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イラクの過激派に拘束されていた日本人ジャーナリスト安田さんが解放されて帰国した。
アラビア半島に数十回出張した経験から、アラブ過激派に取り囲まれ、日々、生命の危機にさらされて生きるというのは考えられないぐらい厳しい状態だっただろうと思う。
危険地域に自分のリスクで取材を敢行し、信念を持って行動する気概は素晴らしいと思う。
「勝手に危険地域に行って勝手に拘束された、自己責任だ」という声があるのは残念だし、基本的に法律の理解不足だ・・・国民の生存権は憲法に書いてあるので、憲法をよく読んだ方がいい。
国家が国民を守るの義務があるのは、どんな危険地域だろうが、どんな事情だろうが、ジャーナリストだろうが、普通の旅行者だろうが、民間人だろうが、公務員だろうが・・・全く関係ない。
すべての国民の生命を守る義務がある・・・たとえ、自分のリスクと自分の判断でイラクに行って拉致されても、当然、国家は安田さんの生命も守る義務がある。

でも、テレ朝の玉川とかいうコメンテーターの主張を聞いてぶっとんだ。
「ジャーナリストが国民の知る権利を守り民主主義を守っているのだから、安田さんは(民主主義を守った)国民的英雄として、敬意をもって迎え入れるべきだ」
朝日のおかかえ記者からこの発言が出るかという感じで、この誤解がおそろしい。
ジャーナリストでも真実を追求する人もいれば、朝日新聞のように偏向した考えに基づき偏向報道に終始するジャーナリストもいるし、記事を売るためにねつ造したりウソをついたりするジャーナリストもたくさん見てきた。
ジャーナリストが国民の民主主義を守っているなんて、朝日の記者がよく言えるものだと感心してしまう。

民主主義の根幹には国民の投票により(間接的に)決定されるという「最大多数の最大幸福」が基本にあり、その制度を守っていくのは国民一人一人の意識と覚悟だ。
ジャーナリストが民主主義を守るなんて誤解だし、国民の知る権利を満たしているのがジャーナリストだなんて全くの誤解だ。
それより、このインターネット社会=様々な情報が瞬時に動き回る世界で、日本のジャーナリストに何ができるのかを考えた方がいい。
何が起こっているのかを知らせるのがジャーナリストの役割だというなら、その取材よりも一早く様々な現場にいる人たちが直接情報発信している現状をなんと言うのか。
イラク情勢だって、日本語情報には限界があるが、英語情報を検索すれば相当な量と質の情報にアクセスできる。
ただし、ネット社会の情報は玉石混合で何が正しいのか何を信じるべきかの判断が難しい・・・必要なのは正確な理解の元に正確な情報を正直に意味のある情報を伝えられるジャーナリストだろうか。



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