
リートの分散投資を考えるコーナーの最終回だ。
今回は主要なサブセクターであるオフィス、物流、ホテル、商業を取り上げてきたが、今回はそれ以外のサブセクターを取り上げてみたい。
リートのサブセクターは多様なリスク特性を持っている。
サブセクターの中心であるオフィスリートはオフィス街のプライム・ロケーションにあるオフィスビルの投資するので、土地の価値も高く変わらないしオフィスビルとしての競争力も高い不動産が中心になる・・・もっとも安定した不動産投資の王道だ。
物流リートはEコマースの潮流に乗り急成長する物流需要をベースに物流拠点を増やしているし、ホテルリートは今の日本の国策である観光立国の流れに乗り成長を続けている。
前回の商業リートも郊外型の大型商業施設か都心型のプライム商業施設かの違いがあるにしても、GDPの60%を占める個人消費の中心である不動産であることは変わらない。
その他では最近流行なのはヘルスケア・セクター、これは介護施設の建物・敷地を保有し、介護オペレーターに貸し出すリートだ。
団塊世代が70歳台になり介護サービスの需要が増加していることが背景に、介護ビジネスの注目度が高い。
しかし、不動産自体は郊外や地方にあり、不動産価格は低位安定で大きな成長は見込めない。
介護ビジネスが収益化している時はいいが、一旦稼働率が下がると田舎の土地と建物だけに値段が低く、売却しようにも売れない状態になることも考えられる。
このあたりのリスクを織り込む形で分配金利回りが高いが、短期収益を中心とした運用対象だろう。
また、レジデンシャル(住宅)リートも大きなサブセクターだ。
しかし、個人投資家はワンルームマンション投資もできるので、あえてリートでレジデンシャルを買う理由が見当たらない。
住宅・マンションならば、リートでなくても、自分で実物投資ができるし、その方が高い利回りを実現できる。
さらに税金面でも減価償却を使えるので有利だ・・・このへんの事情や税金面についてはワンルームとリート投資を比較した「素人の不動産投資(全8回)」で詳しく書いたので、参考にしていただきたい。
その他、総合リートと呼ばれるセクターもある。
これはその名のとおり、様々なカテゴリーの不動産に投資するリートで、オフィス、物流、商業、ホテル、住宅などに総合的に投資する。
それぞれのサブセクターの解説で理解されたと思うが、リスク/リターン特性、地域的な分散、不動産市場の特徴などいろんな要素が複雑に絡んでいる。
だから、総合型と一口にいっても中身はそれぞれ大きく違い、比較評価は簡単ではない。
もし1銘柄のみ保有するというならば、多様な物件を組み入れている総合型リートを買うのがいいかもしれない。
だけど、リートのサブセクターで分散投資をするとしたら、総合型リートはリスクの見極めが難しく、分散ポートフォリオに組み入れるのは避けるべきと思う。
分散ポートフォリオでは安定性のある都心中心のオフィスを中心に、訪日観光客で盛り上がるホテル、景気敏感な物流や商業を組み合わせていくのが基本だ。
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