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文化的にも伝統的にも世界の他の地域と違うガラパゴスの日本にはたくさんの特殊なものがあり、グローバル市場にリンクしている日本株市場にも特殊なアノマリーが残っている。
その代表的なアノマリーが低位株効果と呼ばれるものだ。

低位株という言葉自体が特殊日本的な言葉で、グローバルには全く通用しない言葉だ。
株式分割や併合が簡単に頻繁に行われる海外株式には低位株や値嵩株という概念自体がなく、割安株とか割高株、バリュー株かグロース株という分け方がより一般的だ。
日本も今は株式分割を簡単に行うことができるが、今でも10万円や20万円という少ない投資金額で買える低位株、最低でも百万円以上の投資金額が必要な値嵩株といった分け方がいまだに生きている。

この低位株は個人投資家には少額で買えるため人気になっているケースも多い。
しかも、会社の悪い部分を織り込んで低位株になっているわけで、悪材料を織り込んだ水準にあるということも個人投資家には買い安心感があるのだろう。
こんな個人投資家の心理が低位株効果を形作っているのかもしれない。

日興アセットが低位株オープンという投信を出している。
設定は1993年でかなり古い投信で、運用にも安定感がある。
運用プロセスはシンプルで、株式を低位・中位・値がさの3分類し、信用リスクを考慮し、業績とバリュエーションで選別し投資するというものだ。
過去5年の5月決算期でパフォーマンスを開示されている。


  2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
基準価額 12396 13292 17050 14768 18706 21718
期間分配金合計   100 100 100 100 400
分配金再投資騰落率   8.0% 29.0% -12.8% 27.3% 18.2%
東証株価指数騰落率   3.6% 39.0% -18.7% 16.3% 12.8%
純資産総額 6823 6072 5787 4428 5463 5152
基準価額・分配金は円、純資産総額は百万円。

2015年(2014/6から2015/5)を除き、毎年、東証指数TOPIXよりも高いリターンを確保しているのが分かる。
この2013年から2018年までの5年間を取ると、TOPIXのトータルリターンが+53%だったのに対し、低位株オープンは+81%とTOPIXを大きく勝ち越している。
これが低位株アノマリーと呼ばれるものなのだ。
ただし、必ずしも投信を買う必要もない・・・購入時の手数料が2.16%かかるし、運用手数料も毎年1%かかるので、自分で選別して低位株を買う方が圧倒的に運用コストが安いからだ。
基本的にシンプルな銘柄選択法なので、低位株+高配当、低位株+低ボラティリティ、低位株+低PER、などと銘柄選択の幅が広がる。
自分の好みに合わせて銘柄選択できるのが、この低位株投資法の強みといえる。
悪材料を織り込んだ低位にある高配当株や低バリュエーション株は波乱相場に強みがあり、2019年はこの低位株のアノマリー投資が注目される年となるかもしれない。




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