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ウォールストリートジャーナルの「中国への追加関税の引き下げを検討している」という記事で米中摩擦懸念が落ち着きからNY株価が反発している。
貿易黒字の削減について中国が譲歩するという見方もでてきた。
しかし、最近のニュースを読んでいると、どうやら、米国は関税競争から次の次元に移行しようとしているように感じられる。

まず、ペンス副大統領のスピーチ(1/16国務省の駐外公使会議)を読むと・・・

「中国は近年、世界の安定と繁栄を半世紀にわたり維持してきた国際法とルールを無視してきた。米国としてはもう座視できない」
中国当局が「債務トラップ外交」と「不公平な貿易慣行」で影響力を拡大し、南シナ海で「攻撃的な行動」を取っていると批判した。「すべての国は航行の自由と開かれた貿易取引ができるよう、米国は自由で開かれたインド太平洋を支持する」と強調した。

もう一つのファーウェイに関するニュース・・・
中国ファーウェイ(華為科技、HUAWEI)は早くて19年前から、通信技術を中東のテロ組織に売り渡し、活動を支援していた。
1999年以降、タリバンが国連制裁措置リストにアップされた。このため、世界中の通信事業者や通信機器メーカーがタリバンに販売することは禁じられた。しかし、複数の間接的な証拠から、ファーウェイは数十年間、タリバンに通信システムを提供し続けていることが分かった。

ペンス副大統領は中国との外交問題で政権内ではもっとも影響力のある戦略家と見られている。
その発言は理論的で戦略的でトランプ外交を支えているとさえ感じることが多い。
この彼が「債務トラップ外交」「不公正な貿易慣行」「攻撃的な行動」と三つの問題点を挙げた・・・債務トラップは中国の一帯一路政策の裏側の部分、不公正貿易慣行とは知財問題を始めファーウェイ問題まで含まれるものだろうし、攻撃的な行動とは中国の軍備拡張と南シナ海をはじめとした領土的野心のことだ。
ペンス発言の意味は米政権が対中国でこの三点の是正を求めるという宣戦布告で、関税だけの問題から一段を深い部分に踏み込んでいくという意思表示だ。
さらにファーウェイのテロ組織やイランやシリアとの密接な関係も米国から見ると看過できない。
特にNYの9.11事件の前からビンラディンやテロ組織の支援を行ってきたことが事実ならば、トランプ政権は本格的にファーウェイをつぶしにかかるはずだ。
そうなると、ファーウェイと共産党政権の近い関係から政治外交問題化しかねないだろう。

米中問題は単なる貿易不均衡の問題ではなく、中国が長期に渡って、国際間の約束、国際法、国際秩序を無視した経済発展をしてきたことが背景にある。
ますます、根が深くなっていくような気がする。



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