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ETF、REIT、インフラファンドは市場で簡単に売買できる便利な金融商品だ。
誰でも市場に注文を出して売買できるし、販売手数料もかからない。
かかるのは、株式売買にかかるのと同じ売買手数料だけだ。
この便利なETFだが、どう使えば最も有効なポートフォリオを作れるのだろうか?

まず基本は株価指数に連動するETFだが、これは株式用語でいうベータ(β)リターンであり神様だけが知る世界で、自分の努力でリターンを上げられるという代物ではない。
一旦、このタイプのETFを買ってしまうと、あとは神様にお祈りをするだけしかできることはない。
だから、どのぐらいのリターンを取れるか分からないので、リスクの方から考えてみることが大切だ。

世界中の株式に分散したMSCI-ACWI(アクウィと読む)というインデックスがある。
これは24か国の先進国株(MSCI-ワールド)と21か国の新興国株式(MSCI-エマージング)を足したものだが、そのウェートを見ると米国が約半分、他の半分のうち欧州とアジアで半分づつという大まかな構成だ。
欧州では英国5%台、フランス3%台、ドイツ3%台、アジアでは日本7%台、中国3%台などだ。
このアクウィの使い方だが、国や地域の分散比率をこのアクウィを基準にして決めるのが基本だ。
たとえば、米国に強気なら米国のウェートを6割にし、日本に強気なら2割の日本にしてみる・・・さらに、欧州の弱気ならばウェートを1割程度に抑え・・・という感じだ。

各国別指数ETFをウェートを管理していくのはとても大変な作業だが、これを簡単にすることもできる。
それは自分のポートフォリオの1/2~2/3の中核部分でアクウィのETFを買い、残りの部分で強気の国別ETFを買う・・・これだけで国別のオーバーウェート/アンダーウェートを作れる。
たとえば、50%をアクウィにして、日本、米国、新興国などのETFを追加上乗せすると、追加で買ったETFの国がオーバーウェートになり、その他の国がアンダーウェートになる。
こうすることで、基本ウェートに日本・米国・新興国をオーバーウェートにしたグローバル・ポートフォリオを簡単に作ることができる。

また、株価指数による違いを考えることで、リターンをプラスすることができる。
たとえば、日経平均のETFとTOPIXのETFで、これはNT倍率トレードと呼ばれ、相場の局面をするトレード手法だ。
日経平均は主要な225銘柄の単純平均なので、株価が高い銘柄の方が指数への影響が大きい。
よく言われるようにファーストリやソフトバンクのような高株価の銘柄がどう動くかで水準が日経平均が決まる。
一方TOPIXは全上場銘柄の時価総額を元にしているので大型株の影響が強いが、日経平均ほど一部の銘柄で決まるという極端なことはない。
だから、日経平均ETFをロング(買い持ち)し、TOPIX・ETFをショート(空売り)することで、値がさ株の上昇による収益が得られる。

さらに通常の株価指数ETFと高配当ETFの組み合わせで運用することもできる。
たとえば、TOPIXのETFと高配当インデックスのETFを比べてみる。
この両ETFの反応度が異なることに注目したトレードだ・・・TOPIXが1%上昇し、TOPIXのETFも同様に1%近く上昇するが、高配当ETFはだいたい0.6%程度しか上昇しないし、また、下落時したりは逆にTOPIXよりも下落率が小さくなる。
この特性を利用して、相場の下落時には高配当ETFを買い、相場の上昇時にはTOPIXのETFを買うという投資もできる。

インデックスETFに対する投資では、じっと待つというガマンが必要だ。
個別銘柄ならあっという間に3割上昇したりするが、インデックスの投資は簡単にリターンが出ない。
時間が必要になるので、3年から5年ガマンして保有し、やっと2割とか3割のリターンを上げられるようになる。
手っ取り早く儲けたい人には向かないし、熟成する期間を待つことができる人には有効な投資となる。
また、ドルコスト平均法といい、毎月同額を買うことで株価が低い時には多めに高い時には少な目に買うこともできる。

次は市場で買う投信として、REITやインフラファンドを考えてみたい。



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