
今回は再び中東に戻り、アラビア半島に橋で繋がっている島国、バーレーンを取りあげてみたい。
バーレーンはその昔、天然真珠の一大産地として有名で、博物館に入ると当時の漁民の生活とともに天然真珠が数多く展示されている。
日本の御木本幸吉氏が真珠の完全養殖を完成させ、なおその真珠は天然真珠より粒がそろった高品質だったことで、バーレーンの天然真珠ビジネスは衰退してしまった。
かといって反日的な感じは全くなく、逆に完全養殖を完成させた日本に対して尊敬の念を持っているという印象がある。
その後は油田が発見され産油国として成長し、また中東の金融センターとして発展してきた。
しかし、一時、原油が枯渇に直面し金融センターとしてもドバイに抜かれたが、再び海底油田が発見されたり、サウジとの関係を強化して生き抜いてきた。
バーレーンに行ったら、グランド・モスクを訪問するのがおすすめだ。
予約が必要で、靴を脱いで中に上がるのだが、日本語が堪能な、見事なあご髭のアラブ人が丁寧にモスクの中を案内してくれる。
しかも、イスラム教の教義、コーランを詳しく教えてくれるし、どんな質問でも答えてくれる。
イスラム教というとISの過激派などの紛争が絶えない印象を持つが、宗教そのものは真に平和的なもので、ちっとも危険なものではないことを理解させてくれる。
非常に勉強になった場所だ。
是非、イスラム教の正しい理解のためもグランド・モスクに行っていただきたいと思う。
バーレーンの人々は日本好きが多いので、日本人には居心地が良い国だ。
オスール(OSOOL)はそのバーレーンの社会保険と年金の運用会社SIO(ソーシャル・インシュアランス・オーガナイゼイション)から発展した運用会社だ。
もともとバーレーンは産油国とはいえ石油輸出量は小さく、さらに枯渇に直面し産油量は減少してきた。
イスラム」の比較的規制の緩い国であり、厳しい規制のあるサウジアラビアから週末に遊びにくるリゾート的な場所でもある。
酒も一部の店ではオーケーで、サービス業や観光事業が発展してきた。
そのため、資源系の国家資産の運用というより、公務員の社会保険や年金の運用ニーズが高い。
だから、OSOOLの運用方針もリスクを抑えた分散投資でオーソドックスな投資スタイルだ。
ここの運用ヘッドとは何回かミーティングしたが、日本株への長い投資経験を持っていた。
海外の投資会社では、長い経験を持つ人ほど日本株のパフォーマンスに不満も大きいという傾向があるが、まさにそうした典型的はタイプの運用ヘッドだった。
長い経験を持つだけになかなか頑強なアンチ日本株にもかかわらず、日本株の運用は続けているという、なんというか、憎しみと愛情のはざまにいるような担当者だ。
日本の関して、安倍政権に関して、日本企業に関して、いろんな議論、いろんな意見があるのが面白かったな。
アベノミクス以降、日本株のパフォーマンスも盛り返しやや不満も落ち着いてきた感じもあるが、どうしているのだろうか?