
9月1日の米国第四弾関税引き上げ前に、中国が報復の関税引き上げを発表した・・・対象品目には農産物も含まれており、G20でのトランプー習近平コメント(中国は米国から大量に農産物を買う)を無視したような形になった。
これを受けて、トランプは導入済みの2500億ドルの輸入関税を25%から30%に、さらに追加3000億ドルの関税も10%から15%に引き上げると表明した。
そこで、グローバルなファンダメンタルをOECDのコンポジット・リーディング・インディケータ(CLI)で現状を確認してみたい。
このCLIは景気の先行指標で製造業PMIと同様に景気センチメントが映すので、市場関係者にはよく使われている指標だ・・・でも、現在データは6月分までしか発表されていないので若干古いというのが弱点だ。
でも、同一の基準で、OECD19か国、加盟各国の景気先行指標を比較できるので便利な指標だ。
米中摩擦は始まった2018年初から、OECDのCLIが101.06から99.0までの低下を示している間、米国のCLIは100.47から98.84まで低下、中国のCLIは100.21から98.87まで低下となった・・・と、大きな違いが見いだせない。
特に中国のCLIのボトムは今年の1月98.53であり、1-6月では横ばい、若干の上昇だった・・・米国が今年に入ってから少しづつ下げているのと対照的だ。
この意味するのは、関税引き上げ前の駆け込み輸出が終わり一旦中国経済は急失速したが、その後の対米輸出単価の引下げと人民元安の誘導でなんとか関税の悪影響を吸収しているという姿だ。
ここに腹を立てているのが、トランプや米国かもしれない。
しかし、今後、関税戦争の結果としての世界経済への悪影響はさらに出てくると見られている。
世界中で製造業PMIが悪化し、日本、中国、ドイツ、英国、フランスなど主要国すべて製造業の苦戦が続いているからだ。
iPhoneなどスマホも含まれる第四弾の貿易戦争がこれに拍車をかえていく。
その時、重要なのは国内市場の健全さと民間債務の適正レベルだろう。
自国内の経済の堅調さが貿易停滞からの影響を中和できるだろうし、関税戦争によって企業の利益率が低下した時には過大な債務が不良債権化し企業の負担となるからだ。
この点からは米国経済は強い・・・逆に、民間債務が名目GDPの205%と圧倒的な過大債務を持つ中国は弱い。
中国の民間債務のうち、シャドウバンキングは以前に問題視され減少してきているが、まだ、60兆元を越える残高がある・・・しかも最近は社債発行が増加し、残高は20兆元に達している。
すでに兆候は見えているが、中国企業の利益率の低下とともに、これらの民間債務が不良債権化してくる可能性もある。
でも、悪影響は中国だけでない・・・米国の国内市場に強さがあるにしても、景気の鈍化は免れない。
という意味では、ケンカ両成敗かもしれない。

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