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世界中の投資家がアクティブ運用からパッシブ運用へとシフトする時代が続いてきた中、金融庁はアクティ運用をどんどん締め付けてきた。
特にアクティブ運用に影響があったのが、インサイダーとの関連で決算期前の取材(プレビュー取材)を問題にし、証券会社に自粛をせまったことだ。
一部にはインサイダーまがいの情報を取るしか価値がない「なんちゃってアナリスト」を駆逐する良い機会だと評価する向きもあった。

しかし、その後、明らかに決算発表時の値動きが激しくなった。
事前の感触で決算がどっちに振れるのか、およその感触を元に売買し織り込んできた市場が、これにより事前には全く織り込めない市場、ぶっつけ本番の市場になってしまったからだ。
わずかな市場見通しからの乖離で、株価が急上昇したり、急低下したりするケースがめちゃくちゃ増えている。
現在2月決算の消費関連企業の決算でもサイゼリアが10%以上上昇したり、ファーストリテイリングが7%以上の急上昇をしたり、優良企業と見られていた良品計画が急落したり、決算発表後の値動きが一段と激しくなっている。

こうなると、この「株価ぶっとび」の急激な変化を嫌う投資家も出てきて、決算発表前にポジションを減らすようになる。
こうした投資家が増えると、さらに、出来高の減少をまねき、決算発表後の動きを大きくしてしまうという悪循環に入る。
ましてや、今年はGW10連休がそのまま決算発表時期と重なるので、多くの投資家は保守的にポジションを落とすかもしれない。
となると、一段と出来高が細り、決算発表後の値動きが大きくなるだろう。
特に今年のGW前に日本電産、ファナックなどのリーディング企業の決算発表から3月決算企業がスタートし、10連休に入り、GW明けから決算発表ラッシュになる。
一体、どんな急騰/急落が演じられるのだろうか?

証券会社のアナリストだって神さまじゃないので、会社に取材して様々なデータや感触をヒアリングできないと、収益予想も立てられない。
インサイダー取引はもちろん厳しく罰せられるべきだが、その要件は確定した決算数字や増資の決定など重要情報の公表前入手と関連した株式取引に限られている。
それを疑わしいからといって取材を全部否定してしまうと、投資家が何を見て判断すればいいか分からなくなり、市場の機能が麻痺していしまう。
アナリストには自由に取材をさせ、一方、インサイダー情報を得た場合は各社のコンプライアンス規定できちんと管理し、インサイダー取引を未然に防ぐ・・・こうした仕組みでプレビュー取材を自由にして株価が会社情報を織り込みやすくする方が市場は健全になる。



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