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ネット証券会社や銀行で誰でも買うことができる公募投信だが、数百の投信が設定され、いろんなタイプの投信が出ているので、選ぶのに迷ってしまう。
しかも、人生で命の次の大切なお金を運用するものなので、場合によっては大損し人生計画が狂ってしまうほど重要なものだ。
しかし、高齢化が進み長生きすることが普通になってきている現在、資産をうまく運用する人としない人の格差が今後急速に広がっていく。
運用は一か八かのギャンブルではない。
きちんとした知識を持ち、投資原則にそった運用を心掛ければ、リターン/リスクに応じた長期リターンを上げていくことは誰でもできる。
この「やさしい投信の選び方」では、基本的な投信のタイプとその特徴、各タイプ別に良い投信の選び方を考えてみたい。

まず、投信は公募投信と私募投信に分けられるが、個人投資家が買えるのは公募投信だ。
これには証券会社や銀行で買う投信と、東証に上場していて株式と同様に東証に注文を出して市場から買う投信に大きく分けられる。
細かい分け方はいろいろあるが、個人投資家には証券・銀行で売買する投信と、東証などの市場で売買する投信を分かっていれば十分だ・・・通常の投信の分類とは異なるが、個人投資家にとっては実用的な分け方だ。

簡単なので市場で売買する投信の話から始めよう。
市場で売買する投信には、ETF、上場不動産投資法人、上場インフラファンドなどがある。
その中で最も大きいのがETFで、これはTOPIXや日経平均などの株価指数に連動したETF、低PERや高配当などの指数に連動したETFがある。
まず、ETFから話を始めたいが、その利点は、大きく2つある。
一つは売買コストも安いことで、株価指数のETFなら大体0.1~0.2%程度の信託報酬だ・・・毎日計算され、時価から差し引かれる。
もう一つは売買が簡単なことで、普通の株式と同様に証券会社を通じて市場に注文を出して売買する。
価格の透明性があり、投資家にとっても非常に分かりやすい。

しかも、ETFと株価指数で裁定取引が行われているので、大きな買い注文が入ったとしても実勢以上に急上昇することはない・・・価格は原資産である株価指数に連動するので、安心して投資できる。
裁定取引は、まずETFに大きな買いが入り価格が上がると、裁定業者がETF売り/指数先物買いの裁定ポジションを組み、指数先物を現物バスケットに組み替え、現物バスケットをETF運用会社に持ち込み、ETFと交換する・・・という流れで、大口買いが入ると、回り回ってETFの発行量が増加する仕組みだ。

また、便利なETFだがETF自体はレバレッジが基本的にはかかっていない。
指数の変動を最大利用するためにはレバレッジをかけたい投資家もいる。
こうした投資家には日経平均レバレッジなど、先物を組み入れて投資金額の2倍のポジションを作れるようなものもあり、個人投資家には人気の商品だ。

ETFの応用編ともいえるのがスマート・ベータ型のETFだ。
これらは単純な株価指数ではなく、ちょっと工夫した指数(高配当指数、最小分散指数、ファンダメンタル指数など)に連動させるETFだ。
これらはセミ・アクティブといえる投信であり、別途考えてみたいと思う。

上場不動産投資法人やインフレファンドはたしかに市場で売買できる投信には分類されるが、実際は個別銘柄と同様に中身を吟味して投資する必要がある。
リートはオフィス、商業施設、物流施設など、あるいはインフレファンドは太陽光発電施設などに投資するファンドで、それぞれの不動産や施設の価値や見通しを考えて投資しなければならない。
十分に分散された株価指数ETFとは違い、個別の株式に投資するのと同じように勉強する必要がある。




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