
ちょっと前だが、川崎市の認可外幼稚園「貝塚学院」が園児の親御さんに突然の閉園通知をしたというニュースがあった。。
通う予定だった子供やその親御さんにショックが走ったと報道された。
少子化、特殊教育、幼児英語教育、お受験教育・・・・日本では子供一人にかえる投資額が増加する一方、様々な教育方針を掲げる幼稚園や学校が出てきているし、中に当然認可外の幼稚園も増えていく。
子供への投資が幼稚園の倒産という形で無駄になるとしたら、親御さんの怒りは分かる。
でも、幼稚園だって民間会社であり、園児が十分に集まらなければ収入が減少し、コストが賄えなければ赤字になるし、自己資本を食いつぶせば破たんや倒産する。
そして、倒産する企業は倒産を隠すのが当たり前だ・・・倒産するといえば、取引先からは敬遠され顧客は当然離れていってしまう・・・それは倒産を早めるだけだからだ。
したがって、倒産を最後の瞬間まで隠すのはあたりまえの事で、民間会社の常識だ。
そう考えれば、経営悪化した幼稚園が園児の親御さんには何も言わず閉園するのは、そういう意味では当然の行動といえるだろう。
しかし、ここの最大の問題は特殊な債券を出し、入園児の保護者に買わせていたことだ。
私立学校が半強制的に寄付を求めたり、学校債券を買わせたりすることがよくある。
でも、これは学校が入学を許可するという強い立場から、弱い立場の入学者に無言の圧力をかけて学校債券や二口以上の寄付をさせるというところに問題がある。
この幼稚園も同様だろう。
昔、ワシの息子や娘が私立大学に入学した時、ワシはこうした強い立場からの無言の圧力が大嫌いだったので、二口以上とされた寄付もゼロ、学校債は買わなかった。
それで何か起こったかと言いうと・・・・実際、何も起こらなかった。
息子と娘は無事にその私立大学を卒業した。
それはそうだろう・・・寄付しなかったからといって、不当な扱いをしたらそれこそ大問題になるからだ。
でも、こうした学校債は非常に不透明だ。
この幼稚園のように利子を付ける場合もあるし、無利子の場合もある。
返済や償還も不透明で、学園債を償還せずに卒業時に寄付に振り返えをする場合もあると聞く。
普通の債券のように投資家保護がなく、ルールも明確でない。
この幼稚園のように破たんしてしまうと・・・資産を精査して先生たちの未払い給料を支払い、取引先の債務を支払い、借入金を返済し、受け取った入園料を返金するわけだが、その債券の保有者にどのぐらい戻るかは分からない。
その幼稚園の資産次第だが、その金額から見て全額返金は難しいかもしれない。
この件では地元企業が支援をすることで事業継続となったみたいで良かったねという結末だが、この支援企業が資本注入する際にどういう処理をするかは不明なままで問題は解決されていない。
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