
日本にいるとあまり感じないが、世界中で貧富の差が拡大している。
その基本的な背景には、一般従業員の賃金の伸びが低く一般家庭の資産は増えていないのに、資産価格の上昇率が高く資産家は財産を大きく増やしていることがある。
何年か前、話題になったトマ・ピケティの公式、r(資産の成長率)>g(所得の成長率)が、世界中で効果を発揮しているかのようだ。
ピケティのような長期の話は置いておくとしても、リーマン危機以降の10年間を見て、一般従業員の給与があまり上がっていないのは事実だ。
インフレ分を除いた給与単価は経済絶好調のアメリカでさえ、この10年間ほとんど横ばいで推移しているし、日本はといえば、10年どころか、20年実質給与単価は上がっていない。
新興国などでもインフレ率が高く名目賃金は上がっているが、インフレを除くとたいして上がっていない。
一方、資産価格は上昇を続けているのは衆知の事実。
リーマン危機後、NY株式の上昇率で年平均で10%以上に達し、アメリカの家計資産は所得の5倍程度であったが、今や所得の7倍と膨れ上がったいる。
所得は増えていなくても資産が大幅に増えたわけで、年収500万円の人は平均して3500万円の資産を持っていることになる・・・あくまで平均の話。
アメリカの株式だけでなく欧州でも日本でも株価が上昇しているため、トマ・ピケティの言っていること、つまり資産の成長率が所得の成長率より高く、金持ちはさらに金持ちになり、貧乏人はいつまでたっても貧乏のままだということは今の世の中に当てはまっている。
でも、このピケティの基本公式が原因で、世界中でポピュリズムが盛り上がっている気がしてならない。
一般市民の不満はかつてないほど高まっているからだ。
かつてNYでも1%の金持ちが99%の富を持っている不平等だとして、「ウォール街を占拠せよ」運用が盛りあがったことがあったが、今や、そうした不満はポピュリズムとして政治に大きく影響しているのではないだろうか?
アメリカのトランプは自分は超富裕層なのにもかかわらず、ラストベルトを復活させるだの、製造業労働者を守るだの、移民反対でメキシコ国境に壁を作るだのとポピュリズムをうまく利用している。
ロシアのプーチンも大衆受けを一番に考えている政治家だし、中国の習近平も偉大なる中華民族の復活と大衆受けするスローガンを掲げる。
ピケティのr>gが成り立っている状態では、ポピュリズムはどんどん力を増してくると思う。
まあ、今はなかなかその候補も見当たらないけど・・・日本でも安倍政権の後にはポピュリズム政権が出てきてもおかしくない。
その行先きは、ポピュリズム政治が独裁者を生みさらに過激な思想が蔓延してくるのか? あるいは、r>gの行きすぎによる資産価格の大幅な調整が起こり資産が減少するか? どちらかかもしれない。
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