株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

2018年07月

オウム真理教とイスラム過激派(2)

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オウム真理教には多くの高学歴の若者が集まっていた。
また、イスラム過激派、ISなどにも多くの優秀な若者が集まり、テロ行為を行っている。
何故、多くの優秀な若者が狂信的なカルト集団に命を捧げるのだろうか?

ワシはアラブ地域への数多く訪問した経験があり、アラブの人たちと話す機会も多かったので、イスラム過激派に参加する若者と、日本のカルト教団の参加する若者の共通点がなんとなく感覚的に理解できる。
それは既存社会の腐敗に対した時、若者はより原理的で急進的な考え方に魅力を感じるということだ。

たとえば、金利を認めていないイスラム教、それに対応するためイスラム金融では割引債が中心になったが、割引債だって金利だよねというのが一般のアラブ人の間に感情的にある。
古来からのイスラム教義を現代社会に合わせるために様々な宗教的妥協をしてきたし、それによりアラブ社会も近代化され発展してきた。

現代社会を生き抜く知恵でもあったわけだ。
世界各地に広大な別荘を持ち、プライベートジェットで飛び回り、高級ワインを飲むながらヨット遊びを楽しむアラブの金持ち・・・アラブ人社会の貧富の格差は想像を絶するし、こうした社会的不満が若者をより純粋な原理主義的に駆り立てる。
多くのアラブ人の大人たちも過激派の教義の方がより純粋にイスラム的であることを知っているし、貧しい純粋な若者がより原理主義の過激派の教義に引かれていくことを理解している。

日本は貧富の格差が小さいとはいえ、腐敗した部分が多くある。
接待付けの文科省の役人が逮捕されたが、この程度の大人は日本社会のどこにでもいる。
立場を利用して接待や贈答を要求したり、悪いことをしても謝らないオッサン(7/5記事参照)が普通にどこにでもいてまともな若者たちを呆れさせる。

この汚い社会に不信感を持つ若者が過激な宗教思想に引かれていく・・・オウムもイスラム過激派も同じような構図で出来上がっているような気がする。

そういう意味では、イスラム過激派は、腐敗したアラブの大人の世界が生み出したものだろうし、オウム真理教も歪んだ日本社会が生み出したものだ。
反省すべきは、今の社会を作り上げている大人たちなのだろう。


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オウム真理教とイスラム過激派(1)

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オウム真理教のサリン死刑囚が結局、13人全員、死刑執行された。
死刑確定していたので執行についても問題はないが、一部のマスコミが死刑反対の意見を出している。
欧米の人権派の団体やマスコミから10人を越える大量死刑に対して異論が出ているからだそうだ。
イベント的な話題性のある大量死刑は、一般市民へのみせしめ、公開処刑に近いもので、中世の非人道的なイメージを彼らは持っているのだろう。

ただ、日本と欧米では社会も歴史も宗教も違う。
オウム真理教の大量死刑で中世的な魔女狩り処刑みたいなイメージを抱く日本人はほとんどいないだろうし、公開処刑といったような人道上の懸念は日本社会にはない。
でも、問題なのは、よく物事を考えずに、欧米人権派に影響されてギャーギャー死刑廃止を主張している日本のマスコミだ。
この日本の偽人権派のマスコミ・記者・評論家に違和感を感じるのはワシだけだろうか?

欧米社会はテロに対して超厳しい社会で、テロなどの凶悪犯はその場で射殺される場合が多い。
日本と違い銃社会なので自己防衛のための射殺は許されているからだ。
テロは極めて悪質な反社会的な犯罪なので、その場でズドン、一発キャピタルパニッシュメントでも法律上も全く問題はない。
でもこれって・・・人権も法廷も死刑も関係なく、死刑執行しているのと変わらない。

これに対して日本はどんな凶悪犯に対しても法律で裁かれる機会を保証している。
日本の警察は威嚇の発砲は許されているが、余程緊急の場合以外、犯人の射殺は許されていない。
一体、どっちが民主的なのだろう?
おそらくキリスト教の価値観なのだろうが・・・欧米では神の前で「懺悔」した者には次のチャンスが与えられる。
殺人犯でも法廷で懺悔をし悔い改めると発言すれば、どんな量刑であれ、立ち直るための更生の道が用意される。
こうした意味で欧米の人権派が「懺悔」をした犯罪者の死刑廃止を主張していることは理解できる。

日本では凶悪犯も生け捕りされて法廷で裁かれるが・・・でも、懺悔しても許されることはない。
それぞれの社会にはその市民たちが受容するモラルや犯罪観があり、もし、オウムが欧州でサリン事件を起こしオウム施設に踏みこまれたとしたら、麻原などはその場で射殺されていたはずだ。
そうした社会的・宗教的な犯罪観も理解せずに、人権という言葉の響きの良さに流されてしまう・・・マスコミのレベルの低さが露呈したということだろう。



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ウィークリー雑感(7/29自然災害)


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関西地震、西日本豪雨、熱波ともいえる異常高温、逆走台風、そしてこれからの大型台風・・・今年はたいへんな年になってしまった。
しかもまだ台風シーズンは始まったばかりで、今後いくつもの大型台風が日本に上陸するのか分からんぐらいだ。
自然災害がこれだけ頻繁に起こると、株式市場を見ていく上でも無視できないファクターとなってくる。
そこであらためて自然災害の株価への影響を考えてみたい。

一般的かつ直接的な影響は、従業員などへの人的被害、工場や店舗などの建物への物理的被害と、操業停止による売上げの減少あるいは機会損失などが考えられる。
従業員への人的被害や建物への物理的被害については各企業は保険に加入しているので、保険で補償される場合がほとんどだろう・・・直接の業績へのマイナスとはならない。
大規模災害など保険の適用外の場合もあるが、東日本震災のようなケースでは同情的な世論を考慮して補償されるケースもあり・・・やはり、直接の業績へのマイナスは限定的だろう。

操業停止による機会損失やサプライチェーンが切断され生産が滞ったケースでは、企業がどれだけ迅速に代替的サプライチェーンを作り回復できるかによるだろう。
サプライチェーンの代替が遅れれば企業の売上げにマイナス影響となるが、自然災害が多い日本企業はおそらく災害に備えて代替的サプライチェーンを準備しているだろう。
したがって、自然災害が起こったからといってすぐに業績下方修正で株価暴落するというわけではない。

災害時の物理的被害の保険を引き受ける損保会社にはマイナスが生じる可能性もあるが、基本的には再保険にリスクを分散させているので・・・業績へのマイナスはそんなに大きくない。
人的被害の保険を引き受けているのは生保だが、これまた準備金を積み立てているので・・・業績へのマイナスは限定的だろう。
また、ふるさと納税などを使った義援金支援制度も拡充してきたので、被災地には多くの無償の支援が送られることも大きな安定要素となってきた。
・・・これらの点は重要で、個人投資家には「慌てるな+焦るな」を勧めたい。

昔、20年以上前に阪神淡路大震災(M7.3、死者6434人)が起こった時、曲がり歪んだ高速道路、街中で火の手が上がり、鉄筋のビルが崩れ落ちたテレビ画像にくぎ付けになった。
もちろん、瞬間的に株価が急落したが、建設株が逆に急上昇した。
でも、ほんの一瞬のころで、すぐに株価は反発し建設株はピークを打った。
結局、安くなった株を買い、上昇した建設株を売るのが正解だった。
新潟中越地震(M6.8、死者68人)、御嶽山噴火、熊本地震(M7.3)・・・・局所的な地震や噴火・台風などではその地域に甚大な被害があったが、株式市場は一瞬で織り込んだ。
ここから得られる経験則は「慌てるな+焦るな」である。

でも例外はある・・・東日本大震災ようなカタストロフィー(異常な大災害)だ。
単に巨大地震だけでなく、それに続く津波、そして、原発のメルトダウン・・・東北数県にまたがる広範囲で壊滅的被害が出た。
東北地方のサプライチェーンが完全に崩壊し、チェーンでつながる中国の工場でも部品供給が途絶え、生産が大きく狂った。
発電所が停止し電力などのエネルギー供給が途絶え、高速道路や幹線道路などの社会インフラが使えなくなり、原発の放射能で巨大な立ち入り禁止区域ができた・・・経済活動は長期にわたって停滞した。
2011年の名目GDPは前年比11兆円のマイナスの471兆円となり、原発停止でLNG輸入が急増し貿易収支は赤字転落した・・・当然、株式市場も長期停滞し、2年後、2013年の黒田日銀の異次元緩和でやっと回復に転じた。
ワシの経験の中でも、この東日本大震災とリーマンショックは別格で「慌てるな+焦るな」では済まないという記憶が鮮明に残っている。

経験則としては、「まず、局所的な災害は慌てずに逆張りする、でも、異常な大災害はリスクを調整し凌ぐ」ということじゃな。


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ノーニュースはグッドニュース?

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「便りのないのは良い知らせ」と言われているが、何か違和感を感じているのはワシだけだろうか?
このところはトランプの独壇場で、2000億ドルの中国製品に10%の追加関税を掛けると言ったり、すべての中国輸入品に追加関税を掛けると言ったり、主要国の為替操作について言及したり・・・まさに言いたい放題だ。
でも、トランプが依然として元気に発言しているのに比べ、習近平の発言やニュースがあまり見られなくなったように感じる。

いつもなら、トランプの挑発にすぐさま反応していたが、最近は公式の発言が報道されていない。
一方、一部のブロガーやインスタなどで習近平の失脚説みたいなものが流されている。
習近平のポスターに墨汁をかけたとか、墨汁をかけた女性が姿を消したとか、ポスターに墨汁をかける運動が広がっているとか・・・などなど。
フェイクニュースだろうと思っているが、中国の沈黙が不安感を増長させる。

アメリカとの貿易摩擦に対して習近平の失政責任を追及する動きは当然だろうし、外交に関しても北朝鮮や台湾を巡り満足していない筋の動きも感じられる。
でも、3月の全人代で圧倒的なパワーを得たばかりの習近平である、そんなに簡単に失脚することはありえない・・・中国の権力は最低5年間という長期で、首相がコロコロ変わる日本では考えられないぐらいだ。
ここ数年の習近平の粛清により、江沢民も胡錦涛も派閥の有能な部下を失ってしまった・・・簡単に共産党内部でクーデターが起きるとは思えない。

こんな状況での中国政権の沈黙だ。
習近平は何かものすごい反撃を考えているのだろうか?
関税に関しては、以前記事で書いた通り、中国の米国からの輸入総額が1300億ドルなので、追加関税をかける品目には限界がある。
となると考えられるのは何かしらの米国資産を売却するぞと脅すか、米国企業を中国市場から締め出す政策で米国の譲歩を迫るかだろう。
最終兵器は中国保有の米国債の大量売却(7/20参照)だろうが、これは簡単にはできない。

8月の北戴河会議で中国の長老たちと対峙することになる習近平は、その前に何か思い切った政策を出してくるのではないだろうか?


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やさしい株式需給の話(8 先物)

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東証では投資主体別売買を現物株と先物で分けて公表している。
5月の先物ネット(TOPIX、差し引き)売買を見ると、自己-4045億円、委託+4053億円とあり、その下に法人-794億円、海外投資家+4791億円、個人-36億円と委託の内訳が出ている。
さらに法人の内訳、投信-759億円、事法+30億円、信託銀行-147億円、銀行+12億円、その他+63億円と出ている。

主な先物はTOPIXと日経225の2種類だが、機関投資家が使うのは基本的にTOPIX先物で225先物はより投機筋に使われるケースが多い。
だから機関投資家の需給を考える場合はTOPIX先物の数字を使う。

まずは機関投資家の大口売買だが、先物は証券会社の自己勘定が仲介する場合が多いことに注意が必要だ。
だから、先物取引では、自己のネット売買と委託全体のネット売買で合計ほぼゼロになる。
そして、自己はポジションヘッジのために先物が買い越しなら現物は売り越し、先物が売り越しなら現物は買い越しと現物と先物で逆になる。
委託の内訳を見ると、外人の買いと投信の売りと、自己の売りが対当しているのが分かる。
国内機関投資家の先物ヘッジ売りと海外投資家の先物買いを自己勘定の売りで吸収したわけだ。

次に現物売買と先物売買を合わせて見てみよう。
まず、海外投資家だ。
5月の現物はネットで-7396億円と売り越し、先物はネット+4791億円の買い越しになっている。
これは海外のトレーディング会社や証券自己が、海外籍のヘッジ・ポジション(現物買い/先物売り)を数千億円程度縮小させた可能性がある。
新規に現物に売りポジションを増やしたというより、既存のポジションの縮小と考えた方がいい。
だから、外人投資家のネットの売りは3000億円程度だったと想定される。
この3000億円程度のサイズの売り越しだと、年金やソブリンファンドというより、グローバルファンドの部分的なリバランスだろうと推定できる。

次に国内投資家、投信と信託銀行だ。
国内投信は現物株を-2826億円、信託銀行は-1088億円、それぞれ売り越しだ。
先物でも国内投信は-759億円、信託銀行は-147億円、それぞれ売り越し。
国内投信は解約などで資金が流出する時、とりあえず、先物を証券自己と相対で売っておいて、その後現物株を売り、先物からスイッチしていくというやり方が取られる場合が多い。
おそらく国内投信の解約が出て、それに合わせて先物を売り建て、現物株をその後売却するという取引が行われていたのではないかと思われる。
信託銀行の5月の数字は金額として小口で大きな年金がリバランスをしたというほどではない。
おそらく年金のバランス型のような配分を細かく変えるタイプの運用で株式を減らしたというようなの売りだろう。
本格的に動くときはこんな小さい額でなく、数千億円単位で売り越し/買い越しが出てくるからだ。

この月は事業法人が+4385億円の現物株の買い越しをしているが、これは自社株買いがほとんどだと思われる。
先物では事業法人は+4億円の買い越しと動きが小さい。
現物の買い越しは、ToSTNeTを使った取引で自社株買いということになる。

この月は総じて通常の売買が多かったように思う。
特に大口の海外年金やソブリンファンドが動いたような取引は見当たらないからだ。
現物の主体別売買状況と先物の売買状況を比べることで、大口の内外機関投資家の動き、国内投信の動きを推測することができる。


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日銀買いオペで儲ける人たち

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金融緩和政策としては国債を買うのもETFを買うのも同じ意味なのだろうが、実は日銀ETF買いオペは儲かるビジネスじゃ。
TOPIXのETFを買いオペの中心にするとさらに儲かる。
国債は市場の流動性が高く、銀行が保有している国債が日銀の保有に移るだけだ。
現在はイールドカーブコントロールで長期国債の指し値オペが中心だが、基本的になんの特別な利益もない単なる所有権の移転だ。
オペを通して銀行には売却代金が入るので、銀行がその現金を使えば金融緩和効果が出る。

では、ETFはどういう仕組みで日銀の買いオペが行われ、誰が儲けているのだろうか?
日銀がETFの買入れを通知すると証券会社はETFを用意することになるのだが、これには二つのやり方がある。
一つは株式市場からETFの売り物を買う通常通りの委託取引である。
でも日銀は一日で700億円ぐらいのETFを買うので、市場に出ている売り物だけでは不足する。
そこで、もう一つのやり方、日銀の買入れに合わせてETFを組成することになる。
新規ETFの組成は証券会社の得意技で、指数裁定取引と組み合わせればけっこう分厚い収益を上がられるはずだ。
仕組みはこうだ。
まず、証券会社の自己勘定で指数の現物買い/先物売りの裁定取引をする。
この裁定取引の際、現物と先物の価格差を収益として受け取れる。
そして、この現物株をETFの組成会社(野村アセット、大和アセットなど)に持ち込み、現物をETFに交換する。
そこで、指数ETF買い/先物売りのポジションが出来上がり、日銀の要請に基づいてETFを日銀に渡し、先物を引け値で買い戻すというわけだ。
この時、現物の引け値を持ち上げてやれば、それが持ち上げた分がトレード益になる。
日銀の買いが入った日に引け値が高くなるのは、それにより証券会社が収益を上げられるからだ。

要するに、日銀のETF買いによって得られる収益機会は、①組成のための指数裁定の価格差、②日銀にETFを売り渡す時の価格差、③ETFの売買委託手数料(大口割引で0.1%程度?)、④信託報酬(通常0.2%程度?)の4つある。
①と②はどのぐらいの利益か分からないが、仮に0.2%程度の収益としても1回700億円の日銀の買いで1.4億円のトレーディング益が上がる。
③の手数料は0.1%として7000万円の手数料が証券会社に入るし、④の信託報酬は、日銀保有のETF残高2兆円、年間0.2%の信託報酬を受け取るとすると、40億円となる。
日銀は年間6兆円のETFを買うと、80回の買いオペをする計算になるので、約100億円のトレーディング益、約50億円の委託手数料、約40億円の信託報酬が証券会社のフトコロに入るというラフな計算になる。・・・マジか?


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大人の国のカジノ、子供の国のパチンコ

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IR法が国会を通過したが、国会周辺での大騒ぎやマスコミの報道を読んでいるとガッカリする。
「カジノ=ギャンブル、ギャンブル=悪」という単純な図式でモノを言う人たちがいたり、パチンコ業界の人が反対したり、日本人のギャンブル依存症を増長するとか・・・・

ブックメーカーで何でも賭け事にしてしまうイギリス。
ギャンブルは紳士・淑女の楽しみの一つでもあるが、自我がはっきりしている大人の国イギリスでギャンブル依存症って聞いたことがない。
ロンドンの繁華街にはカジノが数軒あり、リッツホテルにも入っているし、高級地区のグローブナースクエアにもある。
でも自己責任が確立している大人の国では、カジノも普通の市民生活も併存していて何ら問題はない。
日常生活域にあるカジノはロンドンだけでなく、モナコ、ソウル、シンガポールなど多くの都市にもあり、観光客だけでなく一般市民もリスクに応じてギャンブルを楽しんでいる・・・依存症とかの話は聞いたことがない。

ラスベガスのある大人の国アメリカでは、イギリスと違い、豪華高級ホテルと絢爛豪華なショーとともに非日常的な巨大リゾート型カジノが発展した。
本家のラスベガス、リノなどは砂漠の真ん中にあるし、アトランティックシティなどもNYCからちょっと離れたニュージャージーにあり市民生活からは距離的にも離れている。
これらのリゾートでは普通の市民生活と離れて、非日常を楽しめるように工夫されている。
これはマカオも同じで、香港からフェリーで小一時間で行ける一大テーマリゾートになっている。
こうした日常生活と離れた空間で、非日常的な総合エンターテインメントを楽しむカジノ・リゾート・・・そもそも非日常空間であり、依存症とかの議論にはならない。

比べて日本では「カジノが日本人のギャンブル依存症を増長する」という余計なお世話とでも言いたくなる大騒ぎをしている。
ギャンブル依存症って、普通の主婦がパチンコにハマり生活費を使いこんだとか、子供を炎天下の車に閉じ込めて主婦がパチンコしている間に熱中症で死んだとか・・・そんな報道のことだろう。
主要な駅前に林立するパチンコ店、ギャンブルが無秩序に市民生活に入りこんでいる日本の方が余程例外だ。
カジノのギャンブル依存症だとかギャンブル中毒と騒ぐなら、まずパチンコ依存症に対応すべきだと思う。

カジノの経営も楽じゃない。
マカオのカジノの業績不振が報じられたり、アトランティックシティのカジノも経営不振で売却が報じられたり、グローバルに競争激化の波が押し寄せている。
すでに各カジノで富裕層の取り合いになっている可能性が高く、カジノをやれば海外から観光客が集まるというものでもない。
ギャンブルへの嫌悪感とパチンコ依存の混乱した子供っぽい議論をしていたら、IR法は足を引っ張られ成功はおぼつかない。
観光立国、訪日観光客4000万人、東京オリンピックという政策の流れで統合型リゾートを作るなら、未成熟なギャンブル嫌悪症の人たちに邪魔されないことだろう。
日本人は大人の娯楽としてギャンブルを位置付られるかが試されている。


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田舎の健康法(4自転車)

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田舎の健康法についてのコーナーで、前回から八ヶ岳周辺の自転車事情の話をしておる。
昨日も行った最近お気に入りの、小淵沢の道の駅の足湯コースだ。
まず、清里から旧道に入り土竜の滝を通過して甲斐大泉駅付近を通り、さらにいずみラインをどんどん下っていく。
そして、甲斐小泉駅前を抜けて三分一湧水を通過、一本道をどんどん下るとリゾナーレ小淵沢に出る。
その踏切を渡れば、すぐに小淵沢の道の駅に着く・・・この往復コースが目下一番のお気に入りなのだ。

全長40キロとそんなに長くないが、清里駅までの上りが190メートル、その後はずっと369メートルの下りで、八ヶ岳特有のアップダウンのキツイ道だ。
消費カロリーは、往路が660キロカロリーで、復路が690キロカロリー。
特に復路は小淵沢道の駅からほぼずっと登り坂が16キロ以上続く。
ひたすら自転車のペダルを踏み続けることになり、甲斐大泉から土竜の滝に向かうところから急な勾配がヤマ場となる。
途中、桐朋学園の寮の入り口前が合図で最もキツイ上り坂に入る・・・ここは前のギアをインナーに後ろをローギアに入れてペダルを止まらないようにひたすら漕ぐことになる。
そして土竜の滝から再びキツイ勾配の上り道が続く。
桐朋学園前からの登り坂よりはまだましだが、清里駅近くまでずっと上りになる。
これがキツイけど楽しい自転車コースで、今一番好きなコースだ。

このコースの良さは、第一に、土竜の滝、平山郁夫シルクロード美術館、三分一湧水、リゾナーレ小淵沢、小淵沢道の駅・・・と、観光ポイントが続くことだ。
時間に余裕があれば、観光ポイントを楽しみながらブラブラとポタリングを楽しみことができる。
清里駅では電動自転車の貸し出しもあるので、自転車を借りてこのコースを行くこともできる。
電動自転車なら帰りも楽チンだ。

第二にこのコースはJR小海線に沿っているので、小海線の2両編成のローカルな風景を楽しめることだ。
コースの途中で小海線の撮影ポイントを探しながらサイクリングができる。
甲斐小泉駅は無人駅でけっこう田舎な感じ丸出し、そこがとっても良いし、駅周辺に撮影ポイントもありそうだ。

第三にこのコース終点の小淵沢道の駅に魅力がいっぱいあることだ。
道の駅の売店も美味しいパン屋さんあり、コーヒーショップもあり、売店では朝採れ野菜も買えるし、地元のワインも買える。
道の駅の真ん中に延命そばがあり、蕎麦打ち体験もできるし、美味しい蕎麦を味わうこともできる。
さらに端っこには延命の湯があり、温泉を楽しむこともできる。
延命の湯は混ぜ物なしの源泉かけ流しで、湯質は八ヶ岳周辺の温泉でも最高の部類に入る。
でもサイクリングの場合、そこからの復路がキツく汗だくになるので、温泉に入っても無駄だ。
そこで道の駅の足湯がおすすめだ。
ワシはいつも道の駅で腹ごしらえをして、足湯でリラックスしてから、キツイ復路を目指して出発することにしている。


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カザフスタンのNBK


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カザフスタンのスケート選手、デニス・テン選手が強盗に襲われて亡くなった。
冥福を祈りたいとともに、巨大投資家のコーナーでナショナル・バンク・オブ・カザフスタン(NBK)を取りあげたいと思うんじゃ。
カザフスタンは、旧ソ連の共和国だったがソ連崩壊とともに独立した、まだまだ若い国だ。
でも、ワシの訪問したアルマトィは旧ソ連時代の首都であり、古く、いかつい建物が並ぶ。旧ソ連からの歴史が感じられる市街地だ。
首都は1997年にアスタナに遷都され、日本の黒川紀章の都市計画にそって開発された近代都市だ。
アスタナには行ったことがないので分からないが、おそらく、近代的な建物が建ち並ぶ、旧ソ連の印象の全くない近代都市になっていると想像できる。

でも、ここアルマトィの最初の印象は旧ソ連そのものだった。
まず、ワシの共産圏のイメージじゃが、必ず広場があり、その広場に沿っていかつい議会や公会堂が建てられているというものだ。
モスクワの赤の広場、北京の天安門広場・・・・どれも同じ構図で、一種の威厳を示そうとしているような重たい感じなのだ。
アルマトィも赤の広場とは規模が違うが、同じような構図を持っていて、カザフスタンが旧ソ連の一共和国だったことを示している。
もう一つがその色彩だ。
普通の商業都市ならばカラフルな色彩の看板やお店が立ち並び、華やかにして客を喜ばせるが、ここ共産圏では違う。
市民を、あるいは、観光客を喜ばせるという発想そのものがないので、街並みの色調は黒やグレーが中心になり、暗く重厚な雰囲気を作り出す。
まだまだ、カラフルな客を誘うようなお店やレストランも少ない。

現地料理のレストランに入ったが、やはり、珍しいものがたくさんあった。
砂漠とステップの国なので、ヤギや馬のミルク、馬肉やヤギ・羊肉の料理などが中心だ。
でも、この馬のミルクはとても臭く飲めた代物ではなかった。
次の日は地元料理をあきらめて普通のステーキレストランで食事したが、こっちは普通に美味しかった。
まあ、一度は地元料理を食べてみるべきであろうな。

さて、カザフスタンの中央銀行であるNBKを訪問したが、まず、驚いたのは若い人ばかりだということだ。
旧ソ連から独立後、支配者であったロシア人が帰国し人材がまるっきり入れ替わった感じで、新しい役人層が出来上がったのだろう。
つまり、2000年前後に欧米の大学や大学院を卒業し、自国に戻り国家建設の仕事に就いた若者たちがこの国の実務部隊を作り上げたいる。
だから皆とても英語が堪能で、旧共産圏とは思えないコミュニケーション能力を持っている。
その彼らが10数年のキャリアを持ち仕事の中心を担い、若く柔軟な頭脳で天然資源が中心を経済を切り回している感じだ。

中央銀行であるNBKは、本来の金融政策や為替政策の中心を担う組織だが、天然資源ビジネスの利益を国家ファンドとして運用し、国民の将来資産を増やしていく役割も持つ。
運用規模は秘密だが、ここ数年のカザフスタンのGDPの伸びから考えると、資産規模は着実に増加していると推定される。
訪問後、グローバル・クレジットのマンデート・サーチ(運用商品の募集)があった。
グローバルな債券運用が現在のところ中心で、エクイティの運用はまだ今後の課題といったところかもしれない。


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ウィークリー雑感(7/22休むも相場)

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相場格言に「売るべし、買うべし、休むべし」というのがある。
ワシが証券会社の自己資金を運用していた時は、毎日、資金を100%近く回転させていた。
毎日大量の発注をコンピュータ経由で行い、東証一部出来高の2-3%のトレードを執行していた。
毎日の収益の積み上げが月間収益であり、その結果、決算期にトレーディング益として損益計算書に記載される。
当時は「売り、買い、休む」なんて相場格言は意味もないと思っておったし、職業として運用している人は休むことができない・・・常に相場を張り続けるのが仕事だからだ。
でも、個人投資家になった今、「休むも相場」は大切な心得の一つだとあらためて感じる。
休めるのは個人投資家の特権だ。

日経平均はそれなりに戻り23000円の水準にあるが、この水準は各投資家のポジションがスクエアに向かう一種のニュートラルなゾーンのようだ。
まず個人投資家だが、1月高値24000円から3月安値21000円の半値以上の戻りで、損益状況をだいぶ改善させたようだ。 個人の長期運用ではリターンが上がっているはずだ。
個人は2月から3月で外人売りを吸収する逆張り投資を行い、信用買残は一時3兆6000億円以上まで積み上がっだが、この株価の戻りで利食いに入り信用買い残も3兆円まで20%程度減少してきている。個人投資家の短期逆張りは成功した。
というわけで、個人投資家の長期/短期のポジションは大きく改善したことを示している。

さらに、ここまで売り方に回っていた海外の投機筋は年初から株売り/円買いを積み上げてきたが、ここにきてポジションの反対売買を行っている。シカゴの通貨先物でも円ショートが大幅に減少し(円買い)通貨ポジションはほぼニュートラルになっててきた。
株式ポジションも7月第二週に入り買い越しに転じ、通貨・株式ともにスクエア(中立)にする動きが出たとみられる。

年金など国内機関投資家も年初からの損益状況が改善しホッとしているところだろう。今年度リターンは3月末の水準を上回っていることでプラスに転じてきている。
つまり、この23000円水準は多くの投資家にとって居心地の良い中立水準だということだ。

「休むも相場」の意味は、投資家が迷っているから「休む」のではなく、相場の中立水準で一旦冷静に今後を考えるための積極的な休みだ。
一旦、リスクを調整し、次のシナリオをどう考えるのかを自問自答する時が「休むも相場」だ。
この余裕が個人の株式投資には重要なことで、「一旦立ち止まって考える」ことを勧めたい。
次の一手を考えている時が、株式投資で一番楽しい時かもしれない。
エッ、次の一手はって?

追記
ネットで「休むも相場」を検索すると、間違い、勘違いが非常に多い。
大儲けしたら一旦「休むも相場」とか、迷ったら「休むも相場」とか書いているブロガーが多い。
全く間違いだ。
この格言「売り、買い、休む」は、「相場観を持って売り、相場観を持って買い、相場観を持って休む」という意味で、大儲けしたからとか迷ったからとかは関係ない。
もっと求道的な意味で「意図して休む」ことが本来の意味だ。
だから、次の一手を求めて「一旦立ち止まって考える」ための休みが正解だ。
いい加減なブロガーが多く、大迷惑じゃ。


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日本唯一の国境線の石

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日本郵船小樽支店にこの石碑(レプリカ)が展示されていた。
正面には「大日本帝国」と刻まれ、その裏側には「POCCIR」と刻まれている。
正確にはRは左右反対のロシア文字で「ヤ」と発音する。
ロシア文字では、PはRで、CはSであるので、これでロシアとなる。
日露戦争が終結し、日本が南樺太の領有権を得て樺太の真ん中に国境線を引いた時、4つの石碑が作られ国境線に置かれたものだ。
だから、日本領土側に大日本帝国とロシア領土側にロシアとそれぞれの文字で書かれている。

日本は島国なので国境線はない。
海の中に概念上国境線は引かれているが、実際には見えない。
つまり、この石碑は日本の国境線として唯一見えるものだった。
日本郵船小樽支店で国境策定会議が開かれたので、この石碑はそこに展示されている。

北方領土ではその返還をめぐっていまだにロシアともめているし、竹島では韓国と、尖閣諸島では中国との間に領有をめぐるゴタゴタがある。
でも、この石碑を見た時、国境線なんてこんな石に過ぎないということをしみじみ感じた。
各国政府は問題地域の長い歴史を振り返り、さも永遠の真理であるかのように主張するが、実際、全くなんの意味を持たない。
国境はその時々の力関係で勝手に定められただけのものだからだ。
事実、尖閣諸島もアメリカが領有していた時は中国は何も言わず、沖縄返還以後、突然中国が領有を主張し始めた。
そんなことより、北方領土に昔から住んでいた人達やその家族が以前と同じように自由に行き来できることが何より大切なことだろう。
そんな人為的な国境でもめて戦争をするなんて愚の骨頂じゃとしみじみ思う。


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中国の最終兵器は米国債の大量売却か?

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2000億ドルの中国からの輸入に対して10%の追加関税とかけると表明し、中国は報復を検討しているようだが・・・18日にはトランプが2000億ドルの中国製品を特定するようにUSTRに指示したとニュースが流れた。
エスカレートする米中貿易摩擦に関連して、「中国の最終兵器は米国債の大量売却だ」という評論家もいる。
たしかに中国の外貨準備は3兆ドルあり、日本2兆ドルを引き離して世界最大の黒字国であり、中国の米国債保有額は1兆1800億ドル、日本の1兆ドルを上回る世界最大の米国債保有国だ。
だから最終兵器説が出てくるのも分からんでもないが、これは中国にとっても自爆テロともいえ簡単ではない。

世界の巨大投資家のコーナーで、中国の外貨管理局(SAFE)について取り上げた。
外貨管理局(以後、SAFE)は中国当局の外貨準備を運用している公的機関で、人民銀行が行うドル買い/人民元売りの為替介入の結果である外貨準備を預かっている。
貿易黒字の中国企業は、それを国内に還流させるためドルを売って人民元を買う。
そうすると、人民元がどんどん高くなってしまうので、人民銀行がこの反対(ドル買い/人民元売り)の市場介入を行い、人民元レートを安定させている。
人民銀行は人民元を市場で売っていくので、市場には人民元があふれ、金融緩和効果が出る。
この金融緩和効果が、2000年以降、中国経済のバブル的な活況を増長させてきた。
つまり、人民銀行の介入結果、外貨準備が急増しSAFEがそのドル資金を運用してきた一方、人民元が市場にあふれ、それが不動産や企業の株式・負債に流れ込んでいった。
外貨準備と金融緩和は表裏一体の現象と見るべきものじゃ。

さて、中国が保有米国債を大量売却すると仮定してみよう。
1つはSAFEの債券ポートフォリオの中でスイッチする場合だ。
保有する約1.2兆ドルの米国債の一部を売り、欧州国債を買うといった行動を取ることになる。
その場合、為替はドル売り/ユーロ買いとなり、ドル安/ユーロ高を招く。
しかし、ユーロ債の利回りは米国債に比べ低いので、債券ポートフォリオ全体のリターンが下がってしまう。
しかも利回りの比較的高いユーロ債はイタリアとかスペインであり、それらを組み入れたらカントリーリスクも上がってしまう。

もう一つはSAFEが米国債を売り切りする場合だ。
その場合、米国債を売ったドル資金を人民元に交換する(ドルを売り/人民元を買う)。
つまり、今までやってきた為替介入の反対のオペレーションをすることになる。
すると、市場の人民元を吸い上げ(通貨供給量を減らす)、人民元レートを押し上げることになる・・・金融引き締め効果が出る。
もちろん、新たに人民元を印刷して市場に出すこともできるが、不動産市場の過熱を懸念している中国政府が大規模な人民元の新規供給ができるかどうかは疑問だ。
したがって、どうしても金融引き締め効果が残るだろうし、実体経済にマイナスだろう。

経済合理性で判断すれば、米国債を売ってユーロ債を買う理由もないし、米国債を売ったドル資金を国内還流すると金融引き締め効果が出てしまうことになる。
というわけで、「米国債の大量売却」は余程のことがなければやらない。
最後は、経済的にマイナスでもどうしても米国を叩きたいという政治的判断ができるという問題だ。


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リートの分散投資を考える(3物流リート)

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リートの分散投資を考えるコーナーだが、前回からずいぶんと時間があいてしまった・・・反省。
前回はリートの中心サブセクターであるオフィスを取り上げた。
オフィスリートの見方は、第一にスポンサーの物件パイプライン、第二に保有物件のロケーション、第三にNAV倍率や分配金利回りなどのバリュエーションだ。
スポンサーの物件パイプラインでは、不動産系の強いスポンサー(森ビル、三菱地所、三井不動産など)のリートが優位なポジションを占めている。
さらにロケーションでは都心3区、あるいは、都心5区のプライムエリアの比率が重要で、この比率の高いリートの方が一般的に価格下落リスクが小さい。
分配金利回りやNAV倍率などは個別リート毎にチェックが必要だが、分配金利回りは高ければいいというものではないところに注意が必要だ。

さて、今回はちょっと違った視点からリートを考えるため、景気敏感のサブセクターである物流リートを取り上げてみたい。
物流リートは主要高速道路の要となるインターチェンジなどに近い場所が作られる物流拠点に投資するので、基本的に田舎の広い土地にある倉庫などの不動産がほとんどだ。
所詮、田舎の不動産であり根源的な価値は小さいが、今は好調な景気全般に加えネット販売の拡大に伴う物流需要が急速に伸びているので各物流拠点の稼働率が非常に高く、収益還元評価ベースの価値は高い。
しかしもし一旦、景気後退に入れると、物流需要が低下し物流拠点の稼働率が低下し収益還元評価が下落する。
その場合、物流不動産の価値が周辺の不動産価格にサヤ寄せし、単なる田舎の倉庫物件の価格に近づくかもしれない。
現在の膨大な物流需要を元にした収益還元の評価と、周辺の単なる田舎倉庫の不動産評価に大きなギャップがあるということに気を付けたい。

だから、そうしたリスクを織り込んだ価格評価となるので、大体、常にNAV倍率1倍前後で評価される。
日ロジ(8967)、GLP(3282)、産業ファンド(3249)、プロロジ(3287)、ラサールロジ(3466)、三井不ロジ(3471)、三菱地所物流(3481)など、ほとんどすべてNAV倍率1~1.1倍の範囲にある。
今の景気と物流需要は好調そのもので稼働率も高く収益も好調だが、景気後退のリスクを織り込み高いNAV倍率での評価は難しいということだろう。

物流リートのスポンサーは強力で、三井物産、GLP、UBS-三菱商事、プロロジス、ラサール、三井不、三菱地所、と世界の一流物流企業が並んでいる。
パイプラインは各社ともに強力で、そんなに遜色がない。
財務内容もLTV、負債金利、平均残存年数、格付けなども大きな違いはない。
あとは物件のエリア別比率の違いだが、東京周辺比率が高いのが産業ファンド、東京・大阪の大都市中心のラサール、関東・関西に広く保有するプロロジスなどの特徴が見られるが、人口の多い地域に重点的に物件保有するのが基本じゃ。
分配金利回りで4%を越える、ラサール(4.6%)、GLP(4.3%)、産業ファンド(4.3%)などが魅力的だろう。

物流リートはNAV倍率が比較的安定した投資対象で、内容が良いので分配金利回りの高いリートに投資するときの安心感がある。
ただし、景気後退が最大のリスクで、その場合、「収益還元評価」から「単なる田舎の不動産評価」に変わってしまうリスクを考えに入れておきたい。


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やさしい投信運用(1)

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投信で自分の資金を運用する機会が増えている。
NISAが登場し、さらにⅰDeCoが広く認識され、税制優遇が付いた投信運用が一種ブームのようになっている。
安倍政権としても若い人たちに資産運用をしてもらい、日本の資産市場を盛り上げたいところであろうが・・・これで日本の資産市場が盛り上がるとは思えないが、ワシも若い人たちが運用に興味を持ち、より実りのある人生を送ってほしいと思う。
そこで今回はNISAやⅰDeCoの仕組みと特色、さらにそれに組み入れる投信をどうやって選ぶかワシ流に基礎知識を解説してみたい。

まず、NISAの概要だ。
年間120万円を上限として5年間非課税で運用でき(5年間で合計600万円まで)、配当と値上がり益を非課税で運用できる。
ただ、いくつかの点で使い勝手が悪く注意したい。
まず一つは、5年間で利益が出れば非課税になるが、損失が出た場合は他の運用益と損益通算ができないことだ。
うまく運用益がでればいいが、そうでない場合は通常の課税口座の方が損失分を他の運用益から引けるので有利になる。
もう一つは5年間資金が固定され、途中で換金したら非課税枠を再利用できないことだ。
もちろん途中換金は可だが非課税枠を十分に使うためには、事実上、5年間の資金を固定してしまう。
5年後に非課税期間が終わると、組み入れた投信は①非課税口座に移す、②課税口座に移す、③売却現金化する、の三つを選択できるが・・・全額を非課税口座にロールオーバーできるが、換金するにはその時点で全額売却するか、課税口座に移して部分売却するかになる。
5年間で合計600万円の配当金と譲渡益が非課税になるのは魅力的だが、その間、資金が固定され必要に応じた換金がしにくい。
600万円という金額を丸々、別枠に置いておける人はそんなに多くないし、そういう経済的に余裕のある人には年間120万円は枠として少なすぎる。
必要な時に現金化できないのは、NISAの大きな問題点じゃ。

次につみたてNISAの概要だ。
年間40万円を20年間非課税で運用できる制度だ。
このつみたてNISAは年間40万円(これも半端、12で割り切れないから毎月つみたてにならない)を20年間積み立てる(合計800万円)ことができる長期蓄財制度だ。
使い勝手の悪いのは、20年と長い期間なのに投信間のスイッチングがしにくいことじゃ。
ある投信から別の投信に乗り換えると、その年の非課税枠を使うので新規に40万円を追加することができなくなる。
しかも各年の非課税枠で買った投信を20年間保有し、20年目から39年目まで20年かけて現金化する。
つまり、積み立て開始から現金化終了までなんと合計39年も必要な制度で、平均寿命から考えれば、30歳代で始めなければならない。
それでもつみたてNISAの現金化が終わり収益をすべて手にするのが70歳台だ。
40歳台でつみたてNISAを始めたら、最後に現金化する時は80歳台となり、平均寿命を越えてしまう。
日本の役人は、どうしてこうわざわざ使いにくい制度設計をするのだろうか?


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美味しい穴場IN札幌・小樽

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旅先でもネット検索でいくらでも評価の高い食事処を探すことができる時代だ。
でも、そのネット社会だからこそ、評価の高い店に観光客が集中し長い行列に並び無駄な時間を過すことになる。
そもそもワシは並ぶのが大嫌いなのだ。
そこで並ばなくても美味しい穴場を探すことになる。

まず、札幌で人気のスープカレーだ。
ネットのランキングで上位の店を選ぶが、これだけでは美味しい=行列のできる店となり、長い時間並ばなければならない。
そこで系列店がお互い近くにあり客が分散する、そういう条件の店をピックアップする。
スープカリースアゲプラスを選んだ。
ここはランキング4位の人気店だが本店の10メートル先にもう一店舗ある。
行ってみると予想通り本店には長い行列ができていたが、10メートル先の店はすぐに席に案内された。
ここのスープは濃厚でじっくり煮込んだもので、串に刺したジャガイモ、ニンジンなどの大きな野菜とこれまた大ぶりの串刺し知床鶏がカレースープの中に入っている。
とても美味しくいただきました。

次に小樽の寿司店。
札幌にも寿司の名店は多くあるが、今回は小樽に行ったついでに小樽の寿司店に立ち寄ることにした。
ネットのランキングでは伊勢鮨が1位でちよっと寄ってみたが、当然ながら混雑していて入れず。
そこでネット評価で大将がとっつきにくいとか不愛想とかの店を選ぶことにし、寿し処浜谷に入った。
他の人気店はあふれんばかりの客なのに、ここは一組しか客がいなかった。
カウンターに座り、中トロ、ホタテと進む・・・ホタテはやっぱり最高にネタがいいし、トキシラズもホントに美味しい・・・ニシンは丁寧に小骨を取り除きいた大ぶりの握りで・・・甘エビ、バフンウニ、アワビ、イクラと北海道ならではのネタが続く・・・カニの握りも肉厚にビックリ・・・最後に巻物、トロタクを頼む・・・なんと、中トロが大量に入っていてトロタクが太巻きになっていた。
たいへん満足の浜谷であった。
シャイな大将も話しかけると会話が弾んだ。
小樽に来たら、また食べに来ますと約束して終了。

そして北海道のジンギスカン。
以前、サッポロビール園の巨大なホールでジンギスカンを食べたが、その時は隣のテーブルから油が跳ねたり身体中が油臭くなった覚えがあったので、今回は小さめの店に入ることにした。
ちょうどホテルの近くに松尾ジンギスカンがあった。
ちょっと混んでいたが電話をくれるというので、一旦、ホテルの部屋でくつろぐことにした。
ほんの10分ほどで電話があり、店に入った。
定番のジンギスカンであるが、ラムのリブロース・・・肉は柔らかく、臭みもなく、普通に美味しかった。
テーブルの一段低い所にジンギスカン鍋が置いてあり、油のハネもなく満足できた。
有名チェーン店でも、使い方では良い穴場になる。

行列の嫌いな人向けの美味しい穴場をこれからも探したいと思うワシじゃ。




裏口入学に厳正な対応を

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文科省の汚職事件は悪質だ。
私学支援事業での優遇と息子の入学の因果関係が立証されなければ証拠不十分で無罪放免だと小役人は今でも思っているのだろう。
でも東京医大側には、理事長反対派かもしれないが、不正を正そうと考えている人がいる。
どこの組織でも正しい反対勢力がいるもので、それにより組織は浄化される。
次から次と内部情報がリークされているのを見ると、この組織の自浄能力が見て取れる。
過去10年までさかのぼった裏口入学のリストが公表され、すでに卒業した人たちも多く含まれている。
裏口入学は公務員の贈収賄に関連していないかぎり犯罪ではないけど、医大の不正は命をあずかる医師の不正につながる可能性が高く、厳正に対応してほしいと思う。

昔の話だが、早稲田の商学部で不正入学事件が起きたことがある。
ワシは政治経済学部をちょうど卒業した頃だったが、実は同好会で同期だった友人が不正入学の本人だったのだ。
その友人は上場企業の社長の息子で、金持ちのボンボンだった。
普段はごくごく普通の学生でよく話もしたし、同期みんなで仲が良く、飲み会などもたくさんした仲だ。
このニュースが新聞に載りびっくりし、同期の連中と情報交換を活発にやった。
どうも商学部の教授が裏口を世話して金銭を受け取っていたらしく、この友人の母親が裏で動いたようだった。
でも、本人も知っていたようで、ある程度覚悟していた様子だった。
結局、入学自体が取り消され、本人の4年間が丸々、全くの白紙に還元された。
同期の交遊もゼロ還元され、何も記録には残らず、単に記憶の中に彼は存在しているにすぎない。
この友人はその後フランスに料理留学し、今はフランス料理店を経営している。

親のせいで不正入学した本人にはかわいそうであるが、入学自体が取り消しにされなけれなならない。
つまり、もしすでに卒業し医師免許を持って医師として勤務しているならば、すべての経歴が取り消しになるということだ。
医大への入学も、卒業も、医師免許もすべてなかったことになってしまう。
もし医師との結婚が目的だったとしたら、医師でなくなった途端、離婚になるかもしれない。
とても厳しい対応だと思うが、これは避けて通れない社会的な制裁だろう。
学歴詐欺も問題だが、不正入学にも同等の社会的責任がある。




ウィークリー雑感(7/15ドル高の論理)

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昨年の12月に米法人税の減税が決まった時、トランプのバラマキ政策が財政赤字の拡大を通じてドル安につながるのじゃないかと思った。「ドル安はゲームチェンジャー」(2/19)
ドル安により原油などコモディティが上昇し、米国のインフレ率が上がり長期金利が上昇するシナリオだ。
でも、ここにきて財政赤字の拡大シナリオは修正されようとしている。
それは皮肉な話だが、トランプの関税の追加引上げが財政赤字の拡大を抑えるからだ。

昨年12月の米法人税減税は35%の税率を21%に引き下げるもので、10年間で1.5兆ドルの規模といわれている。
つまり、年間1500億ドル(17兆円)という大規模な減税で、財政にそのままヒットし18年の財政赤字は8000億ドル、19年9800億ドルと見込まれている。
19年の従来予想は6800億ドルなので、この減税分が丸々乗っかってくる計算だ。

一方、追加関税は決定済み分の見込みで500億ドルの25%、つまり、125億ドルの税収増。
さらに2000億ドル分の輸入に10%の追加関税を課すと、200億ドルの税収増となる。
合計325億ドルの税収増だ。
というわけで、法人減税1500億ドルの赤字拡大要因と、追加関税325億ドルの赤字減少要因が相殺される。つまり米財政赤字の20%程度は追加関税で補填される。
これがドル安修正に入っている要因とワシャ見る。

さらに興味深いのが、米企業にとっては法人税減税がキャッシュフローの大幅な増加になり、さらに追加関税で米国内での価格競争に優位に立つということだ。
この二つを一つのセットとして米企業の復活を図るのがトランプの意図だったというわけだ。
グローバルな米企業にとっては14億人の中国市場は無視できない重要な市場で、そこへのアクセスが制限されることは大きなマイナスになる。
しかもさらにドル高が加わると、グローバルな競争力は大きく削がれることになる。
だが一方、ドメスティックな米企業はトランプからの大きなプレゼントを受け取る。

6月ぐらいからドル高のトレンドが出始め、7月からは円/ドルでも円安になり始めている。
これはこうしたファンダメンタルの変化を為替市場が反映し始めたものと見られる。
でも、より長期的視点では、トランプのバラマキ政策は変わらないため、ドル暴落の危険は残っている。




ネット社会の観光スポットIN富良野

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北海道の富良野地域に行った。
この地域の観光スポットには興味深い一定の特徴がある。
一枚の写真からすべてが始まったことだ。
上の写真はラベンダー畑で有名になった富田ファーム
1970年代まではラベンダーから作られたオイルが香料として広く使われたので、富良野全体でラベンダーの栽培が広く行われていたそうだ。
しかし時代が変わり、安価な輸入モノや合成香料に押され、この地域のラベンダー畑はほぼ壊滅状態になり、たった一つ残ったのが富田ファームだったという。
その富田ファームが潰れそうになった時、一枚のラベンダー畑写真がJRの広告に使用され話題になり急に人気が出た。
それでラベンダー畑は、本来のラベンダー製油事業ではなく、観光スポットとしてこの地域を活性化させた・・・という訳だった。
早咲きと遅咲きを含め、6月下旬から8月上旬まで比較的長い開花期があり、多くの観光客を呼べるように工夫されている。
ワシが行った時も中国人、韓国人、マレーシア人、その他東南アジアから多くの観光客でごった返していた。
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上の写真は青い池だ。
このところ雨が続き川が泥水で濁ってしまったため、青いというより緑色になってしまったが・・・。
この青い池はコンクリートブロック工事の結果、偶然できた人造湖でこの色も偶然の結果だ。
あるプロカメラマンが写真集で紹介し、それがネットを通じて話題となり、一気に観光スポットとしてブレークした。
もともと自生していたカラマツや白樺が立ち枯れしているところも幻想的な写真が撮れることで有名になった。
ネット社会の恐ろしさだろうが・・・ネットに弱い日本人高齢観光客の数はそれほど多くなかった反面、ネットに敏感な韓国人観光客が非常に多い。
わざわざ、この写真撮影だけのためにわざわざ韓国から来た人もいるかもしれない。
中国人もいたが他の観光スポットに比べ少なく、韓国人、それも比較的若い韓国人が圧倒的に存在感を持っていた。
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そして、上の写真が緑の沼で、これからブレークするだろうと言われているスポットだ。
それは鳥沼公園という富良野の広い公園内にある。
これも一枚の写真がネットで流れ、富良野の穴場として人気が出つつあるという。
でも、まだまだ、韓国人も中国人もいないので、ゆっくりと楽しめる場所だ。
ワシが訪ねた時は、新婚カップルがウェディング姿で沼をバックに記念撮影をしていた。
ラベンダー畑や青い池は物凄い数の観光客で落ち着かなかったが、ここはまだそれほど観光化されていないのがいい。

それにしても、ネット社会では一枚の写真が地域の運命を大きく変えてしまう・・・ネットでの人気が先行し、その地域がプロモートされ、観光地化するというパターンだ。
一枚の写真で破たん危機から観光スポットとして再生した富田ファーム、一人の写真家が偶然の風景を写真に収めたことから始まった青い池、ネットで話題になり始め観光スポットとして人気が出始めた緑の沼。
ネット社会は面白い。

トリックアートと株式投資

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この二つの絵は猫が窓の木枠から顔を出している絵だが、実は元は一つの絵だ。
絵を見る角度によって猫が頭を木枠に挟まれそうになったり、余裕を持って窓から頭を出したりと変わる。
仕組みは簡単。
これは単に二次元の平面に書かれた猫の絵であり、それを立体として認識しているのは人間の錯覚なのだ。
実際に三次元でこの猫と窓枠の関係を考えたら(例えば、CGでこれを描いたら)、こんな状況は生じない。
あくまで二次元に描かれた絵なので、人間の脳が錯覚するわけだ。

北海道旅行の最中、深山峠のトリックアート美術館で見た絵の一つだが、人間の認識の危うさを見事に表現した絵だと思った。
それほど人間の認識は危ういもので、株式市場での人間の認識と完全にダブった。
人間は三次元の世界で生きているが、それを表現するのは二次元の世界だ。
生きている人間の認識は常に三次元であるのに、それを記録したり表記したりする時は二次元に変換しなければならない。
株式市場も同じで、どっかの評論家が二次元に変換した理屈(単純化や要約)を現実の三次元世界(リアルな世界)のように錯覚してしまう。

三次元世界を二次元の絵で表現するには限界があり、その無理した部分が錯覚となって出てくる。
株式市場も全く同じで、株式評論家によって二次元変換された表現はたいてい錯覚なのだ。
評論家は自分が100%正しいかのように言うが、所詮、三次元の現実世界を無理やり二次元で表現したにすぎない。
そこには多くの錯覚が生じるはずだ。
何を言いたいかというと、その辺の評論家に惑わされるなという事だ。
株式投資では自分の頭を使って自分の視点からモノを見ることが重要だろう。

一歩進んだ投資家は逆に評論家の錯覚した二次元表現を逆手に取ろうとする。
常識という錯覚に惑わされた市場で自分の視点から考えることは大きな武器となるはずだ。
そこが株式投資の醍醐味かもしれない。





アルファ(α)とベータ(β)の話(4ロング/ショート)

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アルファとベータの話の4回目だ。
前回までに、ペアトレード、マーケットニュートラルの話をした。
ペアトレードは最も基本的で簡単なアルファ戦略だが、個別銘柄の1対1の売り/買いの組合せなので、思惑通りのリターンを上げるためにはどうしてもマーケットに合わせた微調整が必要になる。
特に市場が急上昇したり急落したり大きく変動した時は注意が必要だ。
だが、自分の好きな銘柄を買い、同業他社で負け組と思われる銘柄を信用取引で売るだけでポジションが作れるので個人投資家でも簡単にできる。

マーケットニュートラルも簡単なアルファ戦略で個人投資家にも簡単にできる。
自分の好きな会社を10銘柄程度選び、225のミニ先物をショートにするだけでポジションを作れる。
主な注意点は、まず、先物での追証(証拠金の追加)に現金を用意しておくこと。
先物をショートするため、特に市場の上昇局面では先物ショートに損失が出るので、追加の証拠金をあらかじめ用意する・・・100の資金のうち、80程度で現物を買う・・・つまり、80%の組入れを基本にしていくぐらいの余裕がちょうどいい。
もう一つは先物と現物に重複しているウェートがあるため、大きなリターンを上げにくいことだ。
地道に少しづつリターンを重ねておくコツコツ・タイプの個人投資家にはいいかもしれない。

そして、今回からより一般的なアルファ戦略であるロング/ショートについて話そう。
ヘッジファンドなどが運用する高度な数学モデルを使ったロング/ショートもあるが、そんな話をしても個人投資家には現実で不可能なので、誰でもできるロング/ショートの話を中心に進めたい。

自分の好きな10銘柄をロングして、自分の嫌いな10銘柄をショートするとしよう。
まず考えることは、10銘柄を均等金額で配分するか、他の方法で配分するかだ。
その10銘柄がすべて大型株あるいはすべて小型株なら、そんなに違わないので均等金額で10銘柄にポジションを作ればいいだろう。
しかし、小型株と大型株が混ざっていたり、値動きの大きい株と小さい株が混ざっていたりする場合はポジション金額に差をつけた方がいい。
値動きの大きい小型株はポジション量を少な目に、値動きの小さい大型株はポジション量を多めにする方がポジションが安定する。
等金額だと、どうしても値動きの大きい小型株で損益が決まってしまうからだ。

次にショート側の10銘柄の信用取引の売りだ。
日本の信用取引は海外で一般的な貸し株(レンディング)と違う特殊な制度なので、そこをきちんと理解しなければならない。
日本の信用取引は信用買い(借金で株買い)と信用売り(空売り)のバランス(信用倍率)で成り立っている。
信用買い>信用売りならば、株式を他から調達する必要がなく、きわめて安いコストで空売りができるが、一旦、信用買い<信用売りとなると、株式をどこからか調達する必要があるので高い品貸料が発生する。
これが逆日歩というもので、普段の空売りのコストは安いのに、逆日歩が付くと急に高くならため、売り方が一斉に買い戻しに走り株価の急騰をまねく場合がある。
これは日本の信用取引制度の大きな欠陥だが、文句を言っても始まらない。
これを理解して始めることがしかない。

三番目はロング/ショートのリスクの相殺だが、話が長くなったので次回に話をしたい。

北大のポプラ並木

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人間は若い頃感じたものを美化しすぎたりするものかもしれない。
でも、あまりに記憶との違いにがく然とした。
それは北大のキャンパスにあるポプラ並木だ。

前に見たのは40年も前のことだった。
寝袋で野宿をしながらの行き当たりバッタリの旅だった。
知床半島でバスに乗り遅れ野宿をしていると、ある漁師に拾われた。
朝3時に突然起こされ、何事かと思っているとトラックに乗せられた。
着いたのは港で、海中で網を固定するための石を船に積む作業をさせられた。
そこでアルバイトをしていたのが、北大の学生たちだった。

彼らは夏休みの金儲けとして来ていたが、ワシは単なる行きずりでタダ働きだ。
まぁ一宿一飯のお返しとして石の積み込みを手伝ったが、漁師は知床の野宿は危険で命の恩人だとしてバイト料を払ってくれなかった。
でも北大の学生たちとは気が合い、数日後に札幌で会おうと約束して別れた。

北大の学生と再会した場所が北大キャンパスのポプラ並木だった。
ポプラはとても高く、並木がきれいにどこまでも続いているかのような素晴らしい並木道だった。
北大の学生たちと飲み語り、札幌の街を遊び回った。
詳細は秘密だがとても良い思い出だ。

でも、今日見たポプラ並木はほとんど枯れ果ていてほんのちょっと残っていただけ。
ポプラは倒木の危険があるという事で伐採されたとか、また、10年ほど前の台風で壊滅的な被害を受け倒れたとか聞いた。
ワシにとっては、なんとも無残なポプラ並木の姿だ。
あの北大の学生たちはどうしているだろう。




トランプ自動車関税でEV化が加速?

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ある自動車サプライチェーンの分析では、「組立」「駆動伝導部品」「内燃機関」「内外装品」「車体」「電気電装部品」の6分野に分類し、さらに、部品サプライヤーを重要度の応じて、ティア1、ティア2、ティア3に分類している。
これによると、トヨタ、日産、ホンダのティア1サプライヤー数で、400~600社、ティア2で6000~9000社、ティア3にいたっては2万社以上に上る。
それだけ部品点数が多く複雑で多様化しているのが、自動車のサプライチェーンだ。

自動車を取り巻く環境変化としては、一つは電気自動車(EV)の流れ、もう一つは自動車関税問題で、自動車サプライチェーンがどう影響するかを考えてみたい。

EVへの流れはすでに各社対応を進めている段階なので、最近の動きがそのまま未来へとつながると考えられる。
(1)次世代自動車の開発コスト削減のために部品点数の削減。
共通部品を組合せた部品を使う動きで、エレクトロニクスのモジュール化のように部品点数を削減できる。
部品点数が削減されるとともに、サプライヤー数も減少してくるので過酷な競争が展開されるだろう。
(2)脱系列+再編の動きが加速。
トヨタでさえも脱系列に踏み切り、カローラの衝突回避システムで独大手のコンチネンタル社を採用。
最先端の技術開発のためにはさらに脱系列が必要になるだろうし、各部品メーカーは技術開発で遅れを取ると系列完成車メーカーからもはじかれてしまう。
でも、最終的には系列を解体した日産のように、最適部品を最適なサプライヤーが供給を受ける方向になるのではないかと思う。

現在のガソリンエンジンの自動車では、部品の利益率は「内燃機関」と「内外装品」の利益率が3%を越えて高いが、EV化の流れの中で大きく変わってくるだろう。
エレクトロ二クスのスマイルカーブのように、「組立」「内燃機関」から先端エレクトロニクスを使った「電気電装部品」などへ利益がシフトしていくだろう。

以前、iPhoneのグローバルサプライチェーンの話をしたが、自動車もEV時代に入れば同様のグローバルチェーンが構築され、より無国籍に近づいてくるのではないだろうか。
トランプが自働車の関税引上げを言い出し自動車輸出国である欧州や日本が大きく揺れているが、系列の自動車サプライチェーンではまだまだ残っており、完成車に関税をかけることは競争上、一定の意味がある。
しかし、この古い自動車規制を回避するためEVの流れが一気に加速するかもしれない。
EVになれば、モーターやエレクトロニクス部品、電池などは、最適な部品を最適なメーカーから調達し最適な場所で組み立てするという、スマホ生産みたいなサプライチェーンになってくると考えられる。
そうなると、サプライチェーンが無国籍化し、どこに関税をかけたらいいか、誰が関税を払うべきかの判断が困難になり、関税自体の意味が失われる。
そのためにもEV化の流れが加速してくるのではないかと思われる。

EVの流れが強まり、部品系列が解体されつつある現在、強いて追加関税を持ち出す意味もよく分からなくなるので、この辺の交渉で関税を回避する可能性が高いのではないかと思うんじゃ。


雑草テロとの戦い(3)

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雑草テロが強まるこの季節、新たな対抗プログラムを作って実行することにした。
まずは「敵を知る」ということで、雑草図鑑とにらめっこで生えている雑草の種類、特徴、弱点をまとめることから始めようと思う。
ワシのように都会で長いこと暮らした者は植物の名前とか小動物の名前をよく知らないので、間違うことも多いと思うが、ネットで調べながら一つ一つの雑草の傾向と対策を考えていきたい。

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真ん中の核から放射線状に茎と葉が伸びているので、これはたぶんメヒシバで間違いないと思う。
去年から苦労させられた雑草の一つだ。
最初はごく小さい星のような形をした雑草だった。
小さいうちの抜き取ってしまえば、全く問題がないような雑草だ。
しかし、侮れない。
放っておくと、どんどん伸びて高さも50センチぐらいに成長する。
しかも、その後は実をつける。
コイツはイネ科の一年草で、冬になると枯れてしまう雑草だが、イネ科の特徴ともいえるかもしれないが、一旦実を付けると、その実から種が飛び散り、来年の春復活してくる。
ここが厄介な雑草なのだ。
対策としては、ひたすら引き抜くこと、草刈り機では地面にべったりと付いているので刈れない。

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この雑草もチガヤで間違いないと思う。
コイツの繁殖力、地下茎を伸ばし増えていき簡単には刈れないその生命力には昨年散々苦労させられた。
雑草テロの類型として、インベーダー型と呼べば昔の人にはよく分かるじゃろ。
ドッドッと少しづつ着実に近づいてくる迫力はインベーダーゲームそのものだ。
でも、このチガヤは昔の茅葺き屋根の原材料として使われたり、生活と密接な雑草だし・・・
昭和の人にはなつかしい「昭和枯れすすき」のすすきもカヤの一種だ。
ちなみにすすきとチガヤの違いは、いろいろ調べたところでは、チガヤは5-6月に穂をつけるが、すすきは秋に穂を付けるということらしい。
勉強になった。
でもこの雑草インベーダー対策は、地下茎を破壊するのが難しいので完全なものはない。
なので、造園業者に聞くと・・・・地下茎を除去しようとしても無駄で、こまめに草刈り機で地上に出ている茎を切る・・・何回も繰り返すとだんだん弱ってくるとの答えだった。

雑草テロとの戦いはまだまだ続く・・・・






ウィークリー雑感(7/8)

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先週7月3日、HNA(海南航団)グループの王共同会長がフランスで転落事故で亡くなった。
HNAグループは海南航空からスタートし企業買収で急成長した中国のコングロマリットだ。
2/22に「金利は企業をふるい落とす」という記事で、金利上昇に弱い代表的な企業として、HNA(海南航団)とワンダ(万達)グループを取り上げた。
HNAとワンダともに借金を梃子にして企業買収を繰り返し急成長してきた企業で、その問題点は自己資本の蓄積が小さく、資産≒負債という図式が成り立っていることだ。
HNAの総資産は7兆円以上ある一方、自己資本はたったの4000億円しかないし、その差額7兆円近くが負債だ。

この借金の大きさが問題となり、すでにHNAは資産売却に走っている。
米国商業不動産を4400億円売却し、ヒルトンの株式も5000億円売却した。
企業買収し資産を増やす時は、買収先の利益が上乗せされるため連結利益も成長するが、逆に売却する時は売却先の利益がなくなるので連結利益が減少してしまう。
となると、利益の減少でさらに借金を返せという圧力が強まるという悪循環に入る場合も考えられる。
ここが資産/負債を両建てで増やした企業が陥りやすいワナだ。

HNA王共同会長の事故死(?)がどう影響するのか?・・・これは大きな問題だろう。
共同会長の陳氏の動向が注目だが、こうしたカリスマ経営者の権力移譲には難しさを伴う。
いずれにしても中国の企業買収型のバブル企業は困難な局面にあるのは間違いない。
ブルームバーグは、年初からの中国企業の公募債の債務不履行は165億元(約2700億円)と史上最大だった2016年の207億元(3500億円)と超えるペースになっていると報じた。
今は中国のパンダ債など事業債やクレジット市場への影響を見極める時だ。

現段階では日本への影響は限定的だろう。
中国の一部バブル企業の問題であり、中国全体のファンダメンタルは損なわれてるわけではない。
ただ、中期的な視点からは徐々に注意すべき点が増えつつあるという印象は免れない。
中国の事業債やクレジット市場、上海株式指数、香港のハンセン指数、人民元レートが警戒信号を出してくるか注目されるところだ。



やさしい株式需給の話(7国内機関投資家)

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前回は東証の投資部門別売買状況の法人部門を見てきた。
投信や事法の売買は相場観の基づくものではなく、投信への資金流出入、事法の自社株買いなどに基づいて売買される場合が多い。
しかし、今回話すつもりの金融機関は違う。
もちろん、銀行も持ち合い解消や自社株買いがあり、様々な動機で売買発注している。
しかし、国内年金の売買、金融機関の自己運用部門の売買や余資運用などは相場観に基づくものである。
その意味で株式需給を見る上では外人と並び重要な投資部門といえる。


東証の投資部門別売買状況の中に金融機関の項目と内訳をみてみよう。
5月は金融機関全体で2261億円の売り越しで、そのうち、生損保が543億円の売り越し、都銀地銀(以下銀行)が671億円の売り越し、信託銀行(以下信託)が1088億円の売り越しだった。
まず、最初の生損保は日本企業の大株主であり、主要企業の上位株主リストに名前を連ねる。
保険のソルベンシーマージン(リスク指標の一つ)の規制により、リスク対比で株式のウェートを変更していく。

規制上のリスクが過大になると、株式を売ってリスク水準を調整するわけだ。

都銀や地銀は長い間の企業と株式持ち合い関係を持ち、顧客企業の株式を保有してきた。
しかし、モノを言わない株主やシャンシャン株主総会などのガバナンス問題を指摘され、あるいは、銀行経営者の財務上の要請もあり、持ち合い解消を進めてきている。
すでにかなりの持ち合い株を売却済みだが、まだまだ残っており、その持ち合い株の売却が今でも続いている。

銀行の自己運用部門は得意の為替や金利物の売買だけでなく、株式先物やオプションで積極的にポジションを取りトレード益を上げている。
しかし、業務純益に含まれる先物や私募ファンドは積極的に売買するが、業務純益に含まれない現物株式を直接売買することはない。
したがって、東証の投資部門別売買に出てくるのは主に持ち合い株の売却分が中心になる。

そして、一番分かりにくいものの重要なのが信託だ。
信託銀行は二つのブックを持っていて、一つは顧客の資産を預かり運用する「信託部門」ともう一つは預金を集めて運用する「銀行部門」だ。
そのうち信託部門は国内機関投資家の資金を預かって運用する「運用」の機能と、投信や年金・外人の資金や証券を保管する「保管銀行」(カストディアン・バンク)の機能がある。
「運用」では国内年金から総幹事としてすべての資金を一括して預かり、自ら運用したり、投資顧問の指図により運用している。。
アクティブ運用もしているが、特にパッシブ運用では非常に高いシェアを持っている。
この自ら運用している資金の動きが東証投資部門別売買に表れてくる。

外人投資家でも日本の信託銀行に保管口座を持って日本株を売買しているケースもあるし、国内公募投信の資産も信託の保管口座を使っている。
でも、もっとも大きいのが国内年金の保管口座で、GPIFや公務員の共済年金が投資顧問の運用指図を受けて株式を売買すると、その取引は「信託」の数字として東証が公表する。
つまり、国内年金の売買は自ら運用していようが投資顧問が指図しようが、信託の売買として東証投資部門別売買に出てくるわけだ。



土砂降りの清里

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台風の通過で南から湿った空気が流れ込み、日本列島全体が大雨、そして今日は清里も土砂降り。
都会では土砂降りだろうが晴天だろうが、暑かろうが寒かろうが、生活のパターンは変わらない。
通勤する人、通学する人、食事に行く人、買い物に行く人、飲みに行く人、いつもと変わらないスケジュールで人は動いていく。
雨降りだと、都会の人たちは一層、速足になり、見ているだけで忙しそう。

でも、田舎では土砂降りになると、多くの人は家の中に籠りきり、外へは一歩も出ない。
工事現場も休みで、国道でさえほとんど車が通っていないし、田舎道には人っ子一人いない。
ひたすら、家に籠って何をしているのかは分からん。

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雨の牧場通りの風景。
車はほとんど通らない。





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いつもは賑やかな牧場通りのレストラン。
お茶もできるし、ソフトクリームでも有名。
チェコソフトはホントに美味しい。
でも、雨の今日はパーキングに車はない。



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牧場通りの牧場。
馬が十数頭飼われていて、いつもは馬の鳴き声がヒーンヒーンと聞こえる。
でも、今日は全部の窓が閉められていて馬の姿は見えない。
雨の日は、馬たちも馬小屋の中に閉じこもっているらしい。



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清里の駅前通り。
店はほとんどシャッターが閉まっている。
普段もシャッター商店街に近い清里名物だが、
いつもは最低数店はオープンしている。
雨の今日は、全面的にお休み。


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清里で一番人気の観光スポット、萌木の村。
有名なカレー店、ROCKもあり、いつも賑わっている清里の中心ともいえる。
いつもはこの駐車場が混み混みじ状態で入れない場合もあるが、
雨の今日はガラガラ。
駐車場に停めるのも簡単。


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清泉寮のポールラロッシュ通り。
霧が出ていて、見通しがメチャクチャ悪い。
さすがに清泉寮には観光客が見られ、ソフトクリームに列ができていた。





田舎の人の生活は天候に合わせて変わる。
雨の日は家で引き籠り状態なんだろうし、晴れた日は外で庭仕事をする。
それが自然と生きる田舎の良さと思う。
雨の清里はとても静かで、逆に雨音が大きく聞こえる。


悪くても謝らないオッサンたち

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有罪 OR 無罪
















悪いことをしたら、まず謝ること・・・親がまず子供に教育することだ。
でも、いい年したオッサンが第三者委員会とかアメフト協会とかで「有罪」が確定したのに謝らない。
これって呆れて・・・呆れて・・・呆れる。

まずは、日大アメフト部の元監督、内田氏。
記者会見で、「申し訳ないですけど、(相手選手をつぶせ)と言ったことはないです」と完全否定した。
「申し訳ない」の使い方が違うだろ?・・・本来、謝るの言葉を言い訳に使った罪は大きい。
全然申し訳ないとは思っていないし、それを言うなら、「言い訳になりますけど・・・」ぐらい言え。
その後、アメフト部の学生や選手がどんどん証言をして、日大職員も(クビ覚悟で)証言した。
アメフト協会の調査で完全に「有罪」となって、アメフト界から永久追放。
でも、内田氏、一言も謝らなかった。
被害者の学生やそのチーム諸氏、さらに親御さんにも全く謝罪しなかった。
ありえないだろ!!!!

さらに日大の理事長、田中氏。
学生相撲の重鎮で、日大グループの経営トップで最終責任者だが、ついに公式の謝罪はなかった。
本人の発言、「テレビのバラエティ番組で笑いものにされるから(記者会見には出ない)」って・・・こんなのありか????
笑い者になっても、どんなにかっこ悪くても、被害者にきちんと謝るのは人間として筋の通し方だろ!!!
まして日大には付属中学・高校もたくさんある・・・相手の迷惑をかけたら謝るという基本的な指導さえしていないのか?
もはや、この程度のオッサンが教育に関わるなんてブラックジョークだ。
日大のレベルが知れる、呆れた話だった。

財務省のトップであった次官、福田氏。
セクハラ問題でスケベ心丸出し、低俗極まりない「おっぱい、さわっていい」と女性報道記者に迫った。
当初、事実関係を全面否定。
でも、財務省の内部調査でセクハラが認定され、あえなく沈没、辞任。
本人は減給処分、退職金も引き下げられたが、結局、本人からは何の謝罪もなし。
女性記者は勇気を振り絞って告発したのに、最後はうやむやにされ、謝罪もなしじゃ、頭にくるよな。
東大も日大とほとんど同じレベルなのか???

ちょっと昔だが、元TBS記者の山口氏。
これはマジやばいレイプ事件で、本来は刑事事件だったが法律上は不起訴となった。
でも、警察当局も含め、うやむやな中途半端な対応で終わってしまい、勇気を出して告発したジャーナリスト女性は悔しい思いをしているだろう。
この元記者も事実と認めながら、合意による行為だとして全く悪びれもせず、謝りもせず。
でも薬を使ってレイプしたとしたら完全にアウトだ。

というわけで、日本のオッサンのレベルは劣化の一途をたどっている。
記者会見をやらなくても、被害者にはきちんと謝罪するのが社会常識だ。
公式の謝罪があればニュースになり、人々は納得する。
そうでないと、いつまででも「最低人間」として人々の記憶に残ってしまうよ・・・内田さん、田中さん、福田さん、山口さん。
呆れてモノも言えないので・・・終わり。



テクノロジーがサッカーを変える

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一次予選であのドイツが敗退し、決勝Tの最初でメッシのアルゼンチンが敗退し、Cロナウドのポルトガルも敗退した。
明らかに過去のワールドカップとの違いがあり、それは今後のサッカーを暗示していのではないかと思った。
まず、強烈な印象に残ったのは選手の演技力が通用しなくなったことだ。
その場面はネイマールがゴールエリア内で倒され、主審がPKを告げた時だ。
主審がVARを指定し、超スローで場面が再現された。
ネイマールはたしかに相手ディフェンダーと接触したが、その後、両手を広げて自ら倒れたようにビデオでは映っていた。
ネイマールぐらいの選手になると演技はその辺の俳優よりうまいし、主審もあのネイマールが倒れたのだから反則があったに違いないと思ってしまう。
でも、ネイマールの自作自演をVARはしっかり捕らえていた・・・PKは取り消しになった。
過去、マラドーナの「神の手」があったり、こうした演技力は選手の熟練の技でもあったわけだが、もう通用しない。
なんか昔を知っているファンからはそれもサッカーじゃないのという声が聞こえて来そうだが・・テクノロジーの進歩がサッカーをフェアプレーに変える。

第二に、ボールを奪ってからシュートを決めるまで10秒台という圧倒的なスピードだ。
フランスのエムバペが代表だと思うが、今回のワールドカップでは、多くのゴールがこのボールを奪ってから10秒強という時間内で決められた。
選手の走るトップスピードは時速40キロを超えているらしい。
味方がボールを奪うと、数名の選手がスタートダッシュし、その間2本から3本のパスで相手ゴール前に到達、あとはシュートをゴール枠に決めるだけの作業となる。
日本代表も原口選手がダッシュ、柴崎選手からの縦パス1本でゴール前に到達、シュートを決めた。
全体的にもこのパターンでのゴールが多かった・・・圧倒的なスピードがサッカーを変える。

第三に、データ分析力が決めるセットプレーがより大きな得点源になったことだ。
コーナーキックやフリーキックでも相手ディフェンダーの動きと味方選手の動きを何回も何回もシミュレーションして複数のパターンの最適な戦略を作っているのだろうと思われる。
我が日本チームもセットプレーを相当研究したような解説が多かったが、何せ、身長が低く空中戦での優位を取れない。
ベルギー戦では相手の制空権を生かした戦略に、身長の低い日本人選手は対抗できなかった。
最後のゴールも制空権を取れない日本を見抜いた相手キーパーと選手の超スピード・プレーだった・・・データ分析力がサッカーを変える。

テクノロジーの進歩はあらゆる人間の行動を分析してしまう。
ワシが見事だと思ったのは、ベルギー戦の前半、ゼロゼロで終わったところじゃ。
圧倒的にパワーとスピードのあるベルギー選手を中盤で動きを抑え、ゼロゼロで前半を終えた。
おそらく分析力というテクノロジーではベルギーに勝っていたのじゃないかと思った。
でも、制空権と最後のスピードで負けてしまった。
残念・・・・



田舎の健康法(3自転車)

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田舎暮らしは健康的なのかどうかを考えるコーナーだ。
今回は八ケ岳清里を中心とした自転車事情について考えてみたい。
この写真は、清里駅から急激で長い下り坂になる牧場(まきば)通りという名の道だ。
きれいな舗装道路で、その名の通り、いくつかの牧場を通る道で、馬が数頭走っていたり草を食べたりしているのが見られる。
また、その上の方には牛舎があり、数頭の大型の牛と外で放し飼いになっている子牛も数頭いる。
そんな感じなので牧場通りと名付けられたのだろうと思う。
この牧場通りだが、ワシの家からはどこに行くにも上らなければならない道だ。
野辺山の方に行くにも、清泉寮の方に行くにも、大泉や小淵沢の方に行くにも、この2キロぐらいの上り道を通る必要がある。
この牧場通りの上りだけで距離約2キロ強、標高差200メートルで、自転車で走るとこの道だけで結構いいトレーニングになる。
八ヶ岳で自転車を始めた頃、まず、この最初の上りでけっこう体力を消耗したのを覚えている。

自転車コースとしては、まず、一番オーソドックなのが清里から野辺山の方へ行き、野辺山からさらに国道を進み、小海(こうみ)やその向こうの佐久(さく)へ行くコースがある。
野辺山までがずっと上りでワシの家からは標高差が300メートル弱で距離10キロちょっと
といったところだ。
野辺山を過ぎると基本的にずっと下りで、ラクチンな道のりになる。
佐久までで40キロぐらいの道のりだろう。
まあ帰りは上りになるわけだけど・・・

ワシのお気に入りは、野辺山駅前から獅子岩、平沢峠を目指して走るコースだ。
途中までは八ヶ岳連峰がきれいに見えて、しかも比較的平坦な道なので、サイクリング気分は最高に良い。
ところが、平沢峠に近づくと急激な上り坂になる。
ただそんなに長い登り坂ではないので頑張ってペダルを踏んでいると、突然景色が大きく広がる場所が見えてくる。
それが獅子岩という岩で、そのあたり一帯が平沢峠だ。
ここには広い駐車場があり、飯盛山への登山口となる。
飯盛山はその名のとおり、ご飯茶碗をひっくり返したしたような形をしている。
頂上には木がなく禿げているが、その分、見通しが素晴らしく、清里一帯、八ヶ岳の中腹がよく見える。八ヶ岳牧場も見えるし、サンメドウズのスキー場もよく見える。
ワシのとても好きな場所だ。

でも、自転車で行く時は残念ながら山登りはなし。
平沢峠で一休みをして、清里方面に下る。
清里駅近くまで一気に下ると・・・千ヶ滝を通り、国道141号に出る。
駅前を越えて牧場通りに戻り、一気の下り坂で、50-60キロのスピードがでるので、スピード違反に注意が必要だ。
清里ー野辺山ー平沢峠ー清里ーワシの家のコースで大体40キロ弱で、消費カロリー1200㎘といったところだ。

このコースのもう一つのポイントは、野辺山のヤツレンに立ち寄るところだ。
ヤツレンは野辺山の牧場が経営する売店で、牧場で作られた野辺山牛乳、各種チーズに加え、近所の農家の朝採れ野菜がビックリ価格で並んでいる。
このヤツレンが清里か野辺山に行く途中にあり、よく一休みをしながら、牛乳やチーズ、野菜などを買うことにしている。





働き方改革の穴

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安倍政権は日本の企業社会の復活に向けて「働き方改革」を国会で通し成立させた。
働き方改革の一つの大きな柱である高プロ制度は、過労死との関連で反対する人が多い。
年収1075万円以上が対象とはいえ、その年収には各種手当が含まれるため基本給では1000万円もいかない普通のサラリーマンが対象になってしまうこと、また、年間104日の休日取得は義務付けられているが、残業代、深夜手当、休日手当などは支払われなくなること・・・を問題視する。
専門職とはいえ普通のサラリーマンの労働条件が悪化してしまう可能性も否定できない。
しかし、運用会社の若手アナリストにはもっと仕事をしたいのでもっと残業したいという人もいるし、専門職を労働時間でなく成果で評価するのが重要なのは分かる。

ワシャ、働き方改革は専門職社員が自由に最大限の能力を発揮できる環境を与えることと同時に、経営者が専門職をきちんと成果で評価することが重要だと思っておる。
ワシの長年の経験から、日本企業は仕事の成果に対してきちんと処遇しているようには見えない。

ここ十数年で日本ハイテク企業はアジア企業に追いつかれ、抜かれる分野も増えてきている。
その大きな原因の一つは日本企業からの技術者の流出で、日本企業の人事政策の失敗だ。
青色発光ダイオードの開発で有名な中村修二教授は日亜化学工業の社員だったが、ノーベル賞を取った発明を会社から評価されず冷遇され、結局退社し米国に渡った。
この発明で日亜化学の業績が一変し、様変わりの高収益会社に成長したにもかかわらずだ。
また、キャノンやニコン、シャープや東芝で半導体や半導体製造装置、液晶や光学機器を開発してきた技術者が60歳定年で次々退職し、韓国や台湾やその他アジア企業にヘッドハントされ技術移転が加速化、これがアジア企業の技術レベルを一気に引き上げた一因といえる。

日本企業では年功がもっとも重要で、どんなに素晴らしい能力・技術を持つ社員でも60才を越えたら、ポストを奪われ、再雇用されるにしても給料は激減してしまう。
次の世代にポストを与えるというときれいに聞こえるが、個人個人の能力評価がきちんとされず、年功という年だけで処遇が決まるというだけだ。
その隙間をアジア企業に衝かれ、優秀な60歳台社員を引き抜かれ、技術漏洩をまねき、自らのポジションを失った。

出る杭が打たれるのが日本の企業社会なら、有能な社員がどんどん社外流出してしまい、日本企業の成長は困難になる。
有能な社員は高い成果を上げるが、周りの凡人たちに妬まれ、足を引っ張られる。
日本の経営者には「バカの連鎖」(6/7記事参照)があり、有能な人材を取り立てられない。
ここを変えられないと、日本企業の復活はない。
新興企業には成果をきちんと配分し急成長しているところもたくさんあるし、成果に対してちゃんと処遇できる会社は例外なく伸びている。
こうした新興企業の成長と活躍が日本の古い企業社会・企業文化を変える原動力になってほしいと思うんじゃ。

政府の働き方改革は、専門職が自由に仕事ができるという面は評価できるが、その裏側にある成果の評価という面を考えていない。
そこに大きな穴がポッカリと空いている。


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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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