
アヘン戦争で英国が香港の租借権を得て統治した100年・・・中国とは一線を画す生活をしてきた香港人は、本土の中国人と違ったアイデンティティを持っている。
ワシが最初に香港に行ったのは1985年で、上司のカバン持ちで出張に同行した時だった。
その頃の香港はどこでも英語が通じ、香港の顧客(富裕層)は顔はアジア人だが心は英国人といった感じで、普通に会話ができる相手だった。
日本のAV製品の輸入販売ビジネスで儲けたオッサンは、なんと、日本人の若者だったワシにCDウォークマンをお土産にくれた・・・今でもなぜ、日本人に日本製のお土産をくれたのかは不明だが、アジアが日本で儲けていた時代の良い思い出だ。
1997年の返還前の香港は英国の雰囲気に包まれた場所だった。
ところが100年の租借権が終了し、1997年に香港が中国に返還され環境が大きく変わった。
街中でどんどん英語が通じなくなり、広東語だけでなく北京語が通じるようになっていった。
かつて英国紳士が集まっていた湾仔やコーズウェイベイの英国パブもどんどん英国の雰囲気が失われていき、中国と混ざり合った、なんだか分からない英国風になってしまった。
それでも、香港人は本土中国人ではない。
ロンドンで働いていた時に香港人の同僚がいたが、彼女は香港と英国の両方のパスポートを持っていた。
そして、さらにロンドンでフラット(日本のマンションみたいなもの)を所有し、しかもカナダにも家を持っていた。
彼女の家族は香港に住んでいたが、両親の希望で子供を宗主国のイギリスに住まわせ、いざという時は家族みんなで逃げられるようにしていたというわけだ。
今でも香港の人口約700万人の半分の340万人は英国パスポートを持っている。
英国人の持つパスポートとはちょっと違う、BNO(英国外に住む英国領の人たちを対象にしたもの)というパスポート・・・これだけでは英国の永住権はないが、申請すれば永住権をもられる。
返還前に香港に住んでいた香港人は、皆、このBNOを持つことができた。
この世代の最後が90年代半ばまでに生まれた世代で、今、20歳代になってきている。
彼らはその意識も制度面も考え方でも本土中国人とは違い、香港人の強いアイデンティティを持っている。
それより若い世代は親からの影響はあるにしてもBNOを保有しているわけではなく、北京語を話し、より本土中国人に近くなってくるだろう。
この強いアイデンティティを持つ20歳代の香港人が強く香港の民主化を求めている。
北京政府が一国二制度を約束した期限2047年までに香港はどう変わっていくのだろうか?
今回の民主化デモは長い闘争の始まりなのだろう・・・習近平は時間をかけて香港を完全中国化をするつもりなのは間違いないから。
この香港人のアイデンティティは英国統治下の100年に渡って親から子へと引き継がれたもので、簡単には変わらない・・・共産主義で人権がない本土中国とは基本的に相容れない。
でも、逆に習近平と北京政府の強い意志も簡単には変わらない・・・中華民族の再興を掲げる習近平には、中国を中心とする世界観である中華思想は基本中の基本だからだ。
この強いアイデンティティの対立は双方ともに妥協できない根幹部分を持つ。
心情的には香港人を応援したいけど・・・
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