、不正など同じ過ちを繰り返すのか?

一つには「韓国の血縁の濃さがある」と言われている。
核家族化している日本で家族というと両親、子供、孫ぐらいの直系親族で、慣用句にもあるとおり「兄弟は他人の始まり」だ。
だが、血縁の強い韓国では祖父母、父母、両親、叔父叔母、兄弟、従弟、甥姪・・・すべて家族に含まれてしまう。
一族の中で大統領が出ると一族郎党の人たちが「おこぼれ」に預かろうと必死に迫ってくるのだろう・・・家族や友人の不正で大統領退職後、問題にされた大統領経験者も多い。

もう一つは「財閥に利権が集中している韓国では財閥と政治家の結びつきが特に強いからだ」と言われている。
日本でも政治資金規正法ができるまで政治家と経済界は金権政治と呼ばれたズブズブの関係だったが今は厳しく制限されている。
韓国にも政治資金法や政党法はあるがあまり機能していないようだし、財閥は自分に有利なように政策を動かすため贈収賄を繰り返すようだ金権政治が続いている。

李明博元大統領はビジネスマンで成功した経歴を持ち、先を読む能力やビジネスマインドを持った大統領だった。
その彼がなぜ、親族の不正蓄財に関わったのかは全く理解できない。
自分の正義より親族の利益が大切だったのだろうか?・・・それが韓国の血縁の濃さから来るとしたら異常だ。

朴槿恵前大統領は実父の朴正煕が暗殺されたこともあって周りをあまり信頼せず孤高を通した人で、本人自身は不正に手を染めるような人にはとても見えない。
しかし、一番信頼した友人が財閥とのズブズブな贈賄関係で、結局この友人との関係が仇となって有罪、監獄行きとなった。
友人の行ってきた不正や収賄をある意味容認してきたのは何故だろう?
おそらく韓国には「不正だろうが何だろうかカネを稼いだ方が勝ち」というようなカネを万能とする感情があるのではないかと思う。
それだから親族や友人が権力を持つとそれにすり寄り、「おこぼれ」をもらうのは当たり前の行動なのだろう。

文在寅は大統領を退任したらどうなるのだろうか?
ワシは「金正恩のパシリの罪」で有罪か、「祖国を北朝鮮に安く売ろうとした罪」で有罪と見る。


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ウィークリー雑感(10/14 株安のパターン)

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人間は非対称な感覚を持っているので、株価の上昇時は落ち着いていてボラティリティが上がらない一方、株価の下落時は敏感に反応してボラティリティが上がる。
ボラティリティ・インデックス(VIX)が20%を越えると株価は調整するという評論家がいるが、これは完全に間違い・・・株価下落で恐怖心が芽生えてVIXが上昇するわけで因果関係が逆だ。
恐怖を感じると人間は狼狽してしまうが、こういう時ほど、狼狽せずに落ち着いて本質を見ることが重要だ。

60年以上の長い東証の歴史の中で数多くの株価下落局面があったが、その株価下落パターンはだいたい三つに分類できる。
1)クレジットクランチ型の株価下落・・・これは「半値、八掛け、二割引き」という相場格言が当てはまるような大きな下落相場で、株価下落率は50%以上の場合も多い。
1990年に日銀・三重野さんが急激な不動産融資規制をしてバブルを崩壊させたが、日本のクレジットをぶち壊し不良債権の山を作った。
2008年のリーマン危機も米サブプライム危機から始まったクレジットクランチが日本にも波及し、経済を大混乱に陥れた・・・こうした大暴落がこのパターンの典型例で調整期間は年単位になる。

2)景気循環によるリセッションで業績の悪化が予想されることで引き起こされる下落相場だ・・・株価下落率は40%以内という調整規模になる。
これは景気の一時的な後退場面などで数年に一度の頻度で過去起こってきたし、今後も起こりえるパターンだ・・・企業業績の悪化を伴うのが特徴で、決算期を越えて織り込むので6か月から1年の調整期間がメドとなる。

3)株式市場の需給関係の悪化で起こる株価下落で、通常、株価下落率は10%から20%程度だ。
強気で買いすぎたための反動というところで、この程度の調整局面は1-2年に一度の頻度で起こっている・・・ファンダメンタルは変化しないので、3か月以内か長くても6か月程度の調整期間が想定される。

つまり、株価の下落がクレジットの変調を伴うなのか? 企業業績の変調を伴うなのか? あるいはファンダメンタルが変化しない需給によるものなのか? の三点を考えれば調整のマグニチュードをおよその見当を付けられる。

では今回の株価下落を検討してみよう。
米IT・ハイテク企業が下げの主役だが、この株安による企業業績の変化はまだ起こっていないが、来年になるとトランプ減税の効果が一巡しているので、来年の米企業業績には注意が必要だ。
ちょっと危険なのは、中国大手企業(アリババやテンセントなど)の業績が今後変化する可能性を否定できないことと、中国市場に依存度が高い企業(BMWなどドイツ自動車会社やフォックスコンなど)も下方修正が起こる可能性があることだ。
日本でも資本財や部品などの中間材で影響を受ける企業もあるかもしれない・・・でもこれは一部だけで日本市場全体では業績はそんなに変化しないだろう。
また、米長期金利が3%を越えたことで警戒する向きもあるが、米企業の事業利益率は10%以上と余裕があるので、長期金利3%程度では企業業績にはそんなに影響しない。
FRBの利上げがさらに進み長期金利がさらに上がっていった場合、特にクレジット・スプレッドの拡大などには注意が必要になるだろう。

というわけで、現段階では今回の株安は株式需給による調整と考えてもいいだろうし、その場合、下落率は10%程度、最大でも20%程度と想定される。
ただし、ファンダメンタルが変化する可能性のある一部の企業はもう少し下落率を大きく見ておいた方がいいかもしれない。



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リートの分散投資を考える(7その他セクター)

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リートの分散投資を考えるコーナーの最終回だ。
今回は主要なサブセクターであるオフィス、物流、ホテル、商業を取り上げてきたが、今回はそれ以外のサブセクターを取り上げてみたい。

リートのサブセクターは多様なリスク特性を持っている。
サブセクターの中心であるオフィスリートはオフィス街のプライム・ロケーションにあるオフィスビルの投資するので、土地の価値も高く変わらないしオフィスビルとしての競争力も高い不動産が中心になる・・・もっとも安定した不動産投資の王道だ。
物流リートはEコマースの潮流に乗り急成長する物流需要をベースに物流拠点を増やしているし、ホテルリートは今の日本の国策である観光立国の流れに乗り成長を続けている。
前回の商業リートも郊外型の大型商業施設か都心型のプライム商業施設かの違いがあるにしても、GDPの60%を占める個人消費の中心である不動産であることは変わらない。

その他では最近流行なのはヘルスケア・セクター、これは介護施設の建物・敷地を保有し、介護オペレーターに貸し出すリートだ。
団塊世代が70歳台になり介護サービスの需要が増加していることが背景に、介護ビジネスの注目度が高い。
しかし、不動産自体は郊外や地方にあり、不動産価格は低位安定で大きな成長は見込めない。
介護ビジネスが収益化している時はいいが、一旦稼働率が下がると田舎の土地と建物だけに値段が低く、売却しようにも売れない状態になることも考えられる。
このあたりのリスクを織り込む形で分配金利回りが高いが、短期収益を中心とした運用対象だろう。

また、レジデンシャル(住宅)リートも大きなサブセクターだ。
しかし、個人投資家はワンルームマンション投資もできるので、あえてリートでレジデンシャルを買う理由が見当たらない。
住宅・マンションならば、リートでなくても、自分で実物投資ができるし、その方が高い利回りを実現できる。
さらに税金面でも減価償却を使えるので有利だ・・・このへんの事情や税金面についてはワンルームとリート投資を比較した「素人の不動産投資(全8回)」で詳しく書いたので、参考にしていただきたい。

その他、総合リートと呼ばれるセクターもある。
これはその名のとおり、様々なカテゴリーの不動産に投資するリートで、オフィス、物流、商業、ホテル、住宅などに総合的に投資する。
それぞれのサブセクターの解説で理解されたと思うが、リスク/リターン特性、地域的な分散、不動産市場の特徴などいろんな要素が複雑に絡んでいる。
だから、総合型と一口にいっても中身はそれぞれ大きく違い、比較評価は簡単ではない。
もし1銘柄のみ保有するというならば、多様な物件を組み入れている総合型リートを買うのがいいかもしれない。
だけど、リートのサブセクターで分散投資をするとしたら、総合型リートはリスクの見極めが難しく、分散ポートフォリオに組み入れるのは避けるべきと思う。
分散ポートフォリオでは安定性のある都心中心のオフィスを中心に、訪日観光客で盛り上がるホテル、景気敏感な物流や商業を組み合わせていくのが基本だ。



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アリババ、テンセントの語るもの

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NY市場が急落し、一気に混とんとしたセンチメントになってきた。
最近まで強気一辺倒だった評論家諸氏も、ガラリと変わり「前から警戒していた」と自己弁護するばかりで、ホント、なんの役にもたたない。
IT・ハイテク株が全般的に下落しNYダウよりも下落率が大きい・・・今回の株価下落はFANGを中心とするIT・ハイテク株が下落をリードしている。
その中でも、アリババ株がピークから34%下落し、香港市場ではテンセント株が44%下落し、ハイテク株でも下落率が特に大きい。
NY市場上場の中国Eコマースの代表銘柄アリババ、香港市場上場の中国SNS・オンラインゲームの代表銘柄テンセントの株価下落は何を意味しているのだろうか?

まず、アリババの決算だが、2018年3月期売上は前年比58%増加の約400億ドル、中核事業のEコマースは341億ドル+60%、クラウドコンピューティングは21億ドル+101%、メディア・エンターテイメントは31億ドル+33%だ。
Eコマース事業への依存が80%以上と極めて高く、アマゾンAWSに相当するクラウドコンピューティングは伸び率こそ高いものの売上げのわずか5%にすぎない。
おそらく、アリババのEコマース依存は比較的長い間高いまま推移すると思われる。
Eコマースの月間アクティブユーザー数は6.17億人で、中国のインターネット人口は8億200万人、そのうち7億8800万人がスマホのユーザーだ・・・ということは中国のスマホユーザーの8割以上がすでにアリババのユーザー・・・ということはアリババが中国市場を対象にしている限り成熟化しつつある。

次にテンセントの決算だが、2018年2Qの売上は736億人民元で前年比+30%、WeChatやQQのSNS部門、PUBGの販売が凍結されたオンラインゲーム部門ともに陰りが見られた。
MAU(月間アクティブユーザー)は、WeChat/Weixinで10.04億人+1770万人と10億人に乗せてきた・・・ウィーチャットは東南アジアでも広く使われているので、10億人という規模になるのだろう。
売上の39%はオンラインゲーム部門で、25%がSNS部門、19%がオンライン広告部門という構成で中国当局の認可が必要なオンラインゲームが投資家の期待はずれで株価が下がった。
しかし、SNS部門もMAUがすでに相当大きく、成熟化してくる可能性も高い。

アリババにしてもテンセントにしても、13億人の巨大な中国市場、しかもフェイスブックやグーグルの活動が制限されている中国市場で急成長してきたわけだが、単純にMAUを増やして成長していく段階は過ぎ去ったかもしれない。
そんな状況下、トランプの対中国政策が展開され、中国市場自体の成長性に疑問が付けられている。
ビジネスモデルの成熟化と中国市場の成熟化という二つの成熟化に直面しているのが、今の中国ITハイテク企業なのではないだろうか。
その分、投資家のセンチメントによって株価が大きく変動する・・・米中摩擦問題の代理変数として両社の株価に注目している。
すでに大きく調整しているだけに底入れも近いかもしれないが、それは米中摩擦を一旦、市場が織り込むということを示していると思うんじゃ。


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文在寅は金正恩のパシリか?

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北朝鮮の金正恩の動きが急だ。
韓国の文在寅を北朝鮮に迎えて過剰な演出を見せた金正恩だが、返す刀で部下を中国・ロシアに送り密会をしている。
非核化カードをどう切るかがその後の朝鮮半島の地政学に直接つながっているからで、中国とロシアの訪問で非核化実現後の朝鮮半島の利権をどう分配するかを議論しているはずだ。
中国もロシアも朝鮮半島の分け前を見返りに金正恩に協力するわけで、非核化カードの使い方が決め手になる。
それが国際政治というものだ。

でも、たった一人、国際政治を全く理解せずにバタバタしている御仁がいる。
それが韓国の大統領、文在寅だ。
この男の頭には、朝鮮半島の非核化と民族の統一を実現した偉大な歴史に名を残す韓国大統領になることしかないようだ。
中国もロシアもアメリカも朝鮮半島の新しい地図で自分色をいかに大きく描くかを考えているこの時期、無邪気にはしゃぎ回るだけのこの男を真に軽蔑しているのがよく分かる。

北朝鮮での南北首脳会議を終えて、その報告のためにわざわざアメリカを訪問したが、マスコミの反応はきわめて冷たかった。
アメリカのマスコミがそろって「文在寅は金正恩のメッセンジャー・ボーイなのか?」、「文在寅は北朝鮮のスポークスマンなのか?」と言い出した。
簡単な日本語では、「文在寅は金正恩のパシリ」だということだ。
朝鮮半島の非核化、朝鮮民族の統一というきれい事ばかりのこの男に一人当たりGDPわずか700ドルの最貧国=北朝鮮人民を食わしていく覚悟があるのかも疑問だし、自分が金正恩にいい様に使われていることも理解していない。
それが見えている米マスコミが一斉に非難を始めたわけだ。

本当に危機感を持ち策略のすべてを使って大国アメリカを対峙しているのは金正恩の方だ。
核とかと化学兵器というセンシティブなカードは使い方を間違えると一発で終わる。
イラクのフセインは化学兵器を持っていないのに勿体付けたため米軍の介入を招き、肥溜めに隠れている所を米軍に見つかり処刑された。
イランの核問題でも国連の言いなりになったにもかかわらず、結局、トランプにちゃぶ台を返され苦境にあえいでいる。
これらの事例をよく研究している金正恩は、非核化カードをうまく使って朝鮮半島から米軍を追い出し、トンマな文在寅を利用し、さらに中国とロシアを後ろ盾に統一朝鮮半島での影響力を拡張しようとしているわけだ。
文在寅の戯言に乗って、韓国に駐留している30万人の米軍を撤退させるようなことがあれば、金正恩の思う壺にハマってしまう。
そんなバカな事をトランプはやらないと思うけど・・・・???





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スパイ半導体、ペンス演説、どう読む?

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米中関係は複雑になる一方で、予測はどんどん難しくなっていく。
ブルームバーグ報道の記事「アップルやアマゾン・ドット・コムなど約30の米企業が、中国製の特殊な半導体が組み込まれたサーバーを経由して情報流出の脅威にさらされていた可能性が出てきた。」が波紋を広げている。
事の発端になったスーパーマイクロ社製のマザーボードはアップルからアマゾンまでのアメリカ中のデータセンターで広く使われている
だけに騒ぎが大きくなった。
しかし、このブルームバーグ報道に対して、アップル、アマゾン、スーパーマイクロ、中国政府がそろって否定するという異常な事態になり、ワシのような一般人には理解不能な状態になってしまった。
サーバーのマザーボードを分解して確かめればいいだけじゃないのかなあ???
ただ、言えるのは、ワシも20年以上使ってきた、ブルームバーグ社の情報は間違っていたことがなく信頼性が高いことだ。

真相がどうなのかは不明だが、単純なる誤報やフェイクニュースではない。
情報を否定したり、肯定したりしながら、中国を追い込んでいくアメリカの策略に見えるからだ。
おそらく、米国のインテリジェンスに関わる国家機密を外交にどう使うか・・・というところにあると想像している。

というのは、先週のペンス副大統領の演説だが・・・
中間選挙への介入のほかに、中国側は米の学術界、報道機関、映画界、大学、州政府、他の地方政府などに対して「アメとムチ」を使い分けて、米国内での影響力を強めてきた
「中国共産党は中国に進出したある米大手企業に対して、米国内でトランプ政権の対中貿易政策について反対意見を述べるよう強要した。拒否する場合、中国での営業許可を取り消すと脅した」

「トランプ政権の下で、米国および世界各国の人々は、中国共産党の本質を認識する。中国共産党に対する国際包囲網が形成されれば、14億人の中国国民も共産党政権の圧政から解放される。」
米政権は中国という国全体ではなく、中国共産党を標的にすると宣言しているのに等しい。
その共産党はあらゆる影響力を使って、あるいは自分勝手なハッキングを使って、アメリカ社会に介入していると断じている。
となると、このスパイ半導体ニュースもおそらく米政権がこの切り札を温存しておきたい理由があるのだろう。

なんか、米中摩擦は米国対共産党みたいな段階に進み始めているかもしれない。
ICPOの中国人総裁が里帰り中に当局に拉致されたり、中国の女優さんが行方不明になったり(脱税容疑で拉致されていた)と、欧米からは中国当局のやり方に多くのブーイングが出ている。
これらのニュースも米国の人権論者を刺激していると推察される。
その場合、今まで想定していた「経済覇権の問題」というより「共産党の問題」に変わってきたかもしれないし、中国共産党への国際包囲網を作り共産党政権を崩壊させようとしているのかもしれない。
NY市場に上場しているアリババ、香港市場に上場しているテンセント、両方ともグローバル投資家に保有されている中国ITの代表銘柄だが、両方とも新安値に落ち込み下落に歯止めがかからない。
グローバル投資家がこの状況を憂慮していることを反映しているかもしれない。




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黒田総裁の正念場

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長期金利が世界中で上昇し日本の10年債利回りも上昇している。
その背景にはもちろん米債を中心としたグローバルな長期金利の上昇があるし、また、日銀は前回の決定会合で量的緩和政策をやや柔軟にしたこともある。

前回7月の日銀決定会合で、日銀は従来のイールド・カーブ・コントロールで0.1%でキャップをかけていた変動幅を0.2%程度と長期金利のレンジを2倍に広げ、国債買い入れ額も柔軟にすると決定した。
市場はこの日銀の容認姿勢を見通して0.1%を越え上昇し、0.155%に達した。
日銀の買入れ減額でさらなる長期金利の上昇を容認したのかもしれない(ステルス・テーパリング)と市場は受け止め、長期金利0.2%に向けて日銀黒田さんの7月発言を試すだろう。
でも、わずかな長期金利の上昇だが意外とストレートに貸出金利の上昇につながり、量的緩和政策の効果を薄めてしまうリスクも高くなっている。

すでに各メガバンクの貸出金利は10bp程度上昇してきたし、固定金利の住宅ローンであるフラット35も9月に5bp程度上昇し、10月もさらに2bpと小刻みに上昇している。
もし日銀が0.2%までの長期金利の上昇を容認しているとすれば、長期金利を元にしている固定型住宅ローン金利は一段と上がることになる。
短期プライムレートに連動する変動金利は今のところ横ばいだが、固定金利との差が大きくなっているため変動金利が上昇してくるのは時間の問題だろう。
もし、7月の黒田発言どおりの20bpの長期金利の上昇がローン金利全般の上昇にながると、住宅や不動産には明らかなマイナス効果が出てくる。
それを懸念した売りが住宅・不動産株にはすでに見られる。

そろそろ、黒田さんはガッツリとした国債買い介入をするなどの明確な意志を示さないと、ズルズルといってしまう。
ここで景気の腰を折ったら来年の参院選挙や消費税引上げに大きな悔恨を残すことになるだけに、黒田総裁はいきなり正念場に立たされている。




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台湾は日本の大切な朋友

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台湾のコウさんに初めて会ったのは社会人5年目ぐらいの時で、本部長のカバン持ち兼通訳でアジア出張した時だった。
コウさん主催のディナーで、人生初めての「ツバメの巣」を食し、お客さん一人一人とする「乾杯(カンペイ)」の儀式を経験したのも懐かしい思い出だ。
その後証券会社の自己勘定運用を担当していた時、台湾株と加権指数の裁定取引を行うチームを台北に作ったのもコウさんの提案があったからだ。
そして運用会社に移ってからも、コウさんが取締役で入っている台湾の保険会社の資金を受託運用した・・・台湾のコウさんとは30年以上に及ぶ長い関係で、台湾は最も親近感を感じる国だった。

不思議に思っていたのが、日本と台湾の国家関係が揺れ動いてきたことだ。
昔は台湾が中国を代表する国だったが、1972年の日中国交回復から中華人民共和国が正式に中国になり、英国の香港返還後、中国が「一つの中国」として香港と台湾を支配下に置いた。
「一国二制度」と言いながら、その後ずっと、中国は香港と台湾の民主化運動や独立運動を警戒し、様々な圧力を掛け続けている。
日本ー台湾の民間レベルでは安定した緊密な関係が続き、最近でも鴻海が苦境のシャープを買収したり、東北の大震災の時は台湾から200億円もの義援金が贈られたにもかかわらず、日本政府も北京に遠慮して台湾関係の改善に踏み出せずにいる。

しかし、トランプ政権が1979年の断交以来の台湾関係を修復する動きに出た・・・具体的には、トランプ政権が米台の議員の交流を含む「台湾旅行法」を成立させ、中国の圧力により台湾と断交したエクアドルや中南米国に圧力をかけたり、さらに北京の反対を押しのけて台湾への軍用部品の売却を実行したことだ。
さらに先週、南シナ海で中国駆逐艦が米国駆逐艦に急接近したニュースとともに、ペンス副大統領が中国批判の演説を行った。
この米国の変化が極東アジアの地政学を大きく変化させるきっかけになるかもしれない。
日本もそろそろ中国に遠慮せずに台湾関係を変更する時期にきていると思う。
九州から奄美大島、沖縄など南西諸島、台湾、そしてフィリピン、さらにベトナムをつなぐラインが中国を封じ込める一本の防衛線になるからだ。

フィリピンは米軍がすでに撤退しているので剛腕のドゥテルテ大統領も単独では中国に強硬策は取れないし、独立派が活動しいるが台湾も単独では中国に対抗できない。
でも、日本、台湾、フィリピン、ベトナムがお互いに協力し包囲陣を構築すれば、一定の発言力を得て東・南シナ海での中国の拡張主義を抑え込むこともできるだろう。
中国が黙っていないだろうが、トランプ政権が動いている間に、日本も台湾との国家関係を改善すべき時期に来ているのではないだろうか?




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ウェークリー雑感(10/7 ドル建て債務にご用心)

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FOMCの合計8回目の利上げが行われ、パウエル議長の強気の景気見通しが出て米長期債が売られ、米10年利回りは3.2%に急上昇した。
9/25「FOMC、ダンディールだが・・・」を書き、景気の強さによるドル債売りがその他の要因によるドル債買い需要を上回り10年債利回りは上昇するとした。
しかし、米長期金利の上昇スピードが速く市場はやや混乱気味だ。
市場のドル不足が影響している可能性もある。

完全に引締め政策に入っている米国と、量的緩和を続けている欧州や日本とは、金融政策の方向が逆になっているから、市場ではドルは吸収される一方、ユーロや円はジャブジャブに余っている。
それに加えて、法人減税による米国債発行量の増加、海外子会社の余剰利益を米国内に還元させるトランプ政策もドル買い需要を生むので、市場のドル不足を増長する。
通貨のヘッジコストは金利差+ドル需給によるベーシスで表されるが、FEDの8回にわたった利上げで金利差が大きく開き、市場のドル不足によるベーシスの拡大でドルのヘッジコストが高まってしまう。
つまり、ヘッジ外債の運用ではこのヘッジコストの上昇でヘッジ後リターンが低下してしまい、米国債の魅力が減る(=米国債買い需要の減少)ことも長期金利の上昇要因になっているだろう。

そして、このドル不足はドル建ての借金が多い新興国にもっとも影響を及ぼす。
ドル高で自国通貨に換算した債務が急増し、ドル金利の上昇で金利の支払い額が増加し、さらにドル高をヘッジしようにもヘッジコストが高まる・・・と三つの条件が揃ってしまう。
というわけでこのままドル不足が続くと、ドル債務の大きい新興国は、債務の膨張、利払いの増加、通貨ヘッジコストの上昇に直面するかもしれない。
新興国でもファンダメンタルが大きく改善し経常黒字をため込んでいる国も多く新興国全体に問題があるわけではない。
でもやはり、ファンダメンタルの弱い、経常収支の赤字国には注意が必要だろう。
経常収支/GDP比率を見ると、アジアはファンダメンタルの強い国も多く、インドネシア(-1.7%)、インド(-1.9%)、スリランカ(-2.9%)、パキスタン(-4.0%)などとそんなに多くない。
中南米は特に注意が必要で、ペルー(-1.2%)、チリ(-1.4%)、コロンビア(-3.3%)アルゼンチン(-4.8%)など多くの国が経常赤字だ。
さらに東欧でも、ウクライナ(-3.6%)、セルビア(-4.6%)、トルコ(-5.5%)などには注意が必要かもしれない。
9/6の「新興国の危機をどう見るか」を参照。


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田舎の健康法(7 食の健康その1)

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田舎の健康法を考えるコーナーも7回目だ。
今回から田舎の食を取り上げてみたい、といっても田舎料理を良く知らないので最初はその素材を取り上げる。
まず、基本は「ひまわり市場」だ。
ここは大泉総合支所に近いところにある地元の名物スーパーで、何回もテレビで取り上げられているので地元では有名だ。
ここの良さは、地元の農家や生産者を協力して地元の野菜・卵・肉を生産者の名前入りで扱っている。
~さんの特別な卵とか、~さんの自家製パンとか、~さんの手塩にかけて作ったレタスなどと解説入りで売っている。
値段はちょっと割高かもしれないが、何を買っても品質には納得できる。

また、鮮魚も有名で、すし職人が注文に応じて握ってくれるので人気が高い。
山梨県は海がないのにマグロの消費量で全国1位で県民は刺身好きが多い。
それもあって、スーパーなどで販売する刺身は種類も多く美味しい。
肉は普通だが、夏場はキャンプ&バーベキューのお客が多いので、バーベキュー用に大ぶりの肉の塊りや巨大なステーキ用肉が置かれている。
その中で地元の地鶏や富士桜ポークなどは美味しい。

次はワシの好きな「ヤツレン」だ。
ここは野辺山牛乳やジャージー牛乳で有名な酪農会社で、飲むヨーグルトやソフトクリームも人気だ。
特にソフトクリームは有名な清泉寮より美味しいというファンもいるぐらいだ。
チーズは業務用の大容量で種類も豊富も多く、ワイン好きにはたまらない。
また、冷凍の牛肉も業務用の大きな袋詰めで1キロ単位で1000円から2000円で売っている。

大人数でバーベキューしたりするときはお勧めだ。

でも、ここの野菜コーナーがバツグンで、新鮮な朝どれ野菜を安く販売している。
これが最高にお気に入りで、大きなキャベツが150円、レタスやサニーレタスも100-200円、ニンジンや玉ねぎは袋詰めで100円、とても美味しいミニトマトが袋詰めで300円、とうもろこしではゴールドラッシュやホワイトコーンなどがとても美味しくて150円で売っている。
ワシは野菜より肉のタイプだったが、八ケ岳の住むようになり美味しい野菜をたくさんあるので、採食中心に変化した。

ヤツレンを越えて野辺山駅の先に行ったところに「びっくり市場」がある。
ここも人気で野菜から果物まで様々な業者が入っていて、安売りが有名な店だ。
駐車場も売り場も広く、販売業者の掛け声でにぎわっている活気も売り物だろう。
でも、一回、桃を買ったが安かったものの、美味しさは今一つだった。
たった1回のことなのでワシの間違いかもしれないが、なんとなくヤツレンの方に足が向いてしまう。
業者が多く入り業者間の競争が激しいので値段は超安いが・・・

次回に続く・・・


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金融P2Pの破たんをどう考えるか?

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強気市場では誰でも強気発言をするので、ほとんどの評論家の発言は全く参考にならないし聞く必要もない。
でも、強気市場だからこそ強気市場を否定する情報には気を付けなければならない。
人間には自分にとって不都合な事実を無視するクセがあり、強気の派手なニュースばかりに注目してしまうが、逆にその不都合な事実こそ重要である場合が多い。
いろいろなアンテナを張り巡らして不都合な事実をとらえるのがワシ流だ。

国慶節のニュースを読んでいてちょっと気になったのが、「金融P2Pで損した投資家が国慶節を国難節と呼んでデモ行進をした」というニュースだ。
中国の金融P2Pはネット・サイトを通じて個人の資金を集め、銀行が見向きもしない小企業や個人に小口融資する仕組みだ。
その手軽さから人気が沸騰し、2015年には金融P2P事業者は3500社と急増し、融資残高は1兆5000億元=24兆円に成長した。
しかし中国では悪徳業者も多く、融資に参加した個人投資家に返金されない事例が増え・・・結局、当局が規制を強化することになった。
これが流れの逆転をまねき、今年6月以降243社の金融P2Pが破たんし、社会問題となって抗議のデモ行進が国慶節にまで行われた・・・それがニュースになったというわけ。

巨大な中国経済にとって、金融P2Pの融資規模24兆円はたいした問題じゃない。
融資に参加した個人投資家には身ぐるみ剥がされた人もいて大きな問題だが、中国経済全体では十分に吸収できる微々たる問題にすぎない。
でも、ワシがちょっと気になるのは、この金融P2P問題がシャドーバンキング問題につながることだ。

さらにもう一つの「中国当局はこのほど、債務超過に陥った地方政府傘下の投資会社を清算し破産させる方針を明らかにした。」というニュースだ。

要するに、深刻な債務超過に陥った地方政府傘下の融資平台を切り離して破産重整(日本の会社更生)や清算を実施するという方針を中国政府が出したということだ。
融資平台は地方政府の公共事業を支えた融資プラットフォームだが、債務超過になった場合、地方政府と切り離されて処理されることになる。
投資家は地方政府の傘下だからと安心していたら、突然、切り離され破たん処理されるというリスクに直l面するわけだ・・・そんなことが起こるのが中国という国だ・・・中国人に生まれなくて本当に良かった。

とにかく、地方政府の債務は合計16兆8000億元=280兆円と言われ、さらに別枠で融資平台1870社で合計30兆2700億元=485兆円の巨額債務がある。
これはとてつもない金額で、この焦げ付きや債務超過が表面化したら・・・考えるだけでも恐ろしい。
この規模で破たん処理されたら、中国政府は知らんぷりして安泰だが、融資平台の理財商品に投資してきた個人はパニックを引き起こす可能性もある。
現在のところ、目立った問題は生じていないようで、すぐに株式市場に影響するわけではない。
今後、リスクシナリオ(可能性が低いが起きると問題になる)として、中国の融資平台関係のニュースには気を付けておきたい。



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イーロン、天才起業家か? 稀代の詐欺師か?

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SECに証券取引法違反容疑で提訴されていたイーロン・マスクが、2000万ドル(22億円)の制裁金とテスラ会長辞任でSECと和解し、CEOを続けることになった。
テスラ株式の非公開化に関したイーロンのツイートの中で、420ドルで株式を買い戻すための資金が確保された(funding secured)という表現が問題にされた。
その後、テスラ株式の乱高下によるインサイダー取引疑惑もあったかもしれない。
でも、その時点ではサウジアラビアとの交渉が進んでいたわけでウソではなかったし、価格についても時価の20%プレミアムの420ドルも普通だし、インサイダー取引もなかったようだ。
最終合意されていないディールをツイートした罪なのか、株価を乱高下させた罪なのか、なんだかもう一つ訳わからん提訴と和解だった。

でも、それで22億円もの制裁金を払うというのは、イーロン自身にも問題があることを自分で認めたということだろう。
テレビ収録の現場で大麻をプカプカ吸ったり、神経を疑われるようなツイートをしたり、ちょっとした変人ぶりが目立ち「コイツ、大丈夫か?」みたいに見られている時期だけにイーロンの信用をガタガタに壊してしまう。
会長職は辞職してもCEOは継続するので、テスラ株価は一件落着で大幅に戻った。
しかし、テスラのようなキャッシュフロー赤字の企業は常にファイナンス問題が頭痛のタネになっているはずで、CEOとしてイーロンの信用問題は根本的な弱みとなる。
今後テスラの資金調達にどうのように影響するか、よく注意して見ていかなければならない。

イーロンが設立したスペースXでも、企画している月周回旅行の最初の「お客さん」が日本人のZOZOタウン社長だと発表されたが、一連の流れで考えていくとこれもなんか裏の背景がありそうだ。
月旅行の費用が1000億円以上と日本人にはとてつもない金額だが、ワンビリオンダラー=1000億円程度なら支払える金持ちのアメリカ人はいくらでもいる。
さらにイーロンは「我々が彼を選んだのではなく、彼が我々を選んだ」と言った。
その意味は、普通に考えると、アメリカの金持ちには相手にされなかったので、話に色気を見せたアジア人の金持ちをうまく引きずり込んだ、ということだ。

イーロンは自分自身で証明する必要がある・・・それにはテスラの経営を軌道に乗せ、スペースXが約束通りZOZO社長を月旅行に連れて行くことだ。
テスラの第3四半期電気自動車生産が8万台を超えたと発表された。
これで年間目標の10万台をクリアしてくるし、このペースだと年間20万台生産も可能だが・・・安定した生産体制を作り黒字経営できるかがテスラの正念場になるだろう。
若くして創業した会社が合併後ペイパルとして成長し、火星に移民する民間宇宙旅行会社スペースXを創業し、テスラに投資し会長まで登りつめた、天才起業家として高く評価されてきたイーロンマスクだが、稀代の詐欺師として名を残すかの分かれ目だ。



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デフレ克服へ最後の関門

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安倍さんがデフレ克服を言い出してからもう4年以上たっているが、物価が上がってこないし、まだまだだと思っている人が多いと思う。
日銀短観の9月調査だが、数字をよく見ると「デフレ克服へ最後の関門」まで来ていると思うんじゃ。
日本のマスコミは業況判断DIが前期比低下したことで「経済は悪化した」というが、実態を良く見ていない。
ワシの注目する短観の数字を以下にまとめてみた。

日銀短観の判断DI
Mar-17 Jun-17 Sep-17 Dec-17 Mar-18 Jun-18 Sep-18
業況判断 大企業 16 20 23 25 23 22 21
中堅企業 15 16 18 19 20 20 17
製品需給 製造業 -8 -6 -5 -2 0 -2 1
製品在庫 製造業 8 8 8 7 6 6 7
販売価格 製造業 -4 -3 -2 -1 1 5 7
仕入価格 製造業 16 13 14 18 26 30 27
雇用判断 大企業 -8 -10 -11 -13 -18 -16 -18
中堅企業 -17 -17 -22 -27 -29 -25 -27

一番の注目点は、バブル崩壊後90年代からずっと言われてきた設備、雇用、債務の三つの過剰が明らかに解消されてきたことだ。


(1)国内製品・サービス需給DI、これこそデフレの象徴みたいなものだったが、ついにプラス(需要超過)に転換した。
過去20年のレンジはピーク2000年-18~ボトム2009年-59と、設備過剰と供給過剰を反映してマイナス圏で推移してきたが、ついに初めて2018年9月は+1とプラス圏に浮上した。
価格判断DIもタイト化した需給を表してる。
販売価格DIは9月+7と徐々に上昇していると答えた経営者が増えてきたし、仕入れ価格DIは+27と、原油価格や原材料価格の上昇が顕著になってきた。

(2)雇用判断DIだが、これは巷に言われている通りの大幅な人手不足が明確になっている。
大企業でも9月-18と不足状態だが、中堅企業はもっと厳しく-27と大幅な人手不足だ。
これに呼応して、ソフトウェア・研究開発投資が大幅に増えてきている。
大企業のソフト・研究投資は前年比+9.6%、中堅企業ではさらに高く+17.6%で、人手不足を補うために省力化のソフト開発に力を入れている様子が見られる。
人手不足が日本企業のボトルネックとなるかは、外国人への労働市場開放とともに、AIやソフトウェアによる代替効果で決まる。

というわけでデフレの根源であった設備・雇用・債務の三つの過剰はすでに解消されてきたといえる。
あとは企業経営者自身がデフレ発想を転換できるかだ。
つまり、原材料の高騰により上昇した仕入れ価格をそのままにして企業の利益マージンを抑えてしまうか、それとも、販売価格を引き上げて利益マージンを確保するのかという選択と・・・
もう一つは、雇用不足のまま売上げの低下を容認するのか、それとも、利益マージンを確保し賃金を上げて安定的な雇用状態を作り出すのかという選択で、この二つの発想転換を試されている。
この発想転換ができた時本当に意味でデフレ克服といえるはずで、これが最後の関門となるだろう。



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やさしい投信運用(5 iDeCo経験談)

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iDeCoの実際の運用例としてワシの確定拠出年金の経験を話そうと思っておる。
前回話した通り、ワシは2007年から個人型=現在のiDeCoに加入し、10年強毎月2万3000円を拠出(年金の用語で入金すること)し、それ以前の会社型で拠出した分を含め合計550万円を積み立てた。

このiDeCoは非常に良い年金制度だ。
まず、iDeCoの専用のサイトがあり、その時点での拠出金合計、組み入れ投信ごとの運用残高、合計の運用残高、年率パフォーマンスなど必要な数字が毎月、手に入ることだ。
お任せ運用にはない臨場感があり、実際、ファンドマネージャーが見ている画面に近い状態で運用できる。
さらにこのサイトでは、投信の内容(対象有価証券、フィー、過去のパフォーマンスなど)を比較できるし、投信の入れ替えもサイトで簡単にできる。

次に税金関係だが、これもiDeCoはとても有利だ。
毎年拠出した掛け金が所得控除になる・・・具体的には年末が近づくと「小規模企業共済掛金控除」が送られて来るので、確定申告すれば23000×12か月=27万6000円を所得から差し引くことができ、年末調整をするサラリーマンなら払った税金が還付される。
さらに退職時は、一時金として受け取る場合は退職控除が使えるし、年金で受け取る場合は公的年金控除が使える。

しかし、ワシは一時金で全額受け取ったが、実は税金面ではいまだに納得がいっていない。
普通、税金は運用収益に対してかかるが、iDeCoの場合、積み立てた金額も含めて課税されたことじゃ。
ワシの例でいえば、550万円は自分で払った拠出金で、リターンは330万円で普通ならこれに対して課税されるはずだ・・・キャピタルゲイン課税なら約20%で66万円の税金となる。
ところが退職金課税では他の退職金もあったため、このiDeCo分については80万円程度課税された。
確かに全額の880万円からすれば10%弱の課税だが、キャピタルゲイン20%課税より多く税金を払ったことになる・・・ん????となんか騙された気分になった。
普通に880万円の退職金(10年)とすると、退職金控除は年40万円、さらに二分の一課税になるので、(880-40×10)×1/2×20%(税率)=48万円となる。
キャピタルゲイン課税(66万円)より低くなるが、他の退職金がある人は意外と不利になるので要注意だ。

ついでにもう一つ文句を言いたい。
それは投信のスイッチングに時間がかかることだ。
特に外国株投信や外債投信を入れ替える時は、まず、売却に時差を含めて6-7日からかり、現金での入金を確認してから別の投信を買うのでさらに4-5日かかる。
一回のスイッチングで合計2週間近くもかかるので、売りたい投信は売りたい価格よりかなり下値で売却し、買いたい投資は買いたい価格よりかなり上値で買わされることになったことも多くあった。
今時、投信のスイッチングで2週間もかかるなんて・・・ありえないだろ!!!・・・と言いたい。



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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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