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アップルの業績下方修正・・・890~930億ドル見込んでいた売上げを840億ドルに下方修正・・・中華圏での売上げが減少しているとのこと。
でも、これは懸念材料として騒がれてきた米中摩擦と中国の景気減速によるもので・・・市場は右往左往しているが・・・今までの「セル・オン・ザ・ルーモー」から「バイ・オン・ザ・ファクト」に変わっていくかもしれない。

実際、この株価波乱に中、推奨を引き上げた会社もある・・・ニュー・ストリート・リサーチだ。
昨年8月に「売り」推奨に引き下げ、今回、「中立」に引き上げた。
これはアナリスト予想が的中したので、「これ以上の売り材料が見当たらない」として「買いはまだ」と言いながらも、推奨を変更した。

アップル株の行方は、極めて政治的な微妙なところにある。
中国ではアップルの下方修正が歓喜をもって受け入れられた・・・ファーウェイに対する仕返しともいえるものだ。
ZTE摩擦の時はキーディバイスの半導体を供給しいていたのがクアルコムだったため、米国は供給制限を脅しに使っただけの局地戦だったが・・・
ファーウェイにはハイシリコンという半導体子会社があり、ここが一手にファーウェイ向けに半導体の回路設計、モジュール部品の生産を行っている。
そのため、米国は友好国に根回ししてファーウェイの通信機器やスマホの海外販売を止めた。
これではZTEの時の局地戦とは違い、全面戦争になってしまう。

おそらくアップルにとっては、販売市場として14億人の巨大な中国を失うこと、フォックスコンを中心としたグローバル・サプライチェーンを再構築すること・・・この二つの大きな課題が残ったように見える。
ファーウェイにとっても中国の国内市場が大きいといってもそれだけでは限界がある。
ハイシリコンもおそらく先進国からの技術盗用だろうし、ファーウェイのみに供給しているのでファーウェイの売上げ成長が減速すると経営難に陥るかもしれない。
販売拡大にしても、しかも欧州・カナダ・豪州といった先進国地域に行けない・・・となるとアジア、中南米、アフリカといった地域に展開していくしかない。
中華圏とそれ以外の先進地域に世界を分断していしまう感じがちょっと恐ろしい。
トランプ大統領と習近平主席の英断を期待したいと思うが・・・・政治・外交はどうなるか分からない。
というわけで、アップル株、バイ・オン・ザ・ファクトになるかはやっぱり微妙だ。



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