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WSJがソフトバンクが傘下のビジョンファンドのIPOを検討していると報じた。
ファンドの上場は日本ではあまり馴染みがないが、会社型ファンドが多い海外市場ではよくみかけるものだ。
ファンドのIPOは日本でいえば不動産投信REITの上場のようなもので、ファンドの出資者がファンドの持ち分を所有する会社型ファンドを上場し、誰でも簡単に市場で売買できるようにする。
ソフトバンクの場合、ビジョンファンドはソフトバンクの一部門だが、他人の資金が入っているので分離されて会計処理されているはずであり、ビジョンファンドをスピンオフして上場することは可能だ。

では、ソフトバンクが傘下のビジョンファンドを上場すると何が変わるのか?
(1)IPOによって新規資金を集めることができる。
上場時に新規資金を集めて上場したり(IPO、公募)、既存の出資者の持ち分(売出し)を市場で売却したりすることで、市場に流通性を供給する。
ビジョンファンドはIPOによりさらに資金を集め、投資することができる。

(2)ファンドの出資者が簡単に換金したり、全額現金化したりできること。
現在、ビジョンファンドにはソフトバンクの自己資金、サウジや中東系資金、その他巨大年金の資金が入っていると思われるが、現状では出資分を換金するとしたら、ソフトバンクに買い取ってもらうか、新たな出資者を探して売却することになる。
上場したら、出資者は自分の都合で市場で出資分を売却することが簡単にできるようになる。

(3)その他、ファンドの価格が市場で評価され、情報開示が義務付けられること。
未上場ファンドの評価はNAV(ネット・アセット・バリュー)だが、上場すると市場での時価評価になり、ファンド価格の変動が激しくなる。
また、未上場の場合はファンド出資者に運用結果が報告されるだけだが、上場すれば基準に合わせた情報(投資先、パフォーマンス、その他)が開示され、一般投資家にもよく分かるようになる。

それでは、ソフトバンクのファンドIPOの狙いはなんだろうか?
ここからは想像だが、まず考えられることはNY市場の流動性が高いうちにファンドを上場させ、新規資金を集めておきたいということだ。
おそらく、孫さんは2020年以降は量的緩和による過剰流動性が徐々に回収されていくと見ているのではないだろう・・・そのために早めにIPOを行い資金を獲得したというのが狙いかもしれない・・・この点は気を付けておきたい。
また、中東系かどうか分からんが、ファンドの出資者に利食いし換金したい出資者がいるのかもしれない・・・上場すれば、市場での売却が簡単になる。
そして、ソフトバンク自体もファンド出資の一部を売出しによって現金化したいのかもしれない・・・バランスシートにある15兆円の借入金を減らす目的も考えられる。
いずれにしても、新規資金を集める最後のチャンスかもしれないし、出資者の換金性も高められるし、ソフトバンク自体の債務リストラも可能になるし、一石三鳥のIPOになるだろう。
ただし、通信子会社のIPOと同じでソフトバンク側の有利になるようにIPOされるので、反対に投資家には不利が多いかもしれない・・・いつもの孫さんのやり方だ。



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