
サウジの体制批判記者をトルコのサウジ総領事館で殺害した事件で、トルコのエルドアン大統領が会見し計画的なものだと断定した。
先にも書いた通り国家間の問題として原油市場に大きく影響することはないだろうと思われるが、民間企業にとってはとても厄介な問題となりそうなことがある。
それは最近流行のESGだ。
ESG投資とは、欧米の年金では昔から社会的責任投資(SRI)の大きな柱となってきた考え方で、欧米の年金基金や国連などの国際機関の年金で採用されてきた実例がある。
国連では責任投資原則(PRI)を定めていて、国連の資金を運用する運用会社はこのPRIに署名し、毎年、この原則にそった情報開示が求められる。
最近は日本の年金、GPIFでも採用され、ESGの原則にそった運用を運用会社に求めるようになってきた。
そもそもESGは、E(環境)、S(社会的責任)、G(企業のガバナンス)の意味だが、東芝などの粉飾決算、自動車各社の排ガス・燃費の改ざん、スルガ銀行の不正融資・・・などなど多くの日本企業はESG原則のうちGの企業バンナンス問題でアウト!!となってきた。
でも、今回のサウジ記者殺害事件は、Sの社会的責任でアウト!!となる可能性がある。
社会的責任はかなり広範囲で捉えられる問題で、人権は特にセンシティブな問題だ。
過去には、海外の生産拠点で児童に強制労働をさせたとか、輸出した電子部品が海外企業の兵器生産に使われたとか、などなどで日本企業が引っかかる事例もあった。
そして、今回はサウジのジャーナリストという言論の自由の中心にいる人物を、法律に基づかない不法なやり方で殺害したという事件で、S(企業の社会的責任)の観点からすればサウジに関係している企業には投資が困難になる場合もありえる。
すでに欧米企業では、リチャード・ブランソンのバージングループが、同社の宇宙事業に対するサウジからの10億ドルの出資をキャンセルしたと報じられたが、シリコンバレーなどでサウジとの関係を見直す企業も今後増えてくるはずだ。
日本ではサウジのMBS(皇太子)から巨額の出資を受けているソフトバンクのビジョンファンドが大きな焦点となってこよう。
数兆円単位でサウジが出資した1号ファンドだけでなく、10兆円規模でスタートする2号ファンドもサウジの巨額出資がすでに計画されている。
こうしたファンド出資はサウジに直接の利益を与えるものとしてESG原則に抵触してくる可能性もありそうだ。
今後の成行きには注目が集まるだろう。
サウジでの国際会議での講演をキャンセルようだが・・・・孫さん、どうするの?
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