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フォックスコン会長の郭台銘氏が台湾の総統選に出馬するというニュースが入ってきた。
フォックスコン、鴻海精密工業は、台湾に本社を置く列記とした台湾企業だが、受託生産EMS企業としての拠点は中国、深センにある。
また、日本にとってもシャープが苦境に陥った時、救済合併をして助けてくれた恩人でもある。
その会長が総統選に出馬し、もし、当選して台湾総統になったら、中国ー台湾ー米国関係に大きな影響が出ると思う。

まず、台湾のハイテク企業には、鴻海(フォックスコン)を始め、TSMC、ASUS、その子会社のペガトロン、などなど素晴らしい会社が多い。
そして、これらの会社はさすがに台湾アイデンティティを持ち本社は台湾にあるが、生産拠点は中国にあり数万人から数十万人を雇用している・・・と言う意味で、中国経済にも貢献度が高い台湾企業だ。

台湾と中国は政治的には一国二制度を巡って対立しているが、地理的・経済的には近く多くの台湾人が中国にわたりビジネスをしている。
昔、友人と中国を旅行にした時、友人の商売相手の台湾人にご馳走になったが、その台湾人は中国の石採掘で大儲けをしたようだった。
でも、妻子は台湾に残したままで、単身中国でビジネスをしていると語った。
彼ほど中国で成功していても政治リスクには敏感で、何が起こるか分からない危ない国には妻子を呼べないと言っていたのを思い出す。

一方、台湾と米国は大きな強いビジネス関係にある。
鴻海会長の郭さんはアップルの故ジョブズ氏と非常に親しい関係にあり、それが理由でiPhoneの受託生産をフォックスコンの深セン工場で始めた。
ファブレス企業のアップルにとっては特別な関係だろうし、鴻海だけでなくペガトロンやTSMCなどの他の台湾EMSにとっても米国は大きな商売相手だ。
こうした意味で、郭さんはトランプ大統領とも近い、電話で話せる関係を持っていると言われている。
正式の外交関係はなくても、米国にとって台湾は重要な友人で、中国に簡単に引き渡せない存在だ。

おそらく、鴻海会長の郭さんにしてもこうした米中の政治リスクを意識して立候補したのだろうと思われる。
今後、どういう外交政策を出してくるかは見もので、対中国では雇用やビジネス関係を使って台湾に対する強硬政策を回避するように動くだろう。
また、米国との外交関係はさらに発展させ、台湾の外交的存在感を高めていくと思われる。
この中国ー米国ー台湾という三角関係をうまく泳いでいくビジネス・センスに期待したい。
簡単に中国に吸収合併されたり、逆に対中国で強硬姿勢を取り中台間の軍事紛争に発展したり・・・・この両方を回避するには、鴻海の郭さんが適任のような気がする。




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