
前回の「かぼちゃの馬車」の話の続きだが、スマートデイズの行き詰まりは女性専用シェアハウスの空室が埋まらなかったことも大きな原因の一つじゃった。
今回は不動産賃貸の問題として空室率を考えてみたい。
単に「かぼちゃの馬車」だけではなく、ワンルームマンション投資の一つの大きなリスクでもあり考えておかなくてはならない問題じゃ。
ここ数年貸家(アパート、賃貸マンション)の建築は一種のブームで、住宅着工(国交省)によると、平成26年度から持ち家や分譲を大きく上回り、28年度、29年度は40万個を超えるハイペースだ。
これで全体の住宅着工90万個(年率)の半分を貸家が占めていることになる。
長期の金融緩和のもと、不労所得を得るため、あるいは老後の生活のために賃貸経営することがブームだったことを反映したものだろう。
「ブームはバーストする」とはジョージソロスの言葉だが、ブームにあるからこそ今取り上げる必要がある問題だろう。
うちの近所でも次から次と賃貸マンションが建築され、あっという間に大通りの両側は中高層マンションだらけになってしまった。
駅前の再開発も進み、40-50建てのマンションが4棟も建築中だ。
これだけのブームの反面、人口の高齢化が進み、人口が減少局面に入る、今後状況はさらに悪化の一途をたどると誰もが思っている。
となると、賃貸マンションでも顧客の取り合い、顧客獲得競争が激化していくのは間違いない。
空室率は至る所で増加してくと思われるが、特に「かぼちゃの馬車」で問題になった間取り(共有部分のリビングが小さい、風呂に湯船がない、など)もあるし、駅からのロケーションもあるだろうし、いろんな条件により空室率が急速に上がっていくことが予想される。
そもそも駅から近いなど立地がよく、魅力的な間取り(ロフトが付いているとかキッチンが使いやすいとか・・・)で、コンビニが近い・・・借り手が簡単につくような条件も賃貸物件はそう多くない。
しかも、次ぎから次ぎに競合となる新築賃貸物件が登場してくる。
ちょっと前に建てられた賃貸物件はすぐに競争力を失ってしまう状況だ。
そんな賃貸市場で勝ち残るには入居者の好みの変化や近隣の状況を常にウオッチしていくビジネスマインドが必要だろう。
残念ながらスマートデイズは不動産業者でありながらこのビジネスマインドに欠けていたとしか思えない。
業者でさえ難しいわけで素人の不動産投資としては難易度がどんどん上がってきているように感じるのはワシだけだろうか?