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鹿児島といえば、やっぱり桜島だが、桜島には桜は咲いていないと思っていた。
もちろん、この巨大な活火山で山の中腹からは木一本生えていないし、土地は火山灰でできているので水はけがよく、桜木には適さないと思っていた・・・だから桜がないのに桜島を呼ばれる。
ちなみに桜島の由来は「桜木」ではなく、人名や神様の名前らしい。
でも、この湯平展望所に向かう登り道に2本の山桜が生えていたし、桜島をグルっと回っていると小学校の校庭に桜が咲いていた。

この桜島が凄いのは、鹿児島のたいていの場所からきれいに見えることだ。
さすがに指宿からは見えなかったが、その途中までは桜島がはるか遠くに見える・・・と、鹿児島にいる感じが強くする。
島津家の別荘、仙巌園では島津家のお殿様の居室から桜島が望めるように設計されていたし、桜島をバックにした(借景にした)庭園の造りが見えた。
桜島フェリーに乗れば、車を積んでも1000円ちょっとで桜島に渡れる・・・恐るべし、桜島に圧倒された。

指宿の砂蒸し温泉もすごい。
岩盤浴というのはどこにでもあり、汗がガンガン出てデトックスに良いというが、この砂蒸しはちょっと違う。
ガマンをしない程度の温度で、じわじわッとくる。
砂に埋められて身動き取れない状態で、じっと10分程度動かずにいる。
すると、特に熱くないので全然平気という感じだが、実は砂の中でもの凄く汗をかいている。
熱いのをガマンして汗をかくのではないところが良い。
砂から上がると、もちろん、砂だらけなのだが、浴衣がビショビショに濡れているのが分かる。
それだけ汗をかいていたというのが後から分かる。
そのあとは普通の温泉に入り、温めの湯でじっくりと汗をかく。
至福の一日だった。

やっぱり圧倒されたのは島津斉彬だ。
仙巌園には島津斉彬が作った集成館があるが、産業革命前の前近代的な日本にあって、産業革命後の技術を持つ欧米に追い付こうとしたことだ。
当時の日本には刀鍛冶などの職人はいたが、技術を応用し発展させる発想はなかった。
そんな伝統的な古い日本で、反射炉で鉄を作り大砲を作ろうとしたり、水圧を使った排水ロを作り御殿のあらゆるところに水を供給するシステムを作り、水力発電の施設を作ったり、蒸気機関を作ろうとしたり・・・その柔軟な発想に驚かされる。
今に言う発明家ではなく、欧米の産業革命後の機械技術を理解し、当時の様々な伝統職人を集めて、試行錯誤しながら新しい技術を作り、欧米と同様な水準に日本を高めようとしたところだ。
一種のオーガナイザーというか、プロデューサーとして類い稀な才能を持っていたのだろう。
恐るべし、島津斉彬、完全に圧倒された。



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