
公募投資の選び方も今回で最後になるが、最後に「分配金」の問題を考えてみたい。
投資家としては分配金を受け取るのは楽しみで、たとえ、それがタコ足配当であったとしても。
多くの高齢投資家は、「投信の元本部分はいずれ自分が亡くなった時、相続として親族に行く部分だけど、分配金は生きているうちに自分が受け取れ、自分のために使える」と考えている。
だから、毎月分配などの高分配の投信は高齢者に人気がある。
この分配金は分配可能原資から払われるのだけど、これが少しややっこしい。
というのは、当期の配当収入などのインカムゲインと値上がり益などのキャピタルゲインだけでなく、過去のインカム・キャピタルゲインのうち留保(その時に払っていない分)されている準備金と、さらに追加でこの投信を買った顧客の収益調整金も含まれる。
簡単に言うと、今期儲かった分を分配するだけでなく、過去に上げた収益や追加投資家の資金も分配に使える。
過去に上げた収益というのがミソで、過去基準価額が大きく上昇したことがある投信は分配原資が大きく積み上がっている。
しかも、追加の投資家と既存の投資家を公平に扱うために新規資金の一部も分配に回すことができる。
こうしたルールがあるために、日本では投信の基準価額以上の分配原資がある投信があるという訳わからない状態になってしまった。
昔、台湾で日本の毎月分配型のような投信を出そうと考えたことがあったが、台湾は当期の収益の範囲内でしか分配できないために、毎月分配型の投信はあきらめたことがあった。
欧州の投信規格UCITSでも、米国のミューチャルファンドでもこんなタコ足分配は無理だ。
日本だけの特殊なルールで、金融庁が毎月分配型をめの敵にするのは、こうした事情があるのかもしれない・・・将来、このルールが変わっていくかもしれない。
税法では、収益を原資とした分配には分離課税がかかるが、タコ足分配部分には税金はかからない・・・なぜなら、それは運用で上げた収益ではなく、自分の出したおカネだからだ。
毎月の分配金をもらって喜ぶ高齢者は別としても、通常の投資家にはタコ足分配は自分の出したおカネをもらうだけなので全く意味がない。
特殊な日本的な投信というわけだが、でも、まだまだ人気がある。
年金の不足を解決する手段でもあり、日本では生き続けるのかもしれない。
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