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年度末から新年度入りの時期は、それぞれの市場参加者がヘッジしたり/はずしたりと様々な動機でポジションを取る。
この時期は、各投資家たちが癖のある特殊な動きをするケースが多く、単純に考えると間違ってしまう・・・注意が必要だ。

まず、国内勢では、年金や投信のインデックス運用。
通常、年金や投信は配当落ちで価格が下落する分を未収配当として計上し、配当落ちによるポジションの減少やパフォーマンスの悪化を相殺し影響しないように会計処理する。
しかしながら、インデックス運用では未収配当を計上したところで、そんな架空の資金では株価指数との連動性が薄れてしまう。
だから、将来受け取る配当分で先物を買い建て、株価指数に連動するようにしなければならない。
例えば、配当落ちが2%あれば、ポジションの2%分先物買い建て、将来の配当分をポジション化するわけだ。
下の表で、投信や金法が3月末に1460億円と7196億円買っているのは、その配当落ち分の先物買い建てであると思われる。
だから、この投信や金法の先物買いは実際にはなんらの影響もない。
株主総会が終わって配当を受け取る時、この先物買い建ても決済されていくことになるだけの話だ。

次に個人投資家だが、年度初に現物5517億円を売却し、大幅な売りから入っている。
株価が上昇してきたので利食ったことが一番の理由だと思われるが・・・定かではない。
個人の場合は、IPOで取得した場合、買いはカウントされず売りだけカウントされる、だから、個人投資家は常に売り越しの投資主体になる。
という意味では、利食いに売りもあるだろうし、ソフトバンク(通信)やその他のIPOで取得した分を一気に売った可能性もある。

話題となっている海外投資家だが、たしかに4月第1週には久々に6307億円の現物の買越しを記録した。
これが日本株の新規組入れのための買越しなのかはまだ分からない。
3月末の先物で7440億円のショートを作っているので、そのショートカバーで現物を買ったのかもしれないからだ。
また、この2週間の現物・先物の全合計ではまだ売越しなので、久々に買い越しに転じたといえるだけの根拠はない。
もしこれが海外の年金やSWFの大口買いならば通常1週間だけでは終わらないので、次の週も買越すならば海外の大口投資家の買いとなるかもしれない。
来週の数字で確認する方がいいと思う。

証券自己がこの2週間で現物・先物合計で4814億円の買越しとなっている。
証券自己の場合、ある一定期間ではポジションはニュートラル(中立)になるのが通常なので、このロング・ポジションには何か理由がありそうな気がする。
自己ポジションはかなりロングに偏ってきているので売り戻してくるかもしれないし、何かショートポジションがありそれを先物でカバーしたのかもしれないし・・・まだよく分からない。
この分が来週以降、売りで入ってくるのか、どうなるのかも注目だ。

自己   個人   海外   投信   金法  
  現物 先物 現物 先物 現物 先物 現物 先物 現物 先物
3月4週 1844 1218 751 ▲ 834 ▲ 785 ▲ 7440 ▲ 1072 1460 ▲ 346 7196
4月1週 ▲ 688 2440 ▲ 5517 ▲ 520 6307 ▲ 428 576 ▲ 1563 ▲ 65 236
先物は日経225とTOPIXの合計。事法やその他法人はこの表に含めていない。



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